崩壊朝日新聞 長谷川熙 ワック
在米韓国人などの執拗な圧力によって加州の教科書に「日本軍による性奴隷の被害」が載ることになったという。国連人権委員会に於けるクワスワラミ報告が、この日本による性奴隷問題をなんの根拠もなく「日本による人権侵害」だとして非難する声明を出したのもその大本は朝日新聞による吉田清治という詐話師の作り話を30年に亘って報じ続けた虚偽報道が基になっていることは朝日自身の誤報・訂正によって明らかである。
30年間にわたる虚報とその上塗り、虚報であることを知ってからもその事実を糊塗し続け、あるいは虚報を認めざるを得なくなってからも問題のすり替えや居直りに終始し続けたこの新聞社の日本人の末代にまで及ぶであろう許しがたい犯罪は、非難などというレベルで済ませることのできないものだ。
しかるに、結局、朝日新聞がこの世界に拡散してしまった虚報を、世界を回って訂正して回るとか、全面的な謝罪をしたかといえば、それは全くなされていない。（そして、結局、加州の教科書には「性奴隷」が記載されることになった）
朝日新聞社のこの一連の問題に関する追及本は、様々な方面からなされており、中には「朝日新聞有志」なるグループによる内部からのものも出てはいるが、結局はこの30年間なぜ放置してきたのか、あるいは何を今更、告発めいたことを言って「自分には本当の責任はない〜」といった言い訳をしているのか！といった嫌悪感はぬぐえない。
長く、朝日新聞で活躍してきたという著者による本書も、基本的には、やはり「何を今更！ ではなぜ今まで黙っていたのか！」という感はぬぐえないし、事実各所に「自分はおかしいとは思ったのだが、どうにもならなかった〜」といった調子の、言い逃れや責任転嫁が見られることに大きな不満がある。
もっとも、この慰安婦報道の虚報の根本原因が、今現在も安保法案を「戦争法案」というレッテル貼りをして、虚偽を交えた政治プロパガンダを続ける朝日新聞の戦前からの偏った偏向姿勢に基づくものであることを、多くの虚報問題を例にあげながら説いている点には、「なるほど、朝日内部の人間でなければ、ここまでの分析はできないだろうなぁ〜と思わせるものがあり、一読の価値はある。
戦前のゾルゲ事件に絡み日本を中国侵略に駆り立てることによって共産主義革命を実現させようと企てた尾崎秀実、そして、天皇を戦争犯罪で有罪とした女性国際法廷を主導した松井やよりによる朝日新聞の社論の壟断や、自民党によるNHK番組改変圧力、という全くの虚報等々、まず左翼変更的、反日本的な政治目標をたてて、事実を捏造し大衆を世論誘導することこそが、同社の使命であるとするその報道にあるまじき体質---等の指摘は、さすが内部の人間でなければできなかっただろうなぁ〜とほ思う。
ただ、本書に書かれた事実を知ればしるほどに、結局のところ朝日新聞は、いまのところ頭を低くしているだけで何の反省も謝罪もしていないこと、又、する気がないことに対する怒りが沸き上がるし、やっぱり、著者もなぜ今までこれらの事実を告発してこなかったのか！（何を今更！）という思いは増すばかりではある。
（15年12月発行）