「反日韓国」の自壊が始まった 呉善花 悟空出版
「日本人とはxxである―――」あるいは「XX人は○○である―――」といった類の、ある国民、あるいは民族を包括的にとらえ、他の国民、あるいは民族との違いを通してその独自性を論じるいわゆる「民俗論」「XX人論」はなぜか人気がある。
一つの民族の中の個々人はそれぞれに異なっており、それを十把一絡げに「xx人は、○○である！」と断定してしまうことが果たして正鵠を射ているのだろうかと思うと大いに疑問のある論議ではあるが、例えば「他の国の人間が日本人をどうみているのか？」とか「xx人はどうしてこうまで日本人と違っているのだろうか？」という疑問に対する解答の一つとしてこの種の「民俗論」は確かに面白い。
隣国でありながら日本人と違ってなにかというと激しやすく近年でいえば、日本人が辟易するほどに執念深い「謝罪」要求を繰り返す韓国人については、「なぜあの人たちはそうなのだろうか？」という問いは多くの日本人がもっているのではないだろうか。
そんな意味では韓国出身（現在は日本に帰化している）の著者の韓国人論は、ことの正否はともあれ、なんだか妙に納得の行くものであり、実に面白い一冊だった。
近年でいえば、セオゥル号の沈没事故やそれに続く地下鉄事故、ビルの崩壊といった日本ではちょっと考えられないような安全軽視と、その事故責任論のあいまいさとか、外国にでかけてまで日本人の悪口（としか思えない）を言って回ってそのことによって各国を辟易させている韓国人と韓国政府の常軌を逸した（としかおもえない）行動パターンなどについての著者の分析は、大いに納得がいくものだった。（著者は、「謝れば和解」の日本と「謝ったら負け」の韓国という文化の違いを、両国民がお互いに全く理解していないことが「繰り返される謝罪要求」の原因だと喝破する）
そんな日本人と韓国人の思考バターンの違いは、実は韓国と日本の間の歴史や社会構成の違いといった深いところに根差しているのだという指摘も、説得力に富んでいて面白い。
一言でいえば、「大人気ない」と思われることはなるべくやらないように、あるいはそういう場面を避けようとする日本人と、「大人気ない」とおもわれようがどうだろうが、自分の主張を例えウソをまじえてでも大声で叫ぼうとする韓国人―――といった違いがあるようにも思えるが―――そうだとすると、両国民が理解し合えるなどという日は、まだまだ来ないのではないかという気もしないではないが－－－。
(14年11月発行)