バッテリーの基本 里崎智也 東邦出版
サブタイトルが「高校球児に伝えたい プロでも間違うバッテリーの基本」とあるが、まさにずばり本書の内容をあらわしている。
千葉ロッテの主戦捕手として、そして世界一にも輝いたWBCの日本代表チームの捕手として活躍した著者は、日本プロ野球界の歴代名捕手の一人にも数えられるが、（特にキャリアー1003試合出場で捕逸がわずか19回―――52.8試合に1回―――という驚異的な記録を残している）
その著者が、基本から丁寧に解説した捕手の理論書が本書である。
言及されている捕手技術とはもちろん基本中の基本である捕手の構えかはじまり、この項目だけでも人差し指の向き、右手の位置、ピッチャーへの意思表示の仕方といった細部に亘る技術基本、さらにはワンバウンド投球のブロッキング編、スローイング技術、ホームブロック、フィールディング、配球の要所、トレーニング編と捕手としての全ての技術が写真解説を豊富に使い丁寧に説明されている。
さらには里崎の持論である「捕手として成功するにはバッティング技術が必須」（打てないキャッチャーでは出場チャンスがない！）に基づくバッティング技術論にも多くのページ数がさかれているが、セパ通じて強打者捕手が見当たらない昨今、現役の捕手達にも是非読んでもらいたい1冊だと思う。
（15年8月発行）