韓国はどこへ？ 黒田勝弘 海竜社
スーパーのレジ前の床でお菓子を買って欲しいと駄々をこねて泣き叫ぶ子供に「仕方ないわねぇ〜」と渋々お金を払ってやる母親も、それが度重なるとそのうちに子供を完全無視、さっさとレジを済ませて店の外に出てしまう―――仕方なく子供は泣くのを止めて母親を追いかけるが―――待っているのは母親の冷たい視線と叱責にそれからしばらくの気まずい思いだ―――あんなことをしなければ良かったと反省してみてももう後の祭りだ。
韓国と日本の関係に似ているような気がしないではない。以前は駄々をこねる子供に折れて買い与えていた母親も、あまりの度重なるわがままに最近はキレてしまい叱ることもせず、その子を置いて店を出ていってしまう状態になっている―――。
非常識で国際儀礼を欠いた韓国首脳の「告げ口外交」や、海外での「慰安婦像設置」などに、今や日本は辟易としてしまいなだめることも止めて「完全無視」状態になりつつある。
かつてはそういった韓国の動きに対して「嫌韓」といった極端なリアクションでの反応がかろうじてあった日本だが、今や韓国ときけば「教えず、助けず、かかわらず」の非韓三原則が叫ばれるようになってしまっており、一般世論も「もう、韓国とはかかわらないようにしよう」といったムードが強い。
韓流ブームの時には大挙して訪韓したオバサンたちも今や韓国向けのパック旅行がいかに安いといえどもさっぱり数が集まらないし新大久保のコリアタウンは風前の灯という有様だから―――変われば変わったものだ。
本書は長く韓国ウォッチャ―として活躍してきた著者が、韓国の国民病ともいえる「日本に構って欲しい病」の原因、国際的非常識ともいえる反日病の原因を歴史、そして韓国人のメンタル面から迫った一冊だが、かつての嫌韓ブームの時ほどの売れ行きはないらしいから、やはり今は「非韓」意識の方がよほど強くなっているのかもしれない。
（16年2月発行）