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ざんねんないきもの事典 今泉忠明 高橋書店
この手の「生き物に関するうんちく本」は、出版する度によく売れること間違いなし、なのだそうだが、本書もそんな受けを狙った一冊なのだろうが、豊富な漫画イラスト、短いコメントといってよい説明文、話題の珍奇さ、豊富さ、でこの分野のベストセラーを続けているらしい。
生物が進化していく過程において様々な形質をもつことになり、その特徴こそがその生物が今も生き残っている大きな要因になっていることは（例えば人類が他の動物に比べて不格好なほどに大きな頭をもっているからこそ脳が発達し、今や生物界の頂点にいるような）進化論の正しさを証明する重要な証拠であると考えられているが、中には、「なんでこんな形や形質をもっているのか？？」とおもえる、まるで進化の失敗作のような生物も多いが、本書はそんな「ざんねんな」生物をあつめ、おもしろ可笑しくイラストを加えた絵本ともいえるもので、小学生の孫などでも大いにたのしめそうな一冊だ。q
「ゴリラは知能が発達しすぎて常にストレスを感じているので下痢気味である」「カメムシは自分の臭いが臭すぎて気絶する」なんていう話は、確かに「進化の行き過ぎゆえの失敗」と思えなくはないが―――いや、これこそが進化の賜物なのだ！という反論もありそうな気もするが。
（16年5月発行）