儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 K・ギルバード 講談社
中国と韓国が同じメンタリティーで反日姿勢をとっているとは思えないが、政治的、歴史的な背景には日本に対するジェラシーがあるという著者の意見には若干うなずける。
特に韓国の場合、歴史的には常に隣の大国、中国に従属させられその隷属といってよい立場から、その中国と対等、あるいは上の立場的位置にある日本に対するジェラシーが、彼等の妬み深いという国民性と相まって噴き出してしまう様が何だか、哀れにさえ思えてくる。
中国もひっくるめてそういう日本に対する彼等の感情を「儒教」の所為にしているところには、余り説得力はないが、中国がまさに中華思想の国であり、その周辺国の内もっとも中国に近い自分達が「俺の家は東京に近い埼玉だ！」と茨城に対して優越感を抱く埼玉の中でもド田舎に住む県民のような感情があることは何となく理解できる。
但し、この優越感が儒教からきているかとなると―――やはり外国人だけに、いささか儒教に対する誤解もあるように思う。
日本人は、どちらかというと「吠える犬は吠えさせておけ」という態度をとるのがよいと思いがちだが、そういう態度をとり続けるのものの、内心では腹立たしくもあり、無茶苦茶論理であっても、外国人が散々に中国、韓国をけなすのを聞いていささか溜飲を下げる－－－ということはあるようで、著者のこの手の著書は毎回、隠れたベストセラーになっているようだ。
まあ、韓国のそういった日本相手の嫌がらせてきな行動は、やっぱり「相手にしない」という姿勢が好ましいような気がするが－－－
(17年2月発行)