特捜検察 魚住昭 岩波新書
戦後の数々の疑獄事件を捜査して来た検察庁特捜部の活躍をドキュメンタリータッチで書いた、岩波新書にしては珍しいタイプの本だ。著者はジャーナリストとの事で、戦後の数々の特捜の活躍を見て来た経験と、現在になって明らかになった事実をふんだんに盛り込んであり、息も付かせず読ませる。ロッキードの田中角栄の取り調べの状況などは、正にドラマ以上のドラマと言えるだろう。又特捜検察の生い立ちについても興味をひく。リクルートや埼玉土曜会事件なども詳しいが、最近の第一勧銀の総会屋利益供与事件などまで、実に豊富な内容であり一気に読んでしまった。