知の逆転　　　　ジャレット・ダイアモンド他　　　NHK出版　　　

元NHKディレクターのサイエンスライターである吉成真由美による「現代の知の巨人」といわれる6人へのインタビュー集が本書だ。

6人とは名著「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレド・ダイアモンド、生成文法理論のノーム・チョムスキー、神経学者のオリバー・サックス、人工知能の父マービン・ミンスキー、数学者のトム・レイトン、そしてDNAの二重らせん構造を明らかにしたジェームズ・ワトソンだが、この6人を選んだということ自身に吉成真由美という人物の教養の高さ、構想力、構成力を感じる。この6人とのインタビューは以前NHKで2週に渡って放送されていたことからすれば、吉成個人に加えてNHKの教養番組スタッフのレベルの高さに負う所も多いのかもしれないが。

6人がいずれも現代の知性のさらに一段上から、人類、文明、環境etcの全体像、未来像を見ているという意味では、日頃自分が見ていた世界を全く異次元から見る視点のヒントを貰ったような気がして、まさに「目から鱗」の思いさえした。

それぞれの「知の巨人」たちの主張をまず読んで欲しい、読後、あなたが少し成長したような気分になれることは間違いないから。