図解雑学 指数・対数　　　　佐藤敏明　　　　　ナツメ社　

高校で指数・対数を学び、更にそこから指数関数・対数関数、そして指数関数･対数関数の微分・積分に進み−−−と行ったはずなのに、いつの間にか分からなくなったままに数十年が過ぎてしまった。

数学のあれこれに引き続き興味を持って趣味的に数学に関する本を読んでいると、やはりどうしてももう一度、この指数・対数を一からやり直さないと、数学が趣味なんて恥ずかしくて言えないということをひしひしと感じる。

しばしば出てくる「ネイピア数」や「オイラーの公式」「波動関数」を本当に理解することができない！のは指数・対数からはじまる一連の学習がいい加減に終わっているからだと何十回目かの反省をし、まずは手始めにと手にとったのが本書だが。

非常に分かりやすいまさに「入門書」ではあるが、その内容は思いの他に高度であり、最後には波動関数やオイラーの公式に迄至る本書は、軽い気持ちで「入門書」だと手にとった自分の甘さを更に反省した。

現在も、結局、再びどこかで迷路に迷い込んでしまった感覚だ。

多分、一度や二度通読した位では当初の目的である「オイラーの公式」の真の理解には到底届かないと思う。座右において数ヶ月かをかけてじっくりと幾度も読み返す必要がありそうだ。

もっとも、オイラーの公式から導かれる、オイラーの等式　e^(iπ)+1=0の不思議な美しさを真に理解することは、例えばゼロとは何か、無限とは何かを「真」に理解するのと同じように、天才といわれる史上数人を除けば不可能であるようにも思わないではないが。