図解 相対性理論と量子論　　 　佐藤勝彦監修　　　　PHP　　

アインシュタインの相対性理論がそれまでのニュートン力学常識に与えた衝撃は多大なものであり、相対性理論こそが究極の物理論だろうとさえ考えられたが、この理論は、極小の世界に上手く適用できないという矛盾を孕んでいた。

そこに登場した量子論だが、極小の世界を見事に説明する理論であることは、（渋々ながらも）アインシュタインも認めざるを得なかった。この二つの理論は、20世紀に人類が手にした宇宙の仕組みを知るための強力な武器である。

しかし、相対性理論と量子論の相性は悪い。量子の世界では相対性理論は意味をなさぬ場合があり、マクロの世界の記述には量子論は必要ない−−−ともいえる。

はてさて、この世界の全てを統一的に記述できる理論とは一体いかなるものなのだろうか――。

といったところが、現在の相対性理論と量子論についての概観であり多くの科学者が目指す統一理論への道のりだ。

これは、繰り返し多くの書物の伝えるところであるが、こういった科学論の現状を、見開きのページの半分に文、半分は絵という形で易しく解説したのが本書である。

一見、子供向けではないかとも思える程

にとっつき易い一冊であり、短い時間で相対性理論と量子論をおさらいしたいという科学ファンには気軽な一冊としてお勧めできる。