タカさんの読書日記索引に戻る
宇宙には、だれかいますか？ 佐藤勝彦・監修 河出書房新社
この広い宇宙の地球以外の星に生命は存在するのだろうか？という問いは古くから我々人類が持ち続けてきた最大と言ってよい謎だ。
科学の発達とともに「宇宙」の範囲がどんどん広がり今や差し渡し400億光年の範囲に宇宙が広がっていることが分かっており、又、太陽系外にも多くの地球型惑星があることが分かってきているから、確率論的にはどうもこの広い宇宙には、きっと数限りない星に生命体がいるに違いない！とは言われてはいるものの――――果たして、そういった地球外生命体と我々が遭遇する機会となると、この宇宙の広大さからすれば確率は限りなくゼロに近いとも思えてくる。
そんな、我々人類の疑問、すなわち「この宇宙には、我々以外にだれかいるだろうか？」という疑問を、宇宙における生命の研究（アストロバイオロジーと呼ぶ）に携わる18人の科学者に尋ねたのが本書である。
多くの科学者がこの宇宙には多くの生命がいるに違いないと確信しているものの、それ等との遭遇、あるいは生命体の痕跡を捉えうる可能性についてはかなりネガティブであることは予想通りであるものの、それぞれの科学者にこの疑問をぶつけることは、それぞれの科学者に「生命とは何か」というある種哲学的な問いをぶつけることになり、各自のユニークな回答は、それ自身、この「アストロバイオロジー」の奥深さを感じさせるものである。
刺激の多い一冊であった。
（17年2月発行）