山川　世界史総合図録　　　成瀬治　他　監修　　山川出版社　　　　　

受験勉強の為という訳でもなく、高校時代熱心に世界史を学んだものだ。それは、高校の科目の中でも世界史が一番「面白かった」と思えたからだ。

何しろ、世界史には世界全体を俯瞰し、しかもその有史以来のさまざまな物語が濃縮されているのだから。もちろん、その後、特にフランス革命辺りに更に興味がわいて部分、部分にのめりこんでいったのだが。それでも、いつも、元に戻って世界史全般を俯瞰しようとしてページをめくったのが、当時からあったこの「山川の世界史地図」である。

今も、この世界史図録が高校生の副教材として使われていると聞き懐かしさから手にとってみた。

随分と大判になり、カラー印刷も昔にくらべかなり豪華になったと思うが、世界史の面白さを凝縮した中身の濃さ、面白さは昔と全く変わらない。この数ヶ月というもの、座右において、ちょっと暇があると引っ張り出して、ぱらぱらとめくっているが、あきることがない。

中国の春秋戦国時代の群雄の配置を見ても、ヨーロッパ中世の勢力図を見ても（フランク帝国などという懐かしい名前ににんまりとしたものだ）、なんだか昔世界史のロマンに夢踊らせた自分を思い出して愉快な気分になれるのだ。