この年齢だった　　　　　　酒井順子　　　　　集英社　　　　　

この人の「ズルい言葉」などのユニークな着眼に基づくエッセーは、話題性にも富み、同年代を中心とした女性達に人気があるようだ。

本書も、そういった女性読者を意識した着眼のよい軽いエッセーとなっている。

レディー・ガガ、松田聖子、マドンナ、マザーテレサ、清少納言、キューリー夫人、とまさに順不同の女性達を取り上げ、その人たちの「転機」となった年齢、出来事を取り上げるというもので、多分、女性達にとって「ちょっと、自分の人生の参考になるかもしれない」と思わせるような仕掛けになっていると思う。

人選がどういう基準なのか、と思ったが読んでみると要するに著者自身が、「気になる女性達」ということのようだ。

アラフォーの「普通の女性」である彼女が気になる女性、というのだから読者である同世代の女性達にとっても気になる存在であるはずであり、こういった着眼こそ、人気エッセーストとしての著者の真骨頂ということなのだろう。