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慰安婦強制連行はなかった　　　　　　　大師堂経慰　　　　　　　　　　　　展転社

恥ずべき行為ではあるが、日本軍に限らず、多くの国の軍隊の回りには売春を生業とする業者がいて、いわゆる慰安所といわれるものを経営していた。貧しさから、家族の為に働かなければならなかった女性達に対しては、衷心からの同情を禁じ得ない。

戦争当時に慰安所という施設が軍隊のそばにあったことは事実である。しかし、それらの施設で働いた婦女子は日本軍が拉致して連れてきた、あるいは騙して強制的に連れてきたものだという事実は全くない。そのような強制連行があったとする証拠は全く出てきていないし、日本に悪意をもっている一部の人たちの捏造であったことも証明されている。

しかし、平成5年8月、宮沢内閣の河野官房長官は「いわゆる従軍慰安婦に関する調査結果」を発表し、占領時の朝鮮半島において、日本軍が婦女子を強制、拉致して慰安婦として従軍させたことに対して深い反省を述べた。8万から１０万と、この時発表された従軍（軍籍を持つ）慰安婦なるものが全く存在せず、日本軍が朝鮮の婦女子を強制連行したという事実の確たる証拠といわれものはもちろんない。平和な朝鮮の村に軍隊がどやどやと乗り込んで婦女子をさらい、慰安婦として売春を強要したなどという日本極悪のイメージは、全く事実ではなく、「進歩的文化人」なる人々が捏造したものを、一部マスコミが検証もせず騒ぎ立てたものであることが、それ以降の様々な検証で明らかになって来ている。例えば、横田めぐみさん、一人の拉致でもあれだけの大騒ぎになるのに、10万人もの強制連行があったとしたら、何故、平成5年まで、その様な話が韓国側からも一つもなく、又、目撃証人の一人も出て来なかったのか。

当時、勤労奉仕としての作業に参加した女子挺身隊は勤労動員の一環であり強制連行とは全く異なるものだ。又、慰安婦とは全く違うものであり、女子挺身隊は、売春をさせられたかのような捏造を何故、日本政府は認めてしまったのか。

朝日新聞を始めとする日本のマスコミやいわゆる進歩的文化人と称する扇動分子の日本の国家的名誉を傷つけた罪は重い。

河野談話に至った、「まあ、一応謝っておこう」という無定見な日本外交も、日本の国際的地位をどれほどおとしめていることか。

韓国側の慰安婦問題に対する現在の対応は、｢平成5年に政府が談話で認めたのだから、従軍慰安婦の強制連行はあった｣とするもので、事実が談話に結び付いたのではなく、河野談話が事実となって一人歩きしているのだ。

この談話に基づいて、日韓両国の教科書は、日本軍の従軍慰安婦強制連行を事実として記載している。ありもしない、不名誉極まりないことを、両国の国民に教育しようとすることが、如何に大きな罪であるかを政府は自覚し、一刻も早く「河野談話」の取り消しを行うべきだ。著者は、本問題に関する、多くの報道資料に基づいて、事実を検証し「河野談話」に至る経緯、影響、今後を詳しく述べている。貴重な資料ということが出来る。

（発行９９年２月）

　