カンタベリー・パズル　　　　H.E.デュードニー　　ちくま学芸文庫　　

テレビのクイズ番組などでもよくお目にかかる数学パズル、最近は頭が固くなっている所為かどれもこれもさっぱり答えられないけれど、出題されると思わず紙と鉛筆を持ってきて挑戦してみたくなる。

解答を聞いて「ああ、なんだ！」と思うだけでも脳トレにはなるとはいうがやっぱりさっと解けた昔がなつかしくなる。

今や世の中パズルブームだそうでこの種のパズル問題集も多いけれど本書は今から約100年前にイギリスでパズルブームを巻き起こしたという元祖パズル本である。

チョーサーの名著「カンタベリー物語」はカンタベリーに巡礼に訪れた巡礼者たちが語る物語からなっているが、本書はそのチョーサーが記録にのこさなかった巡礼者たちが一人一題だした数学パズル集という筋立てになっており、中々洒落たストーリー仕立の問題114題、そしてその問題の解答が載っている。

正直言って自分にとっては全てが超難問であり中々歯が立たない問題ばかりとさえいえるだけに、暫く考えては見るものの直ぐに諦めて解答を見てしまうから全然「パズル」にはならなかったけれど、まあ、多少は「頭の体操」にはなっただろうか。

時間を作り、一日一問程度は再挑戦してみようかなと思わせるほど魅力的なパズルが満載されている。