アジア親日の履歴書 丸山ゴンザレス 辰巳出版
中韓朝の反日は理屈というよりは体質のようなものであり、ある意味では、無視するしかないようにも思うのは、その他のアジア各国は押しなべて親日的でいてくれるだけに、それなら中韓朝との関係改善に無駄な労力を注ぐぐらいなら、その労力を親日の国々とのより親密な関係作りに注いだ方がいいのではないか等とおもったりもするからだ。
本書は、親日的といってもよいアジアの15カ国を取り上げ、著者自らの実地体験なども交えて日本との関係の現状を描いている一冊だ。
戦前、戦時下における日本がこれらの国々で培った親日の芽が、今や日本人自身が忘れているのに、こういった国々ではしっかりと育っていること、あるいは、最近のアニメなどの日本のサブカルチャーがこれらの国々でおおいに受け入れられていることなどを、詳細に述べている。
もちろん、戦時の日本のこれらの国々での行いのすべてが、歓迎されている訳ではなく、多くの禍根を残した部分もあるが、そういった点も、公平に述べられていて、そういった傷が、日本とそれらの各国の間で、どのように修復されつつあるのか、あるいはどうやっていくべきかについても提言されており、偏った「自分褒め」に陥っていない点も好感がもてる。
反日のままの中朝韓三国にはない「未来志向」がこれら親日15ヶ国と日本の間にはあるということのようだ。
（14年6月発行）