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2014年10月
2014年の下期各月バックナンバー： 7月、 8月、 9月、 10月 11月、12月、
＜＜2014年：10月分 タイトル＞＞
10/31 エボラパニック 10/30 基本ができていない？ 10/27 マタニティーマーク 10/24 冬時間 10/22 諦めようかTPP
10/21 女性の輝きを消したのは 10/20 警察官のお買物 10/17 エボラの常識 10/16 ありのままに 10/15 女性優先枠 10/14
宗教は役にたったか 10/10 火山列島 10/09 なんともはや！ 10/08 神の言葉 10/07 避難勧告 10/06 ちょっと気になる
10/03 プロスペクト理論 10/02 途方に暮れる 10/01 決死の捜索
2014年10月31日
エボラパニック
大震災の直後の原発事故の放射能恐怖症からか首都圏に住む住民の中からも遠く九州などへ移転する人も現れたというし、外国からの出稼ぎ者の大量帰国によって事業継続ができなくなった企業もでるなどの騒ぎがあったし、その騒ぎは事故から3年半たった今も治まってはいない。
「原発事故で死んだ人は一人もいない」と発言した政府関係者や学者もいたけれど、「原発反対」という意見の人たちから袋叩きに会い、今は、もうだれもそんなことをいう人もいない。「原発再稼働容認」なんて言えばそれこそ「人の命を何だと思っているのだ！」と猛バッシングを受けるに決まっているのだから。
もう、こうなったら「成田からNYに飛ぶ飛行機に乗っているだけで浴びる放射能は原発のxx倍」だとか「一回のMRI検査で受ける放射能は自然放射能のxx倍」なんていう「科学的」な話はそっちのけで「何しろ原発は危険」という敢えていうならば「盲信」が独り歩きしもうだれにも止めようがない。
そんなことを思い出したのは、最近にわかに世界中で広まる「エボラ出血熱恐怖症」が、3年半前の原発放射能恐怖症に似ているような気がするからだ。
放射能もエボラも、人々はその実体を知らない。例え専門家と言われる人たちにしても、「どの程度の放射能が危険なのか、どの程度なら許容範囲なのか」とか「エボラウィルスの伝染をどうやったら防げるのか、どうやったらエボラ出血熱を治療できるのか」をいまだに完全に掴んでいる訳ではない。（まさか人体実験する訳にはいかないし、症例があったにせよ数が少なすぎて人々を納得させるには不十分だ）
「専門家にも分からないし、もしもの場合には死に至るかもしれない」となれば、放射能にしたってエボラにしたって、人々がやたらと怖がるのは仕方がない。そもそも、「過剰反応」なのかどうかの基準さえ分かっていないのに「過剰反応だ！」とい言う方がオカシイ！といわれたら誰も反対できないのだから。
アメリカのニュージャージー州では西アフリカでエボラ治療にあたっていた医療従事ボランティア全員に帰国後21日間、強制隔離するという州法を適用したところ、オバマ大統領は「人権侵害にあたり、過剰だ！」と批判したという。自分が強制隔離される側の人間だったら、確かに拉致同然に強制隔離されることには「人権侵害だ！」と叫びたくなるだろうが、もし自分がその帰国者の家の隣に住む住民だったり、あるいはその帰国者の病院の隣のベッドに寝ている身ならば、「西アフリカから帰国した奴を野放しにするな！」と、福島ナンバーのトラック運転手に嫌な顔をした住民のような気持ちになるかもしれない。（エボラを完全に封じ込めたと宣言したナイジェリアでは、「否も応もなく、エボラ患者を国の力で完全隔離したことが功を奏した」ともいわれている。）
日本でも、西アフリカから帰国して37度の熱を出したジャーナリストがいたというので、あの日は夜の夜中までそのジャーナリストがどの病院へ入ったのか、その人の血液サンプルがどこに運ばれたかニュースが飛び交った。（「エボラ陰性」のニュースが流れたのは早朝だった）
一人であれだけの騒ぎだったこととか、放射能で九州や沖縄まで逃げた人もいたことを考えれば、間もなく日本でもエボラパニックが確実に起きそうな予感がする。
（10/30/14
10:00pm）
2014年10月30日
基本ができていない？
経産相を辞めた小渕さんには、明治座観劇会の資金問題という大物の他にも、下仁田ネギ、ベビー用品、それに似顔絵入りのワインを配った云々と次々に「疑惑」があるらしい。同じく辞めた松島さんは、その辞任の一番の理由が「うちわ」だそうだし、小渕さんの後任となった宮沢さんは、なんと「SMクラブ」疑惑だそうである。第一次安倍内閣も「ナントカ還元水」やら、バンソウコウを貼った大臣のおかげで内閣がポシャッたという前例もあるから、二匹目のドジョウを狙った野党民主党の「大臣のアラ探し」は、消費税増税問題やら、議員定数是正問題、あるいは労働者派遣法改正案などの審議をほったらかしにして、益々熱が入っているようだ。
叩けばホコリが出る与党にも呆れるけれど、次から次に質問にたって重箱の隅をつついたような「疑惑」を、原発やエボラ以上の大事だ！と騒ぎ、口汚くののしる民主党議員に対しても、そろそろ世間の目は冷ややかになりつつあるようだ。
松島さんのうちわには柄がついていたからアウトだと叫んだ蓮舫さんが、柄がついていないうちわを配っていたのはセーフなのか？ という問題を取り上げたテレビ番組には、「うちわ業者」が出てきて「あれはうちわと」と証言する――なんていうところを見ていると「本当にこの国の政治とマスコミは大丈夫なのか？」と暗い気持ちになる。
これは本当に「政局」なのだろうか？ 日本では、国会で、疑惑なりスキャンダルをあげつらうことが「政局」であるという伝統は、なにも今回はじまったことではない。
小泉政権時代の郵政解散のように、一応曲りなりにも与野党が政策を巡って対立しいわゆる「政局」になった例は、この数十年の日本の政治では極めて珍しい。黒い霧解散だのリクルート問題やら佐川急便問題など、「誰某が誰から金を貰った」「政治資金規正法違反だ！」といったスキャンダルが「政局」になったことの方がいかに頻度が高いことか―――（こういった問題のみならず、秘書給与の流用問題やら、年金未納問題でも、与党議員がやり玉に上がると必ず、野党側にもやり玉に上がる議員が出てくる―――秘書給与問題の土井たか子さん、未納三兄弟をあげつらって自分も四国遍路旅に出た菅さん等々）
今回も、西川農水大臣は、外国人が過半数の株式を持つ企業から献金を受けていたとして民主党は辞任ドミノに弾みをつけたい様子ながら、そうなると思い出すのは同じ疑惑で大臣を辞任した民主党政権時代の前原さんや、菅直人元総理の件だ。あれって決着ついていたんだっけ？ 松島さんのストールが問題ならば、国会でファッション雑誌の撮影をして叱られた蓮舫さんはどうしてあの程度で済んだのか！！なんていう話になると、もうこれは乞食のケンカだ。
そうそう、西川さんやら有村さんといった追及を受けている大臣のいい訳が、「単純なミス、直ちに返金して訂正した」というものだったが、この言葉も、随分昔から耳にタコができるほど聞いているような気がする。（外国人献金疑惑が発覚した民主党の枝野さんも同じ台詞をいい始めた）
日本では古くから子供たちは「何事も基本が大切」ということを習う。将棋でも「基本ができていない名人はいない」というと聞くが、日本の政治家がこう度々「単純なミス」を連発するということは、「政治家は皆基本ができていない」ということなのだろうか。
（10/29/14 10:00pm）
2014年10月27日
マタニティーマーク
単に太っているだけなのに妊娠している女性と間違われて電車で席を譲られたとしたら―――もし席を譲ったのが男性だったとしたら「セクハラ」になる可能性は大だ。もし、譲ったのが女性だったとしても「おばさんにいじめられた！」と泣き出すかもしれない。
妊娠は、実におめでたいことではあるが、妊娠かどうかが未だ他人からはよく分からない時期には、まわりにとっても、一体どう対処してよいか分からない微妙なところはある。そんなこともあったからだろうか、今、妊娠した女性には「マタニティーマーク」というマークをつけてもらい、社会はこのマークを付けた女性をいたわりましょう、という運動が数年前からはじまっている。
ところが、最近、このマークをつけて電車の優先席付近に立っていても、ほとんど無視されるし、中には町の中ではわざとタバコの煙を吹きかけたり、ぶつかってきたりする人などがいて、却って危ない！という話がひろがり、普及率が下がってきているという。
（まさかとは思うが、妊婦さんならば追いかけてきたりはしないだろうとひったくりの対象になり易いなんていう世も末のような話まであるようだ）
少子化が進み日本の将来に暗雲が垂れ込めているといわれる昨今だけに、本人や家族にとってはもちろんうれしい妊娠だが、社会にとっても嬉しいこと、歓迎すべきことであるはずなのに、なぜ、こんなことになっているのだろう。
体の不自由な人達、老人、女性といった「弱い者」は皆でいたわりましょう、という日本古来の道徳がすたれてしまったことが、このマタニティーマークの受難につながっていると思う。
戦後、日教組が反対して廃れてしまった道徳教育だが、現在、2018年から正式教科として採用すべく中教審で検討しはじめているという。
本来、道徳教育は家庭で行われるべきではあるが、戦後育ちの今のお父さん、お母さんがそういう教育を「戦前の残滓」として排斥した勢力（日教組や、進歩的文化人と言われた左翼の連中）の為に受けられなかったことを考えると、やはり、学校という場で今一度、ちゃんと教えるべきだと思う。
「道徳教育」といっただけで「集団的自衛権」やら「特定秘密保護法」と同じように、ただエキセントリックに「戦争につながる！」などと騒ぐ連中がいるというが、なあになにも難しいことを教えようというのではない。「マタニティーマークを付けた妊婦さんには席をゆずりましょう」という当たり前のことを教えるだけなのだから。
(10/26/14 10:00pm)
2014年10月24日
冬時間
ここのところ随分と気温が下がってきたからだろうか、それとも日が短くなってきたからだろうか、朝起きるのがちょっとつらくなってきた。一年を通じて睡眠時間は変わらないのに、なぜ秋が深まってくると朝がつらいのか――つらつら考えてみた。
欧米では今週末の日曜日から冬時間がはじまる。アメリカにいた頃にはそれほど感じなかった冬時間のありがたさだが、緯度の高いロンドン駐在の頃は「冬時間っていう奴もなかなかいいなぁ〜」と思う時期が毎年必ずあった。それは、冬時間が始まった週の月曜日の朝だ。冬時間に変わったということは、起床時間でいうと例えば毎朝6時に起きる人ならば、「前日だったら朝の7時だった時間」に起きればよい、ということになる訳で、前週までは通勤の為に、まだ真っ暗な内に起きなければならなかったのが、少し明るくなってから起きればよい！という訳で、ちょっとトクをした気分になれたからだ。（もっとも、2，3日もすれば、すっかり冬時間に慣れてしまうから、朝起きる時の眠さは、直ぐに元に戻ってしまうが）
今、東京ならば日の出は、大体6時ちょっと前位だが、ロンドンだと（今週の土曜日までは）8時少し前位だ。日がもっとも短くなる冬至過ぎになると冬時間でも朝の8時が日の出、実際に明るくなってくるのは、10時近くになってなどということもあるのだから、極端に言うとロンドンの冬は、「何時に起きてもまだ暗い」時期が続くのだから、せめて冬時間になった最初の週位は「明るくなるまで寝床でぬくぬくしていた！」という快感を味わうのは結構嬉しかったのだ。
ロシアでは3年前に時のメドベージェフ大統領が、夏・冬時間を廃止し年間を通じて夏時間制を採用した。すなわち、ロシアでは3年前から、冬の時期は、国全体が「何時に起きてもまだ暗い」状態になっていたという訳だ。30年以上前にはじまった冬時間にすっかり慣れきっていたロシアの人達にとってみれば、突然、冬の朝の寝坊の楽しみを奪われた（？）ことは相当不満だったようで、結局、プーチン大統領は、今年から再び以前と同じように冬時間を復活させることにして、今週日曜日から冬時間がはじまるということでロシア国民は喝采しているとか。
日本では、何年かごとに「夏時間」を採用すべきだ！という議論が巻き起こるが、実現した試しがない。まあ、日本は、緯度も比較的低く（東京の緯度は、アメリカ、ニューメキシコ州のサンタフェと同じ位）だし、南北に細長いこともあって地方ごとに日の出、日の入りの時間もかなり違うこともあって、夏・冬時間制の必要度が、緯度の高いイギリスやロシアほどにはないということはいえるが。
さて、ここで冒頭の疑問に対するタカさんなりの回答だが－－－日の出、日の入りのという自然の時間に従って何十万年を暮らしてきた我々人類なのに、近年にいたって、人為的に一日を昼と夜、12時間ずつと無理やり二等分し「日の出も日の入りも関係なし」という時間を決めてしまったが、人間の生理は、まだ原始の体内時計で季節を感じてしまい、人為的な時間に合わない－－－ということなのではないだろうか。明治維新前まで日本人は、一年を通じて「日がある内が昼、日がない時間が夜」という生活をしていた。すなわち、昔の日本人は、冬は夏よりはずっと長い時間寝ていたのだ。だから、冬になると中々、起きられないのだ―――というのがタカさん仮説だが－－－どうだろう。
(10/23/14
10:00pm)
2014年10月22日
諦めようかTPP
今年9月、訪米してワシントンの通商代表部（USTR)フロマン代表とTPP日米２ヶ国間協議に臨んだ甘利TPP担当相は、煮え切らない同代表の態度に激怒し、机をたたいて「ふざけるな！」と声を荒らげたという。
甘利氏としては、日本の重要農産品5分野のうち牛・豚肉の関税の引き下げ幅や引き下げにかける期間、輸入急増時に関税を引き上げる緊急輸入制限（セーフガード）に関して日本としてのギリギリの譲歩案を提示したにもかかわらず、アメリカ側の歩み寄ろうという姿勢がみられないことにしびれを切らしたということのようだが、フロマン氏も負けじと怒鳴り返してきたという。（日米交渉といえば、いつも押されっぱなしの日本なのに、TPPは、結構、おもしろいことになっているようだ）
弱腰外交が招いた中東での外交的失敗やウクライナ情勢などによって、すっかりレームドダッグ（死に体）化しているともいわれるオバマ政権には、もうアメリカの食肉業界や、自動車業界を説得してTPP交渉において日本に妥協する力は残っていない、とも言われており、そういう背景もあって所詮はサラリーマンであるフロマン氏も、甘利氏に対して「よし、その線でどうにかまとめましょう！」などという訳にもいかなくなっているのだろう。
思い出してみると、丁度1年前にも、「来年秋の中間選挙の日程を考えれば、日米協議は年内（’13年中）には合意に達する必要がある」といわれていたし、今年4月にオバマ大統領が訪日して安倍さんと「すきやばし次郎」で寿司屋会談を行った時にも、「中間選挙を考えると6月迄には―――」などと新聞は盛んに書きたてていたけれど、結局、中間選挙まであと1ヵ月という今もまだ怒鳴り合いしているような状態というのだから、これこそ「オオカミ少年」もいいところであり、もうお互いに「TPPは忘れましょう！」といって物別れした方がよさそうなものだと思うけれど―――（この期に及んで、新聞は「11月に北京で開かれるAPEC首脳会議の時にまだ機会がある」といっているようだが、死に体のオバマさんと、女性閣僚更迭などで1強体制がゆらぎはじめている安倍さんが、果たして、思い切った決断に踏み切れるものだろうか）
以前にもこの欄で書いたけれど（参照：「TPPは重要だ」4/23/14）、TPP交渉に限らず外交交渉妥結の理想は、双方が50/50で譲り合うことである。「勝った、負けた」があるとすれば、せいぜい「こちら側51、相手49」でとどめるべきで、いくら妥結といっても、60とか70を譲らされたとしたら、譲らされた側は、これを必ず取り戻そうとするだろうし、悪くすればそれが戦争だとか、100年の遺恨となって残ることは、日米開戦に至る経緯や、米軍による占領策の歴史をみれば分かるではないか。
究極的には、世界各国が自由貿易を目指そうというTPPの理想を考えれば、自動車産業や食肉業界の利益のことしか考えないアメリカと、圧力団体と化した農業団体の票のことしか考えない日本との間で、TPP二国間協議がまとまる訳もない。
こちらも譲る気がない、向うも譲る気がない、という交渉なら、この際お互いに「なかったことにしよう！」と握手して別れる方が、両国関係の重要性を思えば、怒鳴り合うよりは後々に禍根を残さないベターな結末かもしれない。
(10/21/14 10:00pm)
2014年10月21日
女性の輝きを消したのは
小渕優子大臣の辞任ということでもなかったら、うちわ配布での松島大臣の辞任ということもなかったのではないかとも思う。
確かに、杓子定規に言えばうちわを配ったとなれば、政治資金法でいう「寄付」にあたり違反だ！ということらしいが、原価が一本10円とか20円だというならば「微罪」ともいえる訳で、小渕さんの大騒動がなければ、うちわ問題は、ひょっとしたら「ゴメンで済むこと」だったかもしれない。
まあ、大臣になったのがよほどうれしかったのだろうか猪木さんには禁じられた赤いマフラーとそっくりの派手な「赤いストール」（あれは全然似合っていなかった）をして閣僚席に座った時点で、主婦をはじめとする同性から悪印象を持たれてしまった松島さんだけに、その後の「うちわと言われれば、うちわ」などという間抜けな答弁やら、追及を傲岸不遜にも「雑音」といったりしていたことを考えれば、一旦、辞任は避けられたにせよ、またすぐ次のネタを提供して結局はクビに追い込まれた可能性は高いような気がするが－－－（それに「法務大臣」となると「微罪だからセーフ」という訳にはいかなかったかもしれないが）
「上手くいっている組織はいじるな」という格言があるけれど、もちろん、政治の世界にも通用する。安倍一強といわれるようになって一人の閣僚辞任もなく２年余り無難にやってきた内閣の布陣を、大臣病患者のプレッシャーに押される形で改造してみたら、案の定、新任大臣、しかも今回の目玉にしたかった女性大臣が次々とボロを出し、前回の安倍政権の「大臣辞任ドミノ」の再現という不吉な予感も漂いはじめている。前回「オトモダチ」でこけたけれど、今回は「女性」でこける－－－なんていうことになったらシャレにならないではないか。
ところで、松島さんの辞任は、小渕さんの「道連れ」的なところがあり、まあ、運が悪かったという面もないではないが、小渕さんの方は――――いかになんでも、やったことが余りにデタラメだし金額も大きすぎる。こればっかりは、とても「ゴメン」では済まなかっただろうし、辞任は不可避だったと思う。
下仁田ネギやら、化粧品やベビー用品だけならば、まあ、金額も少ないし、ひょっとしたら逃げ切れたかもしれないが、30台ものバスを連ねて行った明治座観劇会の支払いと収入の差額2000万円以上（12年度分にいたっては丸々記載がない――）と指摘され、ご本人も「私自身、よくわかっていない」というのだから、これでとても情状酌量の余地はない。
それにしても、これだけデタラメで金額も大きい、小渕さんの政治資金スキャンダル、「週刊新潮」というマイナーな週刊誌メディアが、暴くまで、その何十倍もの人と組織をもつ大新聞やテレビなどのマスコミが、誰も取り上げて来なかったということが不思議でならない。ひょっとしたら、政治とマスコミのもたれ合いによって表にださなかっただけ（意図的に隠蔽していた？）等ということはなかっただろうか。
朝日の度重なる誤報・捏造等で失われている新聞への信頼だが、小渕さんのこんなに明明白白の資金問題という特ダネを見過ごしていたことで、更に大きく失われたと思う。
折角安倍さんが掲げた「女性が輝ける社会」という前向きなスローガンが「女性」閣僚自身の手によって一時的にでも貶められたことは、残念というしかない。
(10/20/14 10:00pm)
2014年10月20日
警察官のお買物
サンフランシスコに駐在していた時代、よく通っていたピアノバー（今でいうならカラオケスナックのようなバー）に、パトロール中の制服警察官が立寄り、店側も「ご苦労さん」というお礼の意味だろうか、一杯ごちそうする―――なんていうことがよくあった。重装備の警官がバーに乗りこんで来る―――というなんだか映画のような姿に最初は随分とビビったりもしたが、その内に、そういった警官にも馴染ができ時折、軽い冗談を言い合ったりするようにもなったものだった。
その頃、このピアノバーが入っている大型モールの地下駐車場に強盗が出たという事件があったので、その警官（二人連れ）に「パーキングの見回り？」と尋ねたら「あんな危ないところをパトロールなんかする訳ないじゃん！」と真顔で答えられたことをなつかしく思い出す。
ナイフやら銃といった物騒な武器を持っている可能性のある強盗がいるかもしれない地下駐車場となれば、警察官だって人の親であり夫でもある以上、敢えてちかよったりはしない、というのは当然だろうと妙に納得したものだった。
そんなへなちょこ警察官ではあったが、やっぱりなにか悪いことをしようと考えている連中にとっては、彼等が定期的に立寄るバーだとか、あるいはパトロールしている表通りでは、さすがに人をおそったりしようとは思わないだろう。彼等だって万一警官と撃ち合いにでもなれば、命が無くなるかもしれないと思えば、警察官を避けようとするのは当たり前だ。
そんな訳で、店と店の客にとっては彼等が時折立寄ってくれることのメリットは大きいし、（おそらく）警官にとっても、勤務中オンザハウス（店側の勘定）で一杯ひっかけられるのはちょっとした息抜きになったのだろう。そういう意味ではあのピアノバーへの警官立寄りは極めて合理的な制度だったように思う。
最近、銀行やコンビニの入り口に「警察官立寄所」という看板をよくみかける。もっとも、あちこちにこの看板を見かける割には、実際に警察官が立寄っているのをみたことがないが、あの看板、犬を飼ってもいないのに「猛犬注意！」の看板を門標に掲げている家があるのと同じで、最初の内はこけおどし効果があったとしても、その内、段々と化けの皮がはがれてしまいはせぬかと少々気にはかかっていたのだが―――。
岡山県警では、今月、警察官が制服姿のままコンビニで買い物をすることを解禁したという。ということは逆に言えば、いままでは、警官は制服姿のままコンビニで弁当や飲物を買うことを禁じられていたということのようだ。サンフランシスコのことを思い出すと、禁じた理由が分からない。我々を守ってくれている警察官が、コンビニで買い物をすることを嫌うという市民感覚があったということなのだろうか。もしそうだとしたらちょっと哀しいことではないだろうか。
「警察官立寄所」という看板が、案山子効果しか上げず、看板をバカにしたスズメ（万引犯や強盗）がやりたい放題しはじめたので、この際案山子ではなくリアルな人間に見回ってもらおう―――ということなのだろうか。
警官が制服姿で弁当を買うこともできなかったほどに昔の日本の治安はよかった、ということだとしたら等々、色々考え込んでしまったニュースである。
(10/19/14 10:00pm)
2014年10月17日
エボラの常識
今から30年以上前になるだろうか「ガンは伝染する」という説が注目を浴びたことがあるが、トンデモ科学の類であるとして総スカンを食い短期間でこの説は葬りさられてしまったと記憶する。もし、この説がある程度信憑性があるかのように広まったとしたら、世の中は大混乱に陥っただろう。ガン患者はすべて隔離されるとか、医療従事者がガン患者の受入れを拒否するなどといったパニック状態に陥ったかもしれないし、ガン患者がかつてのハンセン病患者のような様々な差別や、不自由を強いられた可能性だってあった。
現在、ガンは人体内で日々繰り返されている細胞分裂の過程において起きたコピーミスによって生まれたガン細胞が、普通ならば免疫によって死滅するのに、なんらかの原因で暴走的に増殖を繰り返し肥大化したものであるという説が有力であり「ガン細胞自身は人から人へ伝染することはない」といわれているが、しかし、ガンの原因になるウィルスは伝染するものがある（例えば、肝炎ウィルスや、胃がんの大きな原因の一つといわれるヘリコバクターピロリ菌等々）ということを考えると、広い意味では「一部のガンは伝染する」とも言えなくはない。
同じく、30年前にはタブーであった「ガンは遺伝する」という説も、今や、健康診断の時の問診事項に「近親者にガンで亡くなった方はいますか」という質問事項が加えられているように「ガンになり易い家系というものはある」（すなわち、遺伝的要素はあり得る）というのが、医学界の常識になっている。（もちろん、生活習慣だとかタバコや酒、あるいは肉体的、精神的ストレスといった他の要因の方がはらかにリスクを高めているようではあるが）
医学の常識は変わることが意外と多い。そんなことを思い出したのは、ここにきて世界的なパニックにもなりそうなエボラ出血熱の防疫網が欧米などの医療先進国でも次々に破られているからだ。アメリカテキサス州にあるアメリカ１、2位を争う防疫体制を持つ病院の看護師が、エボラ出血熱に2次感染、又、別の女性看護師も、エボラ出血熱検査で陽性反応を示したという。
比較的致死率の低いデング熱に比べてエボラ出血熱の、致死率は70-90％と指定伝染病の中でももっとも高いし、今現在、ワクチンも特効薬もない、というのだから、オバマさんが慌てて安倍さんに電話して防疫体制を話あったのも当然だ。
エボラ出血熱は、「空気伝染はせず」、血液や汗、尿などの体液に触れることで伝染する、といわれている。これが今のところ、エボラの常識だ。したがって、患者の体液に接触しない限りは、罹患することはないといわれて来た。
しかし、そういう認識の下に、各国の防疫体制が敷かれ、アメリカでは、体液接触を避ける世界最高レベルの防疫体制を組み、あれだけの防護服を着こんでいた中でもあらたな患者が出たというのは一体どういうことなのだろう。
世界を恐怖に陥れつつあるエボラ出血熱であるが、「エボラは、空気伝染しない」というのが、この恐怖から逃れるための数少ない救いの言葉であることを考えれば、このテキサスの病院でなぜあれだけの防御体制をとりながら、二人もの二次感染者がでたのかの徹底的な追跡調査は何をおいても最優先で取り組むべき問題だ。オバマさん、あんたに頼んでいて本当に大丈夫ですか？
（10/15/14 10:00pm）
2014年10月16日
ありのままに
日本人は自分の意見を述べること、あるいは自分の意見をもって討論することが下手だといわれる。
この点、小学校の頃から学校でディベート（討論）を習うアメリカ人には舌をまくことが多い。例えば、突然、街頭インタビューである政治課題について質問された場合、日本人なら逃げ回るか、「わかんな〜い」というのが精々だけれども、アメリカ人なら十代、二十代のお姉ちゃんでも、あるいは普通の太ったおばさんでもオバマ大統領にでも聞かせたいようないっぱしの意見を述べるのだから－－－。
大統領選挙前の候補同士のディベートなどと、国会での党首討論や代表質問をくらべてみるとこの彼我の差はよくわかっていただけると思う。
テレビで評論家だのタレント達がおこなう「討論番組」にしてみたところで、なにしろ声の大きな方が人の話に割って入るし、最後には「黙れ！」だの「バカ！」だのというののしり合いになってしまうこともあるのだから、ルールに基づいてフェアな討論を旨とする欧米流のディベートとの差は大きすぎる。
街頭に出て自らの意見を開陳する「デモ」にしてもそうだ。デモはデモンストレーションという語源にあるとおり、自らの意見、主張を街頭などに出て明示することである。同じ意見をもった人々が集まってその要求や主張を行う人の数の多さを示すという目的もあるものの、それはあくまでも暴力的なもの威嚇を伴う物であってはならないことはいうまでもない。
新大久保のコリアタウンで差別的言辞を叫び、威嚇する、等という行為が、本来のデモから逸脱した単なる暴言や威圧でしかなく本来的な言論には値しないものであることに異議を唱える人はいない。彼等はテレビの討論番組で「黙れ！」「バカ！」とさけんでいる連中と同レベルの非言論人でしかなく蔑むべき人達というしかない。
そんな、低俗な連中は軽蔑の目で冷たくあしらい、ほおっておくのが一番。実際問題、昨年夏頃には一時、ニュースになるようなデモもあったようだが、その後は全く下火になっているというではないか。下劣で暴力的な言論は淘汰されていくのだ。
むしろ、在特会のデモを「ヘイトスピーチ」だから法律によって規制せよ！という声の方がよっぽど怖い。暴言やこの種のヘイトスピーチは社会的なモラルの面から抑圧すればよいのであって、法律によって規制するとなれば、「何をもってヘイトスピーチとするか」などを法規制する側が恣意的に決める可能性があり、「言論の自由」がなし崩し的に損なわれることにもなりかねない。日本人は本当の意味での「言論の自由」が分かっていない。
今年の夏前だったか、国会周辺で原発反対を掲げる国会デモに遭遇したことがあったが、先頭に立った街宣車の大音響はまさに暴力的だったし、太鼓をたたいて「安倍打倒！」をさけぶシュプレヒコールには恐怖心すら覚えた。あの街宣車も、安倍首相へのシュプレヒコールもヘイトスピーチにしないのはオカシイという議論が出たら民主主義を標榜する彼等は、どうするつもりだろう。
「言論の自由」は大きな自由であるべきで、なんらかの形で規制をかけるべきではない。言論は自由競争の中で、悪い物は駆逐されていく――言論はやっぱり「ありのままに」しておくべきだ。
（10/15/14 10:00pm）
2014年10月15日
女性優先枠
今回の安倍改造内閣では首相の掲げる「女性活用」の目標値である「女性管理職3割」を率先垂範するというプロパガンダ効果を狙ったからだろうか、内閣の大臣数定員17人（現在は復興相の臨時特別枠をいれて18人）の3割、5人の女性大臣が入閣した。
積極的な女性活用策を打ち出した安倍改造内閣の支持率は改造前に比べ10%以上上昇、出だしの評判はよかったようだが、うちわ論争や議員宿舎問題、「雑音」騒動で躓き気味の松島大臣やら、就任あいさつで「今度、女性ナントカ大臣に就任しました。どうもありがとうございます」と言ってひんしゅくを買った有村さん、在特会幹部との写真であげ足をとられている山谷さん等々が、笑いのタネにされるようになってからはどうも「安倍さんも人の見る目がない」と、いささか点数を下げているという。
「女性閣僚3割」という目標値がまずあって、その目標値達成の為ならば―――というので当選回数3回で初入閣を果たした女性閣僚が出る一方では、当選7回、8回のベテラン男性議員のいわゆる「大臣待望組」が、軒並み討死というのだから、これから先、安倍さんも党内にくすぶるこれらの失望男性議員達の「男の嫉妬―――女の嫉妬の何倍も怖いとか」に足下を救われることになるかもしれない。
安倍さんは経済界にも「女性管理職3割」実現のプレッシャーをかけ、手を変え品を変えて義務化策まで検討するようにと指示しているとも聞くが、まさに女性活用の為のアファーマティブ・アクション化に走っているが、様々な問題があるように思う。
アファーマティブ・アクションとは、アメリカで黒人などのマイノリティーの社会進出を促進するための差別是正措置として取り入れられた制度だ。
例えば、入学や就職においてマイノリティーの人達に一定程度の優先枠を与えて、それまでのマジョリティーによる独占、寡占を強制的に是正し、そのことで社会進出できるマイノリティーの増加によって徐々に社会における差別の解消をはかろうとするものだが、この制度がとりいれらて約半世紀経った今、アメリカでは、むしろその弊害が問題になっているというのが現実だ。
一番問題になっているのが、アファーマティブ・アクションがもたらす「逆差別」の問題だ。例えば、大学医学部入学枠の一定数をマイノリティーに与えるとすると、その優先枠によって入学できる成績の劣るマイノリティーの分だけ、優秀なマジョリティーの学生の医学部入学チャンスは減る。
医学部卒業後の医師免許国家試験では、さすがに医者という人の命を預かる職業だけに、マイノリティーに優先枠を設け成績の劣る医者を粗製濫造する訳にはいかないから、結果的には、大学医学部の卒業生のかなりの部分が国家試験不合格ということになり、国の医者の総数が必要数を下回ってしまう―――といった事態も生じてしまう―――こういった逆差別の弊害が目立つようになってしまったのだ。
安倍さんも「何しろ3割は女性！」ということを優先したがために、松島さんやら有村さんのようないささか劣る（失礼！）人たちが大臣になってしまったということがなかったとは言えまい。
もっとも日本の大臣の場合、待望組の男性議員の方が間違いなく女性閣僚より「優秀だ」といえるほどだったかどうかには疑問符もつくが－－－。
目標値を設けた女性優先枠、そんなによいことばかりではないようだ。
（10/14/14 10:00pm）
2014年10月14日
宗教は役にたったか
暗殺者（Assassinアサシン)の語源は、大麻（Hashisiハシシ）であるといわれている。
12世紀に「山の老人」ともいわれたハッサン・サッバーフによって開かれたイスラム教シーア派の分派である教団は、別名「暗殺教団」といわれたが、若者を集めかれらに麻薬である大麻（Hashisiハシシ）を与え、幻覚症状に陥った彼等に、敵対する教団の幹部や時の支配者を殺すように暗殺指令を出していたという。
幻覚状態にある若者達は、「これこれの人物を殺せばお前は、天国に行ける！」という山の老人の囁きを神の声だと錯覚し、それに従って自分の命を捨ててでも暗殺を遂行しようと出かけていったという。
すなわちAssasinアサシン（暗殺者）の語源は、その暗殺指令につかわれたHashisiハシシからきているのだ。
イスラム国の若者達が、ジハード（聖戦）を報じて自らの命をも顧みずに戦闘に参加し、時には平気で外国人の首を刎ねるというニュースを聞くにつけ、12世紀に麻薬の幻覚作用の助けを借りて神の指令だと信じて、敵の中に突っ込んでいった若者達と変わらないなぁ〜と思う。
人を殺せば、神に褒められ、天国に行ける！と信じている彼等を、説得して殺し合いをやめさせる方法などあるとは思えない。実に絶望的な状況だ。
なにもイスラムばかりではない。キリスト教の十字軍にしてもそうだしほとんどすべての歴史上の、いや現代の宗教戦争も「神の名」において行われている。
すべての宗教戦争が結局は殺し合いであるとなれば、人は神の名において殺し合いをしているということになる。「神」を出されてしまえば、人の力での、議論も説得もほとんど無力だ。宗教の名の下に、あるいは神の命だと信じて他の人の命を奪い、自らの命も惜しまない若者が絶えることがない。
こうなってくると、宗教が、人類にとって何かよいことをしたことがあっただろうかとすら思う。
（10/13/14 10:00pm）
2014年10月10日
火山列島
子供の頃は、毎日といってよいほど噴火して巨大な噴煙を上げる桜島を見慣れていたために、火山噴火というものをそんなに怖い物だとは思っていなかったような気がする。しかし、先日起きた御嶽山の噴火直後の様子を写した写真などをみると、あらためて自然災害の中でも火山噴火の凄さには驚かされる。
鹿児島は県全体の約50%が、シラスといわれる軽石を砕いたような土に覆われているが、このシラスは、桜島や霧島、あるいは開聞岳といった今も活動している火山や、すでに休止している多くの火山などが大噴火の際に噴出した火山灰が積もったもので、ところによっては数百メートルもの厚さがある。これだけの量の噴出物があった噴火とは一体どれほど凄いものだったのかだろうか。
いまから丁度100年前の1914年にも桜島は大噴火している（大正大噴火という）が、この時に流れ出した溶岩によってそれまでは島であった桜島は、大隅半島とつながって今の地形になったのだが、この噴火の規模は、1707年に起きた富士山の宝永大噴火のほぼ倍の大きさで、過去500年間に起きた日本での火山噴火の中でも最大級のものであり、先日の御嶽山の噴火の規模の約4000倍だったという。（今も桜島に行くとその時の噴火で埋まってしまった神社の鳥居が頭だけを見せているところがある）
もっとも、地球史規模でみると、そんな桜島の大噴火もまだまだと思えるほど大規模な火山噴火が数限りなくある。なかでも、その最大級のものは、今から7万4千年前、インドネシア、スマトラ島のトバ火山の大噴火だといわれているが、この噴火は、過去2千5百万年の間で起きた自然災害の中でも最大級のものであったといわれるほど大きなものであった。
トバ・カタストロフともいわれる、この噴火で大気中に排出された火山灰などの火山噴出物の総量は、1914年の桜島の噴出量の約5000倍にもなり、火山灰の一部は、数年大気圏上層を多い覆い尽くしたことで数年あるいは数十年に亘って世界は「火山の冬」といわれる長期寒冷化に見舞われ、その為に、多くの生物種が、絶滅、あるいは極端に個体数を減らしたといわれる。
一説では、我々人類もこの時期、わずか数千人から数万人にまで人口を減らし絶滅一歩手前にまで落ち込んだともいわれ、このことが、現在70億人もいる人類なのに、遺伝子にあまり多様性がみられず、きわめて均一であることの理由だという。（アフリカの人々と、たとえば北欧系の人々では、見かけは随分と違うが、遺伝子レベルでは驚くほど違いがないのだとか）
46億年前に微惑星の衝突によって誕生した地球には、まだ火の玉であった当時の熱が中心部に残っていて、このマントル熱がマグマとなって時には地上に吹き上がってくる。これが火山だ。
すなわち、我々は地球という火の玉の上に住んでいるのだから、時折起きる、火山噴火から逃れることのできない運命にあるとも言える。
逃れることのできない火山ならば、火山がもたらす恐怖ばかりを気に病んでもしかたがない。ほとんどの火山はよい観光スポットでもあり、火山のおかげで温泉も楽しめる。そんないい面をポジティブに受け入れるのが、火山列島に住む我々日本人の生き方といえるのかもしれない。
（10/09/14 10:00pm）
2014年10月9日
なんともはや！
どうせ国会審議なんて、圧倒的多数を占める与党側のシナリオ通りにすすむだろうとおもえば、臨時国会で何が行われていようが一向に興味はわかない。
公共放送だからということで、NHKはここのところ朝から晩まで一日「国会中継」をやっているけれど、視聴率は一体どれほどのものなのだろう。
郵政問題で随分と国会が荒れていたときでさえ3%程度だったと記憶するだけに、野党の足並みもそろわず一強多弱の国会審議となれば、おそらく、1%もいかないのではないだろうか。低い視聴率の番組を一日8時間近く流し続けるのも電力の無駄だから、この際、思い切って止めたらどうだとも思うが、人気が無かった時でも止めなかった大相撲中継のようなもので、いつの日か視聴率が稼げるようになる！という信念でもあるのだろうか。
もちろん、タカさんは、国会中継など見ないが（例え暇があっても、国会中継を見るほどの暇人でもない）7日の参議院予算委員会での民主党の質問タイムは、結構、おもしろかったらしい。
翌日の新聞によると、民主党は、第二次安倍改造内閣の新閣僚を、集中攻撃したらしい。（そういえば、民主党政権時代には、野党であった自民党が、コーヒーを飲むために委員会を中座した田中直紀防衛大臣を吊し上げるなどして随分いたぶったこともあったから、その敵討ち、ということなのかもしれないが。
しかし、その「集中攻撃」なるものが、本当に「国政を審議する国権の最高機関における議論」として相応しいかどうかは、おおいに疑問のあるところだ。
民主党が問題にしたのは次のような点であったという。
1． 松島法相が議員活動費で配布した「うちわ」の問題
2． 有村女性活躍相が「母親は赤ちゃんを肌から離すな」と子育てと仕事の両立否定ととれるような発言をした問題
3． 山谷国家公安委員長が、在特会関係者と写真撮影した問題
１．の問題では松島法相が、「うちわのように見えるかもしれないが、あくまでも議員活動を印刷したうちわ型の配布物」と苦しい答弁をしたことで、追及した蓮舫さんとしばしの「うちわか、配布物か論争」という漫才のような掛け合いがあったらしいし、2．の問題では、有村大臣が、「自分は、仕事と子育てを両立させてきている」とかわし、3．の問題では山谷さんが、「たまたま大勢でとった写真に写った中の一人が誰であったといわれても、自分は知らない人物だ！」と一蹴して終わったらしいが、この質問中、民主党席から山谷さんに対して下品なセクハラヤジがとんだことで、一時議場が紛糾、結局民主党の蓮舫筆頭理事が予算委員長に謝罪するという返り討ちにあってしまったのだとか。
いや、なにも予算委員会の中継を再録しようという訳でもなければ、7日の夕方には、蓮舫さんが過去に、松島さんと同じようなうちわ（但し柄はついていなかったらしいが）を配布していたことが、ネットで一斉に流れたという、民主党のお家芸ともいえるブーメラン現象をあげつらうつもりもない。
ただ、「国権の最高機関」において半日、一日かけて行われている議論が、「うちわか、うちわでないか」「写真に写っているのはだれか」という低レベルな話であり、下品なセクハラヤジで「一時紛糾！」というのだから---なんともはや！――ということを言いたかったのだ。
（10/08/14 10:00pm）
2014年10月8日
神の言葉
イスラム教では、聖典コーランは「最後の預言者」であるムハンマドを通じて神が語った「神の言葉そのもの」であるとされている。
唯一絶対の存在である神は、無謬であるからコーランに示された「神の言葉」に、間違いは絶対にない。更に、ムハンマドが「最後」の預言者である以上は、ムハンマド亡き後、コーランに追加されるべき「神の言葉」を伝える預言者も絶対にあらわれない。すなわち、コーランは絶対無謬、修正も変更も絶対にない聖典だ！という訳だ。
例えばコーランに「豚肉を食べてはいかんぞよ！」と書かれている。もし現代医学が、豚肉から抽出したある薬効成分がガンの特効薬であることを発見したとしても、イスラム教徒は、この新薬を使うことはできない。なぜなら、神が西暦600年に「豚は絶対ダメ！」といった訳だし、今後、新たな預言者を通じて「薬成分としてなら、豚肉使用もOK！」などという神の言葉が、発せられることもないのだから---。
イスラム教が、一神教の中でも極めて保守的だといわれるのもこのコーランが「変えることのできない神の言葉である」という原則によるものだ。（西暦600年にはなかった物、例えば携帯電話や、テレビといったものを、イスラムでは、どう扱うべきか等々、現代生活とイスラム教との間で様々な齟齬が起きてしまうのもこれが原因だ）
それに比べて、キリスト教の聖典である聖書は、神や聖人、あるいはイエスの言葉を聞いたり見たりした預言者や、使徒たちが「思い出しつつ」書いたり語ったものだ。（例えば、マタイ伝はマタイが「私はこう聞いたよ」と語ったものだ）
あくまでも、人が伝え聞いたり書いたりしたものである以上、そこには、人ならではの聞き間違えや、解釈間違いもあるだろうから、その後、更に宗教会議などにおいて、ああだ、こうだと幾度も修正されたりもしたし、これからも解釈を変える余地は残されている―――とも言える。（「神は唯一である」という教義にしても、西暦325年のニケーア宗教会議で「三位一体」なる珍妙な説が教義として認められ今日に至っている。キリスト教の聖書は、案外、臨機応変なところがあるとも言える。
カソリック教会の総本山バチカンの法王フランシスコは、この2000年余り掟とされていた、離婚や同性婚をタブーとする教義をどのようにすべきかを法王庁会議で議論する準備に入ったという。すなわちタブーの変更の可能性があるらしい。
例えば、聖書で人々に求められている純潔、貞節といった教えからすれば、現代ではなんだか当たり前（？）になってしまった婚前交渉、堕胎、離婚、再婚、あるいは同性愛や同性婚はタブーであり罪とされているが、現実の社会における多くの信者たちの生活実体とは余りにかけ離れているのではないかと言われるようになっているし、むしろ、これらをタブーとする教義が、「教会による差別だ」といわれるようにもなってきているのが実体だ。（例えば、婚外子への洗礼を拒否すれば、これは平等であるべき子供の権利の侵害、差別になるし、同性愛を罪とする教義は、性同一性障害者の差別であるばかりではなく、広い意味では自由であるべき人々の性癖や、思想信条への差別にもなるだろう）
ローマ法王が2000年間、無謬といわれる聖書の言葉に基づいて定めたタブーをどの程度、とくのかは定かではないが、コーランとは違って聖書は、結構フレクシブル（まあ、見方をかえればいい加減）なのだなぁ〜と思った次第。
（10/07/14 10:00pm）
2014年10月7日
避難勧告
列島を縦断した形になった台風18号だったが、今年8月の集中豪雨で起きた広島の大規模土砂崩れの際に住民への避難指示が遅れたのではないかといった批判や、御嶽山噴火でも火山性地震の情報が入山規制など勧告に上手くいかされていなかったかことなどが相次いで指摘された所為だったのかは定かではないが、今回はいつになく各地で多くの避難勧告が出されたように思う。
東日本大震災以降「避難勧告などの情報は、空振りを恐れずどんどん出すべきだ」という方針が特に市町村などの行政組織に浸透したことも関係しているのかもしれない。
結局、今回の台風18号では１都7県でなんと79万人に対して避難勧告、避難指示がだされたという。
その避難勧告の一例としてテレビニュースが、東京・港区の一部の地域の4万5488人に出され3時間後の午後1時35分に解除された避難勧告の例を報じていたが、ニュースは避難所に指定されていたある施設を映し、「実際にこの避難所を訪れたのは数人だった」と報じていた。避難所が一体何ヵ所用意されたのかは定かではないが、「一か所に数人」ということは、裏返してみれば、対象になった4万6千人余りの住民のほとんどは行政の勧告を無視した、ということになる。
避難勧告には強制力はないとは言え、ほとんどの人が勧告に従わない（受け入れない）というのが事実だったとすれば、そもそも「避難勧告」なるものに意味があったのかという疑問も湧いてくる。
震災の半年後に2011年の夏に名古屋を襲った台風15号の時も、名古屋市は一時、人口の半数近くにあたる100万人超の住民に避難指示や避難勧告を出したが実際に避難した人は約3400人（対象者の0.34%）でしかなかったことが報告され、その時にも、避難勧告を出してもそれが上手く機能していなかった事実が問題にもなったが、あれから3年近くたっても、同じような状況が続いており、いわば「避難勧告のマンネリ化、形骸化」が常態化しているようにも思える。
考えてみれば、タカさんの住んでいる地区でも、自治会のボランティアの防災委員の方々と市が協力して、地震などの際の避難場所の用意、あるいはその際の避難所での食糧などの手配といった計画を作成し住民にも周知されてはいるが、例えば、今回の台風のような場合に、もし、「避難勧告」がだされたら自分は、はたして近所の避難所（近くの小学校が指定されているが）まで行っただろうかと自問してみたのだが―――。
河川の増水による浸水などの被害が予想された場合、例えば高層マンションに住んでいる住人ならば当然近所の２階か３階建ての小学校に避難するより、自宅に留まる方が安全だと考えるかもしれないし―――避難勧告が出てからの移動のリスクの方が、自宅に留まるリスクより大きいと考える人もたくさんいるかもしれない。
いやなにも、行政は「避難勧告」を出すなといっているのではない。あくまでも、避難勧告を出すなら出すで、それがちゃんと有効に機能するような方策を考えるべきではないかと思うのだ。
それに加え、我々一人一人が自己責任において「もし避難勧告が出たら自分の安全の為にどうすべきか」をもう一度ちゃんと考えておくべきであることは言うまでもないが。
（10/06/14 10:00pm）
2014年10月6日
ちょっと気になる
エジプトの人達は自分の国のことをエジプト(Egypt)とは言わない。エジプト人にとって自国はミスール（Mysr）である。日本人が日本のことをジャパン（Japan）といわず「日本」というのと同じだ。
「エジプト」も「ジャパン」も皆、英語表記の国名であり国連などの国際機関、あるいは外交交渉などにおいてはこの英語表記が使われている。
しかし、例えば国際競技大会が日本で開催される場合には、選手紹介などのアナウンスでジャパンを使わず「xx選手、ニッポン」という紹介する例はよくある。日本人の名前は、「田中一郎」のように姓、名前の順番が正式なのに、卑屈に国際標準だからといって、「イチロー、タナカ〜 ジャパン」などと言う必要はない！といういささか国粋的な考え方からくるものなのかどうかは知らないが---。
日本政府は、旧ソ連諸国の一つであった「グルジア」の国名表記を、同国からの要請に応じて「ジョージア」に変更する方針を固めたという。
グルジアという国名は英語表記国名でありグルジア人自身は自国をグルジア語で「サカルトベロ」と呼んでいるというから国名の呼び方を変えて欲しいと要請するからには、「ジョージア」ではなく「サカルトベロ」にして呉れ！ というなら分かるがなぜわざわざ英語読みにしてくれというのかと、ちょっと不思議に思って調べてみたらなるほどと納得がいった。
「グルジア」という国名の呼び方は、グルジアの自国語でも英語表記でもなく旧ソ連、現ロシア政府の呼び方だというのだ。
かつてはソ連邦の一員だった、といえば聞こえはよいが、要するにソ連の支配下にあったグルジアとしてはいつまでもかつての「宗主国」によって付けられた国名で呼ばれるのは腹立たしいということもあるし、なにしろ2008年には軍事衝突をしてかなりボコボコにされた屈辱の思い出もあるから、この際、完全にロシアとのしがらみを断ちたいと思ったようだし、ロシアのウクライナに対する強圧的姿勢をみていると、「明日は我が身」の思いがあったのかもしれない。
実際、すでに国連加盟193ヶ国中170ヶ国は同国のことを英語表記に基づいて「ジョージア」の呼称で呼んでおり、ロシア語の表記が起源の「グルジア」と呼んでいるのは、ロシアなど旧ソ連圏と中国、日本だけだというから、日本政府の呼称変更了承もまあ、悪くはないかなぁ〜とは思うが―――。（そういえば、アメリカで ‘He comes from Georgia.’といえば「彼はジョージア州から来た」という場合と「彼はグルジアから来た」という二つの意味があったことを思い出した）
但し、ウクライナ問題での対ロ経済制裁に踏み切った日本に対して不快感を漂わせ、訪日を中止するといわれるプーチンさんにとっては、ささいなこととは言え、あまり愉快な話ではないかもしれない。
あちらを立てればこちらが立たず、外交関係とは、実にややこしく面倒臭いものだということをつくづく思う。
そういうややこしい関係に日本人は余り向いている民族とは思えないだけに、こんな些細なことでもちょっと気になる。
（10/05/14 10:00pm）
2014年10月3日
プロスペクト理論
人類が、文明のごく初期から占いをやっていたことは遺跡に残された動物の骨や石片などの傷で明らかだが、この占いが賭け事の起源だといわれている。
不確実な未来を占う行為こそが「賭け」の元祖であり賭けは人類に文明初期から備わった本能に近い物だというのだ。
金品を賭けるいわゆるギャンブルだけが「賭け」ではない。世の中の不確実なことがら（ある女性と結婚するかしないか、あるいは、あなたの寿命がいつ終わるのかを含めて、世の中の事のありとあらゆることが不確実といってもよいのだが）を予測し、リスクを取ってでもあえて挑戦するか、リスクを回避しようとして挑戦を回避するかの判断を繰り返しているあなた自身の日常すべてが「賭け」だともいえよう。
経済理論のすべてでさえ。根本は、鵺のようにつかみどころのない経済の動きを、あたかもリスク分析が可能であるかのように考えることから成り立っている。
「ブラック・ショールズ方程式」という株・債権投資必勝法を考案したとして1997年にノーベル経済学賞をとったマイロン・ショールズは、その理論を基にした資金運用を行うLTCMという投資会社の倒産で世界金融危機を引き起こしたことで有名だが、それに懲りず2008年にももう一度、自ら投資ファンドを立ち上げ一年で40%もの損失を出して二度目のファンド倒産を起こしている。（金融工学理論をいくらぶち上げたところで、「株で絶対儲かる方法」などないということなのだ。
タカさんの趣味である競馬をはじめとする賭け事にも金言がある。「賭け事で損をしない方法は、賭け事をしないことである」というのだ。パチンコにせよ、カジノにせよ、あるいは競馬、競輪にせよ必ず胴元がなにがしかの寺銭を取る。すなわち、子方（賭博客側）、一時的にギャンブルに勝つことはあったとしても、大局的に見れば、かならず胴側が勝つようになっているのだから、「賭け事で勝ち続けることはないし、損をしない方法は賭け事をしないこと」というのは、「一たす一は二」同様に、余りにも当たり前のことなのだが－－－しかし、「賭け事は人間の本能」である以上、知性が本能に負けてしまうことはしばしばであるのも致し方ない。
そうそう、2002年にノーベル経済学賞をとったダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」というのも人の「賭ける」心理に関する理論だが、これが面白い。
第一問：あなたがもし「無条件で100万円あげるが、もしさらにコイントスに挑戦して、そこで表が出たら200万円上げる（但し裏が出たらなにもあげない）」といわれたらどうするだろうか。
第二問：あなたには200万円の借金があるが「無条件で借金を100万円減額してあげるが、もしさらにコイントスに挑戦して、そこで表が出たら200万の借金をチャラにしてあげる（但し裏が出たら借金の200万円は変わらない）」といわれたらどうするだろうか。
この二つの質問に対する実験結果は、第一問では圧倒的多数が、コイントスを避ける（確実に100万円の利益を確保する）方を選ぶが、第二問では第一問で手堅い方を選んだ人でさえもギャンブルに打ってでるというのだ。
カーネマンはこのことから、人は、目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向があり、これが「賭ける」という行為の根本なのだ、というのだが――。
(10/02/14 10:00pm)
2014年10月2日
途方に暮れる
「拉致」などというが要するに「人さらい」である。北朝鮮の工作員が日本の国土で何の罪もない日本の市井の人々を強制的にさらって行ったという人さらい事件が何件も起こったのだ。
朝日新聞が流し続けた旧日本軍が白昼堂々朝鮮人女性を人さらいしたといういわゆる従軍慰安婦は、朝日自身が漸くその誤報を認め、全くの虚偽であったことがあきらかになったが、北朝鮮による横田めぐみさんをはじめとする日本人の拉致は、2002年の小泉訪朝の際に金正日自身が北朝鮮という国家によって行われたことを認めている、まぎれもない事実なのだ。そう、すなわち横田めぐみさんをはじめとする12人は、北朝鮮を犯人とする人さらいという犯罪の被害者なのだ。
個人の犯罪であろうが、国家による犯罪であろうが、さらった犯人が明確に分かっているのだから、犯人は、被害者に詫び、一刻も早く彼等の帰還をとりはからうべきなのだ。被害者の帰国に、犯人側があれこれと条件を付けるなどということは、まともな人間社会ではあってはならないことなのに―――。
しかし、小泉訪朝以来、既に12年、北朝鮮は言を左右して拉致被害者を帰さないばかりか、「返してほしければ、あれしろこれしろ」と要求を突き付けてきている。
これは、まさに今のイスラム国が人質を取って、「人質を帰してほしければ、あれをしろ、これをしろ、金をこれこれ払え！」といっているのと全く同じではないか。
日本政府としては、北朝鮮による、余りにも理不尽なこういった要求について、（腹はたつけれども）なにせ人質を取られているという弱みから、何度か受け入れてきた。しかし、今まで北朝鮮がやってきたことといえば、要求のハードルを次々に上げた挙句、結局、人質は返さないという「騙し」の手を打ってくるばかりだ。
今回も、「再調査するから」などとの甘言に一縷の望みをかけた日本政府が、独自制裁の一部を解除したものの、当初、北朝鮮が設定した「夏の終わりから、秋口にかけての報告」を完全に反故にしている。要するに、日本政府はまたまた北朝鮮にだまされたのだ―――。しかしこれだけ幾度もだまされながら、人質を取られている弱みから日本は、「もうこれ以上はお前等とは話をしない！」とちゃぶ台返しする訳にもいかない―。なんとももどかしく、腹立たしい話ではないか。
日本国憲法の前文は、「我々は平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して---」と高らかに宣言し、この70年余り日本はその精神を、貫いてきたと自負しているが、いまこうやって見て見ると、北朝鮮をはじめ、理屈も何もあったものではなく、悪意を向きだしにして日本に難癖をつけてくる中韓、人質の首を刎ねる映像をネットで流すイスラム狂信者達等々、「公正と信義」とは程遠い国々が余りに多いことに、愕然とせざるを得ない。国内でも自分たちの主張の為なら、虚報を捏造し、日本をおとしめようとする「公正と信義に欠けた」報道機関まである－－－というのだから―――日本の行く末と、拉致者の方々のことを思う時―――途方に暮れるしかない。
（10／01／14 10:00pm）
2014年10月1日
決死の捜索
ラジオを聞きながらジョギングをしていたのだが、朝6時のニュースで昨日一旦打ち切られた御嶽山頂上付近での遭難者捜索のために自衛隊および消防隊、県警機動隊などが頂上に向かっていると報じていた。
火山性微動が続き、有毒の硫化水素ガスも発生しているという御嶽山の頂上付近での救助活動、捜索活動は噴火当日の早い時期から行われているが、又、いつ噴火が起きるかわからないという危機的な状況での捜索に向かう彼等の実に勇気ある行動に頼もしさ感じ、同時に感動を覚えた。
その内、頂上までは4時間程度かかるということだったが、8時前には火山性の微動が強くなり火山性のガス濃度も高くなったということで、山頂に向かった捜索隊には中止命令が出たということで、28日、29日に続いて捜索が一時中断されているという続報が入った。
行方の分からなくなった人たちの安否を気遣う家族の方々は、捜索の中断にはやりきれない思いを抱かれることだろうが、今800人にも及ぶといわれる捜索隊の方々の命と安全を考えれば、致し方ないことというしかないだろう。
捜索中断を命ぜられた自衛隊、消防、県警などの隊員が一様に、頂上の方を見上げながら「ご家族のことを思うと実に残念だ」と語っていたが、一人でも多く、一刻も早く、捜索してあげたいという隊員の使命感の強さに本当に頭の下がる思いがした。
28日に頂上付近を捜索した自衛隊員の話によると、頂上付近で「誰かいらっしゃいますか――」と声をかけたが返事はなく、ゴーゴーという火山の音だけしか聞こえなかったうえ、時折小さな噴石が降りそそぎ、付近は50cmほどの火山灰が降りつもっていたという。
火山ガス、特に硫化水素は、空気中に1/1000の濃度で漂っただけで死に至る有毒ガスだという。頂上付近には卵の腐ったような硫化水素の臭いがあったというから、やはり、そういった現場に長く留まることは危険と紙一重の行動だったといえるだろう。
そんな、現場に果敢に向かおうとした、彼等のこういった献身的な働きに対して我々もなにか協力できることはないだろうかと真剣に思った。
朝日新聞が、「90%の職員が所長命令に反して現場から逃げ出した」と誤報した、福島の原発事故の際にも、実際は、東電社員たちは全員が所長指示に従って現場に留まり作業を続けていたことが吉田調書であきらかになっている。
沈みゆく船に乗客を残して船長や乗組員のほとんどが逃げ出した国もあったが、日本人の献身の勇気、使命感の強さは、本当に誇らしく思える。
今回の御嶽山における自衛隊、消防、県警の献身的な捜索の状況を、他の新聞（例えば読売や産経）は詳しく報じているが、朝日新聞は（少なくとも30日の夕刊までには）言及していない。日本を貶める記事は、事実を曲げても書くのに、こういった自衛隊などの活躍には触れようとしないのはやはり彼等には何か意図があるのではないかと思ってしまう。いやそんなことはない、只、自衛隊などが危険な現場に向かうことは職務の一環であるのだから殊更、記事にすることもないという理由によるのだというのかもしれないが---慰安婦問題や、吉田調書をあれだけ虚報した反日新聞のことだから―――等と考えてしまうのは、うがちすぎだろうか。
（09/30/14 10:00pm）
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