林業男子 山崎真由子 山と渓谷社
三浦しおんの「神去りなあなあ日常」を原作とした映画「woodjob！」を観た。
原作は読んでいないが、林業という余り人々になじみのない世界に飛び込んだ現代の若者が、50年、100年先を見据えた産業である林業、そしてその林業を取り囲む日本の山林と言う自然の営みに目覚めるという物語は、中々面白く、色々な示唆に富んでいた。
本書は、そんな林業に取り組んでいる様々なグループを対象に、いま林業に興味を持つ若者達への一種のガイドブック的な一冊である。
「woodjob！」の監督へのインタビュー、東京都檜原村で、林業を営む若者達のグループ「東京チェンソーズ」、1200年の植林の歴史を持つ高野山であたらしい林業ビジネスに取り組む林業コンサルタントなどの紹介を通じての、多角的な林業アプローチは面白い。
一時期流行った自然保護をうたった「マイ箸」運動は、国産間伐材を使って森の再生に役立っている国産割り箸にとっては大逆風であったいってみれば「間違った（というよりは逆効果を生む）自然保護活動｝であったことなどが述べられている。マイ箸運動を提唱した責任者！出て来い！である。
（14年5月発行）