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2020年4月
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04/30 子供の意見は？ 04/28 菊と刀は間違い？ 04/27 靴を脱ぐ習慣 04/24 悪魔のプログラム 04/23 ニュースショー
04/22 飢餓と飽食 04/21 どう変わるか 04/20 個人の権利と社会秩序 04/17 テドロスの首 04/16 ご意見は？ 04/15
縁のない世界 04/14 コロナ後の世界 04/13 モヤモヤしたいら立ち 04/10 来た道行く道 04/09 山火事を思い出す 04/08
弱毒化を待てない 04/07 検査と緊急事態宣言 04/06 いやなランキング 04/03 布製マスク2枚 04/02 源を探し出せ 04/01
神頼み
2020年4月30日
子供の意見は？
外出制限にしても休業にしても「要請」という名で進められれば、「ことは命の問題だから」といわれれば、多くの大人たちはそれぞれの都合を抱えながらもその「要請」に従うものの、勿論、一部にはその要請に従わない、あるいは従えない人もいる。それぞれに意見もあり都合もあるのだからとそれは認められてもいる。
ところが、学校や幼稚園などに通う子供達は、「全国一斉休校要請」が出されて以降、個人でこの要請に従わないという自由はない。
多くの県で既に5月末までの休校が決まっており、既に例年の夏休み期間を超えての休校が続いていることもあって、「今年は夏休みなしで遅れを取り戻そう」とか「少なくとも一日一時限を増やす」といった案まででており、遂にここにきて「この際、学校再開は9月からとして、来年以降も9月新学期に変えるべきだ」という案が複数の知事たちや野党からも出され、文科省や首相まで「一つの案として検討中」と述べるに至っている。
各県がスタートの足並みをそろえないと、県ごとの学力差が出てしまうことが心配されるということもあって「この際、全国一斉に9月入学にすれば――」ということのようだし、世界標準は9月入学（新学期）だし、日本も1882年（明治15年）までは9月入学だったし―――この際、国際標準に合わせる良いチャンスだ！などという意見も交わされている―――。
この議論、タカさんとしては一番気になるのは、政治家や大人たちは、勝手に議論を進めているけれど、既に何か月もほおっておかれている当事者である子供達の意見を、少しでも聞いたのか？ という点だ。
卒業式の直前で休校要請によって突然、小学校最後の日々を打ち切られて、中学校も入学式だけをどうにか済ませたがそれ以降、宙ぶらりんにされてしまい、いつ再開されるかわからない中で、自粛、自粛と言われて部活も出来ない生徒たちや、「ともだち百人できるかな♪」と胸を膨らませていたピカピカの一年生たち――。
子供は大人たちの保護を受ける立場だし、そもそもまともな判断など無理に決まっているから、彼や彼女等の意見など聞く必要もないと考えているとしたら―――。彼らの人格や人権を認めていないことになりはしないだろうか。
少なくとも、子供達だってそれなりに考えていることもあるだろうし、希望だってあるはずで、もし9月入学に決めるならその前に彼ら彼女らに十分説明し、納得してもらうべきだと思うのだが。
（4/29/20 10:00pm）
2020年4月28日
菊と刀は間違い？
第二次世界大戦中、米国にとって、玉砕戦法やら特攻攻撃をかけてくる日本人は「訳の分からない民族」に思えたこともあって、米国戦時情報局は、比較文化学者であるルース・ベネディクトに調査を委嘱したが、その調査報告ともいえるものが「菊と刀」である。この本は、米国ではそれほど評価されなかったものの、一時期日本では大いにもてはやされた。
この本の要点は、日本人の文化は「恥を基調とする文化」つまり「恥の文化」であり、欧米人の文化である「罪を基調とする文化」すなわち「罪の文化」とは根本的に違うという点にある。
海外が自分達のことをどう見ているのかを、昔から気にしがちな日本人にとってこの「菊と刀」で言われた「恥の文化」という部分は、何故か、敗戦で打ちひしがれている中、褒め言葉にも聞こえたのだろう、一時この本はいろいろな場面で取り上げられ「自分達は諸外国とは違って、恥をかくことを何よりも嫌う国民なのだ！」と、なにかと日本の異質性を外から批判されるとその言い訳に使ってきたところがある。
しかし、この本の中では、必ずしも「恥の文化」を褒め言葉として使った訳ではなく、例えば「日本人は誰も見ていない山の中ではゴミを平気で捨てるが、人が見ている街中では決してポイ捨てしない―――他人に笑われたくないからだ」と書いているように、「恥をかきたくない」ということが、行動の原動力や、あるいは静止力につながっているのだ―――と言っているだけなのだ。
この、ベネディクトの日本人の比較文化論を「なぜあんな無謀な戦争をしてしまったのだろう」「犠牲があんなにも出てしまう前に、なぜもっと早く降伏してしまわなかったのだろう」と、反省しきりだった敗戦直後の日本人にとっては、この「恥の文化論」は、「なるほど自分たちは、恥の文化だからこそ、大敗戦になるまで戦い続けてしまったのだ！」と納得するにはピッタリの考え方だったことが、この「菊と刀」が日本でもてはやされ、今も「日本の異質性」を指摘されると、その言い訳の方法として使われるように思う。しかし、日本の事をそれほどよく知っていたわけでもない女性研究者が戦時に提唱した一仮説だから、今やその評価は必ずしも高くない。
まして戦争からもう既に70数年が経とうとしている現代の日本を、「恥の文化の国」と言えるのか同課は、結構迷うところだ。
コロナ禍における休業要請をされた業界も多く、これに応ずる店も多いが、その要請に応じないところもあり、最近はパチンコ屋やナイトクラブ、スポーツジムなどに要請に応じないで、中にはクラスターの発生元として名指しされるところまで出てきているから、ついにしびれを切らした都府県の中には、店名の公表に踏み切るところまで出てきている。休業が、要請ではなく強制であり、それ断ったら罰則がある諸外国と違って、「要請」である以上は、要請を受けるか、受けないかは自由というのが建前の日本では、せいぜいそれに対するペナルティーは「店名の公表」という「恥をかかせる」方法しかないというのが実情だが―――。店名が公表されても尚営業を続ける店もあるというところからすると、今の日本には、「恥の文化」はないということになる。やっぱり「菊と刀」は間違いだったのだろうか。
（4/27/20 10:00pm）
2020年4月27日
靴を脱ぐ習慣
「若いうちから毎朝養毛剤を使っている人は中年になってから、養毛剤を使っていない人よりもハゲる」というデータがあるという。このデータを見て「だから養毛剤を使い続けるとハゲる」という結論を導きだすのはどうだろう？
自分の父親も祖父もハゲている人が、若いうちから自分も遺伝的にハゲるのでは――と心配になり、養毛剤を熱心に振りかけているのかもしれないし、もし彼が成人してもハゲなかったからといって、それは母方にハゲが少なかったとか、彼自身がハゲる一つの要因だといわれる男性ホルモンが弱かった所為かもしれないのであって、「若い時からの毛生え薬の効果」とも言い切れないかもしれない。
この例（養毛剤を使っているとハゲないという）の様に、因果関係があると証明されたわけでもないのに、勝手に因果関係があるかのような錯覚に陥ってしまう例は多い。
「雨が降る日は天気は悪い」「犬が西むきゃ尾は東」のような誰も反論できないような因果関係（？）とは違って、世の中に「因果関係がある」と認められている物は意外と少ないし、科学的にそれが証明されているものとなるとそれほど多くはないのは、概ね因果関係があると世の中に認められているものにも、「例外」が多く存在するし、その因果関係が成立するために、「前提条件」が与えられている場合が多い為でもある。（三角定理にしてもあくまでも「二次元平面において」という前提のもとで成り立つ）
コロナウィルスの特効薬とかワクチンが一刻も早く発見されることが望まれるが、その開発、実用化までに1年あるいは2年はかかるだろうと言われているのも、それらとその効用の間に因果関係が明らかにあるし、副作用がないか、あっても極めて少ない、ということが判明するまでに、すなわち開発薬とコロナの弱毒化、あるいは消滅との間に因果関係があることに確信が持てるまでには、ある程度の時間がかかるであろうことが予想されるからだ。
アビガンをはじめ、既往薬の中には一定程度のコロナに対する効果を示すものがあり実際、それで症状がおさまったという例も出てきているようだが、果たしてそれがコロナの特効薬になり、副作用も少なく、人類をコロナ禍から救うものになるかどうかは、まだまだ慎重に治験を進めていくしかないとも言われている。
日本や韓国のように、靴を脱いで室内に入る習慣がある国では、コロナによる死亡率が低い、ということが言われており、一部では「土足で室内で暮らさない人は、コロナになっても死ぬ率が低い」などという説もあるが、タカさんの知っている限りでは、エジプトやトルコなど死亡率が高い国でも室内やモスクでは靴を脱ぐところが多いから「靴を脱ぐ習慣とコロナ致死率」の因果関係が成り立つかどうかは、疑わしいようにも思う。
BCGがコロナに効くという説もあるが、これもまだその実証はなされていない以上、特に新生児などに打つことは危険と厚生省は言っていることを考えるといたずらに因果関係を言い立てるべきではない。（もっともトランプ大統領が言ったという「消毒薬の注射がコロナウィルスに効く」というトンデモ対策よりはマシな部類とはいえるのかもしれないが）
いずれにせよ一刻も早い薬の出現が待たれる。
（4/26/20 10:00pm）
2020年4月24日
悪魔のプログラム
ハーバード大学の倫理センターなるところが、「コロナパンデミックからの経済回復力ロードマップ」というレポートを発表した。経済学、公衆衛生、テクノロジーなど45の分野の全米の専門家が協力し、コロナ禍で停止状態になっている米経済を再開させるための包括的ロードマップだそうで、8月までに学校を再開させ、リモートワークしている人の20%をオフィスに戻し経済回復を実現するための段階的な戦略である―――とのことだが、読んでみると、まるで「冗談新聞」か「虚構新聞」の記事ではないか？と思うほどの内容だ。
8月までに米経済の経済回復を計る戦略の、最重要ポイントは「6月初旬までに一日500万件の検査を実施する体制を築き、夏までに一日2000万件の検査を実施する体制を作る事」であり、その次に大切なのは「検査結果で感染が判明した人の感染経路を把握してその接触者に注意を促し、検査で陽性反応が出た人を隔離すること」だと言う。又「隔離者の仕事を守り、食事や必要なケアを提供すべきだ」というのだから―――確かにそれらのことが実際に実現可能であるならば、感染者数の推移を見て経済活動を規制したり緩和したりせずとも、ワクチンを開発できるまでの間に、経済活動をもとのように回復することは可能だろうということは、何も45専門分野の研究者を集めてシュミレーションするまでもなくタカさんにも分かる話だ。
しかし、ここに述べられている数々の前提条件は、誰がみても実現不可能ではないだろうか。6月までに一日500万件、夏までに2000万件のPCR検査の実施体制！！！ 陽性者を全員隔離！！！（どこへ？？？） 全隔離者の食事とケアの提供！！！（誰が？？？）
いかに世界一位の経済大国であり、世界一の軍事大国でもある米国といえども、これを実行するだけの財力と、資源や人手があるのだろうか？ そもそも一日2000万件の検査を処理するだけの検査機や検査キットを製造するためにどれだけの時間がかかると考えているのだろう。
このプログラムの実現のために莫大なコスト（費用と人力）をかけて8月までにコロナが終息するとしても、米国経済はコロナ以前に戻るという計算が成り立つものなのだろうか―――。（ひょっとしたら、戦争には勝ったものの、国土は焦土と化した―――等ということになりかねないのでは―――）
ハーバート大学という権威ある大学の研究チームのシミュレーションだというから疑ってかかるのもはばかられるが―――どうも冗談話のように聞こえてしかたがないのだが―――。「ネス湖にネッシーがいること」を証明するにはネッシーを一匹捕まえれば事足りるが、「いないこと」を証明するためにはネス湖の水を総ざらいでもしない限り無理であり、長さが約35
キロメートル、幅約2キロメートル、水深は最大で約230メートルというネス湖の水の総ざらいなど不可能であるから、この種の「ないことの証明」を別名「悪魔の証明」とも言われているのと同じように、不可能なことを前提にしたプログラムといってよい、「ハーバード大学の8月に経済回復プログラム」は、「悪魔のプログラム」ともいえるのではないだろうか。
すなわち、このプログラムが示していることは逆説的に「8月までに米国経済が回復することはない」ということではないかとも思うのだが。
（4/23/20
10:00pm）
2020年4月23日
ニュースショー
民放の「ニュースショー」といわれる番組を見るともなく見ることが多くなっている。あれはジャンル分けすると一応「報道番組」に仕分けられるのだろうか、それとも司会者やコメンテーターといわれる出演者の顔ぶれに、タレントやスポーツ選手、お笑いタレント等が並んでいることからするとエンターテイメント番組なのだろうか。
コロナ騒ぎ前には、この種の番組が取り上げるのは、芸能人の不倫騒動やら、覚せい剤事件といったスキャンダルや、センセーショナルな犯罪、政財界のスキャンダルといったいわゆる「週刊誌ネタ」が主なものだったから、番組を盛り上げるのに長けたさまざまな分野からの人気者が、「私はこう思う」と怒って見せ、あるいは笑って見せるのを、視聴者が楽しむ――といった調子でよかったのだろうが―――。
人の命がかかった問題とも言わるコロナ旋風が吹き荒れている昨今、感染症医療の専門家や、経済対策の専門家に混じっての、必ずしもこういう分野に詳しいわけでもない、お笑いタレントやスポーツ選手、あるいはテレビ局の社員コメンテーターといった言わば専門外の素人のコメントは、少なくとも報道の一翼を担うフリをしている番組としてはそぐわないし、時には有害ではないかと思うことが多い。
「庶民感覚をもったタレントたちの、ナマの意見だから」ということで、歓迎する向きもあるだろうし、テレビに向かって「そうじゃないだろう！」「いいことを言ってくれた！」などと叫んでいるおじさんやおばさんにとっても暇つぶしにはなるのだろうが、果たして、そういう人たちの「生の声」を聞いたところでコロナ禍にとって何か役に立つのだろうか―――。
先日、テレビ朝日系の「ニュースショー」の社員コメンテーターが、政権のコロナ経済対策を「戦力の逐次投入の愚策」とコメントしたことに対して同系列である朝日新聞のベテラン記者が「玉川氏は、以前言っていたことと違うではないか！」と猛批判するといったことがあったという。ワイドショーが身内の喧嘩の場になってしまっては、付き合わされる視聴者にとっては迷惑な話だ。
報道番組の衣を装わせて、政権翼賛や、政権批判の世論を作り、あるいは誘導しようという意図が、もしテレビ局にあれば、自分達の好みの意見を吐いてくれそうなタレントを集めてコメントさせればそれなりの世論誘導ができてしまという、この種のニュースショーだが、コロナ騒ぎに乗じてまたぞろ復活してきていることに、一抹の不安を抱いてしまう。
（4/22/20 10:00pm）
2020年4月22日
飢餓と飽食
遺跡などから縄文時代、人々が何を食べていたのかを知ることはできるが、それでは当時の人たちが一日何食だったのかを知ることはできない。
文字による記録が残っている奈良時代位になると、どうも一日2食だったらしい。人々は、日の出と共に起きて日没と共に寝てしまっていたから一日2食で足りたようだ。
現代のように朝昼晩の一日3食になったのは江戸時代になってからの事らしいが、これは、菜種油が灯りとして普及し、人々が日没後も活動するようになったことが影響しているという。すなわち、日本人は起きている時間が長くなるにつれて一日の食事の回数が増えていったという訳で、確かに睡眠時間を削ってでも働き、遊び、起きている現代人は、3食に加えて間食や、夜食を摂る場合もあるから、一日、4食とか５食、あるいはそれ以上食べている場合もある。
さて、それでは人間は一日何食が一番健康によいのかとなると、これについては結構諸説あって今は、「３食、規則正しく」を推奨する説が主流だが、消費カロリーや、頭脳労働か、肉体労働か、あるいは一日の睡眠時間は？などによっては、一日２食説や、一日４食、５食を推奨するものまで諸説あるようだ。
確かに育ちざかりの中高生の運動部員と、リタイアしてアクティビティーの落ちている高齢者とでは、消費カロリーや、必要とされる栄養素も違うだろうから、一日の食事量や食事回数が違っていてもよいはずだ。
ここのところの、コロナ騒ぎで外出もままならず、軽い散歩とラジオ体操ぐらいの運動しかしない（できない）タカさんだから、さぞや消費カロリーも落ちているはずなのに、一日３回の食事時間は容赦なく巡って来る。
今、世界人口の1/9とも1/8ともいわれる人々が、飢餓に苦しんでいるとも言われるのに、飽食の悩み等、許されることではないとは思うのだが――。
現在、世界で生産されている３大主要穀物、米、小麦、トウモロコシの総量は23億トンと全人類が食べる量の２倍に当るとも言われているし、世界人口の40％が過体重であり10人に1人は肥満であるという統計もある。
世界の飽食、すなわち過体重に悩む人達の一食分を、飢餓で苦しむ人たちに回すことができたら―――世界はより健康に、そして平和になるだろうに―――。
（4/21/20 10:00pm）
2020年4月21日
どう変わるか
緊急事態宣言は5月6日迄となっている。あと二週間余りということだが、地方での感染の勢いが増えてきているということなどを考えると、本当にあと2週間で終わると考えてもよいのかという不安に駆られる向きも多いのではないだろうか。
イタリアなどでは、死者の数の増加ペースが落ちているとはいうもののまだまだ日に数百人の死者が出ていることもあって、当初の都市封鎖（ロックダウン）期間の延長が宣言されたところもある等というニュースを聞くと、ロックダウンもせず（できず）、あくまでも国民への協力要請という、外国からはユルユルだ、等との批判もある、日本の緊急事態宣言を、本当にあと2週間で終えてしまってよい物なのだろうか―――等という声も聞こえてきそうだ。
結婚を決めるのは簡単だが、離婚は大変だ！というのと同じで、「何事も始めるのに比べて終えるのは難しい」とも言われることを考えると、緊急事態宣言は始めるのさえ「遅すぎた」という批判を受けている安倍さんが、緊急事態を終える時期を間違えずに判断できるだろうか―――とちょっと不安にもなる。
大相撲の5月場所やら、夏の甲子園、いやいやプロ野球の開幕だって今は、その話題に触れることさえはばかられる雰囲気であることを思えば、今、5月6日に本当に緊急事態宣言期間が終わる、と断言する勇気を、持ち合わせている人は、安倍さんに限らず、中々いないのではないだろうか。
只、今言えることは、もし5月6日に緊急事態宣言期間が終わったとしても、翌日から日本社会がコロナ以前の状態に早急に戻ることはなさそうだということだ。
例えば、5月7日からは各観光地に客が戻り、どこの宿泊施設も予約で一杯！等ということにはならないだろうし―――夜の歓楽街は、コロナ騒ぎがウソのように、又元の賑わいを見せ始める――可能性も薄いのでは―――。
中世のヨーロッパでペストが猛威を振るった当時、人々は恐れおののき、ただ神に祈るしかなかったのだが、祈りの甲斐もなく人口の約3割とも4割とも言われる人々が亡くなり、神の権威が失墜、その結果人々が宗教の束縛からとかれ、人間性の解放であるルネッサンス文化が花開いた―――ということがあったが、コロナ禍が去った後の社会は、大きく変わって行くような予感がしないではない。
例えば過度に中国に依存した需給構造だとか、目標年間4000万人をかかげた外国人観光客依存はかなりその熱気は冷めるだろうし、ライブコンサートやら、アイドルとの握手会などいうイベントももう以前のようなバカ騒ぎにはならないのでは―――。
まあ、コロナ後の社会がどう変わるのかは、中々想像もつかないが、少なくとも自分に関しては、コロナ前より人格的には成長した―――と言われるようになっていたいものだと思う。
（4/20/20 10:00pm）
2020年4月20日
個人の権利と社会秩序
個人の権利（人権）は中国などの共産主義国家や、独裁国以外の国では、人が守るべき最重要価値として広く認められているが、個人が集まって暮らす社会においては、その秩序を保つためには、個人の権利にも制限を加える場合もあることは、これまた広く認められている。従って、社会秩序を維持するためには例えば法律という手段が用いられ、その法の執行のために用いられる警察力のようなものが、「個人の権利」を阻害することも起こりうる。
例えば、デモ行進をすることは、参加者の権利であるが、一方では長時間のデモは、その経路の商店街の人々にとっては、営業妨害にもなり得るし、それは彼らの生活権という個人の自由の侵害にもなるから、一定程度の法による規制は必要になるが、これはデモ参加者の個人の権利の侵害にもなりかねない。個人の権利か、社会秩序かは簡単な二項対立問題ではないのだ。
一律10万円の給付金をどうやって配るかが大問題になっている。郵送（現金書留？）やネットによる申し込み受付等ということが話題になっているが、今日本には個人、個人を全員把握する術がほとんどないに等しく、おそらくこのままでは年内に配り終えることですら無理ではないだろうか。アメリカにはソーシャルセキュリティ―ナンバー制度があって、いわゆる国民総背番号制度だから、例えば全員に給付金を配ろうとすれば、早期に配ることができるが、日本にある住基カード制度は、野党による「プライバシーの侵害のおそれがある」という反対で、いまだに国民の2割しか登録していないのだから今回の給付には、まったく役に立たない。
個人の権利か、社会秩序か、という二項対立問題は永遠の課題として議論されるが、正解がある訳ではなく、「個人の権利を尊重するために、人々の権利が場合により制限されることもある」という何ともあいまいな形で人々は納得せざるを得ないというのが日本の実情だ。
緊急事態宣言によってコロナウィルスの犠牲者をなるべく抑えようという社会的な必要性は、自分や自分の親しい人がコロナの犠牲になるのを避けたい、という個人の生存権という最大の個人の権利主張と一致するはずなのだが―――。
ひとりひとりが、行動変容に極力協力して、「３密を避け、人との接触を８割減らしましょう」と言っても、全体の９割の人がそれを守ったとしても残り１割の人が以前と同じ行動をとり、某国会議員さんのように歌舞伎町のセクキャバに飲みにいったり、車で、県外のパチンコ屋にいったりしていたら、結局、全体の行動変容は計算上（90%
x 80% +10% x
0%）の72％減に終わってしまう。
そういった10％の人たちにとっては、自分の行動はあくまでも「個人の権利」ということになるのだから、世間の非難という圧力は加わるかもしれないが、欧米や中国のようにこれを罰する法もないし、憲法上の規定もない。
こういう状態になったのは、憲法の規定を一言一句変えてはいけない、という主張を、日本人自身が認めてきてしまった結果であり、今になって「なぜ、日本だけはこんなユルユル状態で、コロナに対峙しなければならないのだ！」と怒ってみても、天につばして、そのつばが自分の顔にかかってくるようなものだということを、反省しなければならないだろう。
（4/19/20
10:00pm）
2020年4月17日
テドロスの首
日本は「国連中心主義」を外交政策のというか、国政全般の基本としてきた。
自衛隊の海外派遣だって憲法では禁じているはずなのに「国連安保理決議による平和維持活動であるならば」という条件付きならOKというのだから、国連の方が憲法より上にある――という訳だ。
しかし、日本があこがれ、尊重し、無謬の存在であって欲しいと願ってきた国連だが、東西冷戦、南北問題、近年では米中の覇権争い等々、その実態は、各国の利害と利権の醜い争いの場と化してしまっておりがっかりさせられることが多い。世界政治は、国連に代わる国際協調機関への移行の動きも目立ってきている。
国連に対する失望は本部ばかりではなく、多くの下部組織にも失望感が目立つ。それは、例えば、人権問題にもほとんど無力といってよいUNCHERであり、中国による著作権の剽窃にも無抵抗なWIPOであるが、今、喫緊の問題になっている、WHO（世界保健機関）の不公平な中国寄りの運営だ。
本来、中立の立場に立ち「世界のすべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」という使命を持つにもかかわらず、WHOは、中国に忖度し、台湾を排除し続けているし、今回のコロナ騒ぎでは、同じく中国に気を使って、1月末には「人と人の感染はない」「国境をまたぐ渡航禁止は必要ない」という、世界に広がったパンデミックの大きな原因を作る誤った主張をするなど実にデタラメだ。
トランプ大統領がこういったWHOの意図的な失態に腹を立てたのか、アメリカのWHOへの拠出金の停止を表明した。コロナとの戦いの真っ最中に、このような強硬措置をとることは、今後、さらにコロナ感染が広がると思われるアフリカなどのことを考えると実に危ういことではあるが、トランプばかりを責める訳にもいかないのは、実際にパンデミックの大きな原因を作ったWHOのテドロス事務局長が、いまだに自分の過ちを認め謝罪するでもなく、台湾排除問題に至っては「台湾から人種差別を含む中傷を受けた」と被害者面をして台湾を非難して「なぜ台湾を排除しているのか」については頑なに答えようともしていない。このテドロス発言に対して中国外務省報道官が「テドロス氏に対する人身攻撃と人種主義の言行を強く非難する」などと、テドロスが自分達の手下であることを隠しそうともしない。おかげで、「なぜ台湾をWHOから排除するのか」という根本問題は、テドロス個人への差別問題にすり替えよられてしまっている。
コロナとの戦いの最中だ。ここは一刻も早くテドロス氏を更迭すべきで、そうすればトランプも拠出金の一時停止を撤回するだろう。トランプも自分のメンツが立てばそれでいいのではないだろうか。
長くなるであろうコロナとの戦いの為には、中国にこびへつらってばかりいる、無能でずるがしこいテドロスの首一つ位、お安いものではないか。
（4/16/20
10:00pm）
2020年4月16日
ご意見は？
米ハーバード大の研究チームが新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、各国が外出規制などの措置を2022年まで断続的に続ける必要がある――という予測を発表したし、北海道大学の西浦教授の試算によると「人と人との接触を減らすなどの対策を全く取らない場合」のコロナによる日本での重篤患者の総数は、85万人、うち約42万人が死亡するおそれがある―――などという身の毛もよだつ報道がなされ、ひときわ人々の不安に拍車をかけている最中だし、なにしろ首都圏を中心とした緊急事態宣言から1週間が経つというのに、目覚ましいほどの効果が見えないばかりか、全体の患者数は増える一方となると、どうしても「もっと早く手を打つべきだった」「外出制限が遅すぎた」という批判の声は強くなるから、安倍首相の支持率が落ちるし、エキセントリックに強い規制を叫ぶ小池都知事への評価が上がるのは、当然の成り行きかもしれない。
今は、政治家にとって過激に思える強い制限を主張すればするほどその効果はともかく、点数が稼げる状況になっているようだ。
人々がこういったパニック状態に陥ってしまっている時は、憲法上の規定を無視しても「厳しい私権の制限を行うべきだ」と言ったら、ちょっと前までは「戦前の治安維持法や、国家総動員令の過ちに戻るのか！」と息巻いていた連中まで沈黙してしまい、野党の中にも「もっと強い措置に踏み切るべきだ！」と述べる議員までいる。
2月末に、安倍首相が小中高等学校の全国一斉休校を言い出したときに、立憲民主党の蓮舫副幹事長が「あまりにも場当たり的だ！こんなめちゃくちゃなリーダーシップは無く、すぐに撤回すべきだ！」と息巻いていたが、あれから一カ月半が経ち子供達の中に大きなクラスターが起きていないという事実の前には、休校期間の延長を言い出す意見もある位で「すぐに撤回すべきだ！」という政治家がいたら袋叩きにあいそうな気配だ。（蓮舫さんも、あんな発言等なかったかのように、今や自粛要請中の歌舞伎町のセクキャバに行っていた同僚議員を非難する言葉を連ねておられる。
こんな状態では、しばらくはだれも「緊急事態宣言を予定通りの日程（5月6日）でやめるべきだ」とか「繰り上げて止めろ！」なんて言い出さない雰囲気だし、中には政治的なウケを狙って「さらに1か月延長しろ！」なんて言い出す人まで出てくる可能性だってあるのでは―――。
蓮舫さんのご意見を伺ってみたいような気もする。
（4/15/20 10:00pm）
2020年4月15日
縁のない世界
伝統的なイスラムの服装をした既婚女性たちの多くは、何重にも巻いた金細工の首飾りや腕輪を身につけている。もちろんおしゃれの意味もあるのだろうが、じゃらじゃらとこれ見よがしにありったけの金ぴかの飾り物を身につけるなんて――日本人からしたら悪趣味にさえ思えるのだが―――。
彼女たちが、ありったけの金を常時身につけているのは、戦争の際や、様々な災害といった非常時に、全財産を持って逃げる為だ。
そういう混乱時、重い家財や骨とう品を持って逃げる訳にはいかないし、現金や、債券、株券などといったものは、その価値がゼロになってしまう可能性もあるというのに、金だけは例えどこの国に逃げたとしてもその価値が失われることがない、絶対安全資産と言ってよい物だからだ。
中東における結婚の際には、花婿側から婚資といわれるお金が花嫁側に贈られる。また、花嫁側の父親の多くは嫁いでいく娘に対して資金を渡すだろう。この資金のほとんどは花嫁自身のものとなり、結婚した後でもこの金は花嫁自身の財産である。すなわち、もし何時か離婚したとしても、この資金は妻の物であり彼女自身が常に身にまとっているのだから、それを持って夫の下を離れ、この資金を元に生活していくことができるだから、日本の様に、夫と離婚するとすぐにでも生活に困るので、泣く泣く我慢する――等という必要もない。
アラブではイスラム教以前からこの婚資の風習とそれを妻が金として常に身にまとっているという風習は守られているというから、随分昔から「金は不変の価値を持つ」物として人類社会と共にあるということになる。
全人類が今までに採掘した金の総量は、たったの170000トン（公式プール3.5杯分）しかなく、未採掘の金の埋蔵量はあとわずかに50000トン程度と推定されているが、そのほとんどが深い海の底のような採掘不能な場所にしか残されていないというのだから、やはり金の希少価値は多分人類が生きている間は、変わらないと思われる。
コロナ騒ぎで、株式相場は乱高下を繰り返し、株式投資や会社買収で巨額の資産を持つに至ったソフトバンクGが何兆円かの赤字決算を出すにことになった等というニュースが飛び交う中で、金地金相場が40年振りに高値を更新したという。
資産というほどの物をほとんど持たないタカさんにとっては縁のない世界の話ではあるが、有り余る資産を持ちその資産運用に困った人たちにとっては何とも気が気ではない状況になっているようで、金地金に殺到しておられるのだろう。
（4/14/20 10:00pm）
2020年4月14日
コロナ後の世界
コロナという大敵があらわれたこともあって、今年は、毎年冬には流行するインフルエンザについての報道に接する機会が少ないように思う。
アメリカにおけるコロナによる感染者数50万人、死者数は、2万２千人に上ると報じられているが、今から２か月以上前の１月末の時点ではインフルエンザの罹病者累計は22百万から32百万人、死者数累計は、推定１万２千人から3万人と報じられていたが、それ以降の数字は寡聞にして知らない。
インフルエンザは一応、予防接種があるし一応治療薬としてタミフルのような薬もあるが、１月までにこんなに死者数が出ているというのに、今やコロナ騒ぎに隠れてしまったのか、ほとんど報じられることがないのはなぜなのだろうか。
日本でも毎年、インフルエンザの流行は報じられ、小中学校における学級閉鎖や、学校閉鎖が話題になるけれど、今年は２月末に政府がコロナ対策としての小中高等学校の一斉閉休校を決めたからだろうか、「インフルエンザによる学級閉鎖」という言葉は消えてしまっているので、実体はわからなくなっている。
ひょっとして「学校を閉じたおかげでインフルエンザはそんなに広がっていない」等ということが起きているのかもしれない―――と言う素人考えが成り立っている可能性も考えられる。
まあ、これも素人の当て推量だが、世界はもう何年も続くインフルエンザには、すっかり慣れてしまって患者数や死者数には驚かなくなっているけれど、新しい疫病であるコロナに対しては言いしれない恐ろしさを感じている――ということがあるのかも知れない。
ということは、このコロナ騒ぎも一年、二年、あるいはそれ以上続くようなことがあると、インフルエンザ同様に人々がそれに慣れてしまって――等ということが起こりうるかもしれない。
コロナを怖れ、不要不急の外出を控えている我々も、いつの日にかその怖れを忘れ、また元のように、浮かれて街にでて遊び歩くようになるのだろうか―――。
何時になるかは分からないが、コロナ騒ぎがおさまった後の世の中がどうなっているのかは、想像もつかないが――中国依存を高めすぎ、極度の外人観光客依存を高めたために今回味わった苦境を思えば、再び、コロナ前の世界には戻らないような気もするが――。
（4/13/20 10:00pm）
2020年4月13日
モヤモヤしたいら立ち
法律というものはあくまでも人が作ったものである。人が作ったものである以上、必ずしも完璧なものではない。一方、「倫理」は字の意味が表すとおり「人が人として踏み行うべき道」のことであり、法律よりもはるかに上位にあるものだ。
例えば、日本では不倫に対する刑事罰はないが、文字通り「人の道に反すること」であるから、罰はないからと言って人としてやってはいけないことだということは、常識ある人なら知っていて、身を律しているから離婚率は低くおさまっている。
このように日本には、特有の強い倫理意識の素地があって「やってはいけないこと」とされていることは、人々が自分を律してやらないように努め、逆に「やるべきこと」は強制されなくてもやっていこうとする高い倫理道徳意識がある。
欧米のマスコミなどからコロナ感染の最中、「日本の外出規制は緩すぎる」と批判を受けているが、日本では、憲法で「何人も公共の福祉反しない限り居住、および移動の自由を有する」と定められており、共産主義体制の中国や、州兵や警察などが強い強制力をもっているアメリカや欧州、あるいは警察が外出した者を見つけ次第棒でたたいて回る―――といった国のようなことはできないし、やらない、という事情もあるが、なによりも、法規制による、厳しい外出規制や都市封鎖などという強権がなくても、「皆が協力しあってこの難局を乗り切ろう」「こういう時には、皆でリーダーの要請には従おうよ！」という倫理道徳観の共有があるから諸外国に比べて感染者数も低く死者の割合（感染者数に対する）にいたっては他の国々の二けた以下でおさまっているのではないだろうか。
台湾やインドは日本の緊急事態に、エールを送ってくれ、あの中国でさえ「日本の外出規制はゆるい！」などという批判はしていないというのに、欧米の一部メディアが、自分の国のことを棚に上げて「日本は緩すぎる！」などと批判していることに、モヤモヤしたいら立ちを覚える。
（4/12/20 10:00pm）
2020年4月10日
来た道行く道
ここのところ増える一方のコロナ感染者だが、それを伝える新聞、テレビの報道の中には、飲み会で盛り上がっている若者や、自粛を無視して海外に出かけ、卒業謝恩会にも熱を押して出た大学卒業生、あるいは、バーやナイトクラブという三密状態のところで飲んでコロナを発症、拡散したのではと疑われる中年、自粛要請中の巣鴨の地蔵通りを歩く老婆、なんていう連中が映し出され、あるいは報じられていて、「いまどきの若い者は！」「自覚のない中年は！」あるいは「若い者ばかりを責められない、年寄だって！」といった具合に、世代間での非難合戦の様相を呈してきているのは何とも情けない気がする。
緊急事態宣言が出されたといっても、「不要不急の外出」を控えるようにという「要請」はされても、インドの様に外を歩いているだけでも警官に、棒で叩かれ、スクワットを強制されるわけでもなく、「生活必需品の買い出しはオーケー」「散歩やジョギングはオーケー」などと許されているものも多いし、どこからどこまでがダメで、何がいけないのかの細かい線引きもあいまいでは、「結婚を控えて新婚家庭用の家財道具を買いにでた若いカップル」だとか「一週間分の食料品を買い出しに巣鴨の地蔵通り商店街に出て来た近所の独り暮らしのおばあさん」かもしれないというのに、これをことさらに映像で流して世代間ヘイトをあおるようなやり方には問題があるのではないだろうか。
花見やねぶた祭なら、又来年ということも出来るが、卒業式や入学式などは一生に一度だし、ひとり暮らしのおばあさんが週一回町にでてくるぐらいは、本来なら温かい目で見守りたいものなのだが―――。まあ、人の命のかかった問題だといわれれば、なんとも反論はできないのだが―――もう少し温かい目で見ることはできないだろうか―――。
公園で子供たちがサッカーボールを蹴って遊んでいたら、110番して「許しておいていいのか！」と通報する人がいるのだとか。こんなストレスフルな中で、子供達が公園で元気に遊ぶ姿を、清々しいと温かく見守る心さえ失っている人がいるとしたら―――。コロナがもたらした人々の心の荒み方が、なんとも恐ろしい。
「子供叱るな、来た道じゃ、年寄わらうな、行く道じゃ」という言葉もある。日本人同士の間での世代間非難合戦だけは止めたいものだ。
（4/09/20 10:00pm）
2020年4月9日
山火事を思い出す
日本は火山国ともいわれ、あるいは地震大国でもあり、台風や大雨による災害も多いが、昨年、アメリカや豪州で起きてニュースになったような大きな森林火災や山火事という災害はめったに起きない。
地球温暖化に伴って世界ではこの山火事という自然災害の頻発が予想されているというが、そういわれても日本人にはあまりピンと来ない話だ。
アメリカのイエローストーン国立公園で1988年に起きた山火事は、日本の四国の半分に相当する公園全体の面積の2/3を数か月かけて燃やしてから、自然鎮火した。
それまでは、山火事といえば大掛かりな消火作業を行っていた国立公園管理局だったが、この山火事のころから、敢えて消火作業をせず、自然鎮火そして森林再生という太古から続く自然のサイクルにゆだねることにしたという。
あの火災から30年が経ち某写真誌で見たところでは、まだ燃えて枯れた木々も残るが、こういった枯れ木の間には、多くの若木が育ち、森は緑を増している。もっとも、火災前の森の状態に戻るには、後250年から300年はかかるのではないかと言われているというから、いま生きている我々は勿論、その子や孫のなかにも、火災前のイエローストーンと同じ森を見る者はいないだろうが、さらにその子孫たちは再び原始の森を見ることになるだろう。
200年や300年先となれば、我々にとってははるかな未来だが、氷河期が終わった頃にでき始めたと考えられるこのイエローストーンの森の歴史から見れば瞬くほどの時間でしかない。自然はそういう時間スケールで再生を繰り返しているのだ。
ロスに住んでいたころ大きな山火事があった。いまでもそうだがカリフォルニアでは毎年と言ってよいほど山火事が起きる。イエローストーンの山火事の規模に比べればはるかに小規模な山火事ではあったが、それでも日本のそれに比べれば、けた違いに大規模なもので、確か数日間は燃え続けていたと記憶する。
当時、このロスの山火事は日本でも報じられ、住宅街に迫る火の手の映像が繰り返し流れたらしく、ニュースを見た知人達から、「大丈夫？」という問い合わせとお見舞いの電話がかかってきた。しかし、この山火事は大都市ロスアンゼルスの北側で起きたもので、タカさんの住んでいる南側や、ロスの中心街には、まったく影響のないものだった。（夜になると、遠くの山が赤く燃えているのが見えて、まるで遠くから見る大文字焼きのようではあったが――）
報道だけでしか知りえないコロナウィルスという世紀の大災害の実際の大きさもその怖さも、何とも測りかねる日々ではあるが―――この厄災も、自然の営みの中ではどれ位のものなのだろうか――――些細な物であってくれればよいのだが――。
（4/08/20
10:00pm）
2020年4月8日
弱毒化を待てない
ウィルスは細胞をもっておらず「生物」の条件の一つである自己増殖ができないが、遺伝子を持っている――。したがって生物とも言えないが石ころのようにはっきりと「無生物」とも言い切れない不思議な存在だ。自然科学上では、便宜的に「非細胞性生物」などと呼ばれているという。
コロナウィルスの場合、オオコウモリという自然宿主の細胞に取り付きその細胞内で増殖を行っているが、自然宿主を殺してしまっては自分も死んでしまうので、オオコウモリの細胞と共生してきたと考えられている。（従ってオオコウモリは、コロナウィルスで死んだりはしない）
そんなコロナウィルスだが、たまたまコウモリを食べた中国人に取りついたのだが、なじみのない人間の細胞内では、強力な毒を出して人細胞内に自分の居場所を確保しようとしていると思われ、それが今の世界的な新型コロナウィルスのパンデミックを生んでいるようだ。
コウモリを宿主としていた時代と違って人の細胞内で強毒性を発揮しているコロナウィルスだが、新しい宿主となったヒトを絶滅させてしまっては、自分達も死んでいく（絶滅してしまう）ことになるから、いずれ自身を弱毒化してコウモリを宿主としていた時代同様、ヒト細胞内で共生（共存）を図るだろうと考えられる。
既に発見されている3000種にも及ぶウィルスはそれぞれそういうプロセスを経て、自然宿主と共存してきていることからすると、今回の新型コロナウィルス（武漢ウィルス）も、いずれヒトと共生する道を選んでいくのだろうと考えられるという。
そういう道を選んだのが、100年前に流行ったスペイン風邪のウィルスであり、毎年新たな流行をもたらしている様々なインフルエンザウィルスであることを考えれば、今回の武漢ウィルスも一年後、あるいは二年後には、弱毒化し人類の細胞内で静かにヒトと共生していくことが期待されているが―――。
問題は、それまでの期間に人類のどれほどがウィルスの犠牲になるかであり、世界がグローバル化し移動手段が昔に比べて超高速化を可能にしている現代、コロナウィルスの弱毒化の速度をはるかに上回ってしまう可能性もないではない。
ワクチンなり特効薬の開発のスピードが、一刻も早くウィルス弱毒化のスピードを上回ることを祈る気持ちだ。
（4/07/20 10:00pm）
2020年4月7日
検査と緊急事態宣言
コロナウィルスに感染しているのではないかと不安に駆られた人々が検査に殺到すると病院や検査場に長い列ができて却って感染がひろがってしまいはしないか、院内感染の原因になりはしないか、といった恐れがあることから日本では、感染の可能性が疑われる人をある程度選抜してPCR検査を実施してきた。
しかし、実際にコロナ感染が判明するまでに数日間かかったという人が出てきており、日本式のPCR検査にいたるまだるっこしい方式に対して疑問の声が上がり始めている。
「欧米に比べて感染者数が少ないのは、PCR検査数が少ないからであり、潜在的な感染者数はもっと多いのではないか」「そういった潜在的な感染者が、気付かない内に町に出て、感染を広げているのではないか」といった声は多い。
医療崩壊を起こさないように細心の注意を払いつつ感染者の重症化を防ぐには、極力検査能力のアップをはかりつつも、ドライブイン検査を増やすにしろ基本的には今の選別方式を続けるしかないというのが実情だが一旦恐怖心にかられた人々の不満が募る一方であるのは問題だ。
しかし、極端な話（もしできたとして）国民全員とは言わないまでも希望者全員のPCR検査を実施したとして、検査の結果陰性の判定が出た大半の人は、それで満足するだろうか？ 結核のようにBCGという免疫をつける方法が今のところないコロナウィルスの場合、「陰性」とは、「現時点でまだコロナにかかっていない」というだけのことであり、それはとりもなおさず「いつかコロナにかかる可能性がある」という意味でもある。ということは陰性判定が出た人の中にはさらに「前回判定以降、コロナに感染したのではないか」と不安にかられ、三日おき、あるいは一週間おきにPCR検査を希望する人が出るかもしれない。際限のないPCR検査の繰り返しだ―――。
かといって、PCR検査で「陽性」という判定を受けたら―――、すなわち「あなたはコロナに感染していますよ」といわれたら―――「やった！これでもう不安からは解放される！」と喜べるはずもない。悪くすれば短期間で死に至ることもあるというコロナウィルスに感染者と判定されて喜ぶ人がいる訳もない。しかし今、PCR検査さえ受けられれば、コロナからは解放されるかのような錯覚が蔓延してはいないだろうか。
安倍首相は明日にも7都府県に緊急事態宣言を出すことを発表したが、この緊急事態宣言もPCR検査同様に、あたかもオールマイティーなコロナ対策であるかのような過剰な期待と錯覚が蔓延しているように思う。日本では、憲法上の制約から、緊急事態宣言といっても欧米や中国ほどの強制力はなく、ほとんどの措置が、あくまでも「お願いベース」であることを肝に銘ずべきだ。あたかもコロナ騒ぎが緊急事態宣言を出しさえすれば、一瞬にしておさまるかのような幻想を持つべきではない。
昨日の当欄の繰り返しになるが、差し当って我々にできること、やるべきことは、コロナ用のワクチンなり特効薬ができるか、人類全体がコロナに対する集団免疫を持つようになるまでは、しばらくはできる限り、不要不急の外出も控えて、静かにしている事しかないように思う。
（4/06/20 10:00pm）
2020年4月6日
いやなランキング
米国でのコロナ感染者数累計が30万人を超えたという。これはスペインやイタリアの11万人が続き、ドイツの9万人、フランスの8万人ともどもコロナ発生源である中国本土の8万人（あまり信頼はできない数字ではあるが）をも抜き去ってしまった数字だ。
世界で100万人を超えたという累計感染者数ランキングに「トランプ何やっているんだ！」「欧州はどうしようもない！」などという非難の声ばかりが聞こえてくる現状だが、それぞれの国の総人口に対する患者発生数をみると又違った一面が見えてくる。
アメリカの総人口は3億3千万人、スペイン、イタリア、ドイツ、フランスはそれぞれ5千万人、6千万人、8.3千万人、6.5千万人であることからするとアメリカはまだ人口当たりの患者発生数は、イタリア、スペインに比べるとその1/5から1/6程度ということになる。
欧州でのパンデミックに比べ、アメリカでのその発生が少し後からだったこともあるのかもしれないが、コロナによる死亡者数もイタリアの100万人当たり151人、スペインの103人に比べるとその1/10を下回っている。
高齢人口比率が高い国、低い国の違いも大きいようだし、勿論、医療設備や制度による違いもあるのだろうが、それらの国に比べると日本の感染者総数、死者数（4月4現在：3430人、70人）は随分少ないようにも見える。
少し鎮静化しつつあるという、お隣の韓国が人口5.2千万人と日本の半分以下だが、患者数1万人、死者数177人だというのに比べても日本はまだよく持ちこたえているようにも思えるが―――。
産経新聞のコラムに、なんでも日本に敵愾心を持つ韓国だが、このコロナの発生数だけは早く日本が追い越して欲しいと願っている―――と書いてあったが―――まさか、と思うと同時に、そんなこともあり得るのでは――とも思ってしまった。
まあ、何しろここは踏ん張りどころだ、自分たちにできることは、しばらくは外出も控えて静かにしている事しかないようだ。
（4/05/20 10:00pm）
2020年4月3日
布製マスク2枚
中国に忖度し過ぎ新型コロナウイの世界的パンデミックを助長してしまったと批判されすっかり信用を失ってしまったWHO（世界保健機構）だが、今からかれこれ一か月ほど前に、新型コロナウィルスの感染予防に向けたマスクなどの適切な使い方の指針を公表し「せきやくしゃみといった症状がない人は予防目的で学校や駅、商業施設など公共の場でマスクを着用する必要はない」として医療従事者などのマスクを必要とする人々への供給不足に拍車を掛けないようにという呼びかけを行った。
この「日々早々」でも早くから言及しているように（「マスク騒ぎ」1/31/20等）コロナウィルスは0.1～0.2㎛（マイクロメートル）と極めて小さく、最も高性能の「N95」規格のマスクでも目の大きさは0.3㎛もあるというのだからやすやすとすり抜けてしまう―――すなわちウィルスの外からの侵入を防ぐという効果は皆無なのだ。（但し、くしゃみや、咳に伴って口や鼻から飛び出す飛沫を抑えるという効果、すなわち他人に対するエチケットとして意味はあるから、今の様に世の中がコロナに関して超ナーバスになっている時には、人と会う際にはマスクをしているのが無難だが）
まあ、信用を失っているWHOがしかも一か月も前に言ったことを誰も覚えていないだろうし、覚えていたとしてもハナから気にかけていないからかもしれないが、安倍首相が突如「感染予防対策」として、全世帯に「布マスク２枚」を配布すると発表した。農林族のコロナ便乗策であることが見え見えの「お肉券」や「お魚券」の案などと違って「マスク利権」というものはないだろうし（郵便で配るというから少しは郵政利権に絡むかも？）費用も総額100億円位で済みそうだとなると巨額となるであろう農林利権よりはましだが―――。
それにしてもウォッシャブルマスクを一世帯当たり2枚貰って喜ぶ人が一体どれぐらいいるだろうか。タカさんの所帯は妻と二人なので一人一枚ということになるが、手芸好きな妻は既に何枚も作って知り合いに配っているようだが、タカさんはいやに派手な柄のマスクからは逃げ回っている状態だし、政府からの御下賜品のマスクなど意地でもしたくないと思っている。
日本政府のトップとしてコロナとの戦いの先頭に立つべき重責を担った指揮官が、「布製マスク2枚」を全世帯に配るというアイデアしか出てこないとしたら―――なんともこの戦いの行く末が不安になってくる。
（4/02/20
10:00pm）
2020年4月2日
源を探し出せ
ソーシャルメディアが発達している昨今だけに、コロナ騒ぎに乗じた根も葉もないデマや憶測があっという間に拡散してしまう世の中だ。
LINE上で28日頃から「某テレビ局より4月1日からロックダウンに入るとの情報」とのチェインメールが流れ、30日には菅官房長官がこのネット上のうわさについて、「そのような事実は全くない」と否定した。
ちなみにこの情報には「某テレビ局」の部分が「某大手企業」というもの、「安倍総理の秘書」「野党有力議員」となっている物など数パターンがあったようだが、どれもチェインメールにして拡散するようにとの指示が入っていたというから、実に悪意に満ちたデマそのものである。
4月1日は、軽い冗談なら許されるという西洋から入った風習のエイプリルフールであるから、「軽い冗談のつもりだった――」という者がいたかもしれないが、日本には（多分世界にも）「人の生き死にと、当落のウソをついてはいけない」という掟がある。コロナはまさに人の命に係わる問題であり、こういう物に関するデマを流すことは罪が深いことをチェインメールにいささかでも関与した人たちは、反省すべきだ。（韓流タレント某は、SNSに「新型コロナに感染した」と書き込み、大騒ぎとなったが「冗談だった」と削除したものの、猛批判を受けている）
近年のこの種のデマは、その源をたぐることは手間さえ惜しまなければ比較的簡単だ。今後の為にも、社会混乱を招きかねないこういった噂や、デマの源は徹底的に追跡し、その犯人を名指し社会的制裁を加えるべきだ。
一体、だれが「某テレビ局」あるいは「安倍総理の秘書」「野党有力議員」と書いたメールの最初だったのか―――「調査報道」の一環として全マスコミを上げて徹底調査して欲しいものだ。
（4/01/20 10:00pm）
2020年4月1日
神頼み
アメリカや欧州に於けるコロナ感染が広がり世界中がその成り行きに固唾をのんでいる最中だというのに、延期が決まっていた東京五輪の新しい開催日程が、来年7月23日から17日間と決まった。
このニュースを聞いて一体どれほどの日本人が、そして特に世界の人々が、「それは良かった！」という感想を持っただろうか。
コロナウィルスがいつ終息するか、そして終息までにどれほどの人々が感染し亡くなるかは、今のところ誰にも予測がつかないし、世界中がウィルスとの必死の戦いの真っ最中だというのに、延期決定からわずか6日での新たな日程決定には、欧米の主要紙は一斉に「あまりにも無神経だ」と批判している。
新しい日程を決めた当事者であるIOCのバッハ会長や、東京五輪の森会長等は、変な言い方をすれば。東京オリンピックを開催してナンボの人たちである。彼等が日程を決定したからと言ってコロナウィルスの終息が見えてくる訳ではない。（森五輪委員長は「神頼みみたいなところはあるが、そうした気持ちが必ず通じていくと思う」と語っているから本人もこの決定が神頼みであることを認めているのだ！）
米誌の一つは「世界中が疫病と死と絶望に包まれている時に、なぜ日程を発表する必要があるのか」「せめて暗いトンネルを抜けて光が見える時まで待てなかったのか」と述べているがまさに正論だと思う。
残念なのは、日本の主要紙にはこういったまともな意見はほとんどみられないことだ。各紙ともに淡々と新しい日程決定を伝え、それまでに行うべき日程調整の難しさなどを伝えるばかりであり、この日程決定が現在のコロナのパンデミック状況からすれば、明らかに拙速だったのでは―――等という論評は見られない。ということは、日本を代表するマスコミはどこもかしこも、森会長と同じレベルの「神頼み」あるいは「精神論」一辺倒ということのようだ。
そういった精神論一辺倒で、太平洋戦争に突っ込んでいったことを始め、数々の失敗を繰り返してきたというのに―――！
勿論、選手たちや関係者の思いはよくわかるが、ものには優先順位というものがある。ここはまず世界人類の命を最優先に皆で何ができるか、どうすべきなのかを考えるべきで、神頼みをしている場合ではない。
JOCの山下泰裕会長は、「私はマスクをしないで最後まで頑張ろうと思っている」と言っておられるが、会長がマスクをしないことでコロナウィルスが退散する――等と考えておられるとしたら―――、今すぐにでも精神病外来にでも行かれた方がよいと思うが――。
（3/31/20 10:00pm）
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