屍人荘の殺人 今村昌弘 東京創元社
ミステリー大賞を受賞しているということだからそれなりに人気のある作品なのだろう。
いまコミックで大評判の作品だからといって釣られ読みなれないコミックを手にとってはみたもののとてもじゃないが1巻だけでも読むのに苦労するのと同じで、今の自分にとっては最後まで読むのが結構苦痛の部分もあった。
そもそもクローズドサークルでの殺人ミステリーというプロットが、江戸川乱歩作品やアガサ・クリスティーを読んでいた時代からもうウン十年も経った身には、興味が湧かない。
新聞の書評で惑わされて買っては見た物の－－－もうこの年ではこの手のミステリーというか探偵物は無理なようだ。
ミステリーというだけではなく、ゾンビが大量に出てくるなど、漫画的オカルト要素を入れると新聞の宣伝文句にあるように、「本格的オカルトミステリー」になるらしいのだが―――いや、正直なところ全くついていけなかった。
（17年10月発行）