ふしぎな国道 佐藤健太郎 講談社
鉄道マニアだとかアニメマニアという時に使われるManiaの元々の意味は、「異常な熱意」である。
本書は国道マニアの第一人者として知られる著者の「道」、特に国道に対する他人からみたら異常にも見える熱意を語った一冊である。
なぜ、著者がそこまで国道を面白いと思うのかを、様々な角度から情熱を込めて語っている―――というスタイルの一冊だけに読了すると、なるほど国道マニアというのも結構面白そうでではあるなぁ〜 という気にはなってくる。（だからと言って、自分もやってみようかという気にはならないけれど）
鉄道マニアに比べると、国道（もしくは道路）マニアの数は圧倒的に少ないらしいが、そんな弱小グループながら、その中には、また色々細かいグループがあるらしい。
中でも、「酷道マニア」という一郡がいるらしくて、国道とはいうものの人も踏み入れないような山道になっている国道、片側が断崖絶壁で「危険！ 落ちたら死ぬ！」という標識が立っている国道など、全国の「酷道」の紹介、そしてなぜこのようになってしまっているかの薀蓄等、語り始めたら止まらないといった感じで章が進むのは、まさにマニア本ならではの一冊ということだろう。
全国津々浦々にある「誤字道路標識」を探し写真にとって喜ぶマニアやら、かの有名な階段国道や、エレベーター国道、アーケードになっていて車が通れない国道等、変わり種国道の紹介なども実に楽しい。
(14年10月発行)