プログラムはなぜ動くのか 矢沢久雄 日経ＢＰ
プログラムは0と1の2進数で書かれている。この2進法とはそもそもどのようなものか。遠く高校時代の数学で学んで以来触れることもなかった世界だが、本書で遠い記憶がいささかよみがえった。
そんなことも含めて、正直言って「プログラムはなぜ動くのか」といわれても、さっぱりという訳で、劣等感にさいなまれていたので、本書が今ベストセラーになっていると聞いて、早速読んでみた。
内容的にはプログラマーに対する復習教材的なものではあるが、全くの初心者にもプログラムとは何かを理解させようという努力によって、かなりとっつきやすいものになっている。レジスタ、制御装置、演算装置、クロックの説明、2進法による演算の仕組み、プログラムが動く環境、OSとアプリケーションの関係、ハードウェア制御の方法など、トピックスはもりだくさんだ。
しかし、結論からいってプログラムの仕組が分かったかとなると、結局もとの木阿弥で、さっぱり理解できていない。
やはり、安直にプログラムが分かるようになったのでは、プロに申し訳ない。分からなくて当然なのだと居直ることにした。
（01年10月発行）