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2016年上期の各月バックナンバー： 7月、8月、 9月、10月
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2016年9月
＜＜9月タイトル＞
09/30 和食って何だ？ 09/29 談合は文化か？ 09/28 他山の石 09/27 宇宙は広い 09/23 寄生虫も役にたつ？ 09/21
やらなきゃいけないのに 09/20 ケネディーと蓮舫さん 09/16 敬老されてもねぇ〜 09/15 ツバメは帰った 09/14 ハネムーン期間
09/13 経済制裁は効かなかった 09/12 おサルの電車 09/09 ウィンドウショッピング 09/08 二重国籍じゃないよねぇ〜 09/07
佐三が生きていたら 09/06 いざとなれば 09/02 夏休みは終わった
2016年9月30日
和食って何だ？
シカゴでは毎年夏になると両隣の家が毎夕、広い芝生の裏庭に置いたBBQグリルに火を起こし、一家そろってBBQテーブルを囲んで賑やかに食事をしている光景をみた。気がついてみるとタカさんの住んでいるブロックの半分程の家は夏の間はずっと毎夕BBQをやっているではないか。
涼やかな夕暮れの風に吹かれてお父さんは缶ビールを片手に肉やら野菜を焼き、そんな食材を準備した（といってもハンバーガー・バンなどスーパーで買ってきた出来合いのもの）お母さんはボンボンベッド風のチェアでのんびりとくつろいで庭に持ち出したテレビをみていて、子供たちは庭を駆け回って遊んでいる。皆が短い、シカゴの夏を楽しんでいる姿は印象的だった。（夏のはじめには、ホタルが大量に飛び交っていてこれまた幻想的だった）
しかし、毎日毎日BBQで、ハンバーガーがステーキばかりでは飽きないものかと思ったけれど、子供の頃から毎日毎夕ローストビーフを食べ続けているイギリス人や、毎日、パスタばかり食べているイタリア人のことを思えば「アメリカ人のBBQが別に特殊というわけでもないようだった。
翻って、では日本人は毎日一体何を食べているのだろうかと考えてみると、確かに世界でブームといわれ世界文化遺産にもなった「和食」を毎日食べている訳ではない。すくなくとも、家庭料理としての代表的な和食といわれる「寿司」「さしみ」「てんぷら」なんて毎日どころか週一回でも食べている家は極めて少数だろう。
それに、時代の変遷もある。タカさんが子供の頃、子供たちが好きな食べ物として挙げるベスト10の中に確かに辛うじて「寿司」とか「卵焼き」「すき焼き」といったかろうじて和食と呼べるものは入っていたが、ベスト3であった「カレーライス」「ハンバーグ」「オムライス」は明らかに和食ではなかったし、現代の子供たちの好きな食べ物「トリの唐揚げ」「ラーメン」「焼肉」に至っては和食とは全くと言ってよいほど関係ない。（「寿司」もベストテンに入っているが、これは昭和の子供たちが好きだった海苔巻きやお稲荷さんあるいはチラシ寿司ではなく、回転寿司屋で食べる握りのことらしいからやっぱり時代の移り変わりを感じる）
イギリス料理といえばローストビーフ、イタリア料理といえばピザかパスタが思い浮かぶように、アメリカ料理といえば今やタカさんにとってはBBQであるが、現代の日本の子供たちにとっての和食とは、「トリの唐揚げ」や「カレーライス」なのだろうか。
（09/29/16
10:00pm）
2016年9月29日
談合は文化か？
総事業予定価格3926億円である公共事業を行うことが決定された。一般競争入札を実施したが「これだけの大規模な工事をたった3926億円でやるなんて全く無理な話だ！」とただの1社も入札に応じてくれなかった。
困ったのは事業主体である自治体である。土地の整備やら旧施設の撤去計画、その後の土地利用などの計画等を長年かけてやってきたというのに、新施設がいつまでも建たないとなると大変な混乱がおきてしまう―――。
焦った役人たちは（おそらく、その自治体の首長や議会からも矢の催促があったのだろう）、あらためて業者達を呼んで「一体、どんな条件だったら入札に応じてくれるのか？」と打診せざるをえなくなってしまった。
第一回目の入札の際には、業者たちの事情など考慮せず役人たちだけで積算をおこなって出した「総事業予定価格3926億円」だったが、ここには、資材や人件費の値上がりや建設業者の多くが廃業せざるを得なくなっている業界事情等々が全く考慮されていなかったからいわゆる「全くの机上の空論」になっていたことが分かり、役人たちは業者の意見も勘案した再積算をおこなった結果、予定価格5884億円ならどうにかこの事業に応札してくれるところがあるという目途を立てた.
最初の入札から4年後、漸次再入札を行ったところ漸く１つの共同企業体（JV）が応札してくれ、落札に至った。役人や（ひょっとしたら当時の首長も）ほっと胸をなでおろしたことだろう。しかし、もちろんこういった経緯は公表する訳にはいかない。なぜなら、これは事業発注者と応札者による「談合」に相当するし、業者と発注者が共同で積算を行ったのだから当然、応札率は「予定総事業費」の99.9％といった一般からみたら「とんでもないインチキ入札」の疑いがもたれることになるからだ。
以上起きたことは、11年3月に第一回、13年以降に漸次行われた豊洲新市場の建設での出来事である。ところが、新都知事が選ばれ、この一連の経緯が明るみにでたことで、マスコミは「一大スキャンダル、談合！」と大騒ぎになってしまった。
確かに、公共の金（都民が払った税金）を使って行われる事業を、発注者である東京都と、私企業である建設業者たちとで事前に話し合いで決めるというのだから、間違いなく法的に厳しく禁じられている談合だし、最低入札価格が応札してくれる企業の希望を入れた価格！というのだから―――インチキであることに違いはない。
「いや、あの時、この一連の話し合いを業者とやっていなかったら、未だに業者も決まっていないだろうし、東京オリンピック迄どころか、いつまでたっても豊洲新市場はできなかっただろう！」なんていう居直った勇気ある発言をする関係者はいない。
関係者みんながグルだったのだから、今更都議会で様々な追及をしようが、第三者委員会だの何だのを作って追及をはじめたところで「こいつと、こいつが悪い！」といえるような名指しできる「犯人」が出てくるとも思えないし、それが分かったところでどうなるものでもない。
かつて「談合は美しい日本の文化の一つだ」といって大ブーイングを喰ったゼネコンのドンがいたけれど―――日本の文化は今も変わっていないのかもしれない。
（09/01/16 11:00pm）
2016年9月28日
他山の石
イギリス人はドーバー海峡と呼びフランス人はカレー海峡と呼ぶヨーロッパ大陸と英国本土を隔てる海峡は、日本人には英仏海峡という名でおなじみだ。
ロンドンにいた時、イギリスを代表する魚料理であるドーバーソール（シタビラメ）のムニエルでも食べに行こうかとその本場であるというドーバーに出かけたことがあった。あの有名なドーバーの断崖の上に立ってみたが、フランスはわずか30キロ先、と聞いてあらためてその近さに驚いたものだ。（ちなみに津軽海峡の最狭部より少し広い程度）
いま、このドーバー海峡のフランス側の街カレーには、英国へ渡ろうとする難民たち1万人余りが待機している「ジャングル」などと呼ばれる難民キャンプがあって、カレーの市民たちの悩みのタネになっているという。
難民に対する保護手当が厚く、就職のチャンスも大陸諸国に比べて多いといわれるイギリスに渡ろうとする中近東、アフリカからの難民が押しかけこの海峡を渡ろうと許可待ちをしているが、押し寄せる難民に対して英国はその許可数を極端に絞っているために、ジャングルの住民は増える一方なのだとか。
不衛生で、異臭漂うキャンプで暮らすことを余儀なくされている難民も大変だが、ヨーロッパ大陸に押し寄せる難民の一時避難所となってしまったカレーの市民にとっては、自分達だけがヨーロッパEUの難民問題のごみ溜めになってしまっている！という不満もつのり、難民と市民の間も険悪な状態だという。
カレーの人々にとっては、難民が行きたいといっている英国が難民の移入制限をしていることが問題なのだから、行きたいという難民は全員、ユーロトンネルで英国に送りこんでしまえ―――人道、人道とエラソーなことをいいながら自分達にばかり難民問題を押し付けている英国人こそ人道に反している！というのだ。
実際、今年春の、ユーロ離脱可否の国民投票前の前の3月にはフランスのマキロン経済相は「もし、英国がユーロ離脱を選ぶならば、EUはイギリスとの間にある国境管理協定を破棄し、カレーの難民キャンプにいる人々の（イギリスへの）自由な移動を許可する」と述べている。
英国のEU離脱がいよいよ本格化するにあたって、3月の経済相の発言が現実となる可能性が出てきたため、大慌てのイギリス政府は今月7日1700万ポンドをフランス政府に支払い、カレーの港に高さ4メートルの壁を１キロにわたり建設することを明らかにした。「何しろ金は払うから、難民をこちらに来させないでくれ！」という訳だ。
アメリカの雑誌の多くはこの移民の押し付け合いの状況を、難民の観点から「人道的ではない」と批判的に報じている。中南米からの不法移民問題を抱える米国でも、まだ、現場からは遠いニューヨークやワシントンのマスコミなら「人道」という理想論を言っていられるということのようだ。まして、せいぜい数百人規模の失踪中国人観光客問題位しか「難民、移民」の脅威にさらされていない日本人は、全くといってよいほど、この問題に無関心で政府はまたぞろ数百万人単位の外国人労働者の受入れの検討――等といい始めているが－－－。
カレーの市民の苦境を少しは他山の石として勉強した方がよいのではないだろうか。
（09/27/16 10:00pm）
2016年9月27日
宇宙は広い
今年8月、太陽からもっとも近い距離にある恒星、プロキシマケンタウリα星を地球型の岩石惑星が約11日周期で回っていることが確認された。
恒星を11日の公転軌道を描いて回っているとなれば、恒星からの距離は太陽と水星の距離よりも近いのでもしこのα星が太陽系の惑星であったとしても、その表面は超高温になっていて岩石はドロドロに溶けていることになるが、このプロキシマケンタウリα星は、太陽のような恒星ではなく赤色矮星といわれる小さくて表面温度の低い恒星であるために、この惑星が受ける恒星からの熱量はさほど高くないと言われており、もしこの惑星に大気が存在し大気循環が起きているならば、表側の高温と、裏側の冷たい空気の間に循環が起きていて水が液体で存在している温度域（ハビタブルゾーンといわれる）が存在する可能性もあるのではないかといわれている。
「岩石惑星である」「大気が存在する」「液体の水が存在している」という3つの条件があるとすれば、それはすなわちその惑星に「生命が存在している可能性がある」ということになるのだというから、世界中の宇宙天文学者や、生命科学者はにわかに沸き立っているのだとか――――。実際、先日、あの車椅子の物理学者として名高いホーキング博士の呼びかけによってこのプロキシマケンタウリα星に観測衛星を送ろうではないかというプロジェクトが立ちあげられ様々なアイデアが検討されはじめたというニュースが飛び込んできたから、素人宇宙論愛好家であるタカさんもいささか興奮気味である。
もっともいかに「太陽系に最も近い恒星系」とはいえプロキシマケンタウリα星までの距離は4.39光年である。太陽系の端から端までの距離が10万光年――等という宇宙の広さのことを考えれば確かに4.39光年なんて「ほんのご近所」でしかないような気がしてしまうが---。人類が打ち上げた衛星でいま現在地球からもっとも遠くを飛行中なのは、NASAが1977年に打ち上げたボイジャー１号だが、現在地球から200億キロ離れ、太陽圏をようやく脱した宇宙空間にあるとはいうものの、それでもプロキシマケンタウリに到着するまでには後8万年かかるというではないか。すなわち、人類の飛ばした人工衛星の速度は、4.39光年を旅するにはなんと8万年かかるという訳だから、冷静に考えると素人宇宙論愛好家の「興奮」もとんだ勘違いということになる。
ホーキング博士のプロジェクトでもっとも有望視されている案は、1メートル4方の凧のような小型の宇宙船にこれまた1センチ四方の超小型センサーの観測機を載せ、これを地球から照射したレーザービームで飛ばそうというもので、このイカロスプロジェクトの凧ならば光速の20%の速度で飛ぶことができるから、プロキシマケンタウリまでは20年ちょっとで行くことができるという。
8万年後と聞いてちょっと諦めたけれど、もしこの凧宇宙船が5年後に打ち上げられたとしたらその20年後（すなわち今から25年後）には凧はプロキシマケンタウリに到着、そこから様々なデータを地球に送信してくれればその4年後（いまから約30年後）には、この惑星の様子を知ることができることになる―――。
そうかー―わずか30年後か――と思ったがその時、自分が幾つになっているかと計算してみたら――やっぱりタカさんが結果を知ることは無理のようだ。
（09/26/16
10:00pm）
2016年9月23日
寄生虫も役にたつ？
もう随分前になるがエジプト駐在だった頃、数日間の休みがあるとよくアテネに出かけていた。
タカさんのいたアレキサンドリアからアテネまでは毎日直行便が飛んでおり片道せいぜい2時間位だったからパリやロンドンに行くには休みの期間が短すぎるような時に「小アジア」などといわれることはあっても、やっぱり「ヨーロッパ」の雰囲気をもつギリシャへの旅はエジプトの片田舎でくすぶっていた身には大いなる息抜きになったものだ。
何しろアテネでの一番の楽しみは生野菜のサラダが食べられることだった。カイロやアレキのレストランにも勿論生野菜サラダはあるが、これを食べると間違いなく腹をこわす。一旦腹をこわしたら1週間は苦しまなければならないしそんな経験を幾度かすればそれがトラウマとなって「生野菜恐怖症」のようなものになってしまう。
原因は日本人がエジプトでよくかかるという「雑菌による下痢」という奴で、別にエジプトの雑菌がひどく不衛生という訳なのではなく日本人が胃や腸にもっている雑菌と全く違う種類のものであるがゆえに「胃がびっくりしてしまう」ということらしい。すなわち、エジプトの生野菜サラダは野菜をエジプトの生水で洗っているために、どうしてもタカさんの胃の中の雑菌とケンカをしてしまう―――ということらしい。それにもう一つの問題は、エジプトの野菜は当然ながらほとんど露地物であるから、必然的に回虫の卵などが付着していてこれが日本人の腸の中でしっかりと成長してしまうことも下痢の原因だと言われていた。
昭和の30年代頃までは日本人の農村人口の6割、都市でも4割は回虫をもっていたといわれるが、タカさんがエジプトに赴任していた当時は、それももう激減しており（ちなみに、近年は日本人の回虫寄生率は0.002％というから、もはや回虫は日本では絶滅したと言ってもよい）、そんな中で回虫をわかそうものなら胃腸がびっくりしてとんでもないことになったのだろう。
ところが、ギリシャでは生野菜サラダで腹をこわすなどということは全くなかったが、これはギリシャの雑菌が日本人の持っている雑菌と同じ種類、もしくは相性のよい雑菌だったということもあるが、何しろ野菜をよく洗って提供していた所為だったようだ。野菜をよく洗っているから回虫の卵もきっと少なかったのだろう。
回虫博士という異名をとる東京医科歯科大の藤田紘一郎博士によると昭和40年代以降、それまで日本には少なかったスギ花粉症やアトピーが増えてきたのは、日本人が古来もっていた回虫がいなくなり、その回虫に備えようと働いていた日本人の免疫機能が、仕事がなくなった所為でスギ花粉やらヒスタミンなどの物質に過剰に反応するようになってしまったためだという。（必ずしも、この説が公認されているという訳ではないようだが）確かに、あの当時エジプト人にスギ花粉症やらなんやらというアレルギー性疾患を持つ人は極めて少なかったのは彼等の多くが強い雑菌や、回虫に対する体の強い免疫機能を持っていた所為なのかもしれない。
そう考えてみると―――寄生虫なんていない方が良いに決まっているとばかり思っていたが、それはそれで少しは人間や社会に役に立っているというところもあるのかもしれない。
（09/22/16
10:00pm）
2016年9月21日
やらなきゃいけないのに
明日に迫った期末試験、なんやかやと理由をつけてズルズルと延ばしてきた試験勉強だけれどいよいよ尻に火がついてきて、自分自身「いかになんでも今夜位は徹夜してでも勉強しておかないと大変なことになるぞ！」とかなりの焦りの気分で机に向かったのだが－－－。
一日延ばしにして机に中々つかなかった所為で机の上が妙にちらかっているのが気になる―――何しろ机の上だけでも片づけないことには勉強をはじめられない―――と整理を始めたのだが―――散らかった本やらノートをどけた後には、いやにホコリが溜まっているから気になって―――拭き掃除をしなければ―――とバケツと雑巾を持ち出して拭き掃除をはじめたものの、そうなると部屋全体が妙に薄汚れているのが気になりはじめ―――今度ははたきやらほうきなどまで持ち出して部屋の掃除をはじめる―――部屋の掃除が進むにつれて本箱においてある本が斜めになっているもの、上下さかさまになっているものがあるのが気になり、今度は本箱の整理をはじめたのだが－－－その内、エミール・ゾラの「居酒屋」があるのが気になりはじめ「せめて後半分だけでもさっと読んでしまおう！」なんて思って読み始めてしまったらあまりに面白くなって最初から読み直しはじめて―――気が付いたらもう明け方で―――結局、フラフラのまま受けた期末試験は惨憺たる成績だった―――なんていう経験を（よく）やっていた物だったが―――。
この話をあるところでしたら、「自分も同じような経験がある。徹夜で勉強するつもりでいたが、勉強に入る前に少し休んでおこうと思ってごろりと横になったら―――目がさめたら朝だった」なんていう類である。
タカさんのこの「やらなければいけないことがあるのに、なぜかすぐに始められないでなぜかやらないでもいいようなことを始めてしまう」という性格はあれからかれこれ50年近くが経った今も変わりない。
朝の内にウォーキングに出なければいけないというのに、なにもウォーキング前に観る必要性なんか全然ない録画しておいた昨夜の「プロ野球ニュース」と「大相撲ダイジェスト」をじっくりみてしまい、その内に陽が高くなってウォーキングに出そびれてしまったり―――なんていうことはしょっちゅうだ。（タカさんは日光アレルギーだ）
この「中々とりかかれない病｝の克服法というのを先日ラジオで聞いた。それが、「やらなければいけないことがある場合には、すぐ止めなさい！」というものだという。「すぐ止めるべきもの」というのは、まさに「机の上の整理整頓」であり、「プロ野球ニュース」なのだという。やるべきことがあるのなら、まず余分なことを直ぐにも止めて、直ぐにでもやらなければいけないことに取りかかれ！ということだというのだ。
確かに、あの時、机の上の整理、あるいは拭き掃除、せめて本棚の整理の時点でそれを止めて、すぐにでも試験勉強に取り組んでいたら―――まあ、自分の人生がそれほど変わっていたかどうかは分からないけれど―――。
（09/20/16
10:00pm）
2016年9月16日
ケネディーと蓮舫さん
1961年の大統領就任演説でケネディーがアメリカ国民に訴えた名フレーズ‘ask not what your country can do for
you--ask what you can do for your country.’ 「国が国民に何をやってくれるかではなく、自分が国に何を出来るかを尋ねようではありませんか」は、激しい大統領選挙を勝ち抜きやっと勝たせてもらった新大統領（大統領選でのケネディーの対抗馬は後に大統領になったニクソンだった）が自分たちの為に何をしてくれるのだろうかと期待をもって就任演説を聞いていたアメリカ国民にある意味「目を覚ませ、国に要求するばかりではなく、あなたが国に対してどうやって報いることができるかを考えなさい！」と冷や水を浴びせるような言葉であった。
今の日本でいうならば、国に対して「税金は安くしろ、福祉はたっぷりよこせ！」といいたい放題のことをいっている国民に「要求ばかりするのではなく、ちゃんと国に対してやることをやってから要求したらどうだ！」と総理大臣なりの国のトップが言い放ったようなものだから、それこそ政権は吹っ飛ぶような「暴言」といわれるかもしれない。しかし61年当時、アメリカ人はこのケネディーの言葉を聞いて「まさに、大統領のいう通りだ！自分たちは国に甘えてばかりいてはいけない。国の為に働くことをかんがえなければいけない！」と思いあらため、愛国心をつのらせたのであり、今も、このケネディー演説の精神は（うすれたとはいえ）アメリカ人の心の底には残っている。（まあ、確かに、国の為に！と若者達がベトナム戦争で命を落としたのもこの演説が基になっているともいわれるだけに、ケネディーの言葉の評価は今も大きく分かれるところであるが）
今の、日本の政治に対する国民の考え方はどうだろうか。少なくとも政治に向かい合う姿勢として「自分は国に何ができるだろうか」と考えている人はどれほどいるだろうか。国民の側だけではない、政治家も役人も、そして企業家も、「国の為に」といいつつ結局は自分の為に少しでも得になることを政治に求めている。（税金は何しろ安く、社会福祉はなるべく手厚くであり、また、国民としての義務はなるべく最小限に、そして個人の権利は最大限に！である）
民進党の蓮舫代表敬老の日の午後、「おばあちゃんたちの原宿」などともいわれる東京・巣鴨で就任後初めての街頭演説を行い（二重国籍問題には一切ふれず）「これからは、この国の主役が65歳以上になる。そんな日本をつくろうじゃないか。人口減少、高齢化の何が悪い」と訴えたという。
日本の高齢者率は年々上がっており特に女性では3割が65歳以上になっているという。なんと日本人女性3人に1人は65歳以上の高齢女性だというのだから、蓮舫さんがこの巨大な票田に向かって「あなたたち65歳以上が喜ぶようなことをやりますよ！だから、票を下さいネ」と語りかける作戦は、腹をすかせた子供に、お手伝いしたらご飯を食べさせてあげる｝と誘う以上の効果があるかもしれない。
しかし、この蓮舫さんの演説、ケネディーの大統領就任演説の格調に比べて、あまりに低くはないだろうか。ケネディーはまだアメリカ国民に彼等がやってくれることに対して期待を寄せていたのにくらべ―――蓮舫さんは、「どうせ、日本国民なんて、福祉、福祉のエサを投げれば尾っぽをふってくるにちがいない！とバカに仕切っているのではないか―――そんな気がしてならないのだが。
（09/19/16 10:00pm）
2016年9月16日
敬老されてもねぇ〜
敬老の日が制定されてから今年で50年になるのだとか。50年前、人口に占める老人の比率が低く（要するに日本人全体がかなり若かった）、又、転勤族であった父母故に、祖父母との同居世帯でもなかったということもあって回りに老人がいなかた、10代のタカさんにとっては敬老の日などといっても全くの他人事の世界であった。（嫁の立場もあって、母は祖父母に毎年、何か祝いの品を送っていたような記憶もあるが）
そもそも、「敬老」といったって、一体何歳から「老人」にカテゴライズされるのかもあまり意識したことなどなかったけれど、さすがに60歳を過ぎた頃から、「あれ？ ひょっとしたら自分は既に敬老対象者なのかなぁ〜」なんて考えるようになったのは、「親せきの誰其さんが今年「喜寿」なので区長が祝い金を持ってやってきた」なんていう話を聞くようになって、「あれ、結構自分もそんな敬老予備軍に近づいてきたのかなぁ〜」などと思いはじめてからだ。
調べてみると「老人福祉法」とかいう法律によると65歳以上が高齢者とカテゴライズされているらしいから、そうすると、今のタカさんは間違いなく高齢者、すなわち昔でいうなら「老人」ということになるし、赤いチャンチャンコ（着はしなかったけれど）の還暦からもう何年も経つとなれば、間違いなく「敬老の日」の敬老対象者ということになるのだが---。
50年前には日本の人口に占める65歳以上の比率は6％だったけれど、総務省人口推計では今や約27％、3427万人に達するというからもうかつてのような「喜寿祝い金」やら「米寿祝い金」なんか出している市町村はないのではないだろういか。
老齢人口が増えれば当然、それに比例して高齢者福祉や医療費の社会負担が増え、財政を圧迫しているだろうから、それに加えて「祝い金」なんていう大盤振る舞いをやっている場合じゃない！というのが行政の本音ではないだろうか。
もっとも、タカさんの回りを見渡してもかつて「老人」といわれる年代だった70代、いや80代になっても至って元気な人は多い（特に女性陣）。折から、「一億層活躍時代」なんていう掛け声がかかっているのだから、育児中の女性達ばかりではなく、こういった「元気な年寄り」をもっともっと活用したら日本経済も随分活性化するような気がしてならない。
「高齢者の定義は、年齢ではなく身体的な状況で決めるべきだ」といった提言はもうかれこれ20年近く前からよく言われてきているが、思ったほどには実現していないような気がする。
それもこれも、ある意味では「敬老の日」なるものを作ってあれこれと老人を必要以上にいたわるような風潮が強まったから（本当は悪いことではないのだが）―――なんていう天邪鬼な考えを述べたら――――結構昔から、年寄り扱いされることを嫌い、若い者ぶりたがるきらいのあるタカさんならではの偏屈さとして顰蹙を買うだろうか？
（09/15/16
10:00pm）
2016年9月16日
敬老されてもねぇ〜
敬老の日が制定されてから今年で50年になるのだとか。50年前、人口に占める老人の比率が低く（要するに日本人全体がかなり若かった）、又、転勤族であった父母故に、祖父母との同居世帯でもなかったということもあって回りに老人がいなかた、10代のタカさんにとっては敬老の日などといっても全くの他人事の世界であった。（嫁の立場もあって、母は祖父母に毎年、何か祝いの品を送っていたような記憶もあるが）
そもそも、「敬老」といったって、一体何歳から「老人」にカテゴライズされるのかもあまり意識したことなどなかったけれど、さすがに60歳を過ぎた頃から、「あれ？ ひょっとしたら自分は既に敬老対象者なのかなぁ〜」なんて考えるようになったのは、「親せきの誰其さんが今年「喜寿」なので区長が祝い金を持ってやってきた」なんていう話を聞くようになって、「あれ、結構自分もそんな敬老予備軍に近づいてきたのかなぁ〜」などと思いはじめてからだ。
調べてみると「老人福祉法」とかいう法律によると65歳以上が高齢者とカテゴライズされているらしいから、そうすると、今のタカさんは間違いなく高齢者、すなわち昔でいうなら「老人」ということになるし、赤いチャンチャンコ（着はしなかったけれど）の還暦からもう何年も経つとなれば、間違いなく「敬老の日」の敬老対象者ということになるのだが---。
50年前には日本の人口に占める65歳以上の比率は6％だったけれど、総務省人口推計では今や約27％、3427万人に達するというからもうかつてのような「喜寿祝い金」やら「米寿祝い金」なんか出している市町村はないのではないだろういか。
老齢人口が増えれば当然、それに比例して高齢者福祉や医療費の社会負担が増え、財政を圧迫しているだろうから、それに加えて「祝い金」なんていう大盤振る舞いをやっている場合じゃない！というのが行政の本音ではないだろうか。
もっとも、タカさんの回りを見渡してもかつて「老人」といわれる年代だった70代、いや80代になっても至って元気な人は多い（特に女性陣）。折から、「一億層活躍時代」なんていう掛け声がかかっているのだから、育児中の女性達ばかりではなく、こういった「元気な年寄り」をもっともっと活用したら日本経済も随分活性化するような気がしてならない。
「高齢者の定義は、年齢ではなく身体的な状況で決めるべきだ」といった提言はもうかれこれ20年近く前からよく言われてきているが、思ったほどには実現していないような気がする。
それもこれも、ある意味では「敬老の日」なるものを作ってあれこれと老人を必要以上にいたわるような風潮が強まったから（本当は悪いことではないのだが）―――なんていう天邪鬼な考えを述べたら――――結構昔から、年寄り扱いされることを嫌い、若い者ぶりたがるきらいのあるタカさんならではの偏屈さとして顰蹙を買うだろうか？
（09/15/16
10:00pm）
2016年9月15日
ツバメは帰った
7月のこの欄で書いた娘たち夫婦の住むマンションの部屋の玄関前に巣作りをしていたツバメだが（参照：「ツバメの巣作り」7/1/16）、夏の盛りには５羽ほどのヒナにかいがいしく夫婦でムシなどのエサを運んで子育てに励んでいたけれど、８月の末頃にはヒナも親鳥ももうまったく巣にはおらず、多分既に南の国へと旅立ったのではないかと思う。
そういえば、町中でも、春先から飛び交っていたツバメの姿もさっぱり見なくなったから、自然は着実に夏の終わりから秋へ、そして冬へと歩んでいるようだ。
７月の本欄で書いた通り、タカさんは子供の頃、巣から落ちたツバメの子を育てた経験があるだけに、ツバメに対する愛着は一入であり、そのころ叔母さんから聞いた「ツバメの夫婦はつがいの相手が死なない限り一生相手をかえない」という話を信じてきたし、近頃の高い離婚率のことを考えるとよく「人間も子供の事を考えたら、ちょっとはツバメの事を見習ったらどうなのか！」なんて思っていたのだけれど、先日、ツバメの生態に詳しい（？）という人のブログをみたら「ツバメは生涯一夫一婦制」という話は、どうも叔母さんの勘違いだったようだ。
そのブログによると、ツバメが南の国から日本に渡ってくるとき、オスの方が早く到着しまず巣作りを始めるのだとか。昨年作った巣があるオスはほとんどの場合、その巣を覚えているからその巣に戻ってきて（若いオスは一から場所決めをしてマイホームをつくらなければならない）壊れたところを手直しするなどのメンテナンスをしてメスの到着を待つが、昨年と同じメスが帰ってくる例は少なく、「早い者勝ち」でその巣に来たメスと交尾し繁殖を始めるのだとか。（遅れて到着した昨年の相手のメスはどうなってしまうのだろうか？）
ツバメフリークのタカさんとしてはちょっとがっかりするような話ではあったが、考えてみると、「子孫を残す」というあらゆる生き物にとっての生きる目的の為には、この「早い者勝ち」システムはかなり合理的ともいえるとも思った。
メスにしてみれば、子育て経験をもつたのもしいオス、しかも「家付き」のオスとつがうことは、子供を立派に育てる、という目的の為には理想的だ。そんな理想的なオスを逸早く見つけてその家にもぐり込んでしまえば「勝ち組」になる可能性はぐっと高まる。
人間世界だって、プータロ―の男よりも、収入も安定していてマンションを持っている男の方がいいに決まっている―――と思うのだが---最近は女性が自立している場合も多いからかならずしもそうとは限らないらしいが。
もっとも、ツバメの平均寿命は大体1.5年程度しかない（長くても3年程）というから、昨年の巣に帰ってくるオスツバメも必ずしも前年と同じオスとは限らないだろうし、そうなるとムスコの内の一羽が、昨年巣立った親許の巣に戻ってきて嫁さんが来るのを待っている―――等というケースもあるかもしれない―――人間にもそんなケースはありそうだ。
来年、あの巣に戻ってくるのはどんなツバメなのだろうか。今から楽しみが一つふえたような気がする。
（09/14/16
10:00pm）
2016年9月14日
ハネムーン期間
アメリカ議会には、政権交代後の100日間を「ハネムーン期間」といって、新大統領に対する批判を避けるという暗黙の紳士協定がある。
これは、発足直後の新大統領は一般的に高い支持率を示す傾向（いまやボロボロの感もあるオバマ大統領にしても就任直後の人気は随分と高かったことを思いだす）があり、議会のみならずマスコミもこういった高支持率の大統領を批判しても新大統領に対するダメジーにならないばかりか、自分達の評価が下がってしまうから―――という実利的な意味もあっての物だとも言われている。
東京都の小池百合子新知事が就任直後から矢継ぎ早に打ち出す「築地市場の開場延期」「都政改革会議の発足」「電柱地下化の推進」といった改革案というか新機軸は、今のところその目新しさもあって注目度抜群、議会与野党とも反対しようがないし手ぐすね引いて小池都政のあげ足をとろうと狙っているマスコミ各社も批判を手控えるどころか、翼賛記事のオンパレード、せいぜい「お手並み拝見」という姿勢をとっているから小池都政もまさにアメリカ議会の「ハネムーン期間」下にあるかのようだ。
知事当選後の小池さんの支持率は、野党候補の鳥越俊太郎氏のトンデモ振りやら、自公推薦だった増田さんの岩手県知事時代の失政などが明らかになるにつれて、益々上昇、直近のネットの調査ではなんと81％にも達しているというから、確かに今の時期、小池批判等やったら総スカンを喰うことは着実だとなれば、都議会の与野党各派、そして全マスコミともに敢えて虎の尾を踏むようなことはしないから、必然的に「ハネムーン期間」が成立したように見える。
「小池候補を応援したものは一族郎党処分！」などと前時代的なお触書を出して顰蹙を買った都議会自民党は、石原伸晃会長、「都議会のドン」こと内田都議会自民党幹事長以下全員辞職となったし、来年の都議会議員選挙を控える各都議たちも今はひたすら小池さんの逆鱗に触れないように首をすくめているしかない様相だ。
もっとも、「ハネムーン期間は100日間」というアメリカの例もあることだし、今の内に小池さんもできる限りの地歩を固めておかないと、移ろいやすい「都民の支持」やらマスコミの気分などという水物はいつ風向きが変わるか分からないから、今の高支持率をどこまで維持しつづけられるかの正念場に向かっているともいえる。
さしあたって、小池さんが抜けた後の衆議院東京10区の補選を、どう切り抜けていけるかにかかって来よう。今のところ、都連方針に背いて小池さんを応援した若狭衆議院議員が、自民党公認で立てるか、あるいは都連が若狭さんに対抗馬を擁立し、自民党が分裂選挙になるかが焦点ともいわれているが---。事前調査では自民党で立とうが無所属で立とうが若狭さんが当選することはほぼ間違いないようだから―――ここは都連を悪者にしてでも安倍さんが小池・若狭ラインにすり寄るかどうかが一番の見ものということになる―――。
野次馬的には、しばらくは小池劇場が楽しめそうでちょっとワクワクしている。
（09/13/16 10:00pm）
2016年9月13日
経済制裁は効かなかった
北朝鮮は今年2回目になる核実験を強行したが、引き続き第3回目の核実験の準備を整えているとも報道されている。北朝鮮の核武装は許さない（認めない）というのが、米国をはじめとする国際社会の基本的なコンセンサスではあるが、二代目の金正日時代には、まだ交渉の余地があったかに見えていたものが、三代目の金正恩が政権の座についてからは、国際社会がどれだけ非難声明をしても、あるいはどれだけ経済制裁を加えたところで、ガンとして言うことをきかず（兄の立場を取っているかにみえた中国の言う事さえきかず）、ひたすら「核保有国」への道をひた走っている。
なだめすかすとか脅せば、まだどうにかなった昔に比べれば、今の北朝鮮は、もう誰も止められない暴走特急になってしまったように見える。こうなってみると、いままで国際社会が行ってきた「経済制裁」という手段は、「全く無駄だった」という結論（総括）を出してもいいのではないかと思う。（テレビで観る北朝鮮の近況は、続々と高層ビルが建設され、いくつもの遊園地ができ、中には平城では新規に寿司レストランまで開業したというではないか。経済制裁によって、北朝鮮は困窮し、結果的には核開発を断念するであろう―――という話は一体どうなったのだろう）
いやいや、経済制裁といっても中国やロシアが尻抜けで、北朝鮮に原油などの供給をしているからだ―――などとも言われているけれど、もしそうだとしたらそんな欠陥のある経済制裁なんて何の役にも立たないことぐらい最初から分かってなければおかしいではないか。
そういえば、経済制裁といえば先輩格の対イラン経済制裁もかれこれお20年ほど続いたが結果的には昨年の米国とイランとの「核合意」で終わることになった。はっきり言って、この経済制裁ごっこ、アメリカの負け、イランの勝ちで終わったのだ。
長くアメリカと足並みをそろえて対イラン制裁に参加してきたサウジ・アラビアやイスラエルにしてみれば、アメリカという仲間だと思っていた国に後から鉄砲でうたれたようなものだ。
イスラム教スンニ派の宗主国を任じているサウジ・アラビアにしてみれば、アメリカが自分たちを裏切ってシーア派のイランについてしまった訳だから怒るのも当然だ。
シリアのアサドの後ろ盾はイランであり、パレスチナでイスラエルに攻撃をしかけているヒスボラの後ろ盾もイランである。米国のイランとの「核合意」そして対イランの経済制裁解除は、中東に平和をもたらすどころか、中東における混乱を益々複雑にしてしまうだけではないだろうか。
北朝鮮に対する経済制裁、イランに対する経済制裁、アメリカが主導してきたこの二つの制裁が、結果的には失敗に終わった事を、アメリカは自覚しているのだろうか？
この間8年間、アメリカ外交を主導してきたオバマ大統領は後4カ月でその座を去る。少なくともオバマ外交は大失敗続きのまま終わることになるのだが、それを継ぐのがあの非常識男のトランプか、評判が悪い上に健康問題を取りざたされるヒラリーのいずれかだというのだから――――。世界の混乱は益々深まるような気がしてならない。
（09/12/16 10:00pm）
2016年9月12日
おサルの電車
タカさんが子供時代、といえば今から半世紀以上前の事になるが上野動物園にいくと「おサルの電車」というのがあって小学校入学前、あるいは低学年の頃、動物園に連れていってもらうと必ずと言ってよいほど乗っていた記憶がある。
いまでも遊園地にあるおとぎ電車の先頭車輌にサルがちょこんと座っている―――というだけのものだが、子供たちにしてみればおサルさんが運転している電車に乗っている！というファンタジーを感じることができたからだろう、中々の人気だったように記憶している。
サルを鎖につないで日がな一日おとぎ電車に乗せておくなんて―――といった「動物愛護」運動からのクレームが激しくなりいつの間にか廃止になってしまったものだがいまでも上動物園といえば懐かしく思いだすおサルの電車である。
東海道新幹線の運転士が運転台に足を投げ出した状態で運転していた姿を走行中のこの新幹線を撮影した人がツイッターに投稿したことで発覚したという。JRの調査を受けたこの運転士は「靴を脱いで約10秒間、運転台に足を上げた。その間、ハンドルは握っていなかったが、前方は見えていた」と答え、過去にも5、6回やっていたことを認めたという。新幹線は当時時速200キロで走行していたというが、走行はATSによる自動運転をしていたので実質的な危険性はなかったということらしいが---。まさに、今や新幹線の運転士は、かつての上野のおサルの電車のサルと同じように「ただ乗っているだけ」の存在であるという事を図らずも満天下に晒してしまったという訳だ。
考えてみれば、新幹線のみならず今やほとんどの電車はATSだとかATOという運転コントロールシステムによって動いていて、人間の運転手の関与する部分は少なくなっているというし、その内に日本国中の電車全てが無人運転、もしくは人は乗ってはいるものの気休め的に乗っているだけのいわゆるおサルの電車化してしまうのではないだろうか。
大型旅客機はもうかなり昔から自動操縦されており、太平洋横断のような長時間飛行では実質的には、操縦士は全くやることがない――等という話を聞いたことがあるし、自動車も自動運転化の研究が急激に進んでいるともいわれている―――。近い将来、「人が運転する」などという「危険極まりない乗り物」はこの世からなくなり、すべてが完全にコントロールされた自動運転の世の中になるかもしれない。
この新幹線の運転士、「靴を脱いで、運転台に足をあげて運転」するのが、何年か早すぎた、というだけのことなのかもしれない。
（09/11/16 10:00pm）
2016年9月9日
ウィンドウショッピング
買物に行くことはあるが、いわゆるウィンドウショッピングというものをすることはまずない。タカさんにとってのショッピングといえば、買う物が既に決まっていて、それを買う為に出かけるものであって、目的もないのにぶらぶらと店を見て回るウィンドウショッピングという奴ははっきり言って苦手だ。
子供たちがまだ小さかった頃、一家でショッピングモールに出かけることはよくあったが、妻と娘二人が服やハンドバッグなどを物色するというか、見て歩くという時、タカさんだけはコンコースのベンチで「休んでいるから〜」と待っていたものだ。
その内、妻たちもタカさんと一緒にショッピングモールに行く際に誘わなくなった（こちらも助かるのだが）のは、やはり折角ウィンドウショッピングを楽しんでいるのに、詰まらなそうに仏頂面で店の外で待っているタカさんに気づまりを感じたからだろう。
娘が嫁いで、夫婦二人になってからは妻と近くのモールに映画を見に行くとか、食事に出かけることはあっても、ショッピングに出かけることはない。妻も、気兼ねなくウィンドウショッピングを楽しめるご近所の奥さんなどと出かけては楽しそうに帰ってくる。お互いがハッピーだ。
ある本を読んでいたら、このタカさんのウィンドウショッピング嫌い（妻のウィンドウショッピング好き）は、脳科学的にも説明がつくのだとか。
人類は原始の時代から男女それぞれの役割をもって数十万年を生きてきた。すなわち、男は狩りに行き獲物をとって家族の下に運ぶという役割を担っていたから「獲物をとって来る」という目的を果たせば後はその獲物を持って帰るだけだ。時には獲物を得るまでに数日かかることもあるがひたすらその目的の為に働き、目的を果たしたら後は一目散―――という訳だ。
ところが女は、その時々の木の実、果物、芋や豆といったものを採集する役目を担っていたが、どこにそれがあるかは季節や、気候などによって一定していないから、あちこち探し回ってその時に得られるものを家族に運ぶ―――という役割を担っていた。今日はキノコがとれたからもういいや、というのではなくもっと他にも（栗だとかどんぐりといった）良い物があればそれも取っておこう！ということになる。（手に入る限りのものを手に入れておかないといつ家族が飢餓に苦しむかわからない）
そんな男と女の原始からの役割分担が買物の目的を果たしたらわき目もふらず帰りたくなる男と、もっと良い物があるのではないか〜と次々に店を見て歩く女性のウィンドウショッピング好きにつながっているというのだが---。
確かに、男の子の孫（小５）は、買物好きではないが、小２の孫娘は早くも母親やおばあちゃんと買物に行くのが好きだ。
（09/08/16
10:00pm）
2016年9月8日
二重国籍じゃないよねぇ〜
15年程前、東京都の保健婦として一般職採用されていた在日韓国人女性が、都の管理職登用試験を受験しようとしたところ拒否されたことを憲法違反と訴えた裁判があったが、最高裁大法廷は「管理職には日本国籍が必要」とする都の措置は合憲との判断を下した。
敗訴したこの韓国人女性が、判決後「日本はあわれな国」「世界中の人に日本では働くなといいたい」と散々に捨てぜりふを吐いたことに対して、人々は「他人の国に住み、その国の人の税金によって給与を得ている人が、公開の場でここまでホスト国に悪罵を浴びせるのは、礼を失しているのではないか」と嫌悪感を示したことがあった。
日本では在日韓国人に限らず多くの外国籍の人々が働き、又、重要なポストにあるが、ただ、日本の公権力の行使に携る公務員管理職には日本国籍が必要だというこの判決は至極当然の話ではないだろうか。
国籍とは最終的に自らが「どの国の立場に立つか」というアイデンティティーである。幼少時などに二重国籍、あるいは多重国籍を持つ人がいる（出てしまう）ケースは多々あるものの、国際的にも「一人が一つの国籍を持つべきである」というコンセンサスがあるのは、二重あるいは多重の国籍を持つ者がそれらの国の間で利害が対立するような場合にどちらの側に立っているのかが明確ではないという問題があるからだ。
まして、ある国の国家公務員あるいは地方公務員の管理職としてその国の政策決定に関与し、あるいはその国の公権力の行使権限を持つ者が、他国（特に対立している相手国）の利害の為に働く等という事があってはならないからだ。
民進党代表選に立候補している蓮舫代表代行が日本と台湾の「二重国籍」の状態のままではないかという疑惑（？）が起きているが、蓮舫氏の、この質問に対する回答がブレまくっている。
日本の国籍を取得した時期だけでも3日には「18歳で日本人を選んだ」と答えたがその後6日には「17歳」と修正し、その際に台湾国籍を離脱したかどうかについても「台湾に確認を求めているが、いまなお、確認が取れない、31年前のことなので少し時間がかかる」と自らの国籍の問題であるにも拘わらず、どうもあいまいなままだ。このやり取りを聞けば蓮舫さんは未だに日本と台湾の二重国籍である可能性は拭いきれないのだ。（97年のインタビューでは「私は台湾人」とも答えている）
退潮にあるとはいえ民進党は今のところまだ野党第一党である。しかも民進党が掲げている第一のスローガンが「政権交代」であるということは、蓮舫さんとしては民進党の代表の座を射止め、あわよくば（無理だとは思うが）日本国の首相になろうとしているということになる。そんな蓮舫さんが日本国首相の資質の根源に関わる自らの国籍に今までこれほどに無頓着だったとなると―――民進党という政党のいい加減さも問題になってくる。（民主党政権時代、蓮舫さんは行政改革担当大臣を務めているが、都庁の管理職でさえ国籍がなければなれないという最高裁判決があるのに、日本国の大臣は二重国籍だった―――となると、あの時「日本はあわれな国」と捨てぜりふをいった在日韓国人女性もびっくりしているのではないだろうか）
代表選当日までには蓮舫さんが日本国籍取得時に台湾国籍を放棄した証明書を民主党員のみならず我々国民にも見せて欲しい物だと思う。
（09/07/16 10:00pm）
2016年9月7日
佐三が生きていたら
出光石油は「海賊とよばれた男」のモデルでもある出光佐三が興した企業だが、2006年に上場するまで佐三の遺勲により非上場同族経営を続けてきた企業だ。
上場していないことによる資金調達面での制約は大きく企業の成長という観点から考えれば非上場を続けることには様々な問題があることは事実であるが、一方、外部の融資先や株主からの経営への干渉を排除できるから経営の自由度が大きいというメリットがある。この非上場によって出光は、長い間、首切りナシ、残業ナシ、組合ナシ―――といったユニークな「大家族主義経営」を行うことができたのも事実だ。
このオーナーの意向のままに経営方針をきめられる、という点をいかしたからこそ、佐三が当時の通産省の方針に逆らってまでもイランからの原油買い付けを行ったあの「日章丸事件」のような大胆な行動もとれたのだ。（タカさんが現役時代、出光は入社式で新入社員全員に靖国神社参拝をさせていると聞いたことがあったが―――非上場、個人企業ならではのことだ）
そんな出光だったが、06年にはついに上場に踏み切らざるを得なくなり創業家一族は経営の一線から去り、株主としての発言権しかなくなっている。（勿論、今や入社式での靖国参拝も行われていないし、一般企業同様に残業代も支払われるし、首切りもあるようだ）
ところが、この出光創業家がここにきて急に再び脚光を浴びている。それは、出光の現経営陣が行おうと計画している昭和シェル石油との経営統合に創業家が反対し、大株主としてこれを阻止しようと議決権の行使を広言していることだ。
いまのところ、この創業家の意向によって出光と昭和シェルの経営統合は風前の灯となっているといわれるが、さて、原油安もあって苦しくなっている石油業界において出光が他社との合併統合など行わずに今後単独で生き残っていけるのだろうか―――という疑問が業界では沸き起こっているというのだ。
「海賊とよばれた男」からも、我々は確かに「出光といえばイラン」というイメージをもってはいるが、アメリカ主導による長い対イラン経済制裁の所為もあって今や出光本体のイランとの取引は全体量の1%にも満たないといわれている。一方、シーア派イランの天敵ともいえるスンニ派の盟主サウジアラビアからの輸入量は全体の40％にも上るのだとか。
「昭和シェルはサウジアラビアの大スポンサーだから、イランに親しみを持つ出光は合併したくない」という創業家の意向を、サウジアラビアが知ったら―――「そんなに、我々の天敵イランが好きなら、出光にはこれからは俺たちの原油は売らない！」とむくれないとも限らないが、そんな事まで創業家は考えているのだろうか。
出光は一企業に過ぎないから、サウジとの関係が今後こじれたとしても我々には関係はないといえばないが（出光の株なんてもっていないし）、しかし、サウジが「そうかそうか、日本（という国）は、サウジよりもイランをとるのだな！」なんてむくれたら―――それこそ大変だ。（日本全体の原油輸入先で見ると、1位：サウジアラビアで30.7％、2位：UAE：22.7％、3位：カタール：13.0％で、イランは6位で4.6％に過ぎない）
日本の国益第一だったという佐三翁が生きていたら―――なんと言うだろうか。
（09/06/16 10:00pm）
2016年9月6日
いざとなれば
巨大進化したゴジラが東京を襲って大暴れする-――という怪獣映画「シン・ゴジラ」が政界でも話題になっているのだとか。（参照：「シン・ゴジラ」8/23/16）
首都東京を破壊しまくるシン・ゴジラに手をやいた日本政府は現行憲法下で初めて自衛隊に対して「武器使用命令」出し、自衛隊がゴジラに対して様々な武力攻撃を行う―――という場面があるが、この部分に関して「軍事オタク」ともいわれ防衛問題に詳しいことを自認する自民党の石破元防衛大臣が「本来『国または国に準ずる組織による我が国に対する急迫不正の武力攻撃』の際にのみ許可されるべき自衛隊の武力行使をいかに手ごわいとはいえたかだか有害鳥獣（？）でしかないシン・ゴジラに対して命ずるとは自衛隊法、ひいては憲法9条違反ではないか」と発言したという。まあ、おチャラケでの発言として聞くべき石破さんのご意見ではあるものの、この発言が意外な反響を呼んでいるというのだ。
先ず、石破さん同様、防衛大臣を務めた経験のある小池百合子東京都知事は、「災いというものは常に想定外（シン・ゴジラやUFOの襲来といった）のものが起こり得る―――。想定外への対応をするのが、私は『最大の防災』だと思います」と発言した。
石破さんや、原発事故の際の民主党政権菅内閣のように、筋論だとか法律論にこだわり続け、むやみやたらと興奮するばかりで右往左往するばかりの男どもに比べて、小池さんの発言は「緊急の際には、筋論よりもなによりも人の命を救うことが第一であるべきだ」という臨機応変な女性、という対比にも見えてこの石破対小池論争（？）は折からの「都民ファースト」の小池さんの方に軍配は上がっている。（映画の中でも女性防衛大臣はテキパキしていたが---これも小池さんがモデルらしい）
もっとも、タカさんがこの場面（自衛隊による武器使用を内閣が即決で決めてしまう）で一番感じたのは、例えば中国やロシア、あるいは北朝鮮などから突然の攻撃を受けた場合（緊急事態というものは常に想定外にも備えておかなければならない以上、シン・ゴジラよりも可能性が高そうなこういったケースの想定があってもおかしくはないはず）、自衛隊違憲論を主張し、昨年の集団的自衛権行使の閣議決定に反対しつづけている「安倍政治を許さない」勢力や何でも反対の人々のご託があったところで、日本政府は法の解釈を曲げてでも（あるいは、拡大解釈をつけて）案外、即時対応するのではないか―――ということだ。
日本という国は、世界のどの地域に比べてもかなり平和であり、その平和が70年も続いているだけに憲法9条という占領軍の置き土産を家宝として飾っておいても何の支障もないし、集団的自衛権という国連憲章でさえ認めている権利を認める、認めないで喧々諤々やっていられるが、なあに、いざとなれば何も憲法改正やら自衛隊法の改正なんていう手続きをしないでも、臨機応変に法解釈を現実に合わせてしまう知恵をもっているのではないか――とちょっと期待できる（?）ようにも思ったのだ。
その証左に憲法第一条で定められた「天皇」でさえ、天皇本人が憲法にも皇室典範にも定めのない「生前退位」を望むなら「どうにかお言葉にそえるように」と憲法を改正することなくやってしまおうと動きはじめているではないか―――。
いざとなれば辻褄をあわせるのが得意な日本であれば、「憲法を守れ！」「いや憲法を改正しろ！」と騒いでいるのもある意味、暇つぶしのための無駄、と思わないではない。
（09/05/16
10:00pm）
2016年9月2日
夏休みは終わった
子供の頃「学校の夏休みは45日間」というのは日本中どこでもの決まりだと思っていたが、3年生の時だったかに、父方のおじいちゃん、おばあちゃんのいる鳥取の米子で一夏を過ごしていた時、それまでは毎日一緒に遊んでくれていた従弟たちが、8月の20日過ぎには新学期だといって一斉に学校に行ってしまったので、一人残されたタカさんは、急に里心がついて母の下へ帰りたくなった―――という記憶がある。
タカさんの住む千葉では、今日(9月1日)から新学期が始まったが、東京は今週の月曜日8月28日からもう新学期は始まっているなど、最近は各都道府県あるいは市毎に結構夏休み期間はバラバラらしい。いやそれとも、「夏休みは45日間」というのは子供の頃のタカさんの単なる思い込みだったのだろうか？
当時「田舎の方では夏休みが短いところもある」理由は、田舎（といえば当時はほとんどが農村地帯）の小学校では秋の稲刈りの時節には、子供たちも当然、稲刈りの手伝いをしなければならず、その為に「秋休み」があり、その分、夏休みが短いのだ―――なんていう説明を聞いたような気がするが、今や農家の総戸数は、全世帯数のわずか6%、農業の就業者数に至っては、総就業者数のわずか3%だというし、そもそも稲刈りも大型稲刈り機でおこなう時代になっていることを思うと、もはや「子供も含めて一家総出の稲刈り」等というものはないだろうし、そうなれば「秋休み」の必然性は無くなっているはずなのだが――それでも多くの地方では夏休み期間が短くなっている―――と言うのは――― は、なぜなのだろうか。
そうそう、今の小学校の「夏休みの宿題」は、昔にくらべて随分と少なくなっているのだとか。ちなみに「絵日記」は夏休み中の2日か3日分だけ書けばよいとか、タカさんの頃は定番だった家に朝顔の鉢を持ち帰り「朝顔の観察日記をつけなさい」なんていう宿題も、学校に置いたままにした朝顔の鉢をクラス全員が分担して観察に行き、クラスの共同作業として一冊の「朝顔の観察日記」をまとめればよくなっているのだとか―――。これも、都会では朝顔をベランダ等で育てるのを禁じているマンションやアパート暮らしの子供が多くなり、「一人一鉢を育てる」等という「ぜいたく」ができなくなっているからだとか―――。
まあ、考えてみればタカさんが小学生だったのはもう60年近く前だけに、今の夏休みの様相がタカさんの「昔は―――」という記憶と全く異なったものになっているのは当然といえば当然なのだが―――。
（09/01/16 10:00pm）
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