二股は何故いけない？

さすがに少し下火になったけれど某俳優による二股騒動は一時ワイドショーを沸騰させていた。

超美形(?) の一流モデルと、有名（？）料理評論家兼レストランオーナーの二人に同時にプロポーズしていたのが、たいして売れていそうもないチンケな役者であったこと、「二股！」と迫る報道陣を前に (居直った方がよかったかもしれないのに）みっともなく涙を見せるダメ男、という絵柄は、日頃芸能ネタには全く興味のないタカさんにとっても中々面白かった。

ところでこのゴシップ、そういった男女関係についてとんと晩生である(?) タカさんにとって色々分からないことだらけでもあった。

男が芸能人だったから「二股」といわれているのかもしれないが、この手の話、一般人の場合なら二股というよりは、「結婚詐欺」と言われてしまいそうに思が、二股と結婚詐欺の違いはどこら辺りにあるのだろうか。

同時に二人に「結婚して欲しい」とプロポーズしてしまったのは確かにやり過ぎかもしれないが、同時進行で二人もしくはそれ以上の女性と交際している男なら数多くいると思うが、この場合はなにも報道陣の前で泣く必要もなかったようにもおもうが−−−。この辺りの「笑ってすませる」か「泣いてみなければおさまらない」かの境界線はどの辺りにあるのだろうか−−−。

男が女を二股にかけたということだったが、これが逆に女が男を二股、三股にかける例の方がもっと多いようにも思うが、その場合は「手玉に取られた男がバカだった」で済んでしまうことが多そうだが、二股の「罪悪度」には男女差があるのだろうか？　（そういえば昔、聖子ちゃんにもそんな過去があって、あの時は泣いて見せてはいたけれど−−−）

自然界を見ているとオスもメスも二股、三股は当たり前だが、なぜ人間だけは二股は「いけない事」なのだろうか。

イスラム圏では妻を4人迄持つことを許されているし、つい最近まで日本の政治家や軍人の多くはお妾さんを何人か抱えていたのに、なぜ最近の日本は男に節操を求めるようになったのか―――。

最近、スーパー銭湯に行くと、30分近く鏡の前で髪などの手入れに余念のない若い男が目につく。風呂から上がった時でも、タオルで頭を一拭きするだけ、という青年時代（今でも）を送ってきたタカさんにとっては、なんだか人間のオス（男）が、昔とは随分と違う生き物になってきたような気がしてならない。

そういえば、動物界では孔雀などオスが美しく飾り、メスは結構貧相という種も多いが、そういう意味では人類も徐々に生物界本来の生態に戻りつつあるのだろうか。

みるからにやさ男、人前で泣いて見せられる男（そういえば海江田さんも人前で泣いていたなぁ〜）が、美女二人を手玉に取れる世の中になったことで色々考えさせられた。

（5/17/12 11:00pm S.T.）

儲けのネタ

ロスアンゼルスとサンフランシスコの丁度中間地点、太平洋岸沿いにサンシメオンという町があってこの一帯の丘陵地にハースト・キャッスルという大邸宅がある。

今は、カリフォルニア州の管理下にあるが、このキャッスル（城）は、20世紀初頭、新聞王といわれたランドルフ・ハーストが建てたもので、敷地面積は、徳島県とほぼ同じ（嘗ては、ライオンやシマウマを野放しにしたサファリ動物園があったという）、メインの建物（キャッスル）だけでも4つ、純金張りのローマ風巨大プール（ハリウッド映画のロケが幾度か行われたという）、エジプトやローマから集めた古代彫刻、ハースト個人用の映画館等々、「歴史上もっとも豪華な城」といわれるほどの豪奢なものである。

なぜ、これほどまでに豪華な城を築けるほどの財力をハーストが持ちえたのかといえば、それは彼が最盛期には50を越える新聞社を持ち新聞王といわれたことによる。

新聞を一つの産業として考えた場合、その原価といえるものは精々、記者達に支払う給料、印刷代といったものに過ぎない。販売部数が増えたからといってこの原価がそれに伴って増えるという性質のものではなく、寧ろ部数が増えれば増えるほど1部あたりの原価は減っていく。

それに、多くの製造業にとっての悩みの種である「在庫」を抱える必要がない。（昨日の新聞に価値はないから、在庫を持つ必要はない）

更に、新聞ビジネスの儲けの仕掛けの最大の物といえばそれは「日銭商売」であるということだ。（新聞は当時、1部10セントだったとしても、毎日数百万部が売れ、しかも売り掛けなしの現金ビジネスだ）

原価は安く、在庫リスク/売掛リスクなし、現金ビジネスという新聞社を大量にかかえていたハーストにとって世界一豪華な城を築くことは容易いことだったといわれている。

今でも、新聞のこういったビジネスモデルは有効で、マードックをはじめ日本でも新聞社が「第四の権力」をもっているといわれる由縁だ。（余りの殿様商売に安住した経営者が、映画やテレビといったリスクを伴う副業に手を出してダメになるという例は多いが）

新聞同様にこの「原価は安く、在庫リスク/売掛リスクなし、現金ビジネス」を手がけている業種で大きく成長した企業は多い。コカコーラなどの飲料会社などの伝統的なものだけではなく、学習塾や英語教室（貸しビルの一室と、いつでもクビにできる外国人がいれば今日にでも開けるし、いつでも止められる）などといったものがあるだろう。

規制が厳しいとか、装置に金がかかるといった問題はあるが、在庫や売掛のリスクがなく（例の製紙会社御曹司のような例はあるが）、現金商売という点ではカジノや、パチンコなどもやはり「儲かる」商売といえるだろう。

そんな中、いや〜、これは凄いビジネスモデルだと感など心させられたのは、グリーやDeNAなどの儲け頭で、今回問題になったコンプガチャなどのソーシャルゲームの課金システムだ。

ゲームソフトで儲けるのではなく、このゲームにのめりこんだマニアたちが、ゲーム内に登場する特定のカードやアイテムを手に入れようと、欲しいアイテムが出るまで何度かくじを引くように課金を繰り返すことで儲ける―――というのだから。

新聞を面白いからと言って日に何度も買う人はいないが、パチンコならば「もう一回！」と出るまで金をつぎ込む（井川さんのような）人がいてここが儲けのキモになっているが、ソーシャルゲームの凄いところは新聞とパチンコのあらゆる儲けの仕組みを備えている点だ。

パチンコで借金を作り首をくくるのは、大人である以上｢自己責任｣といえる。コンプガチャの場合もこういうゲームに金をつぎ込んでいる大人は「自己責任」と突き放すこともできるが、やはり、未成年や子供たちがこういったゲームにのめり込み、一月40万円の請求が来た、といった例もあったというからさすがにこのスーパービジネスモデルも命運が尽きた。

中畑監督の必死さにちょっと同情してここのところベイスターズに声援を送っていたのだが、DeNAによるベイスターズ買収も、子供たちやネトゲ廃人とよばれる人たちからかき集めた金で行われたのか―――と思うと、熱も一気に冷めてしまった。

三股は無理だった。やっぱり本来の巨人とロッテの二股に戻ろう。

（5/16/12 9:00pm S.T.）

どうするこの夏

政府は14日、今年夏の節電対策案を発表した。これによると北海道、九州、そして関西の3電力では供給不足に陥り、節電、更には他電力からの融通が必要になってくるという。

特に原発依存度が50％と高かった関西電力では供給余力は−15％と大きく不足しており、管内で15％の節電が必要である上に、北陸、中部、中国、四国の4電力から計5％の電力融通を受ける必要があるという。

政府試算では「関電に電力融通を行うべし」とされた4電力にしても供給余力は多くはなく(四国電力の場合、余力はわずか0.3％と極わずか)、関電に融通するとなれば自社管内で5％超の節電を行う必要が出てくるという。

「困った時はお互い様」だとか「絆」などという話を持ち出せば、「関電管内の人たちが困っているのだから他の地域の人たちも節電して関電に電力を融通するべきだろう」ということになるだろうし、なにせ半分国営事業となっている電力事業だからお上風を吹かせる政府に「4電力は、自社管内での節電を実施し、関電に電力を融通せよ！」と言われれば、表立って抵抗する訳にもいかないとは思う。

只、「絆」などという綺麗事をいいながら実際のところは「俺たちの自治体でがれきを何で受け入れなければならないのか！」と地域エゴむき出しにする自治体が多くて一向にがれき処理が進んでいないことから考えれば、「関電管内の自治体が、大飯原発の再稼動に反対している為に起きる関電管内の電力不足なのだから、いわば自業自得であり、そのツケを何で自分達が払わなければいけないのか」という不満の声が融通する側の消費者や企業から上がってくる可能性は大だ。

まして、サイクルの違いから関電に電力融通することが技術的に難しい東電、あるいは東北電力では供給余力に余裕がある為に、今の所この夏に節電目標を設定する必要はないというのだから、中部などの消費者の「オールジャパンならともかく、何で、俺たちだけが大飯原発、再稼動に反対する関西の自治体が招いた混乱のツケを払わなければいけないのか！」という思いは強いのではないだろうか。

一方、政府は「関電管内の電力不足は、大飯原発を再稼動させれば解消する」という試算も発表しているが、この試算に対しては「再稼動ありきの発言だ」という猛反発が関西の自治体、あるいは原発反対派から起きている。

そんな声に恐れをなしたのか政府も、この関西の電力不足を積極的に解消しようと動かず、「原発再開すれば、不足は解消しますよ、再開しない場合は西日本全域で節電せざるを得ませんよ、さあどっちにするかあなた達が決めて下さい」と責任を丸投げしている。

「融通しろ、管内で節電しろ」といわれた中部電力なども「国は節電の呼びかけを電力会社に押付けないで欲しい（節電せよという号令は国が消費者に直接出して欲しい）」とこれまた、矢面にたつのを逃げようとしている。

ゴミ焼却場の建設反対によって他市に焼却を委託しながら「委託料は無駄遣い」といったが為に焼却を拒否されて辞職した市長がいたが、関電管内の自治体が言っていることもこの無責任市長と同じようなことではないだろうか。

何しろ皆が皆、自分たちの都合のよいことだけを主張し、責任は他に転嫁しようとしている。しかも、決めるべき人が何も決めない、責任の所在がどこにあるのかさっぱり分からないというのだから――――何が「絆」だ、何が「オールジャパン」だと思うけれど、これこそが現代日本の実相ということなのかもしれない。