呆韓論　　　　　室谷克実　　　　　　　　産経新聞　　

戦時売春婦であった女性達を「日本軍が強制連行して性奴隷とされた女性達」などと虚偽の捏造を行い世界中に日本の悪行として大統領までもが率先して世界中に触れ回っている韓国―――あまりにもバカバカしい話だからと放っておくと更なる捏造話を作りさらに触れ回るというどうしようもない国だが、果たしてこのままで放置しておいてよいものなのだろうか。我々日本人の怒りは最早我慢の限界を超えているといえるのではないだろうか。余りに酷い悪罵を浴びせられて戦後60年以上、大人のそぶりを見せてきた日本の世論も遂に｢キレタ｣というのが、最近の日本に於ける嫌韓意識の高まりだろう。

元時事通信ソウル特派員であり韓国の社会、文化に韓国人以上に詳しい著者の前著「悪韓論」は、そんな韓国に対する日本側からの大反論であり、捏造とファンタジーに基づいた韓国の日本非難に対して悪罵を投げ返すなどという低廉なものでは全くない、しっかりと資料や事実に裏づけられた胸のすくような反論だったが、前著以後も一向に収まらないどころか、益々エキセントリックさを増す韓国の日本非難中傷に対する大反論第二弾であり、その根拠とする資料文献の豊富さは驚くばかりだ。

「ハングルは世界中のどんな言語の発音も書き表せる」という韓国人のハングル自慢が、実は真っ赤なウソであることなどは、本書を読むまで全く知らなかった。この伝で、「しゃぶしゃぶは実は韓国がオリジナル」だとか「茶道も韓国が大本」などという捏造が溢れており、悲しいかなそんな大嘘を、少なからぬ日本人までもが信じて込まされいるという事実に、韓国の日本嫌いのどす黒い深みを知る思いがする。

なによりも本書で著者が語っている韓国文化や社会の批判の資料は、ほとんどが韓国の歴史資料や主要紙の記事に基づいており、それらの原典がしっかりと示されているという点だけをとっても、ほとんどにおいて資料根拠もない捏造や空想に基づく「韓国の日本批判」との決定的な違いがある。悪罵を投げかけられたからといって同じ土俵にのって感情的な悪罵を投げ返すようなことをせず、理路整然たる反論を行う著者の姿勢にこそ、かの国とは180度ちがう我が国の美風を知り、実に痛快だ。

韓国側が本書に反論したいのなら、ただただ「妄言だ」「暴言だ」といきり立つだけではなく、著者と同じ土俵にたって確たる証拠や資料を示して反論してほしいものだが、いまのところ、韓国側からはそれらしいまともな反論はなくあいかわらずの感情的な悪罵だけが聞こえてくるという。

いやはや「呆韓」とはよく言ったものだと思う。

(13年12月発行)