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無電柱革命 小池百合子・松原隆一郎 PHP新書
日々早々で何度も書いたが（参照：「大空を返せ」1/17/17）外国人が日本の景観で奇異に感じるのが無秩序に張り巡らされた電線だという。
現在日本には3500万本の電柱があり、景観が台無しになっているばかりではなくあの阪神淡路大震災でも、倒壊した電柱や電線によって多くの被害者が出たという事実からしても、早く欧米並みに日本も無電柱化を進めるべきだろう。
ロンドン、パリ、香港では100%、ベルリンでは99％ NYでも83％が地下化されている電柱が、日本でもっとも進んでいるといわれる首都東京でする7%に過ぎない、という現状はなぜなのだろうか。
無電柱化を進めようという運動を積極的におこなっている社会学者と、減東京都知事の小池百合子氏（本書発行時には衆議院議員）の共著による本書は、日本で中々進まない無電柱化の原因を様々なアプローチによって研究した一冊であり、現実に様々な関係団体や、関係者にアプローチしてえた回答は、迫力あるドキュメンタリーにもなっている。
海外に比べてべらぼうに高いといわれる地下化コストの原因や、利害関係者が輻輳しているだけに、皆が3すくみ、4すくみになって動きにくくなっている日本的組織の欠陥などが浮かび上がり、おもしろく読めた。
（15年7月発行）