国道者 佐藤健太郎 新潮社
「世界史を変えた薬」の書評でも書いたが、本書の著者の活躍分野は実に広く、また、それぞれの作品が中々キャッチ―なことには感心させられる。
本書はこの著者の「国道マニア」という趣味の面からの第二作目（一作目は「ふしぎな国道」）で、第一作目と内容的にはダブル部分も多いけれど、もともと鉄道マニアの何十分の一しかいないというニッチな分野のマニアの本だけに興味津々、二作目も大いにたのしめた。
変わった国道（横断歩道の長さしかない国道とか、崩れかけの登山道の国道、といった）、様々な国道の作られた経緯、有力政治家による政治道路、あるいは地域や行政の都合によって生みだされた珎道奇道等々、地図や写真などの資料もあるし、国道毎の説明もせいぜい数ページという読み易さといい楽しめる一冊だ。
（15年11月発行）