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マグマの地球科学 鎌田浩毅 中公新書
火山の噴火はその下にあるマグマにたまったドロドロに溶けた溶岩が噴出することによって起きる―――ということと、地球の内部にあり高温の熱で煮えたぎっているマントル、という二つの関係を、なぜか「マグマはマントルの一部が溶けだしたもの」―――と理解をしていたのだが、つい最近、この両者の関係はそうではなく、両者は似て非なるものだと知り、驚いてその詳細を知るべく探し当てたのが本書だったが、一読して地球地質学、火山学の分野がこんなに面白い世界なのかと知り、又同時に、マグマとマントルの関係がスッキリ分かった気がして本当に読んでよかったと思えた1冊だった。
火山列島といわれる日本に住み、火山はみなれていたし何となく良く分かっているつもりになっていたが、こんなにも内部がどうなっているか、噴火や爆発の仕組みはどうなっているのかについて無知であった不明を恥じるばかりだった。
まあ、考えてみれば、火山はあまりにも大きいし、なにせその内部が見えないし、調査しようにも余りに深すぎて容易ではなかったという所為ではあるのだろうが、それでも現代の火山学や地球物理学がそれでもここまでの知見を得ているというのだから、こういった地道な研究を続けている多くの科学者たちのおかげなのだと、日頃、「地震にせよ噴火にせよ、予知情報が当たったためしなんかないではないか！」などとバカにしていたことを、大いに反省した次第だ。
（08年12月発行）