図書館戦争　　　　　　有川浩　　　　　メディアワークス　

図書館戦争シリーズは全4巻、テレビアニメ化もされたという人気シリーズだが本作はその第一巻。

物語は西暦2019年、正化31年の近未来日本だ。

昭和の最終年、日本にはメディア良化法という名の検閲制度が敷かれ、「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる」メディア良化委員会傘下のメディア良化特務機関が武力行使をともなう検閲権限を行使している。

この強権的な検閲機関に対抗することができるのは図書館である。図書館はおなじく図書館法によって武力行使権限を有し、言論弾圧に抗して表現の自由を守るために良化特務機関との激しい抗争を繰り広げる。

テレビアニメ原作ということからも想像できるように、SFマンガ的な筋立ての下、近未来SF小説かつ恋愛小説、青春小説が展開していくとのだがこの作家の手慣れたストーリーテラーぶりも楽しめ、なんだかマンガのページをめくるようにすいすいと読めてしまう。

近未来SF作品というよりは荒唐無稽さが売りのスラップスティックと言った方がよいかもしれないが子供も喜びそうな面白いストーリーということはできる。

読書にエンターテイメント性を求める人にとっては面白いとは思うが、「くだらない！」と思う人もおおいだろう。