官房長官 星浩 朝日新聞出版
副題が「側近の政治学」とあるように、官房長官は首相という国の最高権力者の最も身近な立場にいる。
側近である官房長官は、内閣運営においては、首相の女房役と言う立場ではあるが、家庭において女房がそうであるように、時には首相以上に「内閣の顔」ともいわれるように主導的立場にあり、又、逆に首相を表に立てるための黒子役という立場もこなさなければならない。
本書はそんな官房長官という立場を、その職務範囲、権限、日々の仕事などの多方面に亘って紹介、分析、又、歴代の官房長官をタイプ別（子分型、兄貴分型等）に分けるとともに、歴代の首相、官房長官コンビを挙げて分析するなど、政治講談的な話題満載の一冊だ。
その他にも、官房長官の裁量といわれる官房機密費の実情、官房長官を支える各組織の実態なども興味深い。
官房長官は、首相への登竜門といわれることもあるが、官房長官がいつごろ、将来の首相への野望を抱くようになるのか―――といった話題も中々面白かった。
（14年6月発行）