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2016年上期の各月バックナンバー： 7月、8月、 9月、10月 11月 12月
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2016年7月
＜＜7月タイトル＞
07/29 大切に思います 07/28 ピンシャンしたまま 07/27 夢みたいな話 07/26 ドーピングと義足 07/25 タカビーすぎないか？
07/22 相性が悪い 07/21 護憲という名の虐待 07/20 荷が重いかも 07/19 同じ顔の美人 07/15 お盆月間 07/14
郎党処分 07/13 中断絶対反対！ 07/12 間に合うのかなぁ〜 07/11 都知事選祭り 07/08 何しに行ったん？ 07/07 オリンピックも万能ではない
07/06 ファラージの逃亡 07/05 一枚下げたローズ 07/04 マリッジブルー 07/01 ツバメの子育て
2016年7月29日
大切に思います
キリストが説くLOVEの概念は、明治以前の日本人にとっては全く馴染のないものであったという。
16世紀、キリスト教布教の為に日本を訪れた宣教師達も困って（何しろ、キリスト教の根本ともいえるLoveを説明できないというのでは話にならないから）苦し紛れで、仏教で使っている「慈悲」の意味である「愛」をLoveの訳として使ったのが、当時の日本人達（隠れ切支丹？）も、キリストの説く「愛」は仏教の「慈悲」と同じことだと「誤解」し続けていたがゆえに納得していたというがまあそれで別に問題はなかったいうことなのかもしれない。
明治に入って外国文学が続々入ってくるようになったが、明治の文豪たちもLoveを何と訳すかには色々頭を悩ませたようだ。なにしろ日本人にはない概念を日本語にしなければならないのだから―――。
それですぐ思いだすのは「三四郎」の中で漱石は「Pity's
akin to love」を「可哀想だ、は惚れたってぇことよ」と訳したし、その他にも、英語の講義の際に「I Love
you!」を「月がきれいですね」と訳したとか、二葉亭四迷は「私 死んでもいいわ」と訳したといった俗説もあるぐらいで本当に明治の人達は困り果てたようだ。
確かにいまや当然のように使っている「愛」だけれど、母性愛や父性愛と自己愛の愛が同じものだといわれると―――ちょっと首をかしげたくなるし、性愛の愛と神の愛という時の「愛」が同じものなのか？となると、何だかしっくりしないようにも思うし---。
そういえば、江戸時代の蘭学者たちは「Love」のことを「ご大切」と訳していたと聞いたことがある---。確かにLoveが「大切に思う気持ち」だといわれると母性愛、父性愛、自己愛、それに性愛や神の愛にも共通するような気がしないではない。
現代だって、彼女に「僕はあなたを大切に思います」なんていって迫れば案外「僕はあなたを愛します」よりもOKになる確率は高いようにも思うが---。
（07/28/16
10:00pm）
2016年7月28日
ピンシャンしたまま
三菱自動車やスズキによる自動車メーカーの燃費不正が明らかになり、特に三度目だか四度目だという三菱の場合、消費者ももうこの企業には自浄能力もその意欲もない、と見放してしまったことで遂にはニッサンに身売りしその傘下に下ることになったという。
70年代にはビッグ3の一角クライスラーや当時まだエンジンを作れなかった現代自動車にエンジンを提供していたという程の「名門」の余りの凋落ぶりには驚くほかない。
フォルクスワーゲンやら三菱自動車やらあっちでもこっちでも燃費不正がとりあげられたのは近年になっての話ではあるが、実はタカさんのみならず自動車メーカーのカタログに載っている燃費、すなわちカタログ燃費が全く実走数値とかけ離れた信用のおけないものであることは十分認識し、且つ体験していたことだ。
しかし、「メーカーのいう燃費なんて、インチキなものに決まっている」とそれまで諦めきっていたことが、こうやってあらためて「不正だ！」「不正だ！」と騒がれ始めると、なんだか忘れていた怒りがこみあげてくるような気がする。
実は、タカさんはもうかれこれ30年程、自分の載っている車の燃費は自分で計算している。具体的にはガソリンタンクがほとんど空の状態で満タンまで入れるようにしていて（今のハイブリッド車なら40L、一代前は確か60L）、給油した量（いまならば、大体37l位）と日付をメモしてから走行メーターをゼロに戻しておくのだ。
次に給油する時にも同じことを繰り返せば、前回ガソリンをいれてから今回迄の走行距離と使ったガソリンの量がわかるから、簡単に燃費を計算することができる。もちろん、高速走行と市中走行の燃費は微妙に違うだろうが、それも10回、20回とならせば、「自分の車の燃費」は把握できる。
確かに、10年前に乗っていた車（燃費はリッター辺りせいぜい9キロ位だった）にくらべれば今のハイブリッド車はリッター16キロ位と倍近くよくなってはいるものの、それでもこのメーカーのいうカタログ燃費のリッター30キロ近くの半分程度でしかない）色々な走行条件があってのカタログ燃費だからしかたがないのかなぁ〜と思っていたが、これってやっぱり「看板に偽りあり」だし、客を騙しているようなものではないか！とも思うのだが---。
まあ、メーカーが多少の誇大宣伝するのは分からないではないが、一番腹がたつのは、これらのメーカーカタログ燃費を公的な機関がお墨付きを出している点だ。
聞くところによると、この審査・認証を行っているのは国土交通省所管の独立行政法人自動車技術総合機構なるところだというが、ここが独自に検査（めったにやらないらしいが）したデータがメーカーの認証申請したものを大幅に下回っていた場合でも、全て修正勧告など出さず、メーカー数値のまま認めていたというのだから―――。
要するにメーカーがインチキな数字を出してそれを国がお墨付きを与え、国とメーカーがグルになっていて消費者を騙していたという訳だが---。
三菱は結局潰れかけているが、運輸省の方はピンシャンしたままである。
（07/27/16 10:00pm）
2016年7月27日
夢みたいな話
共和党の大統領候補に指名されたドナルド・トランプは明確にTPP反対を打ち出した。今行われている民主党大会で大統領候補におそらく指名されるであろうヒラリー・クリントンも「TPP反対」とまでは明確に言ってはいないが「今の、TPPの枠組みは支持しない」と言っている。
オバマが任期最後の仕事としてまとめ上げようとしたTPPの枠組みを全否定まではしないものの「私が大統領になったら、もっとアメリカにとって有利なものに交渉しなおす用意があるわよ！」と言っているわけで、大統領選が終わるまで「一旦休止」状態になっているTPPだが大統領選が終わり次第、トントンと妥結に向かって進む―――と考えていた日本側にとっては「なんだよ、結局振りだしに戻ってチャラかよ〜」といったところではないだろうか。
日本側でもTPPによって安い農産物、畜産物が入ってきたら自分達が様々な政府保護によって得てきた利権が失われてしまう、と考える農業団体などがTPP反対を打ち出していたが、アメリカでは一体、どういう筋がTPP反対を打ち出していて、トランプもヒラリーも無視できない声になっているのだろうか。
日本と正反対で、農業団体などはTPPによって日本の農産物市場が大きく開放されれば自分達の生産物がより自由に輸出できるのだから大歓迎だ。（日本の農産物市場の自由化を常に要求してきてそれを獲得してきたのもアメリカの生産者たちだ）
金融や証券といったアメリカが世界を牛耳っていて圧倒的な強みをもっている分野も、閉鎖的ともいわれるアジア・太平洋地区、そして日本を含むいわゆる「グローバル市場」がTPPなどによってより広く開放されるのだから大賛成だ。
反対しているのは、アメリカの工業製品、たとえば鉄鋼とか自動車などのかつてのアメリカ産業を支えた産業部門とそれらの部門でかつて働き今はそれらの産業が斜陽であるが故に職を失った人々の層であると考えて良い。
鉄鋼や自動車、あるいは電機といった産業の労働者は、長くアメリカの中流というよりは中上流を形成してきた。他産業比では2倍、あるいは3倍といった高給を保証され強い労働組合のおかげで極めて手厚い退職金や年金、医療補償を当たり前のように受けてきた。しかし、かつてこれらの産業が世界を制していた時代ならいくらでも使えたこういったコストが徐々に負担になり中進国などの猛追によってアメリカにおけるこれらの花形産業は今や完全な斜陽産業となり、かといって膨大な過去のバラマキコストを削減することもできず次々と倒産の憂き目にあっている。（デトロイト市は破産、ピッツバーグやクリーブランドの惨状も伝えられる通りだ）
さあ、こうなるとこういった憂き目にあっている人々（かつてのエリート労働者層）が恨みに思うのは自分達の産業を厳しい国際競争に晒した自由競争であり、自由貿易ということになる。（自分達が、高給、高福祉を要求しすぎたがために、これらの産業がダメになったとは思わない）すなわち、それこそが、TPP反対の大勢力であり、これをトランプのみならずヒラリーも無視できないのだ。
TPPを止めれば、アメリカの鉄鋼も自動車もかつてのような栄光を取り戻す！という夢みたいな話に、アメリカ人は酔っている―――というのが真相だ。
（07/26/16 10:00pm）
2016年7月26日
ドーピングと義足
世界反ドーピング機関（WADA）がロシアの国ぐるみのドーピングを認定し、ロシアオリンピック委員会が申請するロシア人選手全員のリオオリンピック参加を認めるべきではないという勧告をIOCに出したが、ロシアの全選手を排除するのでは、リオのみならず今後のオリンピック運営上の商業的リスクが甚大になることを怖れたIOCによって「競技団体毎に参加選手資格を決めてよい」という玉虫色というか、いわゆる「丸投げ」決定が出された事が大きな反響を呼んでいる。
国家による巧妙な隠蔽工作は罰せられるべきだが、それが「連帯責任」としてドーピングにかかわっていない（と証明された）選手個人をも罰することが果たして正当なのかどうかという問題になると一部の野球部員による喫煙や暴力で、甲子園辞退に追い込まれる「善良なる」部員が余りにも可哀想ではないか―――という議論と同じように確かに同情論も起きるのは致し方ない。
ロシアの世論はこのIOCの丸投げ決定を評して「ロシアの正義の勝利」と湧きかえっているというし、欧米の世論は「IOCは所詮、商売の損得しか考えていない！」と批判の渦だという。それもこれも（たかが）スポーツ競技会でしかないオリンピックがあまりに肥大化しすぎ、今や巨大利権であるばかりではなく、国際政治を動かすほどのものになっている為だ。
今回のロシアドーピング騒ぎのお陰（？）で、人々が余りに巨大化、肥大化しすぎたオリンピックに嫌気が差してきて、いま日本で起こっている、東京オリンピックに向けてのまさに「狂騒曲」ともいえるバカ騒ぎに少しは水が差された方がいいような気がしないではない。
ところで、ドーピングとは「薬物の力を借りて通常の運動能力以上の力を発揮しようとすること」と規定されている。1/100秒を争うトップレベルのアスリート達にとって「薬」の力は甚大であり、例えドーピングが体に悪いと分かっていても、金メダルをとったり、メジャーリーガー、マーク・マクガイアーのようにシーズン70本塁打の記録を出して大きな報酬が得られるなら―――という誘惑は断ち難いものだという。（マクガイアーはドーピングで永久追放処分をうけた）
ここでちょっと疑問に思ったのが、「薬物」ははっきりとドーピングとして罰せられることになっているものの、義足などの補助器具はこの範疇にははいらないのかという点だ。
もちろん、身障者の補助器具としての義足、義手、車椅子を否定するつもりなど全くないが、陸上100mで既に10秒91というウサイン・ボルトの世界記録9秒63に1秒28と迫っているパラリンピック記録、あるいは義足ジャンパーであるマルクス・レームが出した男子走り幅跳び8m40cmが、ロンドンオリンピックの金メダル記録である8m31cmを上回っているという事実を知ると、そのうち「ドーピングがダメならば、高性能義足で出場しようか」というアスリートが次から次に出てこないともかぎらないような気がするのだが―――（2050年までには義足の進歩により100m、7秒台が可能という説もある）
ドーピング問題どう考えても沈静化するどころか、益々巧妙になっていくだけではないかという気がしてならない。
（07/25/16
10:00pm）
2016年7月25日
タカビーすぎないか？
ボランティアの元々の意味は自らの意思で戦場に赴くことに同意した「志願兵」のことだ。国の為に、あるいは自らのなんらかの思想信条の為、あるいは宗教的な理由から、命を懸けてでも戦に参加しようというのが「ボランティア」の語源である。
それが転じて最近では救援や、福祉などの社会的活動に原則無償で参加することを広くボランティア活動と言っている。
そんな原義からも、ボランティアとは、自発性、無償性、利他性、先駆性の4つが兼ね備わっている活動といってよいが、ボランティア活動が極めて活発に行われるようになり、又、社会もボランティアに期待、依拠する場面が多くなってきた1980年代以降、日本では特に「無償性」という原則についてはより柔軟に考え、例えば交通費や滞在費については実費を受けること、あるいは一定程度の報酬を支払う（すなわち有償）ボランティア活動というものもありだ！ということになってきている。
例えば、皆がどちらかといえば嫌がる自治会だとか管理組合の役員などの仕事にたいしては一定程度の実費、あるいは報酬を支払わなければ誰も役員になりたがらないから、組織維持のために報酬を支払うという組織も一般化しているようだ。
2020年の東京オリンピックの警備などのボランティア要員募集要項がオリンピック委員会から発表されたが、その応募条件が話題を呼んでいる。
条件のいくつかを上げてみると、「コミュニケーション能力があること」「外国語が話せること」「１日8時間以上、期間中10日以上活動できること」「競技の知識があるか、観戦経験があること」と中々厳しい。すなわちコミュニケーションの手段として（例えば）英語が十分使えて、期間中少なくとも10日間、１日8時間以上は奉仕活動に割けるだけの「暇と体力」があって、しかも競技についてもある詳しくなければならない―――というのだ。
しかももっと重要な条件は「無報酬かつ旅費と交通費は本人負担」という部分だ。日本で開かれるオリンピックだからできる限り協力したい、ボランティア参加したいという人はたくさんいるかもしれないが、例えば東京から遠くはなれた地方（北海道とか沖縄）から、交通費自腹、滞在ホテル代自腹で東京に出てきてボランティアに参加したい―――という人、しかも期間中、暇と体力に溢れている人―――となると―――どれほどいるのだろうか？と思ってしまうのだが―――。
タカさんの場合でも、首都圏に住んでいるから交通費、滞在費については自腹でも可能だし、リタイアした身ならば暇も作れば作れないこともないかもしれないし、英語もまあどうにか行けるとは思うが、これから4年後、とてもじゃないけれど、体力が持たない！と思う。
新国立競技場問題にせよ何にしろ「オリンピックなのだから」いう印籠さえ出せば世の中、どんな無茶でも通る！と考えているのではないかとも思える東京オリンピック委員会のタカビーな姿勢が気になる。
（07/24/16 10:00pm）
2016年7月22日
相性が悪い
トルコ建国の父ケマル・アタチュルクが進めた「世俗主義」とは、イスラム教の教える「神による支配」から、西欧的な「主権在民」による民主主義への切り替え、ということであった。この世俗主義のおかげで国民のほぼ100％がイスラムであるトルコが、西欧に伍して近代化を図ることができたといっても過言ではない。
しかし、ケマルが進めたこの西欧化・民主化は、彼の強烈なカリスマによる非民主的な強権によってこそ可能であったという点は皮肉だ。
「イスラム法による支配」がアラーの教える理想の国家体制だとする宗教勢力（イスラム）と、人々の意思にもとづく多数決民主主義こそが理想の政治体制だとするいわゆる民主主義の相性は必ずしも良くないのは、「神が上か、民が上か」という相容れない命題に結論を出すことができない以上致し方ないといえる。
そんな矛盾をトルコ革命以来の100年間、どうにかバランスをとる役割を担ってきたのがトルコに於ける軍の存在だった。
宗教色が強くなる度に、軍がクーデターによって宗教勢力を排除、国是である「世俗主義」に戻す、という乱暴な調整を行ってきた訳だが、「軍という力による政治への介入」は、「民主主義」がもっとも嫌う「民意ではない力による現状変更」であることは間違いないのだが――軍がクーデターによって「守ろう」としたものが「民主主義」だというのだから―――矛盾のループに陥ってしまうのは、何とも皮肉な話ではないか。
2003年に政権の座についたエルドワン首相（現大統領）は、民主主義的な選挙によって選ばれた「民主主義的に正統なリーダー」である。しかし、そのエルドワン政権がこの十数年間で進めてきたのはイスラム色の強い反世俗主義であり（トルコでは許されてきた飲酒が、エルドワン政権になって大幅に制限されるようになっている事が好例だ）、又トルコ内のクルド勢力や、世俗主義を主張する反対勢力に対する取り締まりは、きわめて強権的なものである。
先週、このようなエルドワンの反世俗主義的（イスラム主義的）な姿勢に対して軍の一部がクーデターを起こしたが、危機一髪でこの難を逃れたエルドワンによる「軍による暴力を阻止せよ！」という呼びかけに多くの国民が呼応したことで、このクーデターの目論見は完全に打ち砕かれた。
非民主主義的なクーデターが失敗したことに、西欧諸国はすぐに、エルドワン支持を表明したが（日本も）、しかしその後、エルドワンがおこなっているクーデター勢力狩りと、クーデター鎮圧に名をかりた世俗派の検察官、公務員、政治勢力の逮捕、追放、そしてクーデター首謀者たちへの死刑復活（トルコは2002年に死刑を廃止している）の動き、といった強権的かつ非民主主義的な動きには、大いに戸惑いを見せている。（長年、トルコが望んできたEUへの参加も、この死刑復活で又遠のいたと思われる）
民主主義と宗教という絶対的価値観が異なる二つを融合させようという試みがいかに難しいものであるかの証左がまさに今トルコで進んでいることだ。
イスラムに限らない。キリスト教だって仏教だってその価値観は民主主義などとはまったく相性の悪いものなのだと割り切る必要があるということだろう。
（07/21/16
10:00pm）
2016年7月21日
護憲という名の虐待
改憲論議となると話はどうしても第9条の「戦争放棄」に集中しがちである。自衛隊は憲法条文にある「戦力」に相当するのかどうか？ 自衛隊による防衛力（自衛力）は戦力ではない！ いや、憲法を素直に読めば自衛隊は戦力である！そんなことを言っていたら中国や北朝鮮が侵略してきたらどうするつもりか！etc, etc
喧々諤々、愚にもつかない空論、こんにゃく問答、の繰り返しであり、いつまでたっても論議がまとまる訳もなく、やるだけ無駄な論議という気がしないではない。
与党が、改憲の発議に必要な2/3の国会議員を今回の参議院選で得たのだから―――といっても、公明党は、この9条の改定には否定的だというから、9条にこだわっている限りは戦後70年という世界でも例のないほどに古い憲法が、この先、100年、1000年先まで続き―――聖徳太子の十七条憲法を抜いて―――世界最古の憲法になる―――なんていうことになるかもしれない。
占領軍が、わずか数カ月間で作ったというだけあって現行憲法には、まあ、色々、おかしなところもあるけれど、なにせ憲法は一言一句変えてはいけない、あらためてはいけない、という「護憲勢力」にとっては、なにしろ不毛なこんにゃく問答を繰り返し、憲法改定の動きがあれば全て封じるか、その動きに水をさして妨害するのが目的なのだから、2/3だろうが3/4だろうが、いくら改憲を目論んでも無駄だ。
高齢になられた天皇のご公務の削減が必要ではないかという議論があるらしく、天皇自身が退位の希望をもっておられるのではないかという話が一斉にマスコミを賑あわせている。
ところが、天皇という地位は憲法の定めによれば、本人の希望やら回りの思惑によって退いたり、譲ったりする訳には行かないものである―――となると先日亡くなった永六輔や、大橋巨泉と同い年のご老体に、「激務に耐えろ！」「勝手に隠居したりするな！」と憲法が命じているということにもなる。
天皇は、職業選択の自由もなく、選挙権もない、という一般の日本人なら当然もっている権利さえ否定されている。82歳、幾度かのガン治療も経験されてきた、ご老体を、さらに酷使する-――というまさに虐待を強いるのが憲法なら、どうにかこの部分だけでも急いで改定したらよさそうなものなのに―――と思うが、やっぱり一項目毎に、あの「2/3の国会議員による発議による国民投票で過半数」という手続き―――という呪縛がある以上、陛下にはまことに申し訳ないけれども、ここは敢えてあくまでも御存命であるかぎり在位を続け、公務をこなしていただくしかない―――。
「改憲阻止！」を叫ぶのももちろん自由だが、「改憲すなわち9条の改定だ！」というレッテル貼りは、護憲派を名乗る人達の、改憲勢力に対する、単なる政治的いやがらせに過ぎない。現行憲法には9条や、集団的自衛権といった問題のほかにも、上にあげた、天皇の地位と天皇個人の人権だとか、憲法が禁じている私立教育機関への公的援助が実際には行われていること（これなしでは日本の教育制度は成り立たない）とか、政教分離規定があらゆる点でズブズブになっていることetc, etcは、このまま放置せよ！と言っているのと同じことだ。
陛下も年々、歳をとられる。ご希望（？）にそって、そろそろゆっくりしていただいたらどうかとは思うが――――護憲派の鬼どもがゆるさないのだろうなぁ〜。
（07/20/16 10:00pm）
2016年7月20日
荷が重いかも
ソフトバンクが、英半導体設計大手アームホールディングスを3兆3000億円で買収するというニュースが飛び込んできた。この金額は、日本企業による海外企業の買収としては過去最大規模だそうで、余りに巨額ということもあっていかにソフトバンクとは言えこの買収でその財務体質が大幅に悪化するのではという懸念から今日の東証での同社株は大幅安となった。
これだけの金額を注ぎ込んで財務体質悪化懸念もものともせずに買収するというのは、ソフトバンクとしては「ここは勝負！」という決断をしたということなのだろうが、アーム社という企業の名前にあまりなじみのなかった多くの一般株主にしてみれば、確かに「おい、おい、大丈夫かよぉ〜｝といったところもあるのだろう。
もっとも、IT関係に詳しい筋にしてみれば、このアーム社という企業中々有名な会社らしい。自社では製造は行わずLSIに関するIPコアベンダ（LSIを開発するためのIP（知的財産）コアを提供し、LSIメーカーなどからIP使用料を受け取る企業）としては、あの有名なインテル（INTEL）に大きく水をあけるNO.1企業なのだとか。
タカさんにとってはIT業界のシェア争いなどにはたいして興味がある訳でもないのだが、ソフトバンクが狙っているのがこのアーム社を抑えることによって、今後、大化け間違いなしといわれているIoT事業で、圧倒的な強さを発揮することにある―――という話には大いに興味がある。
IoTとは「インターネット オブ シングス」のことで、全ての産業や日常生活がインターネットを通じて、時には人工知能なども活用することによって管理できるようになる――社会のことだ！と言われている。
例えば、個別商品の売り上げなどの情報（どこで、いつ、何個、いくらで）といった情報が、瞬時に集まり、それを分析することによって、それ等の商品の最適な配送スケジュールをインターネットを通じて手配する-――といったイメージで語られることが多い。確かに、すでにコンビニの弁当の最適な配送スケジュールなどが、かつての店主の勘による発注と違って、今やPOSシステムが活用されていることを知っているから、まあ、これがインターネット接続になる―――ときけば分からないのではないのだが、今一つそんなシステムが3兆3000億円もの投資をする価値があるのか―――となると、今一つ、この分野にうとい身には理解しがたい面もあるのだが---。
ましてや、IoTによって家電（例えば、冷蔵庫やクーラー）に外出先からインターネットを通じてスイッチをいれたり切ったりできるようになる―――なんて聞いても、「別に帰ってからクーラーのスイッチをいれればいいじゃん！」なんて思っている古い人間であるタカさんにとっては、そんなことになぜ「3兆3000億円？」なんて思ってしまう―――。
どうも、ケイタイすら持たないタカさんにとっては、IoTがどうたらこうたら――という話は、ちょっと荷が重いようだ。
（07/19/16 10:00pm）
2016年7月19日
同じ顔の美人
日本人女性と結婚しているインド人の同僚と親しくしていた。ある時、彼と飲んでいて冗談混じりに「日本人から見ると彫も深く目鼻立ちがはっきりしてエキゾチックなインド人女性は皆美人だけれど、何で比較的のっぺりとした日本人女性を結婚相手に選んだの？」ときいてみたことがある。（彼の奥さは、まあまあ、美人であった）
彼によればインドの女性は、どれも同じ顔ばかりで養鶏場のニワトリを見ているようだけれど、日本人女性は皆、個性的で美人に見えるから〜、という答えだった。
タカさんにとっては魅力的に思える、鼻筋が通って、目がぱっちりと大きく、色も健康的に浅黒くて―――といったインド女性の特長は、なんとも羨ましい限り（？）なのに、インド男性には何故、顔は扁平、鼻は丸くて、目は眠そうに見える細さで―――という日本女性の方が「圧倒的に魅力的」に見えるのか―――と思ったものだ。
確かに、世界中のどこの国でも自国の女性にはない特徴を持った異国の女性の方が魅力的に見える---ということはあるかもしれない。日本でも外国人の男女がもてるし、ハーフとかクォーターといわれる混血のタレントがもてはやされるのは、こういった「異質を求める」動物的本能に基づくのかもしれない。
インド人女性同士（男性も）が、比較的似ている理由として一説では今から7万年前に起きたインドネシア・トバ火山の大噴火（過去10万年で最大級の噴火爆発だったといわれる）によってインドに当時住んでいた人類がせいぜい数十から数百家族にまで減り、絶滅しかけたことがあり、その時にDNAプールが極端に減少したため、未だにインドに住む人達の顔つきなどの特長にバラエティーがない―――という説があるが、もしこのトバカタストロフ説が事実だとすると、北方系、大陸系、南洋系の民族DNAが入り混じった（いわゆる混血民族としての）日本人に、「個性あふれる」顔つきが多く、「インド人は皆似ている」というあのインド人同僚の主張は、当たっているということなのかもしれないが―――。
たしかに考えてみると我々にとっての「美人」の基準にはある程度は「個性的」という部分があるようにも思う。昨年だったか、世界が選んだ美人女優100人という中に入っていた日本人女優は（例えば佐々木希さん）、タカさんも確かに「美人だなぁ〜」とは思ったけれど、もし日本人女性が全員この顔だったら―――きっと、今は不美人と思われている日本人女性も大もてにもてるのではないだろうか。
先日、行われたミスユニバース韓国大会の出場者の顔が確かに全員美人ではあるものの「皆同じ顔で不気味」だと中国のインタネットで大変な話題になっているとか。
一昔前、まだ美容整形がそれほど盛んではなかった頃のいわゆる韓国美人の顔でさえ今やこれら出場者の中には全くない。若い韓国女性で美容整形しているのが約4割、プチ整形といわれるものまで入れれば7割が整形している―――という説があるけれど、こうなってくると女性だれもが同じ顔になってしまい、若い韓国人男性は自分のガールフレンドがどの女性なのか、自分の姉や妹がどの人なのか―――判別がつかなくなる―――なんていうことにならないだろうか――とちょっと心配になった次第。
（07/18/16
10:00pm）
2016年7月15日
お盆月間
新暦のお盆の時期であるが、旧盆が風習だというタカさんの町のスーパーなどでは、盆飾りを売っているのは見かけない。タカさんの家もお盆は旧暦でやっているから不便はないのだが、今年は、東京にある妻の実家は新暦のお盆だというので昨年末に亡くなった母の新盆（初盆）ということもあり週末にはお墓参りに行く予定だ。
聞くところによると、新暦のお盆をやるのは広い日本でも東京だけで、ほとんどの地域は旧暦のお盆だという。夏の盛りの新暦の7月の今頃は、農作業が真っ盛りと言ってよい時期だが、それも一段落した刈り入れ前の中休みの時期が、旧暦の7月15日（新暦の8月15日ごろ）であり、そういういささか手の空いた時期に先祖供養の行事をおこなってきたという。明治以降新暦を取り入れたからといって今の時期、農作業を休む訳にはいかない農村部では相変わらず旧暦に合わせてお盆をやっているが、武士や町人が多かった東京（旧江戸）では、農作業の時期は余り関係ない！というので新暦を取り入れた―――という説があるが、何となく納得できる説ではある。
ところで、亡くなった近親者とか、先祖の霊が一年に一度この世に戻ってくるのが、このお盆の時期だといわれているが、この霊を迎え入れる作法にも色々あるようだ。お墓まで霊を迎えに行き火縄に乗り移った霊を家までご案内する-――といった所もあるかと思えば、お墓参りにはいかず霊たちが迷わないように、家の門口で迎え火を焚いて「こちらですよ〜」と霊を迎えるだけ―――という（いささか簡便な）ところも多いというが---。仏教の行事だとか作法に全く疎いタカさんにとっては、この霊の迎え方一つにしても何が正式なのかさっぱり分からない。
「お盆に霊が帰って来る―――」というならお盆以外の時期、霊はどこにいるのか？
「普段はあの世にいる」というならお墓とか、家にある仏壇は、霊にとってどういう場所なのだろうか（いくら墓や仏壇を拝んでもそこには誰もいないとしたら―――？？一体、お墓参りや朝の仏壇へのお水やり等にはどういう意味があるのだろうか？？）
随分以前だが、こんな屁理屈見たいな質問をお坊さんにぶつけてみたことがあったが、そのお坊さんによればお墓も仏壇もあの世に直結した入口のようなものなのでそこにお参りすればあの世に直通電話がつながっているようなものであって―――ということだったが---そうだとすると、我が家の仏壇と、お墓に直結していて更にお墓からあの世までの直通回線がつながっている―――ということになるけれど―――。
更に、別のところで聞いた話では、釈迦の説いた初期の仏教は、死者の霊の存在を認めていないのだとか。そうだとすると――そもそも先祖の霊を迎える〜というお盆の行事とやらは、釈迦の教えの謗法ということになってしまうが---。
う〜ん、そうはいうけれど亡き親族の霊が年一回、この世に会いに来てくれる―――という今のお盆の風習はやっぱり自分がこの世にある限り守っていきたい！という気持ちも強いが---。
これから旧盆までの1ヵ月余り、何かと亡き人達を偲んで過ごしていくことになるのだろう。
（07/14/16
10:00pm）
2016年7月14日
郎党処分
江戸時代、謀反を企てるなどの不忠を働いたものの処罰の中には「一族郎党打ち首、獄門」なんていうのがあったという。
一族から不忠者が出たとなるとその企てに一切関係のない嫁さんや子供、下手をすれば伯父伯母、甥姪にいたるまで打ち首獄門となると―――というのだから、そんなご難が待っているとなれば、親族同士が妙な行動に出る者がいないように相互監視、相互不信の状況に陥るだろうし随分と不自由な日々だったのではないだろうか。
確かに現代だって成人した息子や娘が何らかの悪事を働いた場合「一体、親は何をやっていたんだ！」なんていう世間の厳しい非難にさらされる――なんていうこともあるが（高知東生の覚せい剤と不倫で妻の高島礼子がマスコミの餌食になった例なんかもそれに近いか？）まさか、自由の国日本の天下の公党である自民党からそんな「一族郎党処分！」のお触れが出るとは――――時代が150年以上も戻ってしまったようで心底驚いた。
東京都知事選をめぐり、自民党東京都連は11日石原伸晃会長らの名前で、所属国会議員や都議らに「都連が推薦を決めた増田寛也元総務相以外を応援した場合には、除名等の処分の対象とする」という文書を配布した。
大慌てで公示直前に担ぎ上げた元岩手県知事の増田寛也氏を押し上げ、先出しジャンケンで事前の自民党都連の了解なしで立候補を表明した元防衛相の小池百合子衆院議員への嫌がらせをしようという魂胆であることは明白だが、あまりにも前時代的で非民主主義的なこの「一族郎党処分」の布告は、却って都議会自民党の質の悪さを世にさらす結果になってはいないだろうか。（そもそも、舛添さんの無駄遣いを追求しながら、一方では自分達もリオ大名旅行を企てていたのは自民党を中心とする都連ではないか！）
今の時代、例え夫婦の仲といえども「xxさんに投票しろ、さもなくば離縁だ！」あるいは「○○さんの応援をしたら離縁よ！」なんてやったら、それこそ大変な騒ぎになる。
自由意志で投票し、自由意志で応援する（あるいはしない）というのが民主主義による自由選挙の原則でありその自由を束縛する――などということがあってはいけないのだ。（会社で選挙運動を強要されたと訴えた場合、会社が公選法違反で罰せられた例も多い）
まあ、自由民主党という私的な政治結社の中での取り決めならしかたがないという面はあるのかもしれないが、ヤクザの組織内で「お前の親父が不義理をしたのだから、息子のお前が指をつめろ！」といっているのと同じで、そんな組織が「自由、民主」党を名乗っているのもなんだかなぁ〜と思う。
一般の選挙民は、もちろん都連のこんな理不尽な通告に何ら拘束されることもないし、「郎党処分！」なんていう話を聞いたら却って反発して自民党推薦の候補以外に一票を投じることは間違いなかろう（多くの選挙民は、天邪鬼なものだ）
ということは、これで「都連からいじめられてカワイソー」な小池さんか、立候補会見でも具体的な公約は「全て未定」と正直に（？）述べた鳥越氏辺りがグッと有利になったような気がするが－－－。
まあ、それにしても都知事選という大切な選挙を毎回ドタバタのとんでもない低次元の物にしているのが与野党を含む日本の政党であるという感を今回もあらたにすることになりそうだ。
（07/13/16 10:00pm）
2016年7月13日
中断絶対反対！
NPB（日本野球機構）は、2020年東京オリンピックの大会期間中に、プロ野球の公式戦を中断する方針を固めたという。
7月24日から8月9日迄のプロ野球にとってはまさに佳境ともいうべき時期に「中断」という決定は、今年8月に開催されるIOC総会で復活の可能性のある「野球・ソフトボール」が、いかにオリンピックに協力的であるかをアピールする意味があるのではないかと思われるが、プロ野球ファンの大半はこの決定に対して大ブーイングを送っているし、タカさんもその一人である。
確かに東京で半世紀振りに開かれる国際的イベントであるオリンピックに出来るだけ協力すべきだとは思うが、3000億円という途方もない建設費の為に白紙撤回された新国立競技場問題や、神宮球場を資材置場にする――等々、随所にあらわれる「オリンピックなのだから何でも無理が通る！」調の主催者側の傍若無人ぶりにはさすがにクビをひねりたくなる。
プロ野球ファンの大半が「オリンピック期間中といえどもプロ野球を開催して欲しい」といっていることを考えれば、野球が復活するのかどうかも決定していない今から、IOCにおべっかを使い、NPBとしてもっとも大切にすべきプロ野球ファンの意向を無視するかのような決定には納得がいきかねる。
そもそも野球中断という決定は一体、どういう手続きを経て誰が決定したのだろうか、そのプロセスにはファンの意向はどの程度考慮されたのだろうか。
オリンピックに野球・ソフトボールの復活が決定してから中断するのかどうかを決めても良かったのではないだろうか。（来月には判明する話だ）
拙速な決定には多くの疑問が残る。「野球・ソフトボールの復活」そのものが状況的には必ずしも楽観できないと言われている。万一、復活しない場合でもプロ野球はこの期間、中断するのだろうか。（全く、ムダになってしまう）よしや復活が決まったとしてもWBCをはじめとするこの種の国際試合に興業的な意味からも積極的に参加の意思が薄いといわれるMLBが選手を送るかどうかもまだ明らかではない。メジャーが参加しないオリンピックの野球なんて本当にNPBを中断してまで参加する意味があるのだろうか―――。
この期間は夏休み中でもある。普段は球場に行けない子供たちにとっても野球観戦にはベストの時期である事もタカさんが中断に反対する理由の一つだ。
タカさん自身、個人的には2週間もあるオリンピックをそれなりに見るとは思うが、その期間に巨人対阪神、あるいはロッテ対ソフトバンクの優勝の行方を占う一戦があるなら、間違いなくそちらを見る。
そうそう、この時期は夏の甲子園大会も華やかな時期である。どこかのだれかが、プロ野球同様に、高校野球も中断もしくは時期をずらすべし！なんて言いだしたら、全国の高校球児やその父兄など関係者、高校野球ファンは激怒するのではないだろうか―――。
もう、こうなったら皮肉な話だが、東京オリンピックで「野球・ソフトボール」が復活しないことを願うしかないのだろうか。
（07/12/16
10:00pm）
2016年7月12日
間に合うのかなぁ〜
高校の先輩から友人が市長選に立候補するので手伝って欲しい、といわれ、尊敬する先輩の為ならとお手伝いをしたことがある。お手伝いといっても応援演説をするなどというものではなく、せいぜい市内何か所かにある選挙掲示板に候補者のポスターを貼って回る仕事をしたに過ぎないのだが---。
しかし、このポスター貼りという仕事、やってみて結構大変だったのには驚いた。市長選の場合、公示から投票日まではわずか7日間しかないから、公示日の朝8時半に立候補受付が始まり掲示板の何番に当該立候補者のポスターを貼ってよいかが決まり次第連絡があるので、皆で手分けして掲示板にポスターを貼らなければならない。わずか1週間の選挙期間なのにポスター掲示が他候補に比べて半日でも遅れるようなことがあったら致命傷、その掲示板にはいの一番でポスターを貼る！位の意気込みでやらなければ選挙民に「あの候補、やる気ないなぁ〜」なんて思われかねない！
そんな訳だから、事前に掲示板のある場所を選管に確かめておき、その場所毎に誰がポスター貼りをするかの分担を決め、必要な枚数のポスターやら虫ピン（あるいはテープ）といったものを用意しておかなければならない。（選挙期間中雨が降った時のことを考えてポスターをカバーするビニールのようなものも用意するのが望ましい等々）
タカさんはポスター貼りの下っ端請負人だけだったからまあ楽ではあったが、当然選対本部の責任者は市内に230か所ほどある掲示板毎に「誰が貼るか」の割り振りをしなければならないから大変だ。（1か所でも抜けがあったら大変）
ポスター掲示スタート！の号砲（？）が鳴ってから遅くとも1時間位では市内全掲示板にポスターを貼り終えることが望ましい、となると移動と掲示に一か所10分かかるとしても、市内全域だと40人位の運動員にポスター掲示を事前に依頼しておかなければならない――という計算になる。
14日に公示される東京都知事選は公示から投票日までが17日間（投票日は7月31日）と市長選よりはるかに長いが、立候補者の掲示版は、なんと都内に16.000個所あるという。1万6000個所の掲示板に14日の午前中にでも全てポスターを貼り終えるために、運動員が一体、何人必要なのだろうかと思うと―――まだ、立候補するかどうかを迷っている候補なんていうのは本当に選挙に出て当選する気になっているのだろうか？とちょっと心配になってくる。
増田さんとやらは今日立候補を表明したそうだが、出るの、出ないのとグズグズしているようにも見せながら、（実は）1万6000枚プラス個人掲示ようの数万枚のポスターをとっくの昔に用意していた―――というのでなければ公示日には到底間に合わない。自民党が推薦の意向を示しているということだから、自民党の区議会議員などを強制的にポスター貼りに動員することができるかもしれないが―――自民党の推薦を辞退したという小池さんにとっては、1万6000個所の掲示板にポスターを貼ってくれる運動員を独自に集めるのは結構大変なのではないだろうか―――。
タマ不足の民進党は、候補者を出さない訳にもいかない―――と、元通産官僚の古賀さん（古館伊知郎とやらかしたご仁）に立候補を要請したそうだが、古賀さんにしてもこれからポスター作るのも大変だし---参議院選で疲れ切った民進党運動員たちがちゃんと働くかどうか―――？ いやはや、皆、大変そうだ。
（07/11/16 10:00pm）
2016年7月11日
都知事選祭り
参議院選が終わったらすぐに都知事選だ。選挙はある種のお祭り行事であるともいえるから面白そうならば、野次馬にとっても期待するものがないではない。（いずれにせよ都民ではないタカさんにとって都知事選は何の関係もないけれど）
総理大臣を選ぶのと違ってアメリカの大統領選のように選挙民が直接選ぶ知事には、どうしても知名度のある候補が有利といったところがあり、知事としてのビジョンだとか、行政処理能力といったものは二の次、三の次になるのは噂される立候補者の顔ぶれをみてもあきらかだ。
東京都ともなればそのGDPは韓国やメキシコ一国のそれと同じ規模があることを考えれば、政治家ならば「この際、一丁都知事選で勝負してみようか」と思うのではないかとも思うが、万一対抗馬に人気の大物タレントでも出てこようものなら惨敗ということもあり得るし、そうなると今の衆議院なり参議院、あるいは閣僚の椅子を明け渡し下手すれば浪人の身となるかと思えば思い切って手を上げるほどの根性のある政治家は中々いない。（立候補宣言をしている小池百合子氏の場合、今や自民党内に居場所もなく冷や飯を喰っていることから、スピンアウトし易い立場にあるようだ）
舛添さんで散々問題になっただけに、これからは国会議員のようには政治資金をいい加減には使えなさそう―――となればやはり躊躇されるし---。政党としては、役人とか地方の知事経験者に目をつけたいところだけれど―翔君パパという絶好球が「出る気がない」と宣言してしまったから、それほど一般に知名度のある人物もいない。
自民党都連は前岩手県知事の増田寛也氏というタマを持って来たいようだが、そもそも岩手で公共事業をやり過ぎて県の財政赤字を倍以上に膨らませ、外国人参政権付与に強行に賛成してきた人物をなぜ都議会自民党（外国人参政権に反対している）が東京都知事候補に推すのかさっぱり理解できない。（まあ、それほど小池さんが嫌い！ということなのだろうか）
猪瀬、舛添という二代に亘る失格都知事を推薦したのは自民党都連だし、舛添さんをその超豪華な海外出張で、散々叩き正義面して追及している裏では自分達もリオに大人数を組んで「視察旅行」に出かける手はずだったことがバレて慌てて取り止めたような「汚くてセコイ都議会議員達」が「推薦します！」なんていったら、まともな東京都民は「じゃあ、増田はよそう！」ということになるし、そんな自民党による「小池外し」、なんていうことになれば「悪い自民党にイジメられて、小池さんが可哀想！」と女性票を初めとする判官びいき票の大半は小池さんに流れるだろう。
玄人筋では、「増田対小池になれば増田だ」なんていう予想もあるらしいが、野次馬目線のタカさんの都知事選公示前予想は、圧倒的に小池！だと思うが---。
かつては細川さんと組み日本新党にいたかと思ったら、いつの間にか小沢一郎と組み、小沢が落ち目になったら保守新党だとかなんとかという党に乗り換え、その直後には、きれいに自民党に鞍替え―――自民党内でもボスを次々に乗り換えるなど、実に身のこなし（？）が軽い彼女は、うさん臭さも一杯だけれども―――グジグジといつまでも出るのか出ないのかはっきりしない男どもに比べたら、小池女史の方がよっぽど「おとこらしい」ではないか。再び、こういった低次元の争いになりそうな都知事選祭だけれど―――まあ、岡目八目で楽しもうと思う。
（07/10/16 10:00pm）
2016年7月8日
何しに行ったん？
4月に妻と懸案の伊勢志摩旅行に行った。二人とも一度も行ったことがなく、「日本人なら一生に一度はお伊勢参りに行かなければ―――」等というすり込み（？）による脅迫観念みたいなものがあったから、伊勢志摩旅行を終えて帰ってきたら二人とも何だか日本人としての義務を果たしたかのような気分だった。
とりわけ妻は友人たちやご近所の奥さん連中に「お伊勢参り」の話を自慢げに吹聴したらしいが、お友達の多くが関西出身であったこともあってか「ぷっ、伊勢志摩に何しに行ったん？」とか「赤福なら名古屋駅でも買えるでぇ〜」とか言われて散々にからかわれたという。
どうも、関西では伊勢志摩は中学校どころか、小学校の遠足か、修学旅行でいくところのようで東京人にとっての日光旅行程度（いや明治神宮位か？）の旅行先でしかなく伊勢神宮に参拝しおかげ横丁の赤福に行ってお茶を飲んだ！なんていう話は、「明治神宮に行って帰りに原宿でお茶してきた！」という程度の話でしかないらしい。
ネットで調べてみると確かに中学校の修学旅行先は、関西だと九州と関東という答えが30％ずつであり勿論地元関西（当然伊勢志摩をふくむと思う）は1％もないぐらいであるところからするとやはり伊勢志摩は「小学校の修学旅行で行った」先ということになるのだろう。小学校の修学旅行で行ったところとなれば、それは確かに大人になってから夫婦旅行で行くところではないなぁ〜とは思った。（参照：「修学旅行の行先」）
ちなみにタカさんは、鹿児島の小学校では修学旅行先は「霧島」だったし、旭川の中学では青函連絡船に乗って「本土」には行はしたもののせいぜい「十和田湖」までだったし、東京の高校では京都、奈良だったから、生粋の東京育ちの妻同様、伊勢志摩が60代になるまで「盲点」だったことはご理解いただけると思う。
そういえば、最近は高校の約12％が修学旅行先として海外を選んでいるとか。一時期多かった行先としての韓国が、日韓関係が悪くなった近年激減しているのに比べ、最近は欧州各国やら米本土、オセアニア、シンガポール等という行先も多いというからたしかにタカさん夫婦のような「60過ぎてからのはじめての伊勢志摩」なんていう旅行が「ぷっ、何しに行ったん？」ということになるのも致し方ないのかもしれない。
（07/07/16
10:00pm）
2016年7月7日
オリンピックも万能ではない
リオ五輪ゴルフ日本代表の筆頭候補だった松山英樹選手が出場辞退を表明した。理由は現地でのジカ熱の流行、情勢不安にもとづく治安の悪化だという。
メダルの可能性も高い日本人トッププレーヤーの辞退にリオでの日本のメダルの数の多さを期待する向きからは失望の声もないではないが、基本的にはチーム競技ではなく個人競技であるゴルフの場合、参加、不参加を決断するのは松山本人であるのは当然であり、彼の辞退を批判することは間違いだと思う。
松山選手は虫さされに対して過敏なアレルギーをもっており、2年程前にも蚊にさされたことが原因で顔を腫らしてしまい化膿が引くまでの数週間ツアーを欠場せざるを得なかったことがあり、今回もリオに出場して蚊にさされたりすれば競技でベストのパフォーマンスができない可能性もあるし、それよりもなによりもリオでの、虫刺されが元でオリンピック後も数週間ものツアー出場辞退等ということにでもなれば彼の競技人生そのものが大きく躓くことになる可能性だって考えられなくはない。（ゴルフ選手のランキングは年間の獲得賞金額によって決まり、ランキングが下がれば翌年のツアー資格を失う可能性すらある）
そんな様々なリスクを無視してでも日本の名誉の為に出場すべきだ！等と、誰も言う権利はないし、いうべきではない、というのが松山選手同様の強アレルギー体質であるタカさんの思いである。
ゴルフの各国代表選手の辞退はなにも松山選手がはじめてではなく、世界トップランクのプレイヤーであるオーストラリアのアダム・スコットや、ローリー・マキロイ、今年のマスターズチャンピオン英国のダニー・ウイレット等々、松山選手が10人目の辞退者というほどに多いという。辞退の理由はそれぞれに違いがあるようだが、高額賞金を争って毎週激闘を繰り返しているゴルフの場合、高額賞金が出るわけでもないオリンピックのたかがメダルの為に、ジカ熱やら治安の不安に身をさらす意義をあまり感じない―――という選手がいてもおかしくないような気がする。
折からウィンブルドンをわき腹痛から途中棄権したテニスの錦織圭選手も、リオへの出場は「ケガの回復状況次第」と語っており、一か月後に迫ったリオにはおそらく出ないのではないかとも言われている他、他のテニス選手の中にもジカ熱や治安を上げて出場辞退を表明しているが、同じく高額の賞金を争っているバスケットボールも辞退者続出、という事態が起きているとか。
オリンピックに出ることこそが最高の目的であり夢であるという競技は実に多いが（例えばマラソンなどは世界選手権よりもなによりも相変わらずオリンピック勝者こそが最高の注目を集めている）、競技によってはオリンピックがシーズンオフの練習試合位の意味しかない、という競技もあるということなのだろう。もはや「オリンピック万能時代」ではないのだ。
そうそう、そういえば東日本大震災の後、英国のサッカーチームだとか、キューバの野球選手（グリエル兄弟）などが、原発の放射能のリスクを理由に来日拒否をしたことがあって、何となく彼等に対して反発を覚えたが－－－ブラジルの人達は松山君をどう思っているのだろうか。
（07/06/16 10:00pm）
2016年7月6日
ファラージの逃亡
イギリスのEU離脱派勝利に終わった国民投票結果が出た直後に、この国論を二分する論戦で「離脱派」の先頭に立ち、新しい保守党党首の筆頭と目されていた前ロンドン市長ボリス・ジョンソン氏が突然、保守党党首選への出馬断念を発表し今後のイギリスのEU離脱手続き交渉からの逃亡を図ったことは、離脱派のみならずT対EU交渉の行方を不安視する英国民を戸惑わせているが、このジョンソン氏と同じく離脱運動を大きく引っ張ってきたもう一人、イギリス独立党のナイジェル・ファラージ党首が昨日突然、独立党党首辞任を発表した。
離脱運動の先頭に立ち残留派の面々にいわせれば「離脱運動を扇動してきた」二人の大物が、「さあいよいよこれから離脱だ！」という矢先に、まさに敵前逃亡してしまったようなものだけにイギリス国民はあっけにとられているのだとか。
兵士たちを最前線まで引っ張ってきた将軍二人が、さあいよいよ戦闘という段になって逸早く敵前逃亡してしまったようなものだけに、ノブレスオブリージだの騎士道精神の国、等というイギリスの看板がまったくの幻影にすぎなかったことを世界中に知らしめてしまったようなものだ。
ファラージ氏の辞任の弁が一応「自分の目標であったEU離脱の投票結果がでたが、自分にとってのゴールはここであって、これ以上党首を務めても、今まで以上のモチベーションが保てないから〜」とかなんだとかいうものであって全く意味不明。
英国のマスコミによれば、ファラージ氏もジョンソン氏もまさか「離脱」という結果になるなどとは全く思っていなかったので、自分の政治的な知名度を上げるために離脱の旗振りをしてきただけで、実際に「離脱」という結果が出てから「これは、大変なことになってしまった！」と怖気づいてしまったのだ〜という。
なるほど、分からないではない解説だ。夫の浮気の証拠を掴み軽く夫を叱るつもりで「離婚よ！」と拳をふりあげたら意外にも夫が「申し訳なかった。離婚されても致し方ない、慰謝料もたっぷり払う」と離婚に応じるそぶりを見せてきた――――今更、「あれは言い過ぎで、離婚する気はないので、言い過ぎを許して欲しい！」等と謝る妻、なんてまずいない。それと同じで、最初から別に成算があった訳ではないが、相手を困らせるとか、嫌がらせの目的で言いだしたことが、瓢箪から駒で実現してしまい―――引っ込みがつかなくなってしまって―――という例が、まさにジョンソン氏やファラージ氏のケースかもしれない。
そういえば、現在進行中の参議院選挙でも同じような話があるような気がする。共産党との野合を計ってなにしろ選挙を有利に進めようという民進党だか民主党という党も「NO！安倍政権」を掲げているが、それでは具体的にNO！安倍とはどのような政策なのか、消費税にせよ、憲法にせよ、何の具体案も提示していない。自衛隊は違憲だという共産党とどう安保問題、防衛問題で協調していくのか（いけるのか？）、社会福祉の充実をいうなら財源はどうするのか（政権をもっていた時に、無策であったことがバレている）----疑問だらけだが－－－。
ジョンソン氏やファラージ氏同様に、「選挙で勝つことなんてない！」と思っているからこそ、無責任なことを言っているのだろうと考えると―――納得がいくが－－－。
（07/0616 10:00pm）
2016年7月5日
一枚下げたローズ
今シーズンから千葉ロッテマリーンズに加わったヤマイコ・ナバーロ選手は、昨年迄の2シーズン韓国プロ野球で活躍、15年シーズンにはシーズン46本という韓国プロ野球記録となる本塁打を放ち、その記録をもって日本球界に挑戦している人物である。
オープン戦ではいきなり特大場外ホームランを打つなど韓国での本塁打王の片鱗をみせたこともあって、大砲を待望していたタカさんをはじめとするマリーンズファンの期待を一身に集めていたのだが、オープン戦の移動中の沖縄の空港で所持品の中から実弾が2発みつかったことで銃刀法取り締まり法違反で逮捕され、結局は不起訴とはなったものの球団はペナルティーとして彼の公式戦出場を4月23日まで禁止した。
期待していたスラッガーだけにシーズン初めの彼の欠場には、がっかりさせられたが4月末に彼が出場するようになってからは、タカさんなどはQVCマリーンフィールドでのロッテの試合にはほぼ毎試合出かけ彼のHRを期待して声援を送っていたのだが－－－漸く1号がでたのが5月12日と「刑期明け」以来20日も後のことであり、2号もそれから更に2週間後であった。（7月4日現在では9号に達しているが）
「韓国では年間48本！」という数字からすれば、この「登場から1ヵ月半でたった2本」という数字には随分とがっかりとさせられたし、タカさんのマリーンズ応援仲間たちの間ではもっぱら「韓国の球場は極端に狭いから、日本なら外野フライになるような当たりでも皆HRになってしまうらしい―――」等という真偽不明の話もとびかっていた。（逮捕のきっかけになったのが実弾2発だったから、今シーズンの彼のHRもきっと2発止まりなのだろう）などという冗談もきかれた。
ベーブルースのHR記録がハンク・アーロンによって破られた時、長い間のアメリカンヒーローであったルースの記録が破られることがいやで仕方がなかった多くの白人野球ファンが、「ルースの時代に比べて、アーロンが打っている今のボールは軽すぎるから比較にはならない！」等と偉業達成を認めない！と主張していた歴史もあるし、日本の王貞治がそのハンク・アーロンの持つ通算755本の生涯HR記録を破った時も、「箱庭のような日本の球場での記録とメジャーの記録を比較するのはナンセンス！」という声が聞かれていたことを思いだす。
マイアミ・マーリンズのイチロー選手が先日、ピート・ローズの持つメジャー通算安打記録4256を「日米通算」で超えた。日本では張さんを始め大騒ぎだが、多くのアメリカのメジャーリーグファンや、抜かれた本人のピート・ローズにしてみれば、「日本での記録も通算するのであれば、自分の記録にも高校時代の記録を入れて欲しいものだ！ 俺は絶対にイチローの記録を認めない！」と息巻くのもわからないではない。
ナバーロにせよ、ベーブルース、王貞治、ハンク・アーロン、ピート・ローズ、イチロー等々、同じ野球といえども違う土俵、違う時代の記録を比較することがいかに難しく、ある意味説得性がない、ということではないかとも思う。確かに、双葉山と白鵬のどちらが強いか？と言ってみても余り意味がないのと同じかもしれない。
口惜しさからヤッカミにも聞こえるコメントを出したピート・ローズは、「人格的にどうなの？」と男を一枚下げたが、このローズのコメントに対して「認めてくれたからこその、こういうコメントだと思い、嬉しかった」と語ったイチローが、男を一枚も二枚も上げたことだけははっきりしているが。
（07/04/16
10:00pm）
2016年7月4日
マリッジブルー
婚約も整った、さあもうすぐ結婚式、といった時期に、幸せの絶頂にあるはずの男女が陥るといわれるのが「マリッジブルー」といわれる漠然たる不安感だ。その原因や内容は男女によってもかなり違いがあるとは言われているが、要するに自分の選択結果が、本当にこれで良かったのだろうか？という疑心から起こるものといわれている。
多くの婚約の場合、（今でも）一般的には男性の側からプロポーズ、女性がそれを承諾することで整うことが多いが、男性の側にしてみれば、自分としてはベストの女性にプロポーズしたと思ってはいたが、本当にそうだっただろうか？――ちょっと前まで付き合っていた彼女、あるいは学生時代からなにかと自分を気遣ってくれていたあの娘―――等々、よく考えてみると婚約者である彼女よりも自分の妻としては良かったかもしれない、という気もするし、そもそも、今の自分の収入で彼女とそして生まれてくるであろう子供を十分養っていくことなんてできるものなのだろうか――――もう少し、仕事もしっかりとこなせるようになり収入も上がってから結婚すべきなのではないか―――etc. etc.という自分の決断に対する迷いであり、女性の側にしてみても、突然のプロポーズという出来事に舞い上がり、おもわず‘Yes' と答えてしまったけれど、もう少し待っていたら、自分があこがれていたあの男性からプロポーズされたかもしれない－－－あの人の方が婚約者よりしっかりしているし（イケメンだし）、収入もずっとあるというのに―――etc. etc.といった迷いである。
このマリッジブルー現象は、心理学でもよく知られている「買った後の後悔」現象と同じ性質のものだ。
家や車といった高額な品物の購入を決めた後、本当にこの家が（車が）一番よい買物だったのだろうか―――もっと良い物がもっと安く手にはいったのではないだろうか―――という不安にさいなまれた経験を持つ人は多い。
同じく「買わないという結論に対する後悔」というのもある。旅行先で旅仲間達皆が買っていた土産用の名物饅頭を、自分だけが買わなかった―――といった場合、旅の最後まで「やっぱり、2つでも3つでも買っておくべきだったのでは？」と悔やんでしまう―――等という経験をした人は多い。
人間というものはどうも、ある決断をした場合、その決断が中々難しいものであればあるほど（やりなおしの効かない決断であるほど）、自分の判断（決断）が正しかったかどうかを思い悩む動物であり、それこそが「マリッジブルー」や、「買った後の後悔」の原因だ。
イギリスの人々は「EU離脱」という決断を行った。その決断に至る過程は、難しいものであっただけに、果たしてこの決断で良かったのか―――という迷いに彼等がさいなまれているのも、あるいみ当然ともいえる現象なのだ。
しかし、多くのマリッジブルー経験者たちが実際の結婚生活に入れば、「自分のあの時の結婚の決断はベストのものだったのだ！」と思えるようになるし、自分の買った家や車に愛着を持つ人がほとんどであることを思えば、数年後、イギリスの国民はかならずや「自分達のEU離脱の決断は最善のものであった」と思うようになることは請負だと思うのだが―――。
（07/03/16 10:00pm）
2016年7月1日
ツバメの子育て
小学生の頃、祖父母たちと同居していたのだがその家の軒先に例年ツバメが来て子育てをしていた。小学2年の頃だったと思うが親ツバメの片方がエサを運んでこなくなり、そうなるともう一羽もいわゆる「子育て放棄」をしてしまった。
毎日、見守っていた叔父さんや叔母さんが、「これは可哀想！」とヒナ鳥を巣から下し、小さな籠にガーゼのようなものを敷いて巣らしいものを作り、エサを与えはじめた。最初は確か金魚のエサになる糸ミミズなどをピンセットで与え、少し成長してくるにつれて当時はまだどこにでもブンブン飛んでいたハエやアブを与えて育てたが、幼きタカさんも近所の魚屋に行って店先でハエ叩きを振りまわし、マッチ箱につぶしたハエを集めてもって帰る―――などという親鳥なみの大活躍をした。（坊ちゃんがハエ叩きをもってうろつきまわるので商売にならない！と魚屋の大将が文句を言ってきたと後に母から聞いた）
ツバメは普通一度に3匹から7匹のヒナを育てる（巣立ちを迎えて南の国に旅立つまでに育つのは2割にも満たないとも聞くが）というから、その親鳥のエサ運びの頻度は物凄いもので（一説には一分間に一回の割合だとも言われる）、そんな量のハエを人手で集めてくるとなると大変な作業だった記憶がある。
結局、何羽のヒナが育ったのか育たなかったのか―――なにせ60年も前の記憶だから定かではないが---（多分、ヒナが死んでしまったとしても、叔父さんや叔母さんたちは、幼いタカさんに伝えるのは忍びないと、言わなかった可能性も高い）―――毎年、この時期の梅雨空をエサ取りに余念がなく飛び交うツバメをみると、小学2年生の時のあの必死でハエ叩きを振るっていた頃の自分を思い出す。
先日、娘のマンションを訪れたら部屋の玄関前の通路の天井近くの壁に、ツバメが巣を作っていた。ツバメが巣を作る家は良い事がある、などと言って昔は皆歓迎したものだが、最近は、フンなどで壁や床が汚れるからといって巣を落としてしまうところも多いのだとか。娘のところでは近隣の人たちと「ツバメが子育てをしています。巣を落とさないで下さい。」という張り紙をはって見守っていた。小学2年生になる孫娘によると今ヒナ鳥は3匹いるそうで、親鳥たちは必死に虫をくわえて飛んで帰ってきては、大きな口を空けて待つヒナに与えている―――と嬉しそうに語っていたが―――60年前に比べればめっきりハエやアブ、蚊といった虫をみることがなくなったが－－－ツバメたち、一体どこから、どんな虫を運んできているのだろう―――。
（06/30/16
10:00pm）
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