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2014年9月
2014年の下期各月バックナンバー： 7月、 8月、 9月、 10月、 11月、12月、
＜＜2014年：9月分 タイトル＞＞
09/30 御嶽山噴火に思う 09/26 壊すことを考えて 09/25 民度低すぎ 09/24 ダメ野党 09/19 苦手の味 09/18 やり過ぎでは
09/16 居直り、すり替え 09/12 世論調査のトリック 09/11 これがチャリティー？ 09/10 テニスブームの思い出 09/09
バカをみたのは 09/08 いい気なものだなぁ〜 09/05 良いこともあるぞ人口減少 09/04 7時間何してたの 09/03 インドと仲良く
09/02 手鍋下げても 09/01 黒海艦隊へのいじわる
2014年9月30日
御嶽山噴火に思う
御嶽山が噴火したのは先週末の土曜日、9月27日11時52分だった。
御嶽山は日本に13ある3000メートル級の山の中でも比較的登り易い山として人気があり、特に先週末は天候にも恵まれ紅葉シーズンも始まったということもあって噴火した時間には山頂付近には300人以上の人々がいてにぎわっていたという。
そういう意味では、この季節であったこと、又、この時間帯であったことなどのいくつかの偶然が重なってしまったことで未だに40数名の方々の安否が危ぶまれるような大きな事故につながってしまったといえよう。
噴火があと数時間早かったら、あるいは後数時間遅かったら、と思わないではないが、自然災害というものはこのように常に人知を超えた偶然のつみ重ねによって起きてしまうものであり、人は「運命の糸」に手繰られることを避けることができないものなのだということを今回あらためて思わされた。
民主党時代の「事業仕分け」によって火山噴火予知の予算が削られたことが、今回の御嶽山の噴火警報が出されなかったことの原因ではないか――等といったことが、ネットで話題になっているというが――-水蒸気爆発ではなかったかといわれている今回の噴火のようなケースを、ピンポイントで予知できるほどには、噴火予知科学はまだ発達してはいない、という学者先生の言葉にも説得力があるようにも感じる。
地震、噴火、台風といった自然災害予知には莫大な予算が注ぎ込まれてはいるものの、いずれの予知も、未だに自然の気紛れを、ピンポイントで言い当てられるほどにはなっていないし、何百年か先にはそれができるようになったとしても、人が地震や噴火、台風を止めることなどできるようにはならないだろう。
富士山や桜島といった人口密集地に近い活火山で噴火が起きる可能性だって考えられる。かといって、そういった地域に住んでいる人達は、御嶽山のような噴火がこわいからといって今すぐ住んでいるところを離れる――という訳にはいかないし、又、今後30年以内にマグニチュード８から９の巨大地震が起きる可能性が70%もあるといわれる南海トラフの沿岸地域に住む5900万人は、一体どうすればよいというのだろうか―――。
結局のところ人にできることといえば、最後の最後のところは「何事も運命」と言う覚悟を持つこと位ではないかとも思わないではない。
御嶽山で命を落とされた方々のご冥福をお祈りする。
（09/29/14 10:00pm）
2014年9月26日
壊すことを考えて
宮崎の大型リゾート施設「シーガイア」が完成したのはバブル末期といえる1993年、世界最大級の屋内プール「オーシャンドーム」や、これまた世界最大級と名打ったゴルフ施設やアミューズメントパーク、ホテルやコンベンション施設などをもつ大施設であり、たしかここでサミットなども開かれたことがあったと記憶する。
あの頃は、シーガイアの他にもハウステンボスだの洞爺湖サミットが開かれたウィンザーホテルをはじめとする巨大施設が続々と建設され日本も飛ぶ鳥を落とす勢いがあったけれど、直後からの長きにわたる失われた10年だか20年の間に、これらの巨大施設はことごとくといってよいほど「経営破たん」を繰り返し、完全に閉鎖してしまった施設も数知れず、かろうじて残っているところにしてもオリジナルの企業体が経営しているところは皆無といってよい状態だ。
「シーガイア」にしても何度かの経営破たんの末に運営母体は、アメリカの投資ファンド、いわゆるハゲタカファンドやパチスロメーカーと移り変わり、現在は、中国などからの客相手にどうにかやっているらしいが、再びあの開業当初のような活況を呈する可能性は低そうだともいわれる。
シーガイアといえば当初はまさに目玉でもあった巨大屋内プール施設「オーシャンドーム」は、2007年には閉鎖され今や老朽化が目立つ無用の長物になっているが、なにせ余りに巨大であるために、維持するだけでも巨費がかかり、かといって解体するにも費用が掛かり過ぎるとしてシーガイアの大荷物となっているという。
この8月ようやく経営母体も、このまま維持費ばかりをかけている訳にもいかないとして、解体の方針を打ち出したらしいが8万平方といわれる跡地利用の目途もたたず、そうなると100億円近い解体費をどうやって捻出するのかという大問題をかかえているのだとか―――。ゴルフ場は既にあるし、今更、もう一つ豪華ホテルを建てたところで集客はそんなに見込めないだろうから、8万平方の巨大な野原を抱え続けるしかないようだ。93年に420億円をかけて作ったものを100億かけて野原にするというのだから－－－なんとも馬鹿げた話だ。
このオーシャンドームの悲劇からみると、この半世紀余り、我々が前後の見境もなく次々と作ってきた巨大施設、無駄といわれた公共事業の行く末が案じられる。
人口減少が進む日本で、いまでもキツネやタヌキしか通らない高速道路をどう維持し続けるのだろう。本州と四国の間にいくつも架けた巨大な橋、100年、200年後にもちゃんと維持費を払えるほどの利用料収入があるだろうか――。
コンクリートで固めたダムにしても、確かに何年間かは治水に有用かもしれないが、その内いつかは砂で埋まり、むしろ大災害の元凶になり下がるかもしれない。
さあ、そうなったらオーシャンドーム同様に、建設費用の何倍もかけて解体せざるを得ない―――なんていうことにもなりかねない。
三陸海岸を十数メートルの高さで囲む巨大堤防にしてもこれだって未来永劫たちつづける訳ではない―――いつかは、巨費をかけての補強、あるいは撤去ということになるかもしれない―――。
ものづくりの第一歩は、「壊す時のことをかんがえる」ことなのかもしれない。
（09/25/14 10:00pm）
2014年9月25日
民度低すぎ
「民度が低い」という言葉を、「我々の代表」である議員先生に対して使うのも変な話だが、国会議員も酷いけれど、地方議会の議員先生方の民度の低さにはほとほと呆れてしまう。
記者会見での号泣映像が世界中に流れまさに「日本人の恥」を世界にさらしてしまった兵庫県議だった野々村さん、セクハラ発言をしておきながら「わたしではない」としらばくれた挙句、逃げられそうもないとなってようやく自供はしたものの、ちょっと前までは、「セクハラヤジ議員は辞職すべきだ！」と言っていながら、自白以降も居座り続けている鈴木章浩都議などはほんの氷山の一角でしかない。
金額の多寡はあるものの、どこの議会でも「政務調査費」なる使途自由のつかみ金を一人数百万円単位で使ってやりたい放題の上に、議員団を組んでの海外観光旅行というのだから、地方議員という職ほど「美味しい」お仕事はないのではないだろうか。
おいしい儲け話に群がる民度の低い卑しい連中―――というのが議員という身分なのではないかとさえ思えてくる。
セクハラヤジ問題で都議会の程度の低さが全国に知れ渡ってしまったこともあって、自民党都議団は、女性都議を幹事長に選出し男女共同参画に前向きであるかのようにみせかけようとしたものの、「男女参画議員連盟」のなんと会長職に就任したばかりの自民党古参議員が、集会で「（私的な場であれば）『結婚したらどうだ』と、僕も言う」と発言し、「男女共同参画とはそもそもなになのかすら、全く分かっていない！」という猛烈な批判にさらされて謝罪する、という失態をみせている。
まさに、都議会議員であるならば、いま一番ナーバスにならなければいけないはずの「セクハラ」なのに、この野島という重鎮都議は、その意味が全くわかっていないということなのだ。
公的な場であろうが、プライベート場であろうが、女性に対して「早く結婚したらいいんじゃないか」「まだ産まないのか」といった言葉をかけることが、相手をどれほど不快にさせるかが理解できないというのでは、都議どころか市井のオヤジとしても失格だ！ということが理解できていないというのだから―――。
覚醒剤を持ち出そうとして中国で捕まった議員やら、アイヌに対する侮辱発言をしながらなお居直りを決め込んでいる札幌の市議もいた。
「いやぁ〜、そんな議員はほんの一部であって、大半の議員は皆、まじめにやっている！」などと議員先生方から反論があるらしいが、選挙民の側でそう信じている人は決して多くないと思う。
地方分権だの大阪都構想だのとぶち上げている橋下さんにしても、お行儀の悪い維新議員さんたちが起こした数々の不祥事のことを真摯に反省したならば、やっぱりこれ以上、地方分権だのなんだの大風呂敷はそろそろ店仕舞いにした方がよいと思うのだが。
（09/24/14 10:00pm）
2014年9月24日
ダメ野党
与党一強と言われる中では野党の存在価値がほとんどないのは仕方ないとはいえるがそれにしても野党のダメさ加減が目立ってしょうがない。
それもこれも、与党が強すぎるという理由よりも、むしろ、野党の側が一体何をやりたいのかさっぱり見えて来ないというか、やる気が全く見えず、まさに「野党自滅」状態にあることに一番の問題があるように思う。
まず野党第一党の民主党だが、フロックであったにせよ2012年12月迄の3年3ヶ月間、政権の座にあった党とも思えないていたらくで、未だにお家芸ともいえるごたごた続きでは、とてもじゃないけれど、この党に何かを期待する方が無理というものだ。
選挙区選で落選しながら比例復活した海江田さんを党代表にせざるを得ないほどの人材不足なのに、そんな海江田代表が居座りを続け、それを追い出そうとする前原さんやら枝野さんたち6人衆の綱引きで相変わらずもめているようだが、外から見ている限り一体、彼等がなにを争点にしてもめているのかさえさっぱり分からない。
強すぎる与党に対する牽制役としての野党第一党に期待する世論もあるのだろうが、消費税にせよ集団的自衛権の憲法解釈変更にせよ未だに党の方針が決まらない野党第一党に何ができるというのだろうか。
長らく主導権をどちらがとるのかだとか、党名をどうするか、といった政策以外の点でもめていた日本維新の会と結いの党が「維新の党」としてようやく結党大会にこぎつけたが、さあこれも、「野党再編の第一幕」などいう気配は全くない。石原さんたちが抜けて減った分を、みんなの党を追い出された江田さんたちを吸収することで補てんしただけ、いってみれば単なる数合わせだったのではないかとも見える。
まして、共同代表だという日本維新の会の橋本代表と、結いの党の江田代表の二人の間でさえ安倍政権の評価、集団的自衛権への姿勢などで全く異なった見解があるとなれば、民主党同様に「選挙目的の単なる数合わせ」といわれても仕方がないのではないだろうか。（関西中心の維新、関西に基盤のほとんどない結いの間の選挙協力といっても、意味がないような気もするが）
DHC会長から借りたという8億円もの資金の使途を明かさず雲隠れし、先の国会期間中は仮病を使って（？）一度も国会に顔をださなかった渡辺善美前代表が、そろそろ8億円疑惑のほとぼりが冷めただろう、としゃしゃりでてきたとたんに、以前江田さんたち「結いの党」グループを追い出した時と同じに、浅尾新代表一派に対して「この党はワタシが創った党だ！」と「出て行け！」コールをあびせはじめた。
渡辺さんが「ワタシの党」「ワタシがオーナー」と叫べば叫ぶほど、曲がりなりにも「みんなの党」等と言う党名をつけた「公党」なのか単なる私企業なのかわからなくなってくる。渡辺さんとしては、この際、残った何人かを手土産に自民党に復党してあわよくば大臣にでもなりたいのだろうが－－－次に選挙があればこの党はおそらく壊滅するだろう。
なにしろ、これだけ野党がダメ揃となると、相対的に与党の地位が益々、上がってしまう。
それはそれで健全な議会制民主主義にとっては決して望ましいことではないのだが―――。
（09/23/14 10:00pm）
2014年9月19日
苦手の味
幼児は、酸っぱいもの、苦いものを口に入れると反射的に吐き出す。動物は、酸味は腐っている、苦味は毒であるサインだということを本能的に知っており幼児たちは、この動物的な本能に従って素直に反応しているという訳だ。
しかし、人は成長するにつれて酸味、あるいは苦味のある、特定の食べ物を、時には甘味（エネルギー源）や塩味（ミネラル補給）のような、生命維持には必須の物の味よりも好むようにもなるのは、酸味があるけれども腐っている訳ではない物、苦味があるけれども別に毒ではないものを覚え、むしろそういう食物の酸味や苦味によって脳が受ける刺激を好むようにさえなるためだという。
子供の内には本能的に嫌うピーマン、ゴーヤ、コーヒーやビールのような苦いもの、あるいは梅干しや、柑橘類のような酸っぱいものが、成長するにつれてむしろ好物になってくる、等という経験をされた方は多いと思う。
ところで以前にも書いたけれど（参照：「ブラックコーヒー」6/16/06）、タカさんはこの歳になるのに未だにコーヒーがダメだ。妻の大好物であるみかんにいたっては、年に一袋か二袋（I/O 1個か2個）食べれば十分だし、ブドウにしてもあの皮と実の間の渋味というか酸味というかの味がダメで年に二、三粒（I/O 1房か2房）食べれば十分（その絞り汁であるワインは大好物だが）という口だ。
ビールなら大好きな癖に子供のようにコーヒーが飲めないなんてカッコー悪い！とか、酸っぱい物がダメというのも幼稚園児の孫娘と同じレベルね！なんて妻にはいわれるが、先日、テレビをみていたら、最近の若者の多くが、酸味や苦味が苦手だというので俄然、ひょっとしたら自分は、現代の若者と同じ、すなわち21世紀の日本人の味覚なのではないか、と思い始めた。
（折からの円安でコーヒー豆の値上がりを心配している方も多いようだが、苦味や渋味のない只の水を飲んでいれば満足なタカさんにとっては痛くも痒くもない）
人は大人になると子供時代とちがって毎日毎日、様々なストレスにさらされる。そういったストレスから逃れるためには、例えば苦味や渋味、酸味、辛味による刺激を脳に与えることによって脳が受けるストレス疲れを麻痺させようとするのだ―――という説を聞いたことがある。
そう考えると、今時の若者やタカさんは、日頃あまりストレスのない割とノー天気な日々を送っている為に、別に刺激のある味を欲していないことなのかもしれない－－。
それは、それで喜ぶべきことなのか、それともちょっと恥ずべきことなのかは、迷うところではあるが。
（09/18/14 10:00pm）
2014年9月18日
やり過ぎでは
最近は、ちょっと高級な贈答用（いただきもの）のお菓子、たとえばクッキーやマドレーヌ、あるいは和菓子やお煎餅の類までもが、一つ一つ別々に包まれている。
たしかに、一つずつ包まれていれば、日持ちもよいだろうし、お煎餅などは湿気ることもないし、逆にちょっとしっとり感があった方がよいマドレーヌなどもフレッシュさを長く保つこともできるし、なにしろその丁寧な包装がそのお菓子の「高級感」を醸し出しているといえるだろう。
しかし、日本の包装技術が世界一などといわれる所為もあるからだろうか、結構一個一個の包装が余りにしっかりとし過ぎていて、簡単にその包みをあけることができない場合がある。
年齢の所為で、ちょっと視力が衰えているタカさんにとっては、このお菓子の包みをあけるための「切り口」がよく見えないことが多い。
家でならば「エエィ面倒臭い！」と歯で無理やりにあけ口を作り、強引に袋を破く、なんていうことをするけれど、これが外出先で出されたお茶菓子だったらそんな行儀の悪いことはできない。
一二度目を凝らして切り口を探すがどうも見つからない！なんていう場合には、くやしい思いを隠しながら、そっと元に戻すなんていうことをしなければならず、「お客に出すなら、ちゃんと袋から出してからにしろよ！」なんて、おいしそうなしかも高級なお菓子を出してくれた人を陰ながら恨むようなことにもなる。
まるで高いところにたわわに実ったブドウをどうしても取ることができず「あのブドウは酸っぱいに決まっている！」と捨て台詞して去ったというイソップ物語のキツネになったような気分だった。
それにしても、菓子が一つ一つあんなに厳重に包装されるようになったのは一体いつごろからのことだったろうか。昔は、かなり高級なクッキーにせよ、煎餅にせよ、一つ一つ包んでなどなかった。包んであったのは、せいぜいお葬式の祭壇に飾られる干菓子ぐらいのものだったのに―――。
まあ、これも日本が世界に誇る「オ・モ・テ・ナ・シ」の精神のなせる技の一つなのかもしれないが―――外人さんの多くは、タカさん同様に袋の破り方がわからなくてイライラする人もいるかもしれない、そうなると日本の過剰包装が却って日本にきた外国人客に、イソップのキツネのような思いをさせるかもしれない―――。
そういえば、先日、孫娘とファミレスに行ったが、会計をすませてもらったロリポップキャンディーの包み紙が中々はがれないからと「おじいちゃん、はがして！」といわれてしばらく奮闘したもののどうにもならず、交代したおばあちゃんが随分時間がかかったもののどうにかはがして孫に与えたのは、彼女がアメをゲットしてから10分位たってからだった―――。
「日本の技術の素晴らしさ！」は、確かに認めるけれど、過剰スペック、過剰包装、等といわれているように、ちょっと「やり過ぎ！」という面もあるような気がする。
（09/17/14 10:00pm）
2014年9月16日
居直り、すり替え
テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」は、8月5日に朝日新聞による「朝鮮半島における日本軍による女性の強制連行の記事の取消し」記事が掲載されて以降も、各新聞雑誌メディアや、他のテレビ、ラジオ番組が、この大虚報問題を連日、取り上げ「記事の取消し」（遅きに失してはいるが）はするものの、「謝罪」が一切ないことを鋭く糾弾していたにもかかわらずこの誤報問題を番組で一切取り上げてこなかった。朝日新聞と同系列のテレビ朝日だから、「身内の不祥事は敢えて報道しない」ということだったのかもしれないが、朝日新聞の批判を書いた池上彰氏の記事掲載を拒否した朝日新聞と同じような「自分にとって不都合な記事は葬り去る！」という公正さを旨とすべきジャーナリズムとしてのまことにあるまじき姿勢だったというべきであろう。
その報道ステーションが朝日の木村社長が記者会見をして「福島原発で9割の職員が所長命令に反して現場を逃げ出した」という同紙の5月の記事の取消謝罪と、従軍慰安婦誤報に関する謝罪が遅れたことを認めた9月5日、突然、慰安婦問題の検証を番組内で行った。
番組の大半を使っての検証の冒頭、古館キャスターはさらりと「なぜ、この問題を報じないのかというお叱りを頂いていた」と語っていたが番組の中でも「なぜ、一ヶ月以上もの間、この問題を一言も報じなかったのか？」の理由は、一切語っていない。
親会社の朝日新聞社長が記者会見し全面降伏したとなっては、いかになんでもこの問題に触れない訳にもいくまい、それにしてもこの1ヵ月一切触れなかったことのいい訳はつかないから、この際、番組の大半を使っての検証を行って、なんとかアリバイ作りをしておこう！ と考えたのではないかとかんぐってしまう。
古館キャスターは木村社長の謝罪記者会見は、「原発誤報」に対するものが主であって、「慰安婦問題の誤報謝罪は付けたしのような感じであった」と最後にコメントしていたが、まさにこの点こそ、詳しくコメントすべきだったのではないだろうか。
「原発所員は、我が身大事にと、現場を放棄して逃げ出した、セォウル号の乗客を残して逃げ出した船長や乗組員以上に日本人は卑怯だ！」という悪評が、この朝日の誤報に基づいて世界に発信されてしまったという大罪は、社長が頭を下げる位で済むものではないが、「日本軍は、戦時中、朝鮮で一般の女性たちを強制連行し、性奴隷として働かせたとんでもない国民である」という国際的な悪評は、全て朝日新聞32年間に亘って報じ続けた作り話があたかも事実であるかのように世界中に伝わり信じられてしまったことが原因になっている。朝日は、既に20年近く前には、多くのメディアでこの強制連行の記事が虚偽であることを指摘されていたにもかかわらず取り消してこなかったが、この虚報が原因になっていて、国連の人権委員会のクマスワラミ報告や、米国各州における日本非難決議、あるいは米国内だけでも8基もの「慰安婦像」となって、今も日本と日本人の名誉を傷つけ続けていることの大罪度の方が何百倍、何千倍も大きい。
朝日の社長は、福島の誤報を謝罪する「ついで」に慰安婦問題を謝罪したが、「検証記事の正しさには自身をもっている」とも言っていた。「吉田証言の誤報など小さなこと、慰安婦問題の本質を突いた朝日は正しい！」と言いたいのだろうし、原発問題にしても「朝日が誤報をしたからこそ、政府が秘密にしていた吉田調書が公開されたのだ、結局は朝日の手柄だ！」といいたいのだろう。これは、世間一般の言葉でいえば「居直り」「問題のすり替え」であって、謝罪でもなんでもない。
どうかんがえても、朝日新聞はこれ以上、日本を代表する新聞として存続し続けるべきではない。これからの朝日の使命は、世界中を回って自らの誤報を訂正し、失われた日本の名誉回復の為の行脚をすることしかない。
「報道ステーション」も、この１カ月間の沈黙の責任を取って番組を打ち切るべきだ。
（09/15/14 10:00pm）
2014年9月12日
世論調査のトリック
新聞社から電話がかかってきて「世論調査」に協力して欲しいといわれたと想像して欲しい。質問は、まず「安倍内閣を支持しますか？」だったとしたら―-普段、別に安倍内閣の支持、不支持を意識して生活している訳でもないのだから---即答できる人はそんなに多くはないのではないだろうか。
かといって「わかんなあぃ〜」などと答えるのもカッコウ悪いし---エィ、面倒臭いから、まあ一応支持と答えておこう！となるかもしれない。さて、調査員は、次の質問をしてくる。あなたの答えが「支持」にせよ「不支持」にせよ「では、その理由は何ですか？」と聞いてくる。「別に理由なんてありません」という答えはいかにもバカっぽいからできないし――と思っていると、うまい具合に、調査員が選択肢を示してくれる。「政策に期待が持てる」だとか「実行力がありそう」あるいは「人柄がよさそう」等々であるが、安倍さんの人柄なんて知っている訳でもないし、実行力にしても前回の政権を途中で投げ出したことを思い出せば「ある」と断言する訳にもいかないし〜、まあ「政策に期待が持てそう」辺りが無難かなぁ〜ということになるだろう。
質問は更に続く。「あなたは安倍内閣に何を期待しますか？」などという質問もある。「政治に興味なんかないし、別に何にも期待なんかしてない」なんていう白けた答えでもいいのだろうが、いままで「支持」「政策に期待がもてる」と答えてきた流れからすると、なんかそれらしいことを答えなければ整合性がつかないような気がして―――これも選択肢の中から無難に「経済対策」辺りの無難な答えを選ぶかもしれない。
かくして、あなたの一連の答えは、新聞の世論調査の結果では、「安倍内閣支持率上昇」「政策、特に経済政策に期待！」の見出しになるという訳だ。あなたの本音「安倍だろうが、鳩山だろうが、政治家は皆イケスカナイ！」とは随分ちがったものになってしまうだろう。世論調査結果なんて、所詮こんなものだ。
内閣改造直後の各紙世論調査結果が主要新聞各紙によって大きく違うことが話題になっている。支持率にしても、読売（64%）と日経（60%）という安倍寄りと言われる新聞各紙が「11-13%の支持率上昇！」と報じる一方、反日、反安倍を「社是」とする朝日、同じく「安倍嫌い」の毎日では「47%で支持率伸びず！」の見出しが躍る。世論調査結果がこんなに極端に違うのはオカシイと思うだろうが、これにはちゃんとトリックがある。朝日や毎日の質問は、「支持」か「不支持」の二択（「どちらでもない」をいれると三択）に対して読売や日経の場合には、更に加えて「どちらかというと支持」「どちらかというと不支持」の選択肢を用意し5択で聞いているからだ。
安倍嫌いの朝日、毎日は敢えて「どちらかといえば〜」の選択肢を外して世論調査を行い、読売、日経のような安倍応援団紙ならば「どちらかといえば支持」という選択肢を加える。こうすることによって各紙の望むような「世論調査結果」が出て、各紙毎に自分たちの新聞の主張が一番「世論に沿っている」と我田引水できる訳だ。
朝日新聞が32年ぶりに慰安婦問題の誤報を認めたが、「謝罪」を一切していないことをどう思うかを、読売の世論調査で尋ねていたが、「不適切」とする答えが90%近くあった。もちろん、朝日はそのような世論調査はしていない。しかし、社の幹部は、「朝日に対する激励の声も多く寄せられている」と語っているというから、きっと秘密裏にどう答えても「朝日がんばれ」という結論になるような質問票をつくって世論調査をやったのだろう。
「世論調査」というものが公正に実際の世論を表している等と信じるのはお人好し過ぎる。
新聞の世論調査とは、すなわち新聞の世論操縦の一手段だ。眉に唾つけてみるべきいわば「座興」なのだ。
（09/11/14 10:00pm）
2014年9月11日
これがチャリティー？
孤児院で育ったジュディ―はある日院長から、ある評議員が、大学進学までの奨学金を提供しようと申し出て来たという話を聞いた。奨学金の条件はただ一つ、彼に毎月手紙を書くことだった。ジュディ―はこの評議員と院長室で面会したが、その時、西日が射し込んでいたために評議員の顔が逆光になりまったく見えず、ジュディ―は彼の長い足の影をみただけだったので彼女は彼のことを「あしながおじさん」と呼び、日々の生活をつづった手紙を送り続けることにしたのだった―――あの有名なウェブスターの小説「あしながおじさん」である。
物語全体が、このジュディ―から「あしながおじさん」への手紙の形で綴られていて、少女の心の成長が読み取れるという意味からも、タカさんの子供時代には、少年少女必読の書、ともいわれていたことを思い出す。
この、「あしながおじさん」が、欧米人の理想とするチャリティーの原型だ。困っている人、貧しい人に、匿名で援助の手を差し伸べる－－－援助とは別にお金に限られたものではない、様々なチャリティーの方法があるだろうが、その眼目としては「チャリティーを行うことの見返りを求めない」といういわゆる無償奉仕の精神である。
日本テレビがもう何十年、毎年夏になるとやっている「24時間テレビ」なる番組が、「愛は地球を救う！」と名打って今年も先日行われていた。タカさんは正直、この番組を真剣に見たことはないが（チャンネルを回している内にたまたま、タレントが50キロだとか100キロのチャリティーマラソンなるものを走っている場面に行きあたってしまったことは何回かあるが）、過去にこの番組に出たタレントの何人かが、この番組出演者には多額の出演料（ギャラ）が支払われることを明らかにし、又、何人かが、ギャラはチャリティーに回して欲しい、と要望したところ、局の方から「他の出演者とのバランスもあるので―――」と断られたことを暴露し、ネットでは随分と話題になったことで、あらためて日本における「チャリティー」の不可解さを思った。
「チャリティー」とはもちろん英語である。キリスト教思想に基づく本来の「チャリティー」は、冒頭に述べた「あしながおじさん」の例のように、名を明らかにしない篤志家による寄付が基本だ。日本の村祭りの寄付のように、金額と名前を掲げて広く人に知らしめるものは’Donation’（ドネーション）であってチャリティーではない。
まして、その行為によって報酬を得る、となればチャリティーとは程遠いものだ。欧米のテレビ局で、もし「24時間テレビ」のような番組をチャリティーとして行った場合、そこに出演するタレントは全員、無償で出演するし、それでもスポンサーからギャラがでるようなケースでは出演者は、そのギャラ全額を、チャリティーに寄付するのが普通だ。
もちろん、ここは日本であり欧米流でなければいけない、という訳ではないが、「チャリティー」と名打ち、テレビ局は、24時間ぶっ続けのバラエティーをやって視聴率を稼ぎ、スポンサーはその間、CMを流して自社の製品を宣伝することで金儲けし、タレントたちは、総額何億かのギャラを手にしてふところを暖かくする―――ことで「チャリティー」だの「愛は地球を救う！」だのといって100キロマラソンとやらのゴールに合わせてなんだかわからない熱狂ともいえる「感動」を盛り上げる－－－。
やっぱり「チャリティー」と名打って欲しくないと思うのだが―――。
（09/10/14 10:00pm）
2014年9月10日
テニスブームの思い出
現天皇と美智子皇后が知り合ったきっかけは、軽井沢のテニスコートで偶然、お二人が対戦することになったからだ、というシンデレラストーリーがご成婚当時世界中を駆け巡り、「テニスコートの恋」などともいわれ俄かにテニスブーム（もうかれこれ50年近く前の話だが）が起きたものだった。テニスなどやったこともないのに、ちょっとセレブっぽいからと、テニスウェアーを着て街を歩く若者も多かった。（テニスウェアーといえば、やはり早稲田タイプではなく慶応ボーイというイメージだった）
もっとも、後にこの「お二人は恋愛結婚である」という「テニスコートの恋物語」は、宮内庁などが「皇太子殿下は、恋愛結婚という今までの皇室にはなかった形の結婚をされた革新的なプリンスである」というイメージをつくろうと創作したものであって、お二人の結婚は、従来の皇族の結婚の例にしたがって回りがアレンジしたもの（庶民でいう見合い結婚）だったのではないか等という噂がまことしやかに言われたこともある。
噂の根拠は、当時から「テニスで戦った男女には、恋愛は成立しない」という迷信（？）があったからだ。そんな話を思い出したのは、錦織圭選手の全米プロ決勝進出という快挙で盛り上がるテレビのニュースショーに出演した元プロテニス選手の、沢松奈生子さんが、同趣旨の事を言っていたからだ。
沢松さんによれば、テニスや卓球のようないわゆるネット競技の場合、勝つためには、相手が打ち返せないようなところを狙って打ちこむとか、相手の逆をつく、意表をついた緩急をつける、といったことをしなければならないので、そんな仕掛けをしてくる対戦相手を中々好きになれないものであり、特に女子プロテニスなどでは選手同士が結構仲が悪い場合も多く、恋愛カップルの場合もテニスはやめておいた方がいいというのだ。（沢松さんの発言の趣旨は、それにもかかわらず、錦織選手の場合には、技量、人柄がすばらしく、準決勝のジョコビッチをはじめ、選手仲間が錦織選手を惜しみなく称えている！ということだったが）
そう考えれば、ご成婚後60年近く、実に仲睦まじい天皇皇后両陛下だけに、すくなくとも「相手が打ち返せないところに、打ち込む！」などというホンチャンっぽいテニスが恋愛のきっかけだった----という話は、やっぱりちょっと眉唾のような気がしなくもない。
まあ、それにしても錦織選手、本当に惜しかった。優勝を逸したのは残念ではあるが、彼の若さをもってすれば、いずれ、世界のビッグタイトル勝利の夢は実現する可能性大だろうと思う。
錦織関連株といわれ、彼の全米オープン決勝進出と聞いて急騰した株の中には、あのテニスラケットメーカーであるヨネックスも入っていると聞く。かつての「皇太子ご成婚」時にも、確か街中にテニスラケットをもってテニスウェアーを来た若者があふれたが、今回の錦織ブームでは、その再現があるだろうか。
（09/09/14 10:00pm）
2014年9月9日
バカをみたのは
ウクライナ東部のドネツク、リガンスク両州におけるウクライナ政府軍と親ロ派武装勢力との間で結ばれた停戦合意文書の詳細を、その仲立ちにあたった欧州安保協力機構(OSCE)が公表した。
既に5ヵ月に及ぶいつ果てるともしれぬ両派の争いは、いままでに何度も、互いに「停戦」といった矢先から攻撃しあうといった繰り返しだったが、今回は、この合意の詳細を見る限りでは停戦は守られそうだ。
というのも、合意された12項目には、親ロ派武装組織および、その背後にあるロシアがこの紛争で得ようとしていた当初目標がほぼ達成されているからだ。すなわち「両州の特定地域に暫定的自治権を付与する「特別な地位」に関する法律を定め、地方分権を実施する」という項目と、「両州での出来事に関連した者を刑事訴追しない法律の採択」の2点である。
3月に行われた住民投票で、ドネツク、リガンスク両州（ロシア系住民が過半数を占めている）の住民が描いた絵図は、「ウクライナからの独立、そしてその後のロシアへの統合」というものだったが、ラブコールを受けたロシアにとっては、この貧しい地域の併合によるメリットよりもコストの方が大幅にかかるだけにこの絵図は、有難迷惑でもあった。
軍港があるという理由から強引に併合したクリミヤと違って、「ドネツク、リガンスクはいらない！」というのがプーチンの本音だったのだから、今回の停戦合意条件のように、この両州がウクライナに留まり続けるものの、ウクライナ中央政府の支配が及ばず、ロシアが好きなようにコントロールできる状態になることは願ってもないことだ。
キエフなどでロシア系住民に攻撃をしかけたネオナチ系の武装組織には目をつぶる一方で、親ロ派武装組織に「テロ組織」というレッテルを貼って非難しつづけてきたウクライナ政府やそのバックである欧州、さらにはそのバックの米国だったが、今回の合意では、彼等のいう「テロリスト」さえも「刑事訴追しない」すなわち「お咎めなし」というのだから、これはとりもなおさず親ロ派武装集団、そしてロシア側の「完全勝利！」に他ならない。
ウクライナ軍は、8月以降、親ロ派（及び、およびおそらくロシア軍）の反転攻勢によって一気に崩壊状態にあるともいわれている上に、ロシアからの天然ガス供給がストップしてウクライナ経済もどん詰まり状態というのでは、白旗を掲げざるを得なかったのだろう。
ウクライナ側の譲歩に、もともとロシアとの本格的な対立を望んでいなかった欧州は、ほっと胸をなでおろし、ロシア政府から「もうこの辺りで手を打て」といわれた（？）、親ロ派も。自治権は勝ち取ったし、テロリストとして裁かれることもないのだからまあ満足していることだろう。紛争は、終息に向かうことはまず間違いなかろう。
結局、ウクライナ政府の（いやいやながらの）後ろ盾だった欧州の、更に後ろ盾となって一人息巻いて振り上げた拳のおろしどころを失った米国と、その米国に言われていやいやながら義理で対ロ経済制裁に加わったためにプーチンとの仲をこじらせてしまった日本だけがバカを見た、ということのようだ。
(09/08/14 10:00pm)
2014年9月8日
いい気なものだなぁ〜
新聞を広げてみて「ウンコの力！」という力強い文字を発見、「えっ、ウンコの力ってなに！？」と思ってよく見たらサプリメントの「ウコンの力！」の広告だった、という経験をしたことがあるのはタカさんばかりではあるまい。ウコンなどというものには馴染がなくてもウンコなら誰だって1歳の時にはもう知っていたことばなのだから、瞬間的に見間違えるのも仕方がないとはいえる。
代々木公園の蚊を媒介して感染した人が70人だとか80人と言って大騒ぎとなっている熱帯性感染症「デング熱」もてっきり「テング熱」と読み間違えした人も多かったのではないかと思う。（現に、内の奥さんも最初のころはそう言っていた）
40度近い熱が出るというから、きっと天狗のように顔が真っ赤になる病気なのだろう―――と考えれば、もうこの際、日本では聞きなれない「デング熱」などといわず「天狗熱」を通称として使ってよいのではないかとすら思う。（覚え易いからといって「ウコンの力」は、「ウンコの力」に変えたりしたらハウス食品は困るだろうが）
それにしても、代々木公園の一部閉鎖だけでは済まなくなって今や、神宮外苑やら新宿中央公園までもが一部閉鎖だの、大規模な殺虫剤散布が繰り広げられているし、代々木公園からはるか遠くの我が町のスーパーでもキンチョールやらアースジェットなどの殺虫スプレーが飛ぶように売れる騒ぎなのだから、今や日本中がエボラ出血熱でパニック状態になっている西アフリカとなんだか似てきているのかもしれない。
デング熱は西アフリカではネッタイシマカを媒介して人に伝染するがネッタイシマカは日本には棲息しておらず、この蚊に似た種類のヒトスジシマカが媒介しているのだという。いずれにせよ、デング熱ウイルスは、人から人へは伝染せず、必ず蚊を媒介して人に伝染するというから拡散を防ぐためには徹底的に蚊を駆除することが一番という訳なのだが---。
そんなことから代々木公園や神宮では宇宙服のような防護服を着た衛生局の職員が殺虫剤を大々的に散布しまくり、各家庭ではキンチョールやアースジェットの集中攻撃がかけられるのだから、秋になる前に子孫を残そうと必死に追い込みをかけている（？）蚊たちにとっては、このデング熱騒ぎによる大駆除作戦は、思いもかけない災難ということなのかもしれない。
殺虫剤という奴、別に蚊だけに効く訳でもないとなれば、人間には特段の悪さをする訳でもないテントウムシやらカマキリ、あるいはコオロギなどの秋の虫たちも、この薬剤散布の被害（？）をこうむることになる。ボウフラがわかないようにと、代々木公園や神宮の池などは全部水抜きをするというから、ここに棲むゲンゴロウやらカエル、あるいはメダカなんかにとっても、今年のデング熱騒ぎは大変な災難ということになってしまいそうだ。いやいや、考えてみれば、デング熱ウイルスだってその子孫を残そうと必死に蚊を媒介として人などの哺乳動物に取り付こうとしているのだと考えれば人を敵にまわしたばっかりに撲滅の運命を辿ることになるとは―――とその災難を嘆いているかもしれない。
「生物の多様性！」だとか「地球にやさしい！」といった人間どものスローガンも結構、いい気なものだなぁ〜といえなくもない。
（09/03/14 10:00pm）
2014年9月5日
良いこともあるぞ人口減少
第一次ベビーブーム時代（1947-49年）には毎年270万人もの赤ちゃんが生まれた。近年の年間出生者数は、100万人ギリギリで推移していることに比べれば、とんでもない「人口圧」があったことが想像できよう。
タカさんはどんぴしゃり、この世代なのだが、先日も同世代の人と子供の頃の思い出話になったが、「小学校の時、一クラスが60人を超えていた」だとか、「中学時代、一学年がA組からはじまってZ組までの26クラスあった」などという話で大いにもりあがり「お互い、凄い競争の中で、随分と鍛えられて育ったなぁ〜」となんだか戦友同士の語り合いのようになったものだった。
過疎化が叫ばれる地方に比べればタカさんの住む東京郊外の新興住宅地は、むしろ子供が多い町だとおもうが、それでも近所の小学校は、一学年せいぜい100人、各学年3から4クラス（すなわち一クラスが30人ちょっと）だというからベビーブーマーのタカさんから見ると、今の子供たちは同級生も少なく、お互いが切磋琢磨する機会に恵まれていなさそうで、なんだかカワイソーにも思えてくる。
先日の新聞報道によると、平成26年度の出生者数は、今までどうにか維持してきた年間100万人すら割り込みそうだとか。タカさん世代に比べたら1/3の赤ちゃんしか生まれないというのだから、たしかに「少子化」が進行しているという事実は否定しようがないし、昨日発足した第二次安倍内閣が秋の臨時国会に提出する「地方創生基本法案」でもその重要課題の一つとして「2060年に日本の人口１億人を維持するための長期ビジョン策定」が盛り込まれるというように、今や世の中は、少子化防止、人口減対策、一色という様相になるのも致し方ないようにも思えるのだが――――。
しかし、ふっと思うのだが、「少子化、そして人口減」が、我々個人々々にとって本当に「大問題」なのかとなると、ベビーブーマー世代の荒波を乗り越えてきた（？）タカさんとしては、ちょっと首をかしげたくなるところもある。
たしかに日本という国の経済力という面だけを見れば12億だの14億だのという猛烈な人口を抱えるインドや中国には負けることになるかもしれないが、GDPが世界一位や二位になったからといって、個人々々の中国人やインド人が日本人よりも本当に幸せといえるのだろうか。
国民総幸福度（GNH）世界一と威張っているブータンに比べたって平和で豊かな日本人の幸福度は上回っているのではないか？と思うのはタカさんばかりではないのではないだろうか。（いや、ブータンや中国の方が幸せだ、という人に、それではブータン人になりたいか？ 中国人になって中国で暮らしたいか？と聞いてみたらどう答えるだろうか）
少子化はともかく人口減だけは防止しなければと、「年間20万人の外国人移民を受入れ2050年までに移民人口を13％にまで引き上げる」などという対策が検討されているという。人口の2%に満たない外国人でさえうまく取扱いできていない日本で、文化も宗教もまったく違う外国人の受入れなんて本当に上手くいくだろうか。イスラム国に参加した移民二世、三世のテロリストが数十万単位に膨れ上がってきているといわれる英国や欧州各国を見れば、「人口一億人維持」などという訳のわからない目的のために、安易な移民受入れ策など採ってもよいものだろうかと思わないではない。
随分前にこの「日々早々」でも書いたが（参照：「少子化を悲観しない」11/09/05）少子化、人口減は悪いことばかりではない。むしろ、個人にとっては良い事の方がはるかに多い。
マスコミや政府に乗せられて、大変だ！大変だ！と騒ぐだけではなく、冷静に来るべき人口減社会を個人にとって今よりもより良い社会にするように準備を進めるべきではないだろうか。
（09/04/14 10:00pm）
2014年9月4日
7時間何してたの
修学旅行中の高校生などを含む300人余りが犠牲となった韓国のセオウル号沈没事故が起きたのは4月16日の午前9時頃だった。事故の第一報が朴槿恵大統領に伝えられたのは事故発生から1時間後の10時頃だったと後に大統領秘書室長が国会で証言している。問題なのはここからである。「報告した時、大統領はどこにいたのか？」という質問に対して金室長は「知らない」と答えており、なぜ知らないのかという追及に対して「いつも大統領への報告は書面であげており、この時もそうだったから」と答えている。驚くべきことに、4月16日午前10時から7時間、大統領の所在は韓国政府の誰一人としてつかんではいなかったという事実が明らかになったのだ。
世界中の人々が、沈みゆく船からの救助を求める人達の安否を固唾を飲んで見守っていたその時に、危機管理最高責任者である大統領の所在が分からなかったというのだ。
乗客を置いて真っ先に船から逃げ出した船長と、7時間に亘って所在不明だった最高指揮官たる大統領、このとんでもない二人の所為で、助かるはずが助からなかった犠牲者も多かったのではないだろうか。
事故後、朴槿恵大統領の所在については様々な憶測が飛び交ったという。特に韓国の証券界では、大統領が7時間一緒にいたのは、以前、彼女に7年間秘書として仕えた男性でありこの時点では妻のある身だったという情報が飛び交ったという。7月になって韓国の有力紙、朝鮮日報が、コラムでこの噂を書いたが、サンケイ新聞は、この朝鮮日報コラムを引用しソウル発として「朴槿恵大統領が、旅客戦沈没当日、行方不明に…誰とあっていた？」という記事を書いた。事故当日、7時間も大統領の姿が確認できなかったことを巡り、大統領の行動などで韓国内での論議が高まっている―――という内容で、朝鮮日報の記事や、大統領室長が国会で語った公開の情報を基にしている記事だが、韓国大統領府は、この記事が「大統領の名誉棄損」にあたるとし記事を書いたサンケイソウル支局長を、出国禁止として取り調べを行っている。しかも、名誉棄損に問われたのは、サンケイのみであり元ネタの朝鮮日報はお咎めなしである。
朝日新聞の慰安婦誤報に対する追及の先頭にたっていたのが、サンケイでありそういう意味では親韓（反日）の為ならば真っ赤なウソを32年間も報じ続けていた韓国にとっては愛すべき朝日の天敵といえるサンケイのソウル支局長をこの際、痛めつけておけ！とでも韓国政府が考えているとしたら、世界を敵に回すようなものだと言ってよいのだが－－－。
これは明らかに世界の民主主義国の常識からは考えられない言論弾圧であり、韓国の今回のサンケイに対する措置に対しては、世界各国から非難の声が上がっている。支局長への名誉棄損取り調べが報じられてから今日で一ヶ月、日本はもちろん世界のメディアが、この韓国政府の言論弾圧に鋭い筆誅を加えている。ほぼ一ヶ月間、サンケイ支局長取り調べを、スルーしてきた朝日新聞も、さすがに不味い、と思ったのだろうか、漸く今日、社説で取り上げてはいたが－－－。
それにしても、不思議なのは、大統領が大事な時に7時間も行方不明であり、その間に多くの同胞の命が失われたことを、韓国国民自身がなぜ追及しようとしないのかということであり、又、韓国出身の国連の潘基文総長は、なぜこういったジャーナリズムに対する弾圧という由々しき問題に対して何のコメントも出さないのか、という点である。（国連内部、ユネスコなどでは潘基文の姿勢に対する非難の声が上がっているという）
一衣帯水の隣国とはいえ、反日の為となれば、セオウル号の犠牲者のことも、あるいは「言論の自由」の大切さも忘れて、ここまで反日に狂奔してしまう国の人達の思考回路はどうにも理解しがたいところがある。
いつの日か、彼等を理解することができるような日が本当にくるのだろうか？
（09/03/14 10:00pm）
2014年9月3日
インドと仲良く
難癖といってもよい反日で固まっていてけんもほろろの中国、韓国相手に作り笑顔をするのにも疲れたし、こうなったら中国、韓国をほおっておいて、もうちょっと付き合い安いお友達と仲良くしていた方が、こちらも気分がいい、という思いでもあるのだろう、ここのところ安倍首相は「遠交近攻外交」にご執心だ。
偶々、野党時代に仲よくしていたよしみがあるからだろうか、5月に政権交代を経てインドの首相となったモディさんは、首相就任後の初訪問先としてアメリカでもなければ英国でもない日本を選んでくれたのだから、安倍さんの「おもてなし」にも力が入るのも当然かもしれない。
アジア第三位の経済大国であるインドは、第一位の中国とは領土問題を抱え歴史的にも決して友好関係にある訳ではないだけに、この際、二三位連合を組んで中国をけん制して行こうという外交政策は、日本にとっても望むところだろう。
タカさんが子供の頃（1957年）、インドのネール首相が、娘のインディラ・ガンジーさんをつれて訪日、8年前に戦争で動物園の象をなくしてしまった日本の子供たちの要望に応えてインディラさんという娘さんと同じ名前の象を上野動物園にプレゼントしてくれていたが、その象のインディラさんとインディラ嬢（後、インド首相となったが暗殺に倒れた）のご対面の場面には、タカさんを含む「子供たち」は、熱狂したものだし、そんな記憶があるからだろうか、タカさん世代には結構インド好きが多い。
モディさんと安倍さんの会談では、安全保障と経済の両分野で連携を深めることが話題になったようだ。
露骨な海洋進出をはかる中国は、南シナ海に限らずインド洋にも強引な進出をはかりインドにとっては脅威となりつつある。尖閣領域を荒らされている日本にしてみれば、フィリッピン、ベトナム、タイなどとともに対中国防御網を築きたいところだが、ここにインドが加わってくれれば御の字という事情もある。
安倍さんとしてはモディさんにお土産として、経済分野で今後5年間で3.5兆円の投融資をおこなうことを約したという。日本企業の追い出しをはかる中国の代替として、間もなく人口世界一になろうかというインド市場は、たしかに魅力的に映る。
もっとも、いまだに8億人が最貧困状態にあるといわれるインドだけに、人口が多いからと言って市場として今のところそれほど有望とも思えないが－－－。
いずれにせよ、タカさんのように（何となくだが）インドに好感をもっている人の多い日本と、インド独立運動以来の日本のインド支援の歴史などもあって日本好きが多いといわれるインドとなら、なにをやっても、何を言っても、嫌味ばかりいってくるお隣さんと無理して付き合うよりは、よほど上手くいく可能性が高いと思う。
（09/02/14 10:00pm）
2014年9月2日
手鍋下げても
今年前半の出生者数は、49万人とここ数年かろうじてキープしていた「年間100万人」という出生ペースでさえも、遂に保てなくなる可能性がある、とのことで確かに「少子化」は、進んでいるようだ―――。
少子化の進行の原因は、もちろん「生まれてくる赤ちゃんの数が減っている」からではあるが、それではなぜ生まれる赤ちゃんの数が減っているのか？といえば、それは出産可能年齢に達した男女が、赤ちゃんを産まないからであり、なぜ赤ちゃんが産まれないかといえば、彼等が中々結婚しない、あるいは結婚するにしても、出産可能年齢ギリギリのところまでの晩婚化が進んでいるためだといわれている。
男女ともに50歳時点で「まだ一度も結婚したことがない」という人たちの割合を「生涯未婚率」というが、平成22年の国勢調査によれば、男性が20.14%、女性が10.61％だから確かに、結婚しない（できない）男女が増えてきていることも間違いない事実のようだし、同じ調査によれば結婚した男女の平均初婚年齢も、男性30.7歳、女性29.0歳と晩婚化も又、間違いなく進んでいるようだ。（ちなみに、タカさんが結婚したいまから40年近く前には、男性平均27.0歳、女性平均24.7歳だったし、生涯未婚率も男性1.7%、女性3.3%だった）
まあ、それでも今のところ、女性の90%は30歳頃には結婚している訳だし、それであれば日本の年間出生者数もかろうじて、年間100万人前後はあるのだから-----そんなに絶望的になる必要もないのかなぁ〜と楽観主義者のタカさんは思うのだが、平成22年度の国勢調査の数字をもとに行われた「人口動態推計」を見ると、ちょっと青くなるような数字が並んでいる。この推計によると、今から25年後には生涯未婚率が男性35%、女性27%にも達しているというのだ。
男女ともに人口の1/3が「結婚しない、子供を生まない」というのでは確かに100年後には、日本人は世界的には絶滅しているか、あるいは絶滅危惧種になっているかもしれない。同じ調査で現代の未婚者の男女に「結婚しない理由」を尋ねたところ、男性は「経済的に余裕がないから」が第一位（52.0%）、女性は「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」が第一位（55.3％）だったという。
この調査結果を見る限り、要するに少子化対策のもっとも直接的な目標は、「若い男女になにしろ結婚してもらうこと」に置く方が、現在政府が行っている少子化対策なるもの、たとえば「待機児童対策」だとか、「子育て支援」といった迂遠な（というかお門違いの）対策の何倍も効果があるような気がする。
結婚の先輩であるタカさんならば、結婚していない男性たちには、「一人口は食えなくても、二人口は食える」ということわざを教えたい。
独身の男の生活は金がかかるが、好きな女性ができて一緒に所帯をもつと、以前と同じ収入でも不思議と生活ができるものだ、という先人たちの教えなのだが、「若い時はお互い貧乏で苦労したけれど、どうにか二人でここまでやって来られた」と語り合う老夫婦なんていうものが以前はたくさんいたものだったのだが---。
もっとも、男がいくらそう思っていても女性たちが昔のように、「手鍋下げても」と思ってくれず、いくら好きな相手であっても貧乏所帯を持って苦労するよりも、「独身の自由さや気楽さを失いたくない」と思っているとなると―――やっぱり日本の少子化は、止めようがないということになるのかもしれないが―――。
（09/01/14 10:00pm）
2014年9月1日
黒海艦隊へのいじわる
帝政ロシアの時代からロシアの軍事戦略上の大問題といえば、年間を通じて不凍の軍港を持たないということであった。
日露戦争の原因は、この不凍港を求めてロシアが日本海側への進出をはかろうとしたことと、同じく日本の大陸権益と衝突したことにあるともいわれている。
黒海沿岸、クリミア半島のセヴァストポリにあるロシア黒海艦隊の母港も、地中海、黒海における軍事プレゼンスと、ロシア南部の防衛という二つの目的の為にロシアとしては絶対に手放すことのできない最重要拠点である。
かつてソ連邦時代には、ウクライナもロシアも一つの国であるという意味では、このセヴァストポリ軍港は、何の問題もなかった。ソ連崩壊後も、ロシアとしてはウクライナを、属国的に支配していたから、ここを軍港として使用することになんの問題もなかったし、ウクライナ側も、ロシアに軍港使用を許可する見返りに、天然ガスなどの莫大な援助を得ていたから、別に何の問題もなかった。
しかし、なにもかもが、2004年のオレンジ革命で様子が変わってしまった。
ウクライナ人の民族意識が高揚し、いままでずっとロシアの風下に置かれていた不満が爆発、「何が何でもロシアに反対してやれ！」という意識から、「軍港を、これからはロシアに使わせない！」といい始めたのだ。
「黒海艦隊の母港が無くなってしまう」ということは、ロシアにとって黒海艦隊が使い物にならなくなるということであり、それは、すなわちロシアは地中海、ボスポラス、ダータネルス海域でのプレゼンスを完全に失う、ということなのだ。
帝政ロシア時代からかれこれ150年以上に亘って使ってきた軍港が、「ロシア嫌い」の一部ウクライナ人勢力のいじわるで使えなくなるなど到底許しがたいというのが、先のクリミア併合に踏み切ったロシアの止むに止まれぬ理由だ。
クリミアの軍港を使わせて貰おうとおもうからこそ、ウクライナ向けの天然ガス料金を国際価格の1/4以下という大サービス料金で提供してきたにもかかわらず、その安い天然ガス料金すらほとんど全額踏み倒しておいて、「もう軍港は使わせない！」などとウクライナが言い出すならば、「こちらにも考えがあるぞ！」というのが、今回のウクライナ問題におけるロシア、プーチンの姿勢だ。
ウクライナのロシアに対する嫌がらせからはじまった今回の紛争のとばっちりは、日本にも及んでいる。
日本にとっては、黒海艦隊の母港がどうなろうが、はっきりいってどうでもよいことだ。しかし、ウクライナの肩を持つアメリカ、EUが、「ロシアけしからん！」と経済制裁を発動したために、日本はその制裁に義理で付き合わざるを得なくなってしまっている。
プーチンにしてみれば、クリミアには関係のない日本ならば、ロシアの肩をもってくれとまでは言わないが、少なくとも、「あっしには、かかわりのないことでござんす」と、しらん振りしておいてくれればいいのに！と思っているに違いない。
この秋に予定されていたプーチンの訪日の際には、懸案となっていた北方領土問題で、プーチンから何らかの譲歩を引き出したかった日本政府だが、ウクライナの黒海艦隊への「いじわる」に端を発したごたごたに巻き込まれ、目論見が崩れそうだ。
（08/31/14 10:00pm）
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