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ことばのしっぽ 読売新聞生活部監修 中央公論新社
美しい詩というのはたくさんあるけれど、心に一番響くのはやっぱり子供の詩であるのは何故なのだろうか。
大きくなるにつれてやっぱり詩を書くときには少しずつでも「上手く書こう」という気持ちが入りテクニックといった要素が入ってしまうからこそ美しい詩になる、ということがあるからかもしれないし、例えそうではなくてもその詩を読む側がそんな発想を詩や詩のつくり手の気持ち、悪くとると「雑念」を感じてしまうからかもしれないが―――。
幼い子供の詩は、そういったことが全くなく、いわゆる純粋な気持ちがそのまま詩に現れているからこそ大人が読むとその美しさに驚き感激するのではないだろうか。
読売新聞生活面の「こどもの詩」が、50周年を迎えるにあたってこの50年に掲載された詩をえりすぐり一冊にまとめたのが本書だが、年代ごと、選者ごとに編まれている。確かに選者毎の違いは多少は感じるものの、子どもたちの発想の純粋さはこの50年変わることがないことを強く思う。
中でも美しいと自分が感動した詩のページに付箋をつけて何度も読み返している内に本が付箋だらけになってしまった。
かつて自分もいた子供詩の世界であり、又娘達がいた世界であり、さらには幼い日々の孫たちが住んでいる世界であるだけに、これらの詩の美しさに対する驚嘆は、ある種の懐かしさでもあると同時に、自分がもう二度と戻ることのできない世界への羨望でもある。
あえて一篇選ぶとしたら――次の一篇だろうか。
おとうちゃん大好き
おざわ たかゆき （栃木 小1）
おとうちゃんは
カッコイイなぁ
ぼく おとうちゃんに
にてるよね
大きくなると
もっとにてくる？
ぼくも
おとうちゃんみたいに
はげるといいなぁ
（17年3月発行）