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国立科学博物館のひみつ 成毛眞 ブックマン社
子供の頃、上野の動物園に行く度によく上野の科学博物館にも連れて行ってもらった記憶がある。
あの頃は、本館入口前に飾られているシロナガスクジラは、今のように実物等身大の模型ではなく確か骨格標本であったようなきがするのだが－－－。
今も、上野の美術館などに行った際には必ず科学博物館に行くのは、子どもの頃、あそこで感じたのと同じ、展示の一つ一つが実に面白く、興味が尽きないからだ。
科学博物館の一般展示で見ることができるのは同館が持つ展示物のほんの一部でしかなく、大部分はバックヤードに展示されずに保管してあるということだが、本書はそんな科学博物館の素顔を紹介する一冊で、科学博物館展示をより楽しむための参考になる記事が盛りだくさんだ。
内容は、科学博物館マニアである成毛眞氏が、科博の副館長である折原守氏に科博を案内してもらい解説を受けるという形になっており、豊富なカラー写真が挿入されていて中々分かり易い。
第一章は、日本館の展示内容が中心であり、例の屋外展示のシロナガスクジラのレプリカの解説に始まり日本列島の自然、生物、鉱物等が取り上げられている。まとビック的には子供の頃見たあの忠犬ハチ公のはく製やフーコーの振り子が今も人々の注目を浴びているとの話がおもしろかった。ここでは写真撮影もOKというから科博は結構開けていてありがたい。
第二章では科博の関連施設である筑波研究施設が紹介されているが、ここでは様々な生物の剥製や、あの有名なダイオウイカの標本等が保管、研究されているのだとか。又、科博が保有するコレクションの数、総数約430万点の内、展示されている約15000点をに過ぎないと聞いてあらためて科博のスケールの大きさに驚く。（その15000点でさえ全部見て回ろうとすれば恐らく数日は要するだろう）
第三章は、折原氏と成毛氏の対談で、科博の楽しみや歴史、国の独立行政法人制度が科博の運営を大変にしているといった裏話が披露され、更に第四章には、科博で2001年からの約15年分特別展のアーカイブ・チラシが2001年からの約15年間に開催された特別展のチラシが全点分、収録されており科博の日頃の活動が良く分かる。
自分にとって子供の頃訪れた科博の印象がその後の自分の科学に対する目を開かせてくれたことを思い出し、特に子供達には是非とも何度でもここを訪れて欲しいものだと思う
（17年3月発行）