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2017年11月
＜＜11月タイトル＞
11/24 チバニアン 11/22 同郷とガチンコ 11/21 ムガベ 11/17 いつもの店、いつものメニュー 11/15 一般の普通の人々
11/14 コウモリ 11/13 考えても見て欲しい 11/10 大気汚染とゴミ処理 11/08 苦労は続く 11/08 お国柄 11/07
床屋に行こうか 11/06 元カレ元カノとは 11/02 戦略のない人達 11/01 立憲主義と民主主義
2017年11月24日
チバニアン
マゼラン海峡だとか、北米の最高峰マッキンレー（最近はデナリと呼ばれるようになったが）等、世界地図を広げると人名由来の地名は数多くあるが、日本人の名前を冠する国際的な地名はただ一つ、樺太とロシア沿海州を隔てる海峡、江戸時代の幕府御庭番であった間宮林蔵の名前をとった「マミヤ海峡」だけだ。
1800年頃までシベリア奥地、そして樺太は探検家でさえ足を踏み入れたことがない地図上の空白地であり、樺太の南部は知られてはいたもののその北部は未踏地も多く、果たして樺太はその大陸（シベリア）と繋がっている半島なのか、あるいは海に囲まれた島なのかは全く分かっていなかった。17世紀に入ってから何人もの世界的探検家が世界地図上の空白を埋めるべくこの地を探検し調べようと挑戦したが、厳しい自然環境に阻まれ続けていたのだが、1809年、幕府に命じられた間宮林蔵は厳冬期に自然環境の厳しい樺太の地を訪れ、苦難の末に遂にサハリンの最北部に至り、これが島であることを発見、さらに、この地から対岸のシベリアのアムール川、河口側までに幅約7キロ程の海峡があることを発見しこれを幕府に報告した。この間宮の報告を知ったシーボルトは、樺太とシベリアを隔てる海峡を「間宮の瀬戸（間宮海峡）」と名付けその著作で発表したことで、以後、世界地図に「間宮海峡」が地名として使われることになったのだ。
そういえば以前、茨城の伊奈町（今は、つくばみらい市などという味もそっけもない地名になっているが―参照：「みらいの不動尊」12/19/06）の間宮林蔵の生家近くにある記念館を訪れその偉業に夢を馳せたことがあった。
ところで、地球誕生以来46億年という時間を区分する方法としてその時代に出来た地層を使う地質年代法というのがあり、例えばカンブリア紀だとかジュラ紀等、実に数多くの地質時代名があるが、この中には残念ながら日本に因んだ時代が一つもなかったのだが－－—何と来年から「チバニアン」（千葉時代）といわれる時代が登場することになると聞いて、間宮海峡を知った時の様に誇らしいというか、嬉しい思いに浸っている。
というのも、地球史だとか地学はタカさんが大好きな分野であること、そしてタカさんがもう30年以上は千葉県民であると言う――郷土愛的なものもあるからだ。
具体的にいうと、チバニアンとは今から約77万～12万6000年前地質時代でいう中期更新世に地球磁場の反転があった時代であり、千葉にはこの磁場の反転を示す地層がはっきりとした形で残っていることもあって、この時代をチバニアンと名付けることになったというのだ。
地球磁場反転の証拠！というだけでもすごいが、考えてみると、我々現生人類（ホモサピエンス）の誕生が今から20万年程前といわれているから、まさにチバニアンが我々の祖先が誕生した時期、ということにもなる訳で、チバニアンの価値は相当なものだ！と千葉県民としては尚さらに誇らしい気持ちになるのだが---。
一人興奮しているタカさんだが、千葉県民の中でさえこのチバニアンに関する話題はさほど盛り上がっていないというのが事実のようで、先日、知人に「チバニアンって知っている？」と聞いたところ「チーバ君に変わる、千葉のユルキャラか何か？」と言っていたのにはちょっとがっかりしてしまったが。
（11/23/17
10:00pm）
2017年11月22日
同郷とガチンコ
大相撲では優勝決定戦以外では同部屋力士同士の取組は組まれない。
これは、同じ部屋同士の取組だと先輩、後輩の関係だとかその他もろもろの常日頃の両者の人間関係から、八百長（片八百長を含めて）が行われる可能性が拭いきれないこと、又、例えそれが全くのガチンコ勝負だったとしても見る側が「八百長だったのでは？」という疑いの目で見てしまう可能性があることから、近年、ガチンコ勝負（真剣勝負）であることを求められている大相撲としてはどうしても避けたい、という事情があるからだ。
同部屋対決を禁じる規定は、例え部屋が違っていても「四親等以内の親族同士の本割での取組はない」という規定と同じ理由によるものだ。
大相撲の歴史を見ると、古くは同門対決（二所一門とか出羽の海一門といった）ですらなかったというが、これでは場所ごとの優勝者が決まらない場合が続出するといった問題が出てきたために、優勝制度が取り入れられて以降は同門同士の対決は行われるようになっている。これが最近の力士同士には余り「同門意識」がなく、それはそれで古くからの日本の伝統としての大相撲の人間関係を希薄に死している――といった批判がないではないが－－－。
しかし、「親しい者同士ではガチンコ勝負がやり難いかもしれない」ということにこだわり過ぎると、それでは、同郷の昔馴染み同士、同じ高校・大学の同級生、あるいは先輩・後輩同士、あるいは同郷出身同士、嫁さん同士が友達同士等―――といった関係でさえ、本場所でのガチンコ相撲の妨げになる－－－という理由から「親しくすべきではない」「一緒に飲む、等ということは言語道断、親しく言葉を交わすこともダメ！」などということになってしまいはしないだろうか。
スポーツとしての勝負には確かにガチンコが絶対的に必要だが、日本の伝統文化的な側面も強い大相撲に、「同郷のよしみ」だとか「同郷同士の人間的な絆」といった日本社会の伝統的風習でさえ全く必要なし！（ただガチンコあるのみ！）といったある種の冷たさばかりになってしまったのではどうにも淋し過ぎるような気がしないではない。
同門、同部屋でもないがモンゴル出身同士が年一回集まっての飲み会で、横綱日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題は、勿論暴力をふるった日馬富士の責任は免れ得ないとは思うが、貴乃花親方が貴ノ岩に課していたというモンゴル人同士、あるいは他の部屋の力士と親しく付き合うな！というガチンコの徹底（その掟を破った貴ノ岩や、他部屋力士であるにも関わらず自分の弟子に対して説教した日馬富士に対して激怒したともいわれている）にも、大きな問題があるようにも思う。
いやはや、相撲界の同門だとか同部屋といったいかにも日本的な制度は、よほど現代の「スポーツとしての個人格闘技である相撲」とは相性が悪いということなのかもしれないが－－－。
（11/21/17
10:00pm）
2017年11月21日
ムガベ
ジンバブエはかつてローデシアという国名で白人が政権を握り大鉱山資本、大農場といったこの国の富を独占していた国だった。
少数の白人が富と権力を独占し、多数の貧しい黒人は厳しい人種隔離政策（アパルトヘイト）の下で権利を奪われ搾取され続けるという南アフリカと並ぶ悪名高い国だった。
しかし、「アフリカの年」といわれた60年代頃からは世界では白人優遇のアパルトヘイト政策に反対する「民族自決」「人種差別反対」の思想が強まり、ローデシアや南アフリカのような白人優位主義は忌避されるどころか、「悪」と規定される傾向が強まり、ローデシアに対する国際的な非難は徐々に高くなっていった。
70年代後半になるとローデシアや南アでは多数派の黒人たちによる、独立国家樹立、白人からの抑圧を脱しよう。という運動が盛んになりこのような独立運動に、共産主義思想が加わる形で白人勢力は徐々に追い込まれていった。
このような潮流に乗ったのが、当時、ローデシアの弱小グループで独立運動をしていたムガベである。彼は当時の共産主義国家中国の支援を受け、中国の持つアフリカ大陸進出の野望への協力者として白人を追いだし、ローデシアに黒人国家をつくるという野望を遂げることになった。
そんな訳で、70年代の終わりにはローデシアでは独立の英雄といわれるムガベに率いられた勢力が政権を握り遂に黒人国家ジンバブエが成立するにいたったのだが－－。
このムガベによる黒人政権樹立は、マンデラが南アの初代大統領になった90年よりも10年以上早く、あの頃、ムガベは「アフリカ独立の星」「英雄」として世界中から賞賛の嵐をうけたものだったのだが―――。
あれから40年近くたった今もムガベはジンバブエの大統領の職にある。しかし、彼の36年に及ぶ治世は、まさに独裁そのものであり、ジンバブエをアフリカの中でも最貧のレベルの国にまで落としてしまった。その独裁者振り、無能振り、その汚職腐敗ぶりは、金正恩とならぶ「現存している世界の二大暴君」の名をほしいままにしている。
かつての英雄が権力の座につくと独裁者になるという例はキューバのカストロをはじめ枚挙にいとまがないが今年93才になり37年もの長期に亘って座り続けたその座から降りようとせず、一時は来年2018年に行われる大統領選挙に尚立候補を考えているといわれたように、権力欲剥き出しの老醜をさらすような人物になるとは―――。
ムガベはさすがに自らの大統領立候補はあきらめつつも、43歳年下である浪費癖が有名な妻、グレース・ムガベ（愛用のブランド名を冠して、グッチ・グレースとも呼ばれている）にその座を禅譲することを目論み、側近で長く仕えてきて後継者と目されていた副大統領を解任した。これに怒った副大統領が、軍を味方につけてムガベを監禁し辞職を迫っている―――という事だが－－－。
豊富な資源に恵まれながら、アフリカ最貧の国にまで突き落とした93歳の独裁者の後ろ盾は、未だもって彼を英雄にしたスポンサーである中国だ。
結局は、93歳にかつての英雄も、貧しいジンバブエの人々も、中国という国の「チャイナ・ファースト」の捨て駒にすぎなかったのだ！と思わざるをえなくなってくる。
（11/20/17 10:00pm）
2017年11月17日
いつもの店、いつものメニュー
昼飯時になると同じ部の連中と近くの店に出かけるのが常だった。いつも決まったメンバー3－4人、多くても5－6人のメンバーになることが多かったが、どこの店に行くかを決めるのは、決して役職が上の人とか、年上の人というわけでもなく「あいつについて行けばまあ間違いはなかろう！」と皆からそのグルメ度を信頼されている人物だったように思うが、その選択の結果は、毎回「大当たり！」という訳でもなかったように思う。
そんな中に、（別に付き合いが悪い訳ではないけれど）いつも一人で昼食に出るという同じ課のタカさんより何年か先輩の人がいた。ある時、その先輩に「昼食は、一人でゆっくりしたいのですか？」と尋ねたことがあったが彼の答えは「別にそんな訳ではないけれど、毎日、違った店で違ったメニューの物を食べて「ハズレ」だったら嫌だから、という意外な答えが返ってきた。
彼によれば、一年でたった360回程しか食べるチャンスがない昼飯に、知らない店の知らないメニューの物を注文してもし不味かったとしたら、それは人生においてもう取り返しのつかない出来事になってしまうことを考えたら、「この店のこのメニューだったら絶対に間違いがない！」と自分の経験から確信が持てる店の、確信の持てるメニューを食べるのが一番だから、いつも一人で「いつもの店」に行き、「いつものメニュー」を注文するのだ、ということだった。（たしか、彼が行く店というのは会社のすぐそばの喫茶店というかスナックのような店で、毎日毎日「白身魚フライとポテトサラダ」という極めてシンプルなものだった。
タカさんも考えてみると、自分の残りの人生の中で食事する機会といえば、朝昼晩の三食全てを数えても多く見積もっても、後数千回にすぎないと思うし、まして外食となればその何分の一、何十分の一に減ってしまうことを考えれば、「そんな貴重な機会にもし、不味いものを注文してしまったら―――」と考えた先輩の気持ちは分からないではないが―――逆に、これから先、そんなに何回も機会がないとすれば、せっかくなら「今まで経験したことのない味を試さなければ、もったいないではないか――」と考える人の方が多いに違いないとも思う。
毎日、決まった店で決まったものを注文する人は、どちらかというと堅実タイプといえるがその分チャレンジ精神に欠ける、といった人が多いし、その逆の人は、失敗も恐れず（そのために、痛い目にあうこともしばしば）チャレンジ精神に富む人がちょっと危なっかしい人ということになるかもしれない。
保守的な考え方の持主というのは得てしてチャレンジ精神に欠けがちだし、チャレンジ精神豊富な人というのは、時には痛い目にも合い勝ちだ。これはその人の生まれついての性格といったものである部分が強く、そうそう容易には変えられないものなのかもしれないが－－年とともに保守傾向が強くなっていく――という面もある。
最近、妻と外食に出かけても、タカさんはいつも「この店なら、このメニュー」といった決まったものを注文することが多いが、妻は常に新しい店とか、前回頼んだものとは違う新しいメニューを頼むことが多い。
そう考えると、わずか二つ違いの二人ではあるが、、タカさんの方が妻よりは大分保守的というか――年寄り、ということになるだろうか。
（11/16/17
10:00pm）
2017年11月15日
一般の普通の人々
先週、4人もの高齢者の遺産を狙った70歳の女に対する裁判員裁判の判決公判が京都地裁で行われ、4件全てに有罪とされ死刑が言い渡された。
直接証拠が乏しかったこと、弁護側が被告には認知症があると主張していたことなどから、この裁判は、当初から長期化が予想されており、そのために裁判員選任過程では、辞退者が続出していたし、実際問題、6月の初公判から135日という時間がかかったことで6人の裁判員と3人の補充裁判員の負担は大変なものだったであろうことが推察できる。
裁判員諸氏に対してはその献身に対して感謝の念ばかりではあるが、今回の彼等の135日間にも及ぶ長期間の献身が露呈したこの制度の問題点（欠陥）については、この際もう一度整理して考えていくべきなのではないかと思う。
今回の裁判の場合、6人の裁判員と補充裁判員3人を選ぶためにまず900人以上の裁判員候補リストに載った人達に裁判員としての参加意向を尋ねたが、協力してもよいとの回答を寄せたのはわずか約80人であったという。その80人の中から、抽選や審査によって漸く6人の裁判員と3人の補充裁判員を選ばれたというのだが――。
証拠が乏しく当初から長期化が予想されている裁判だけに「スケジュール的にも自分には無理だ」というサラリーマンや幼子を抱えた主婦等のほとんどが候補者が辞退を申し出たと思われ、そうであるとするなら最後まで残った9人の方々は、個人の事情は二の次にしてでも裁判員制度に協力しようという余程使命感に燃えた献身的な方々であるとは思うものの、そういう彼等を裁判員制度が導入された当時に望ましい裁判員像とされた「普通の一般の人々」の範疇でとらえてよいのか？と思わないではない。
もう一つの裁判員裁判導入の理由と言われていた「裁判の迅速化」という目的だが、今回の裁判の場合、確かに、超長期に亘るかつての裁判に比べれば5カ月間なら短期間とは言えるものの、「一般人」である裁判員にとっては「短期」あるいは「迅速」といえるかとなると大いに疑問のあるところだ。
又、かつての職業裁判官と検事、弁護士だけで行われていた裁判に比較すれば、裁判の進行過程などがより情報開示されるようになる等の「裁判員裁判」の利点はあるものの、かつての裁判なら数年はかかったかもしれない公判をわずか38回の公判だけで判断せざるを得なかった裁判員諸氏の負担は、あまりにも過重だったのではないかとも思う。
厚木で9人の男女が次々と殺され遺体が損壊された事件もいずれ裁判員裁判が行われることになるが、4人でも5カ月裁判にかかったとなれば、9人ともなればおそらくその公判期間は優に1年を超えるだろうし、まして遺体が惨い形で損壊されているとなれば、長期に亘って、裁判で提示されるそれ等の証拠（惨い御遺体の写真等）を次々と見せられることに精神的に耐えられる「一般の普通の人々」など果たしているのだろうか？とも思う。
裁判員制度が始まって10年近くになろうとしているが、この制度もそろそろ見直しが必要なのかも知れない。
（11/14/17 10:00pm）
2017年11月14日
コウモリ
和服の絵柄の中に蝙蝠（へんぷく）柄といわれるコウモリをかたどった模様があるが、これは日本では昔、コウモリは長寿の動物と考えられており（長寿のネズミがコウモリになると考えられていた）おめでたい動物とされていたからだ。
ところが、西洋では吸血鬼や悪魔のイメージであり、良いイメージでみられることがないし、近代日本でも、コウモリが良いイメージで語られることは少ない。
それには多分に日本の子供達が幼い頃に、イソップ物語の「卑怯なコウモリ」の話を聞いて育った所為もあるのではないだろうか。
この話は、獣の一族と鳥の一族が戦争をしていたときに、 その様子を見ていた一羽のコウモリが、獣の一族が有利になると獣たちの前に姿を現し、「私は全身に毛が生えているから、獣の仲間です」と言い、鳥の一族が有利になると鳥たちの前に姿を現し、「私は羽があるから、鳥の仲間です。」と言うなど、寝返りを幾度も繰り返したために、その後、鳥と獣が和解して戦争が終わったあと、鳥からも獣からも嫌われ、仲間はずれにされてしまった――という物語だ。（それからというもの、コウモリはどこにも居場所がなくなり、仕方なく暗い洞窟の中でじっと身を潜め夜だけ飛ぶようになったとか――）
子供の頃から、その場の都合であっちに付いたりこっちに付いたりするのは「卑怯」だということを教え込まれれば、子供達は大きくなってもコウモリのような振舞はしないようにしよう、と思うのは当然だし、あっちについたりこっちについたりコロコロ変わる人を嫌うのは「パブロフの犬」並の条件反射のようなものではないだろうか。
「戦争法反対」「憲法改正反対」のプラカードを国会審議に持ち込み大騒ぎしたかとおもったら、それから数十日後の、衆議院選にあたっては全員一致で「安保法制賛成」「憲法改正」を広言していた小池さんの党、「希望の党」への合流を決めた民進党の先生方の変わり身の早い、コウモリ振りには驚いたものだが、いわゆる踏み絵といわれる合意書に署名までしてとった希望の党の公認という看板のお陰で当選したにも関わらず、小池さんと希望の党の人気凋落、希望の党に排除された人達の互助会に対する判官贔屓的のお陰で野党第一党になった立憲民主党を見て、今度は、たちまちのうちに「安保法制廃止」「憲法改正反対」を言いだした大串さんや、党首選に立候補した大串先生に投票した議員さんたちの再々度のコウモリ振りには、あきれるばかりだが－－－。
確かに、今や風前の灯となりつつある希望の党だけに、ここに残っていても折角逃げだした民進党の泥船と変わらないとなれば、彼等、ダブル、いやトリプルコウモリ先生たちが次に行くところはあの立憲民主党ということになるのかもしれないが――。
立憲民主党にしてみても、強固な信念や政策を持つ人たちだけが集まった党という訳でもなく、小池さんに「排除」された人達が仕方なく集まった党、という「アナザー コウモリ」的な側面も強いだけに希望の党から逃げ出す一度は彼等を「裏切った」先生方でも、あの不倫騒動の山尾先生同様に受け入れる可能性は大だ。
イソップのコウモリは洞窟にひっそりと身を隠したけれど―――日本のコウモリたちは（どちらのコウモリも）、幾度もの寝返りを繰り返し、国会という暗くじめじめした洞窟で、しぶとくしたたかに生き延びていくのだろうか。
（11/13/17 10:00pm）
2017年11月13日
考えても見て欲しい
警視庁は、DNA型鑑定の結果、座間市のアパートで発見されった男女９人の遺体の身元を特定したとして、その氏名や年齢などのいわゆる個人情報を発表した。
被害者たちはSNSで犯人と知り合い、殺され、その遺体はむごい形で「処理」されていたという猟奇的な事件であり、犯人ですらSNS上のハンドルネームしか知らなかったという被害者たちの詳細な個人情報が全国規模で公開されたのだ。
容疑者が逮捕された直後から、事件の加害者の名前などの個人情報は公開されマスコミもこの異常な犯罪者についてはそれこそ根掘り葉掘り報道していたし、社会的に影響の大きい事件だけに、彼の名前や生い立ち、経歴などを公表する事には、確かに社会的な意味があるのだとは思うが、身の毛もよだつような殺され方をして、しかもその遺体が猟奇的な形で「処理」された被害者の若い男女の氏名や、年齢、住所などの情報を事細かく発表することにどれほどの社会的意義があるのだろうか。
百歩譲って何らかの社会的意義があるのだとしても、9人の被害者には、親や兄弟、そして多くの友人がいたと思うが、この人達の悲しみを思えば、既に本人が亡くなっており「個人情報を勝手に公表するな！」といった文句を言えない立場にあるからといって、それらの身内の方々への配慮もないままに公表してしまうことが、なぜ可能なのか？と不思議でならない。
20代と言われる被害者の顔写真の中には中学校の卒業アルバムからとったと思えるような幼い顔の写真も何枚か混じっていたが、日頃は「人権尊重」を掲げて正義の側のフリをしているマスコミだが、そんなことまでして被害者の顔写真をかき集めて報じるという姿には、「人権」への配慮があるとはとても思えない。
一方、福井県の池田町の中学校で2年生の男子生徒が度重なる教師による体罰や下の階にまで響き渡るような声での叱責を苦にして飛び降り自殺した事件では、生徒の名前はしつこい位報道されているが、指導に名を借りていじめを繰り返していた女性の副担任、そしてそれを黙認するだけではなく生徒が自殺後には、この問題を生徒の家庭に原因があるかのような責任転嫁をはかった担任や校長などの学校関係者、教育委員たちの名前は、「個人情報」であるとして一切公表されていない。
政治や行政における不祥事では、関係者の名前などが「個人情報」を盾に、必要以上に隠蔽されることはあまりに度々行われているが、こういった場合「個人情報保護が、結局は犯罪者を隠蔽することに使われている！」といった批判の声として上がることもあるのだが――。今回の厚木の事件のように、何の落ち度もないのに身勝手な犯人に殺され、その遺体を猟奇的に損壊された同情すべき立場にある被害者たちの「世間に知られたくない」という個人に関する情報が、それこそ全国的にばら撒かれてしまうことに、「それでは、あまりに被害者が可哀想だ」という批判の声が全くといってよいほど起きないのは何故なのだろう。
考えても見て欲しい、あなたが自分の愛する人が、こんな形で犯罪の被害にあって、遺体がこんな扱いを受けたとしたら―――その愛する人の名前をはじめ様々な情報が全国に流さることに耐えられるかどうかを――。
（11/12/17 10:00pm）
2017年11月10日
大気汚染とゴミ処理
北京の大気汚染の酷さは度々ニュース映像でもみるけれど、インドの首都ニューデリーの大気汚染は北京のそれを更に上回っているのだとか。
先日のニュースでは灰色の淀んだ空気に包まれ、数百メートル先も見えないほどの大気汚染の中にかすむ街が映し出されていたが、この日の微小粒子状物質PM2.5の濃度は、1立方メートル当たり815マイクログラムと、インド政府の定めた基準値60マイクログラムの13倍を超え「人体の生存にとって危険」というレベルを超えているというから驚かされる。（確か、北京でも危険レベルの3倍を超えた－－－とかなんとかで大騒ぎしていたと思うが－－－）
こんな状態になるまでに至ったのは、インドが世界第二位の人口を持ちながら未だもって国全体では貧しく、政府の大気汚染対策が無策と言ってよい状況にあること（一応、大都市では、車のナンバープレートの末尾が偶数か、奇数かで通行を禁止するオッズイーブン制は実施しているらしいが）や、大型バスやトラックのほとんどがディーゼルオイルを使っていること（ディーゼルオイルがガソリン等に比べて格段に安いこともあって）に原因があるとは言われているが、冬に向かって一般家庭が燃料として石炭を焚き始めていることとか、農地に於ける野焼き、ごみ処理の為にゴミ山を焼くいわゆる焚火が盛んに行われていることの方が問題を大きくしているという。
そういえば、かつては日本でもこの時期、落ち葉焚きが風物詩だったけれど、今や野焼きのみならず落ち葉焚きも行政によって禁止されているし、学校にあった小さなゴミ焼却炉はすべて禁止されている。さらにはかつての一番のゴミ処理方法であった「埋め立て」もすでに、東京湾のように埋め立て用地が満杯状態となってしまっているから、日本では現在、ゴミの75％はゴミ焼却場で焼かれていて、この「ゴミ焼却」が日本の温暖化ガスである二酸化炭素発生源の上位にあるというではないか。
日本は車の燃費を良くするとか、電気自動車へのシフト――をはかるなど温暖化ガス削減の為に世界をリードしている一方では、このゴミ焼却大国としてあいかわらず「温暖化ガスの上位排出国」に名を連ねている。
アメリカなどは日本の何十倍ものゴミを出してはいるが、その焼却処理量は少なく、ほとんどのゴミを未だに地中に埋めている（なにせ埋めるだけの広大な土地がいくらでもある）し、ヨーロッパ各国も、日本のようにゴミのほとんどを燃してしまうようなことをしないかで埋め立てているからゴミによる大気汚染はさほどではない。
埋め立て用地も既に満杯、ゴミの排出量では（他国に比べれば比較的少ないとはいえ）相変わらずトップクラスの日本がこのままゴミの焼却量を増やしていけば、その内、日本もインドや中国のように、大気の質では世界から後ろ指をさされるようになりはしないかとちょっと心配だ。
そういえば、ゴミを焼却（二酸化炭素を排出）するのではなく超高温のプラズマで分解処理（分子レベルに蒸発させてしまう）方法というのが、カナダで実証実験されているとも聞くが－－日本もそんな夢の技術を追いかけてみたら、とも思うのだが。
（11/09/17
10:00pm）
2017年11月9日
苦労は続く
日本・豪州間の貿易量は日本から豪州への輸出額年間約3000億豪ドルに対して輸入総額は2670億ドルと日本側の入超、対豪貿易赤字額は年間330億豪ドルにも及ぶ。
しかし、豪州から日本への輸出品は第一位が石炭（約30％）、第二位が鉄鉱石（約13％）そして第三位が食肉と日本が恵まれないというか、日本が欲しいけれど算出しない、もしくは産出量が少ない品目であり、逆に日本から対豪輸出品のトップは国土面積に比べて人口が少ないために発達していない工業製品の自動車（乗用と貨物用と合わせると全体の約40％）や、石油精製品（約17％）だから、両国にとって、いわゆるウィン・ウィン関係であって「貿易不均衡の是正！」という声は出ていない。
こういった両国の関係は（経済学生が最初にならう）リカードのいう「比較優位」という奴で、貿易関係に限らず、人間同士または国同士が分業し、両者がお互いの得意な分野で効率的な生産を行い両者がそれを交換しあうことで全体の効率性をはかるべきだ――という奴だ。
トランプさんが今回のアジア歴訪で特に日本や中国に対して要求しようという「貿易不均衡の是正」だが、何しろアメリカファーストを表に立て、貿易不均衡是正（彼にとってはアメリカ側の貿易赤字削減）を比較優位原則を無視して要求する姿勢に、日本も中国も頭を抱えている。
日本側に対しては「アメリカに対してあんなに車を売りつけておきながら、アメ車を全然輸入しないのはアンフェア―！」だというのだが－－－。あのバカでかい、燃費も悪くしかも左ハンドルのアメ車を日本の狭い道路でも走らせるべきだ！という主張には、何しろトランプさんという人が理屈の通らない人であることを考えても日本側としても困惑するばかりだ。
それでは不均衡を是正するためにアメリカ側が比較優位にある農産物、例えば食肉やコメをどんどん輸入する－――となると、日本の消費者は喜ぶかもしれないが農業関連の圧力団体が黙っていない！から、日本の伝統的文化だとか、食品安全性などといったアメリカ側にとっては難癖に近い理由を挙げて断るしかない。これが又トランプさんには更に「日本はアンフェア―」とケチをつける理由になる―――。
対日貿易赤字の5倍もの貿易赤字を抱える中国でもトランプさんは赤字削減を迫るようだが、中国の場合、共産党が牛耳る国だし、人口が巨大な国だけに、アメリカの得意とする農産物の中から例えば「大豆を年間2兆ドル位買い増しして上げる！」といったお土産を持たせることができるし（国内の大豆生産者は強権でだまらせればよい）、共産党幹部用の乗用車として年間10万台位のアメ車を買えばトランプさんもおさまるだろう。（なにせ共産党員だけでも8000万人いる国だから）
安倍さんも、「コメも牛肉もバター、チーズもこの際、ジャンジャン買いましょう」といえれば随分と楽だったろうに－－－。そう考えると彼もゴルフに誘い、手厚い接待をするなどの気をつかって、よくやっている方だと少しはねぎらって上げたくなる。
（11/08/17 10:00pm)
2017年11月8日
お国柄
ゴルフに晩餐会を含む4回の会食といったトップ同士の親密な関係をアピールしてトランプさんは2泊3日の訪日日程を終えて次の訪問国韓国へ向かった。
トランプさんの長女のイバンカさんがパパの露払いとして一日前に来日した際も、肩書としては（たかが）大統領補佐官の来日にしか過ぎないのに一国の首相夫妻が歓待するという異例ともいえる（外務省筋からは、「前例がない」などといった文句も出たのではないだろうか）厚遇をしたのだからトランプさんも気分をよくしたにちがいなく、安倍首相との会談では事前にマスコミなどが予想していた貿易不均衡の問題やら、日米FTAの問題といった日本側にとっては余り触れて欲しくない問題は全くと言ってよい程、出なかったようだし、対北朝鮮への圧力強化だとか日米連携の一層の強化、拉致被害者の救出、といった問題での意見の一致を見たというのだから、日本側からみればトランプさんの来日の成果は満点に近いものだったのではないだろうか。
そういった経過を聞いて、今のところ野党からも、反安倍のマスコミからも余り表立った批判は出ていないのが不思議といえば不思議だ。
昨年の大統領選以来、破天荒な言動が多く移民排斥ともいえる結構乱暴な政策を推し進めるトランプ大統領に対する日本のマスコミの見方はかなり厳しいものであったことを考えると、イバンカ―トランプ連携によって演出された「日米連携」や「ドナルド・シンゾー関係」に対する批判がほとんど見られないという日本の世論の変わり身の早さには（「鬼畜米英」といっていたのが8・15を境に嘘のような「親米」に変身した日本人のよくいえば「柔軟な対応力」、悪く言えば「定見のなさ」というお国柄を感じる。（「戦争法反対」のプラカードを国会に持ち込んで反対していた議員さんたちからも「トランプ訪日による日米防衛力連携反対！」なんていう声はまったく聞こえないのも、まあ不思議といえば不思議だ。
日本を発って韓国に向かったトランプ氏に対して韓国各地では200以上の「反トランプ」「反米国」のデモや集会が行われ、特にソウルでは「戦争反対」「NOトランプ」などのプラカードを掲げる市民団体などのデモや集会が数多く開かれ親北大統領といわれる文在寅大統領府も「客人を歓待するのは韓国の伝統だ」と国民に異例の呼び掛けを行っているし、李首相も「ソウルのデモは度が過ぎる」と苦言を呈したとか。
トランプさんの今回のアジア歴訪の目的の一つが暴走を繰り返す北朝鮮から「韓国を守る」ためだというのに、その守ろうとする国の人々から「返れ！」といわれたのでは、あのカンシャク持ちそうなトランプ氏の顔色も変わったかもしれない。
この辺りの一連の動きを見ると、昔の韓国には文大統領の言うような「客人を歓待するのは伝統」があった？かもしれないが、今の韓国にはそれはない！といえるのかもしれない。
もっとも、日本のようにその時の雰囲気だけで、コロコロ世論が変わる方がよいのか、韓国のように前後の見境もなく自分達の好き嫌いを表に正直に出す方がいいのかは―それこそ国民性によって随分と違うというだけのことかもしれないが。
韓国の次の訪問地は中国だが、多分中国は又、何兆ドルかの対米投資案件などを提案しトランプさんを懐柔しようとするだろうが――それもお国柄だということだし、札束に弱いというアメリカの国柄もあるから――またこれも見ものだ。
（11/07/17 10:00pm）
2017年11月7日
床屋に行こうか
記憶にある限り祖父は（父方も母方も）ハゲ（今でいうなら薄毛）だった。
父も祖父ほどではないが額がかなり上がっている方だったからタカさんは昔から自分も当然、年をとったらハゲてくるのだろうなぁ～と覚悟していたのだが、（贔屓目かもしれないが）今のところ「髪の毛がフサフサ」とはいえないものの「ハゲ」ではないと思っている。
従って、某ホテルチェーンがはじめたというチェックインする際に髪の毛の薄い客の宿泊料を割り引く「ハゲ割」なるサービスの「対象です！」といわれて宿泊料がいくらか安くなる－－－と言われた場合、喜ぶよりもきっと怒りだすと思う。
ホテルが「ハゲ割」サービスを始めた理由は部屋掃除の際、バスタブなどの排水溝の髪の毛の処理が大変だが、薄毛（ハゲ）の客の場合、その手間がかからないから－－－という、聞けばもっともな（？）理由かららしいが、そうだとすれば床屋の料金が髪の量に比例して設定されていないのは、薄毛の人間にとっては随分と不公平なようにも思うが―――もっともこれにしても料金が4000円の床屋に行ったら「お客さんは400円で結構です」なんて言われたら客は絶対に怒りだすとは思うが－－－。
アメリカに住んでいた時、近所にハイスクールがあり多くの生徒の行き帰りにすれ違うことがあったが、中には教師と見間違えるほどの薄毛で髭の濃い生徒が結構多くいたが、日本人に比べて（肉を食っている所為か？）欧米人にはハゲが多いように思う。
アメリカでは、ハゲが多い所為もあって日本人のようにハゲをあまり隠そうとしないし、女性たちもむしろ薄毛を「男らしい」と思う人が多いようで、日本人のようにかつらを被ったりして必死にハゲを隠そうとはしないようだ。（確かに、二枚目アクションスターのブルース・ウィルスなど薄毛をトレードマークにしてむしろ、それを堂々と出している例が多いように思う―――（日本でも、最近は市川海老蔵のように髪が薄いのを隠さない俳優も増えているような気もする）
欧米人は日本人よりもハゲが多いと聞くが、インド人にはハゲはほとんどいないともいうから－－－かならずしも肉食とハゲは関係があるともいえないような気もするし、習近平を始め中国要人にはゲがいない（少ない）のは、ウーロン茶だとか餃子に何か育毛成分でも含まれているのだろうか----。
ハゲの民俗学的研究、文化人類学的研究――などというものも結構面白いかも。
そうそう、大分髪が伸びてきたから明日でも床屋に行くとしようか。
（11/06/17 10:00pm）
2017年11月6日
元カノ元カレとは
民進党議員であった山尾志桜里さん、週刊誌に男性弁護士との不倫関係のスキャンダルを暴露されて報道陣の追求を受けることになった時、「男女の一線を越えてはいません！」とシラを切り通し、どうにか先の衆議院選では無所属で当選されたようだが、彼女の言った「一線」とは何か？が話題になったが、まあ、表だってそれを言う訳にはいかないかもしれないが、誰もが「一線」とは「男女の肉体関係」である――という理解で間違いないだろう。（ということは、彼女に投票した選挙民の方々は、「不倫関係も別に悪いことではない」と考えているか、あるいは「不倫しようがしまいが、彼女は政治家として優秀だから」と考えた訳で、その得票数が他候補を上回ったということなのだから、彼女に負けた候補たちは随分質が悪かった――ということになるのでは？）
週三回も四回も男女が男の自宅やホテルの一室で真夜中まで一緒にいて女は朝帰りした――となれば、やはり世間の大多数の人は、二人には肉体関係に（もっとありていに言えば性行為）あったとみるのが普通で、連日連夜、一室で二人が「憲法問題」を語りあっていた――という山尾さんのことば信じるほど初心（うぶ）というか、愚かな人はいないのではないだろうか。
中学生のころ購読していたた「中学時代」という月刊誌の身の上相談に、「中学生同士の男女交際での肉体関係はどこまで許されますか？」という相談があり、回答に「中学生の肉体関係は握手までにしましょう」と書いてあったことを思い出す。今から半世紀以上昔は、中学生同士ならばキスでさえダメだったという訳で、今の時代なら考えられないことだったような気もする。
先日、ラジオを聞いていたら、「元カレ、元カノの定義」というような話になっていて、やはり元カレとか元カノというのは同棲経験のある相手というような意味であり、同棲まではしていなくても性行為の相手で会った彼、又は彼女のことである－－－、何度かデートをして映画を観に行ったり、レストランで食事したことのある程度の相手を元カノとか元カノとはいわない、という結論だったのを聞いて、タカさんとしては、自分の青春時代には、今言う元カノは存在しなかったということか～と、ちょっと複雑な心境になったものだった。
山尾さんの場合も擁護派の見解は、彼女が夫と子供がいながら、不倫相手と肉体関係を持ったことを（道徳的にはともかく）責めることは自由恋愛の社会である以上責めるのは良くない！というもので、もし彼女が責められるとしたら、明かにウソと誰が聞いても思われるシラを切り通し「一線は超えていません！」といったことだけだ、ということらしい。（ウソをつくのは政治家の習性のようなものだからたいしたことではない―――ということか？）
すなわち、擁護派の人々の意見を集約すれば、山尾さんは記者会見で「はい、確かに相手の弁護士とは肉体関係をもちましたが、それが何か？」といえば良かったのに～ということらしい。
つくづく、今の世の中の男女関係観は、昔人間であるタカさんのそれとは余りにも違い過ぎることに愕然とせざるを得ない。
（11/05/17
10:00pm）
2017年11月2日
戦略のない人達
太平洋戦争開戦前、アメリカとの圧倒的国力の違いを考えたら当然開戦すべきではないと、強く反対論を述べていた連合艦隊司令長官山本五十六だったが、陸軍及び海軍の主戦派からの強い圧力に屈し、連合艦隊司令長官として真珠湾での開戦に踏み切らざるを得なくなったが、出撃前、昭和天皇から戦の見通しについてのご下問を受け「半年や一年は大いに暴れて見せますが、あとはいけません－－－」と答えたという。
この一言をもって、軍神とも称えられた山本五十六を「愚将だった」と評価する意見は、作家山本七平や最後の提督といわれた井上成美などだが、その理由としては山本五十六には「戦術があっても戦略がなかった事」だといっている。
山本七平の「一下級将校の見た帝国陸軍」には、連合艦隊司令長官という戦争の最高指導者が「半年や一年は大いに暴れて見せますが－－－」といいながら、その半年や一年が過ぎた後、戦争をどうするのか？の展望、すなわち戦略を全く持っていなかった（いや、「あとはいけません－－－」という言葉にあるように、必敗の確信があった）にもかかわらずそれでも開戦に踏み切るとは―――愚将以外のなにものでもない！と唾棄している。
国家の存亡がかかる戦争は、どうやって開戦するか、ではなくどうやって収拾（終戦）するかが大切なのであって、「はじめてはみたものの、どうやって終わらせるか」「目的は何なのか」の展望もないまま突き進むような司令長官を持ったことが日本の不幸だった――というのだ。
「真珠湾を奇襲攻撃する」というのは戦術としては良かったかもしれないが、奇襲攻撃に成功し米軍がまだダメージから立ち直れない時期に、どことどこの国などの仲介によって、米国にどう働きかけ有利に休戦なり停戦にもっていくか―――といった戦略が全く欠落していたというのだ。
初戦の真珠湾やマレー攻撃で一瞬有利な立場にたったからと言って、その勢いで、あれもこれも全部占領し尽くせると考えていたとしたら、日本軍は子どもっぽ過ぎるし、もし、「初戦の勢いに乗じて－－－」という気があったとしたら、真珠湾の帰路にミミッドウェーを叩く－－－などといった二の矢、三の矢があるならまだしも、真珠湾を叩いただけでそそくさと引き揚げてしまうとは―――戦略どころか戦術すらなかったことになるではないか―――というのだ。
調子にのって勢いで「政権交代」とまで吹いていながら首班指名候補すら欠いたままで国政にチョッカイを出した小池さんが、自前の党である希望の党の屋台骨を民進党という泥船から命からがら逃げだした連中に乗っ取られ、その希望の党の元民進党の連中も又、戦略なく戦術だけで飛び出したおかげで、いまや右往左往する有様だし、立憲民主党にしてもセクハラ疑惑で火の車の議員さんを二人も抱え、不倫でミソがついた山尾さんや、二重国籍問題の蓮舫さん辺りを抱え込まざるを得なくなっており、この先あまり「明るい展望」が開けるとも思えない。
いやぁ～、本当に日本人には戦略というものがありませんねぇ～。
（11/01/17 10:00pm）
2017年11月1日
立憲主義と民主主義
「悪法といえども法は法」といって死刑判決に従ったのはソクラテスだが、さてそれではその法を悪法であるのか善法（？そんな言葉があるかどうかしらないが）を判断するのはあくまで人間である以上、ソクラテスは「たかが人間が定めたに過ぎない法というものに盲目的に従った愚か者」ということも出来る。
宗教を信じる人にとって「神が決めた法である」といわれれば、それを悪法だということはできないし、盲目的に従うしかないけれど、その「神の法」にしても解釈次第ではどうにでも取れる場合ばかりといってもよく多くの宗教で様々な分派ができて争い合っているのもその「神の法（教え）」の解釈の違いが全て原因だ。
立憲主義といわれるものは、基本的には国家だとか一部の権力者といったいわゆる権力の側の判断に依るのではなく、憲法とそれに基づく法律を最優先にしてそれに則ることで、社会秩序を保とうというものだが、その憲法とか法律といわれるものも所詮は人が作ったものである－－－となると、解釈によっては、ソクラテスならぬ「悪法」である可能性もあり、果たして立憲主義だけを押し立てて「法で決まったことなのだから四の五の言わず死刑になれ！」とばかりはいえないケースもあるかもしれない。
もっとも「立憲」を大切にするのは、その憲法なり法律なりが一部の権力者（例えば国王だとか独裁者）が定めたものではなく国民の大多数が同意して定めたものであるならば、「立憲」を推し進めることは国民の多数の決定に従うということだから、結果的には「よいこと」であり、「民主的な方法によって定められた法に基づく立憲体制」は社会にとってベストとはいわないがベターな体制であると考えることもできる。
さて、ここまでくると、次に考えなければいけないのは、それでは「民主主義的にきまったことなのだから―――」といわれる民主主義とは本当にそれほどの信頼を置いてよいものなのか？ということが問題になってくる。
民主主義とは何か？となると教科書が何冊あっても足りない位の論議があるが、縮めて言えば、「多数（過半数）の意見に基づく決定の方法」ということになる。
もちろん、過半数が賛成したからと言って、「よい事」とはいえないではないか？とか、少数派の意見をより取り入れるべきであり全員一致の意見になるまで議論をに尽くすべきだとか、決定前にあらゆる情報が、全員に等しく与えられている必要がある、といった意見も重視しなければならないのは事実だが、日本でいうなら1億人からの人間があらゆる決定に対してそれだけの時間と労力をかけることができない以上、どこかで「多数決」という手段をとらざるを得ないことは誰もが認めるところだ。
チャーチルがいった「民主主義は最悪の政治形態である。ただし、これまで試されてきたいかなる政治制度を除けばだが」の通り、民主主義は不完全なものであることは認めざるを得ないが、これよりマシな制度がない以上は、不完全な民主主主義そのものまで否定しまうことはそれこそ反民主主義的ともいえるものだ。
そう考えると「立憲主義」と「民主主義」は、ある部分では、相反する主義ともいえるように思うのだが－－－その辺り、枝野さんの見解を聞いてみたい気がする。
（10/30/17 10:00pm）
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