忘年会費

バブル時代を経験したサラリーマンの方々にお聞きしたいのだが、会社の部や課単位で開かれる忘年会で個人はどれ位の会費を払ったか覚えておられるだろうか。

多分一人頭1万円以上はするような会場での忘年会なのに、男性3000円、女性1500円等という低額会費を払えば、一次会の足りない分や、二次会、帰りの車代の類までも「会社持ち」等といういわゆるバブリーな（夢のような）経験はないだろうか。

いわゆる社内接待に当たるこのような社内忘年会経費を、会社が交際費などの「経費」として税額控除することは（今も）当時も禁じられていた。そんなこともあったからだろうか、取引先の会社の忘年会には若手を一人か二人「貸し出し」て、その変わりこちらの社内忘年会には先方から若手を借りてきて乾杯までの最初の10分程付き合ってもらい「社外接待」（経費参入が認められる）という形を取り繕う−−−などということをしていた会社もあったとも聞く。

バブルがはじけて以降は、どこの会社も接待費などの経費、いわゆる冗費の削減をはかったし、ノーパンしゃぶしゃぶなどに代表されるお役人達の接待や、官官接待（役人同士での飲み食い）にも世間の厳しい目が向けられるようになって、銀座や赤坂などの高級クラブなども随分と潰れたりもしたが、企業の忘年会が減り、しかも「会社持ち」が当たり前から、参加費個人負担が当たり前になったのは、日本社会の規範意識浄化という意味では良かったといってよいだろう。マクロ経済の観点からみても、バブルの崩壊は悪いことばかりではなかった。高級なレストラン、クラブやそういう店で働く人たちにとってはまさに受難の20年だったが、「和民」やら｢笑笑｣などの比較的安い居酒屋チェーンが急成長した訳だし、そこで働くバイトの仕事なども随分増えたのだから、まあ「行って来いのチャラ」ともいえるのではないだろうか。

バブル時代、職場での人間関係を考えれば、「忘年会に不参加」という訳にはいかなかった。まして会社が経費を持つとなれば、忘年会への参加はいってみれば「残業命令の一種」みたいなものだから、嫌な上司に調子を合わせるだとか、彼氏と二人で夜を過ごしたいのにこれまたいやな同僚にビールを注がなければいけない−−−などという今ならセクハラまがいのことを強いられることもあっただろう。

忘年会も個人負担の会費制というのが当たり前になった最近なら、出欠は基本的には自由だ。自分のフトコロから金を出して「何でクリスマスの夜まで会社の連中と付き合わなければならないの？」ということが堂々といえるようになったのは−−−やっぱりいい事−−−だと思う。

消費増税に伴う税制の見直しに取組んでいる与党が先日、税制大綱を発表したが、増税後の景気の落ち込みに備える為として、資本金１億円超の大企業が接待などで支払う飲食代に限って交際費の半分までを経費とすることを認め、非課税とすることで飲食店での接待需要を促そうという案が盛り込まれた。

経費として認められ

るからといって、企業が再びバブル時代のように銀座や六本木の高級クラブで夜な夜な接待を繰り広げるようになるものだろうか。そして銀座や六本木のママたちが日本経済の景気の落ち込みを食い止めてくれるものだろうか。一度たりとも個人会費を払うような忘年会に出たこともない与党の先生方の考える景気下支え策なんて、こんな程度のものなのかと思うと笑えてくる。

お隣の中国では賄賂と接待費の不正が何十兆円にもなって国の財政が破綻に一直線だというのに―――20年間でようやくまともになりかけた日本人の規範意識をなぜ再び逆コースに向かわせようとするのか―――どうにも理解しがたいのだが。

（12/23/13 10:00pm S.T.）

4人に1人

厚労省の調査によると昨年2012年時点で、65歳以上の高齢者の約15%、462万人が認知症であり、その他に将来認知症になる可能性のある軽度認知障害（MCI）が400万にいることが分かったという。すなわち現在日本の65歳以上の高齢者の4人に1人が、認知症、もしくはその予備軍ということになる訳だ。

自分も含めた65歳以上にとって「4人に1人」という確率は、なんだかとてつもなく高いように思われる。昔と違って80歳、90歳まで生きる可能性が高くなっていることを考えれば、もし自分が長生きすれば、最後は肺炎で死ぬか、癌で死ぬかは兎も角その時点で認知症になっている可能性はなんだかめちゃくちゃ高そうに思えてくる。

全年齢を通じての日本人の死因トップは癌、第二位が心疾患、第三位が脳血管障害だが、65歳以上の高齢者が「一番かかりたくない病気」の第一位は癌でも心疾患でもなく「認知症」だという。

癌も心疾患もいくら医療が進歩したとはいえ高齢になって発病すれば余命がそんなに長いわけではないケースが多い。老齢になってからの肺炎にいたっては、患っている時間は驚くほど短い致死的な病でもあるが、高齢者の認知症の場合、その期間はかなり長い場合が多い。

記憶が失われる、認知機能が衰える、という状態が、患っている本人にとってどのように感じられるものなのか（あるいは感じられないものなのか）、全く想像がつかないけれど、想像がつかないだけに人々がこの病に抱く恐怖心がある意味では死に対する恐怖心すら上回ってしまうということなのかもしれない。

米国の俳優ブラッド･ピットが、自らが相貌失認症（別名・失顔症）を患っており、俳優引退を考えていることを告白した。相貌失認とは脳障害の一種で、人の顔をみて目・鼻・口といった個々の顔のパーツや輪郭などを知覚することはできるが、これを「一つの顔」として認識することができないという失認症の一種だという。他人の顔の判別がつかないとなれば、当然顔を覚えられないということでもある。ブラッド・ピット自身、人の顔が覚えられないので度々、名前を聞き返してしまい相手を怒らせてしまうことがあると告白しているから、50歳の若さで俳優引退を考えざるを得ないところにまで追い込まれてしまったのだろう。

自分も若い時から人の名前や顔を直ぐ忘れてしまう方だ。相貌失認とは多分(?)違うけれど、他人の名前を覚えない、すぐ忘れる、というのも実に困ることが多い。一度など立食式のパーティで紹介された人と挨拶を交わしたのに（多分名刺交換までしたと思うが）、しばらくしてからその方を再び誰か別の人に紹介されて、名刺を渡そうとして「いや、先ほど頂きました」といわれて顔から火が出る思いをしたことがある。認知症というのはこれの延長線上にある状態なのだろうか−−−。

ブラッド・ピットの告白を聞いて、4人に1人の確率を聞いて、なんとも落ち着かない気持ちになってしまった。

（12/19/13 10:00pm S.T.）

バカじゃないの！

近所のSSよりリッター1円安いガソリンを入れに、隣町のSSに出かける。40リッターいれたので40円の節約にはなったけれど、隣町までの往復で1リッター(今ならレギュラーで150円位だろうか)のガソリンを使ったとすれば――あなたの財布にとっても、「地球環境」にとっても「バカじゃないの？」である。

環境省は昨年、「電力をつかっての通常の冷房よりCo2を30％削減できる」というふれ込みの雪冷房システムの実証実験を東京都内で行ったが、その実験に関して批判がまきおこっているという。

この実証実験は3年間総額3億7000万円をかけて、北海道からトラックや列車をつかって都内に雪を運んで冷房しようというものだが、初年度にあたる2012年度の実験は、9月13日から1ヶ月間をかけて札幌から毎日4トンの雪を運び帝国ホテルで雪冷房を行なったのだそうだが、Co2の削減量が一日当り約40キロだったのに対してトラックなどの輸送で排出されたCo2はなんと120キロだったという。

大金をかけてCo2削減をはかるつもりが、結局一日当たり80キロの余計なCo2排出をしてしまった訳で、「バカじゃないの？」という批判の声が上がるのも当然だ。

環境省のお役人は、「費用対効果の数字が実証された意味はあった」などと来年度もこの実験を継続の意向だという。（確保した予算は使わなければ!というお役人らしい発想だ―――税金の無駄遣い、という感覚は彼等にはない）

しかし、雪を1200キロもの距離を運んで冷房に使えばCo2削減になる！という発想そのものがアホだと、実験なんかしないでも分かりそうなものだが、環境省のお役人は算数に弱いようだ。

しかし、環境省ばかりを笑ってはいられない。我々も、同じような「バカじゃないの？」をエネルギー政策だの、地球環境運動だのといってやっているのだから。

例えば電気自動車(EV)、あるいは水素を燃料とする燃料電池車（FCV）は、ガソリン車と違って「Co2を排出しない！」なんていう話を信じている人は多い。しかし、電気を作るためには石油、石炭、天然ガスを燃やしているし、そういった燃料を産地から発電所まで運ぶためにも多くの輸送エネルギーがかかり―――送電線の鉄塔、電線や発電機、変圧器の製造や建設でもCo2を排出していて―――とちょっと考えてみれば「EV、FCVはCo2を出さない！」という話はウソだとわかりそうなものなのに――。

自然エネルギーならば、なんでも善玉エネルギーだといわれているが、ソーラー発電や風力発電にしても、ソーラーパネルや風車あるいは配電設備を作るのに、そしてメンテナンスに一体、どれだけのCo2が排出されているかを考えてみればよい。

太陽光パネルも風車も耐用年数は決して長くない。精々20−30年で老朽化するから、そうなれば、撤去解体して―――というコストがかかりそれはとりもなおさずCo2排出をともなうのだけれど――エコ、エコと叫ぶ人たちは、決してそれにふれようとはしない。（ある大型風車の例だが一本の設置に2億円、メンテナンスの年間4000万、採算が合わないから止めた！といってかかった撤去、原状復帰に3億円だったとか）

「バカじゃないの？」ではなく「バカじゃないの！」である。

（12/18/13 10:00pm S.T.）

第一次登録

来年の日本ダービーは6月1日に行なわれるが、このレースに出るための第一次登録はその丁度一年前の今年6月1日に締め切られた。

日本で一年間に生産される競走馬は大体4000頭前後だが、ダービーの晴れの舞台に出走できるのはわずか18頭に過ぎないのだから大変な競争倍率ではあるが、何しろ一年前から数度に亘って行なわれる「出馬登録」をしておくことが大前提となる。いくら強くても、ダービー前日に「出たい！」と言ってもダメなのだ。

馬主の立場で考えてみると、例えば種馬もたいした成績を残していないし、母馬が今までに産んだ兄弟馬の成績もさっぱりだ、となれば「どう頑張っても、この馬が来年のダービーに出るなんていうことはあり得ない」と考えるだろうし、ダービー馬登録にかかる登録料がそこそこ高いことを考えれば、登録をパスしてしまおうと考えるかもしれないが、「競馬が勝負事である以上、何が起きるかわからない」と、多少の山っ気がある馬主なら(馬主は概して皆、山っ気がある)少なくとも第一回のダービー馬登録だけはしておこう、と思うかもしれない。第二回登録、第三回登録の頃には、段々自分の持ち馬の実力も分かってくる。例えばもう5回レースに出したが、まだ一度も5着迄に入ったことがない、となれば、もう次の登録は断念するかもしれないが、（登録料がムダになるだけだし、登録料も結構高いこともあって）レースが始まるかなり前なら「一応、登録しておこう！」と思う馬主が多いようで、毎年1000頭近い一時登録があるという。

なんで、こんな話をするかといえば、どうも来年早々には東京都知事選がありそうな気配がふんぷんと漂いはじめ、巷では「都知事選出走第一次登録者名簿」みたいな話がでてきており、その登録者名簿なるものの中には、「一応、名前だけは登録しておこう」とか「今まで、全く勝ったことはないが、ツバだけはつけておこう！」といった類の名前も見られることに、ダービー登録との共通点があるように思ったからだ。

そのまんま東（東国原）が、参議院議員を辞職、この突然の辞職にもっぱら「都知事選狙いではないか」という噂がある。前回都知事選で惨敗した元神奈川県知事の松沢成文氏、ブラック企業の元オーナー渡辺美樹氏なども多分、登録しようかどうか迷っているのではないだろうか。意外な下馬評としては維新の会に嫌気がさした石原慎太郎もカムバックを狙っているとか、総裁選で惨敗以降鳴かず飛ばずの息子、石原伸晃への大政奉還などという噂もある。

いやいや、以前に都知事選に挑戦した実績なら、舛添要一さん（確か今は無職のはず）なんかはどうか？という人もいるし本人も最近、いやにテレビなどに露出しているから、案外出る気満々かもしれない。安倍内閣になって影が薄くなっている小池百合子さん、民主党政権凋落以来さっぱりの、蓮舫さんなんかが出てくれば、「初の牝馬のダービー制覇（いや、ちがった初の女性都知事!）」というユニークさで東京オリンピックには追い風になりそうだ。（そうそう、女性といえばオ・モ・テ・ナ・シの滝川クリステル都知事！の方が相応しいかも）

ことしの流行語大賞にはスポーツ関係はゼロだったというから、スポーツ関係の候補者はちょっと無理かもしれない。登院停止中のアントニオ猪木さんも、ひょっとしたら登録考慮中かも。

後は、選挙に強いお笑い関係だけれども、「笑っていいとも」が終わるタモリなんかが出たら、横山ノックよりは票がとれそうだ。ビートたけしや、爆笑問題のどちらかなどもテレビの討論番組などで分かったようなことを言っているから案外いいかも。

大番狂わせならば、猪瀬さんが辞職して再挑戦、なんていう手もないではないが−−−あの空ろで憔悴しきった目を見ていると−−−まあ、これはないとは思うが−−−。

来るべき（？）都知事選の下馬評の方が、ダービー戦線予想よりも随分面白そうではある。

（12/15/13 10:00pm S.T.）

三の酉のある年は

｢三の酉のある年は火事が多い｣という言い伝えがある。

酉というのは十二支の一つだから11月の1日から6日までの間に一の酉があればその年は必ず三の酉まである訳で、確率からいえば二年に一度は三の酉まであることになる。なにしろ「華」といわれるほど火事の多かった江戸のことだから二年に一度、「今年は火事が多い年だから気をつけよう！」といっておけば、まあ、当たらずといえども遠からず、だったということなのかもしれないが―――。

過日、大鳥神社に参詣に行った際に社務所の方に｢三の酉まである年は火事が多い｣というのは本当ですかと伺ってみた。その方のお話では、昔からお酉様には夜店なども出て随分賑やかで、男たちはお酉様に参ってから吉原などへ出かけることが多かったのだとか。（吉原もお酉様の日は大門を広く開けるなどして、いつもより客が入り易くしていたらしい）火事の多い冬の時期、亭主やら若い衆が遊郭に出払ってしまったのでは、家に残された女達は心細くてしょうがないので亭主たちに｢三の酉まである年は火事が多いというんだから、早く帰っておいで！｣と言ったのがこの言い伝えのそもそもだとのことだった。

なあるほど！と妙に納得したものだった。「三の酉まである」という原因で、「火事が多い」という結果が生まれる訳ではないのだけれど、まあ世の中の出来事の大体は「何か原因がある」と考えるのが人の常だから、そこを突かれると結構へんてこな因果論が出来上がることもあるのだろう。太古の昔には、日食は神が怒っているからではないかと恐れたのも、人々が日食のメカニズム（因果）を知らなかったからだ。

昨日今日の新聞を読んでみても似たような話はある。例えば「認知症の老人、20年で6倍に！」という記事があったが、普通に考えればわずか20年で認知症が6倍にも増えた！と聞けば、「なぜだ！」となにかよからぬ原因（放射能だとか、未知のウィルス？）なんていうことを考えたり、「ストレス社会が嵩じた結果では？」などと、「現代社会原因説」などに傾く人も多いかもしれない。又、「6倍にも増えた」という「結果」はなにかよからぬ「原因」、例えば「政治の不作為による介護、福祉の切捨て」等という論理に飛びつく人達もいるかもしれない。

しかし、ひょっとしたら、かつては「ボケ」の一言で切り捨てられていた症状が、「認知症」という病名を与えられてその認知件数が飛躍的に上がったこととか、昔は少なかった高齢者比率がこの20年ほどでむちゃくちゃ増えたことなどが「6倍」という数字に表れただけかもしれない。（人は高齢になると認知機能が衰えてくるのはある意味では極めて自然なことといえるのではないだろうか）

原因があるから結果があるという因果律は確かにあるのだろうが、原因と結果を結びつける論理の中には突拍子も無い論法、意図的なでっち上げといった物もあるから気をつけなければいけない。

国際テロ防止や国家安全保障を主目的とする特定秘密保護法が成立したこと（原因）で、戦前のあの治安維持法による暗黒時代が戻ってくる、とか「オスプレイの写真を写しただけで死刑もあり得る！」などというトンデモ因果論を紙面で吹きまくる大新聞があるけれど、憲法も民主主義という政治体制も世論も全く違う戦前と今とで、おなじ論法を持ち出す、これら大新聞の隠された政治意図（原因）が、戦後の日本人の劣化という（結果）を招いている可能性もあるのではないか等とも思った。

怖い国だ！

北京や上海などの中国の都市大気汚染が大変なことになっているというニュースが連日飛び込んでくる。特にここ2−3年は超微粒子状物質といわれるPM2.5の濃度は日本の環境基準値のなんと17倍だとか20倍というとんでもない数値になっているとも報道され、画像でもスモッグで視界がほとんど利かない町の様子が伝えられるに至っては、日本でも黄砂同様にこれが風に乗ってきたら大変だ！と結構不安にかられている人も多い。

日本の新聞が中国のPM2.5のことで騒ぎだしたのは、ここ2−3年の話だから、なんとなく中国の大気汚染は急に始まったように錯覚してしまうが、既に北京オリンピックの頃からPM2.5が日本の基準値の数倍だという話は学者たちの間ではよく知られていたことだという。3年ほど前に北京観光に出かけた妻の話では、現地ガイドは北京の大気汚染を認めようとはせず、「これは霧です」と言って譲らなかったという。おそらく、政府がも最近まで大気汚染問題に関しては報道統制をしていたことで国民は大気汚染の実態をしらされていなかったのだろう。

ところが、あまりに酷い大気汚染が、外国人観光客の間で話題になったこともあって、さすがの中国政府も隠しきれなくなったということなのだろう。報道の自由のない全体主義国家では、国民はスモッグの知識も与えられず、長い間スモッグを「霧」だと信じ込まされていたというのだから−−−実に怖い国だ。

日本では日本の環境基準の10何倍ものPM2.5が黄砂と同様に風に乗って飛んできたらどうしよう、等と戦々恐々とした話にもなっているが、中国では政府は必死に「PM2.5の有害さは科学的に証明された訳ではない」、という宣伝をしているのだとか。確かに、あれだけの濃度のPM2.5が立ち込めているからといって、肺炎や肺がんで人がバタバタ死んでいるという訳でもないから、日本の環境基準が厳しすぎるだけであて、そんなに騒ぐほどのことではないなどと言う中国贔屓の日本人もいるというが、かつて、四日市の公害では四日市ぜんそく患者が多くでたことを思い出せば、あれだけの濃いスモッグが「体に害にはならない」などということはないとは思うのだが−−−。

新聞によると、中国国営中央テレビや共産党機関紙「人民日報」は、このPM2.5などによる大気汚染は、「中国人の団結を促し」、「各種の不平等が存在する中国だが、この濃霧のお蔭で人々は平等感を持つようになり」又、「濃霧を題材にしたジョークがはやるなど中国人をよりユーモラスにした」などのメリットがあったと（本気で）述べているという。

多分、政府としてももうここまで増えてしまったPM2.5だけに、今更、ちょっとやそっとの対策を施したところでどうにもならないとさじを投げ、この際、「PM2.5歓迎」というキャンペーンでも張ってごまかしてしまえ！ということなのかもしれないが―――、怖い国だ！