私、食虫植物の奴隷です 木谷美咲 水曜社
多肉植物だとかラン、あるいはバラといった植物のマニアは多いが、本書が取り上げている食虫植物にも、ファンは多いようだ。
自らは動くことができない植物であるにも関わらず、「捕食」するというなんとも不思議な生き物、食虫植物、確かに面白そうではある。
本書は丸ごと食虫植物で埋められてはいるが、決して研究書ではない。
歌手のファンクラブ冊子のような趣で、著者自身とその食虫植物仲間との交流、栽培苦労話、自生地探検記、等や、巨大な食虫植物栽培農家訪問記などに加えて、遂には食虫植物試食報告に至る、食虫植物ラブ狂騒曲的な一冊になっている。
イラストなどによるとちょっと変わった感じの食虫植物女子であるらしい、著者自身のいささか型破りとも思える行動や思考も面白いエッセー風にまとめられており楽しめる一冊である。
（14年7月発行）