犯韓論 黄文雄 幻冬舎
朴槿恵大統領が中国に行って安重根の銅像建立をお願いし、あるいは在米韓国人が全米各地に「慰安婦像」を建てて回るなど、何しろあることないこと、日本の悪口を言って回るのはなぜなのだろうか。
このように、日本人は相手を慮るばかりに相手の不可解な行動に対してもすぐに「なぜだろう」と考え、どうにか理解しようと努力するが、1938年台湾生まれの著者は、韓国人の行動や思考を、日本人が理解することは無理だと説く。
中国の朝貢国としての韓国の歴史が、全くの捏造やウソでさえあたかも事実のごとく言い立て、自己主張のみを突きつけ、まくしたてる一方、他人のいうことを一切聞こうとしない彼等の民族性を作ってしまっているからだという。
確かに、朴槿恵大統領自身もみずから日本に対する「千年の怨み」を言い立てている。千年の怨みとなれば、もうこれは、日本が何をやっても、消える訳もないだろうし（河野談話のようなその場を収めようとしての妥協が、その後の日韓関係を更に悪いものにしてしまった例もある）確かに、著者の言う説は説得力がある。
思いやりは日本人古来の民族的特質であるし、それが悪い訳ではないが、他人本意の思いやりは避けるべきであり、中韓による横やりをいちいち容認すべきではなく、日本人としての原則を離れ魂までも消失するような妥協をするべきではないという著者の主張には大いにうなずくところがある。
（14年3月発行）