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日本仏教史 ひろさちや 河出ブックス
開祖シャカば仏教を始めたのが紀元前5世紀頃というから仏教は世界の三大宗教の中では最も歴史がある宗教ということになる。
それだけに、世界に広まり、又長い歴史経る中で、その中に様々な宗派ができてきたのは当然といえるだろう。
日本の仏教は最初に仏教が大きく分かれた潮流、小乗仏教と大乗仏教の中の大乗仏教の潮流の中にあるが、当初日本に伝わった当時からの国家鎮護仏教の時代から、徐々に民衆が求める仏教へと変わって行き、室町期、鎌倉期には密教系仏教から、自力信仰、他力信仰などの流れがでてくるなど、これまた実に多様な仏教へと変身を遂げてきている。
本書は仏教研究者であると同時に仏教信者でもある著者による、日本の仏教史の中でも著名な12人の思想とその人物を紹介したもので、どちらかというと分かり難い日本の各派仏教の思想を分かり易く解説したもので、学術書的であると同時にやや宣教書的な色合いの強い一冊だが、中でも分かり難いといわれる一遍、親鸞系統の「他力本願」の思想についての解説は中々分かりやすかった。
（16年5月発行）