ヒトは、こんなことで死んでしまうのか　　上野正彦　　インデックス　

ベストセラーになった著者の「死体は語る」が面白かったので、手に取ってみた。

本書も、二万体の検死・解剖をおこなったという元監察医が書いた死体、および死に関する本であり、一般ではとても想像もつかないような薀蓄や、話題に溢れている。

先の著書に比べると一項目当たりせいぜい1-2頁の短いコラム調の短文で綴られているから、「死体は語る」のような随筆的な部分は少ないが、それはそれで更に読み易いものとなっている。

ヒトは意外なことで簡単に死んでしまうことがあるというのは、例えば「おならがたまり過ぎて死んだ」とか「パンくい競争で死んだ」等々の数多くの例を上げてそれぞれ説明されている。又、自殺体がいかに悲惨な状態になるか、あるいは餓死とか、ショック死した死体はどのようなものなのか、「人間眠らないとどうなってしまうか」といった死および死体の不思議、謎が次々と展開していくので、一気に読み切ってしまう。もうあと何冊か著者のものを読みたくなった。やっぱり死というものに対しては、人は怖れるとともに、汲みつきない好奇心を持っている所為なのだろう。

まあ、そんなに焦らなくてもいつかは一度は経験できることではあるのだけれど。