企業間取引、B2BをWEBで行うことによって何が起こるだろうか。それは、取引がネット上で迅速かつ、低コストで進められるということだけではない。
取引そのものが、従来の取引と全くことなったものになってしまうということだと本書は指摘する。
限りなく安価になる情報コストによって、供給者と需要家は直接結びつく。更に、多数の供給者と多数の需要家が存在するB2Bマーケットにおいては、最終顧客の満足度が取引のキーを握ることになる。
このような、B2Bビジネスの中心にあるのが、B2BExchange（本書ではB2B取引所と訳されているが、日本で現在使われているB2Bマーケットプレイスという訳の方がより言語のニュアンスを伝えていると思う）であるが、本書はそのB2Bexchangeをビジネスとして成功させるためには、どうすべきかを、現実に存在するB2Bexchangeの例を豊富に上げて解説している。その成功の秘訣として
１．特定の業界に特化する
２．業界での優位性を築く
３．中立性を保つ
４．透明性を確保して、信用を築く
５．仮想コミュニティーをつくって付加価値を高める
６．適切な戦略的提携を結ぶ
７．バーチャル企業のように運営する
といった点が掲げられ、それぞれに、該当するB2Bexchangeの具体例を上げての解説は分かりやすい。
しかし、本書は基本的にはB2BexchangeのオーナーたらんとするものへのガイドであってB2Bexchangeにおけるプレイヤーのためにかかれてものではないから、正直、実践的に参考になるという類のものではない。
（00年11月発行）