李登輝より日本へ贈る言葉 李登輝 ウェッジ
第二次大戦に於いては、日本は悪い事ばかりしてきたし、今もちょっと目を離すと再び、軍国化してアジアに害悪をもたらすに違いない、という中韓両国による政治宣伝に対して、「いや、そんなことはない、戦前の日本は、数々の良い影響をアジアに及ぼしたし、今もそうだ。日本人よもっと自信を持ちなさい」といってくれる国や人も多いが、今年91歳になる李登輝はその代表といってもよい存在だ。
彼は「22歳まで日本人」として育った台湾人であり、40年余りに亘って国民党政府による戒厳令下で民権が抑圧されていた台湾で民主化、近代化を実現させた元中華民国総統でもある。
彼の主張は、日本国内でさえも左翼といわれる勢力が貶めようとする日本の歴史、と今現在の世界における存在位置について、「台湾が近代化できたのも、かつての日本の教育、日本人が教えた公に対する奉仕の精神があったからこそだ」という。
東日本大震災の際に、逸早く220億円もの義援金を寄せてくれた台湾に対して、時の民主党政権は、中国に気をつかうばかりに、その支援を妨害すらしたが、そういった日本の対中、対韓姿勢こそが、日本人の自虐体質を益々強くしているという。
反省すべきは反省しながらも、かつて我々の父祖が持っていた気高い国としての矜持を取り戻すべきだ、という李登輝の叱咤こそが、今の我々にとって必要だと思う。
（14年6月発行）