中国発の危機と日本 長谷川慶太郎・岡崎久彦 徳間書店
バブル時代にそのバブルをはやした張本人であった長谷川慶太郎だが、その後その辺の事情は頬かむりしていると、佐高信辺りの批判は激しく、正にその通りかもしれない。只、マスコミ受けが上手いと言うか変身が上手というか、ここのところの長谷川慶太郎の、一般庶民受けを狙った、政治、国際情勢評論はそれなりに面白いし、確かに独創性もあり勉強しているあとは伺える。今回のこの中国の情勢に関する評論、或いは、中国問題を中心にした日米安保体制に対する評論は、著者がここ数冊の著書にて言っている事の繰り返しではあるが、まあ、人々の目を引かせると言う意味では、よく売れる本の書き方になっており、やはりこの著者は国士とかそう言うレベルではないとは思うが、マスコミ受けの評論は上手いなと思わせる。岡崎久彦はそれなりの理論家、右翼だが筋は通っており、上手く長谷川慶太郎に権威付けとして使われたと言う感じだ。東南アジアの世界にしめる経済力の比率の数字等については、数字にいささかの不正確さもあると思うが、まあ、逆に言えば中国は凄い、偉いと言った、訳の分からない連中の中国脅威論に対して、そうじゃないよと言うはっきりとした言い方の方が頭が良いとも言えると思う。それにしても、集団的自衛権は日本はもっているが行使できない等と、相変わらず馬鹿なことを言っている、あほな政治家やら、集団的自衛権を認めない為には、国を売って中国共産党とも連携しようとしている日本共産党とその共産党に投票してしまう馬鹿共の程度の低さがあるから、このマスコミ受け狙いの長谷川慶太郎でも賢く見え、本も売れると言う事なのだろうと思うが。