シュレディンガーの妻は元気か(1)　　 　　中島沙帆子 　　　　　竹書房　 　

左脳思考と右脳思考だとか理系と文系、あるいは理論的、感情的といったように男性と女性の思考や行動には大きな違いがあるのではないかということはよく話題になるし、実際自分自身日常生活に於いて思い当たることも多い。

この4こまマンガは徹底的に理系である夫と、それとは正反対、理詰めには弱くなにかと感情的な衝動で考え、行動する妻という夫婦の行き違いを描いていて笑わせてくれる。(夫婦喧嘩になると、理詰めの夫と、ただ感情的な妻の間で漫才のような諍いがあるなどということはどこの夫婦にもありがちなのではないだろうか−−−−泣き叫ぶ妻を前に、夫が沈黙し、結局妻の勝ち！ということになる）

このマンガに出てくる夫婦とは、妻のモデルは著者自身、夫のモデルは著者の夫なのだとか。それだけに、読んでいて普通の夫婦間でも「あるある」と思うようなエピソードがいくつもあり、なんともおかしい。

部屋のインテリアとして何か絵を飾りたい妻のチカちゃん−−夫の修平が持ってきたのはまず視力検査表、そして第二案が元素周期表そして第三案が進化系統図という4こまがあったけれど、もちろんそんな極端なことはないけれどどうしても世界地図だとか歴史年表を壁に張りたいタイプである自分からするとこの修平の行動はすごくよく理解できる。

もちろんそれをお花の絵などを飾るのだと、夫のアイデアを拒否するチカちゃんの気持ちも。