のはなし　　　　　　　伊集院光　　　　　　　　宝島社　　　　　　　

タレントである伊集院光が携帯電話会社のメルマガに連載していた面白コラムの中から80余りをピックアップしたのが本書だ。

ラジオパーソナリティーとして活躍している元落語家のタレントらしく、その辺にいくらでもいる面白いお兄ちゃんがしゃべっている、といった感じの一つ一つのコラムはさほど長くないが、ちょっと面白い発想、「そうそう」と頷きたくなるような話、といった類の80篇ほど掲載されている。

伊集院光という人自身が、結構ユニークな人のようで、高校中退で落語家楽太郎の弟子となり二つ目で廃業、今は中堅タレントとして活躍している体重135キロ、足のサイズ31CMという人だけに、取り上げるテーマには中々常人とは違ったところもあって面白いのかもしれない。

その一方では、彼は下町生まれの下町育ち、父はライオンで「ゴキブリ全員集合」の研究開発をしていた実直なサラリーマンであったが、小さい頃からいたずらの限りをつくし、中学、高校生では不良であったことからの思い出ばなし、妻のこと、身内のこと等、至極ありふれていながら共感をもてる話題などもあり、その配分のころあいがなかなかよい。

週刊誌の短いコラムを集めたような本だが、最近はこの手の本でもかなりの部数がいくものがあるというし、本書も中々売れているようだ。