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私のプロ野球80年史 野村克也 小学館
ノムさんこと野村克也が南海にテスト生として入団したのが1954年というからまさにタカさんがプロ野球に憧れ将来はプロ野球選手になる！」と夢見ていた小学生時代であるから、本書において著者が自らの体験、思い出を交えてかたる「プロ野球80年史」のほとんどの部分は、タカさん自身が実際に見聞きした（といっても新聞記事やその後の雑誌記事などによるものだが）同時代のものであり、ほとんどの部分が「懐かしい――」と思うものばかりであり、楽しく読んだ一冊だ。
野村自身が経験したわけではない戦前のベーブ・ルースやルー・ゲーリックなどを中心とするメジャーリーグ選抜対、全日本軍、沢村栄治の快投－－－といった辺りは「プロ野球史」的部分であるが、それ以降の部分は自らが対戦した相手、あるいは同じチームの先輩、後輩、あるいは監督時代に使った選手に対する思い出や、評価がしゅであり、いつもの野村流の「聴かせて面白い」野球読み物になっている。
川上、長嶋、王に対するレスペクト、異能といわれた数々の選手等々、いま野球を語らせたらこの人ほどタカさんの年代のファンにとって面白い書き手もいないと思う。
（17年9月発行）