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2016年1月
＜＜1月タイトル＞
01/29 ロボット寿司 01/28 忘れたい画像 01/27 衆参ダブル選挙はあるか？ 01/26 規制緩和は悪か？ 01/25 第9番惑星
01/22 談合は文化か 01/21 作り過ぎ 01/20 リーダー不在 01/19 イランが勝った 01/18 台湾応援 01/15 頭がスース―
01/14 半値八掛け二割引 01/13 ちょっと想像もつかない 01/12 本当のワルは？ 01/08 消えゆく正月行事 01/07 半ドア
01/06 なぜ採用した！ 01/05 愛犬が困る 01/04 六曜は差別か 01/01 新年のご挨拶
2016年1月29日
ロボット寿司
義理の母の実家が寿司屋だから、タカさんは寿司屋の孫ということになる。結婚したての頃、おばあちゃんに「寿司屋の孫になったんだから、回転寿司なんていうのには行かないでおくれよ」といわれ随分と長い間その言葉を守っていたのだが---。
時代がどんどんと変わり、10年位前（いやもっと前かも）からは、築地に行っても銀座に行っても「回る寿司」ばかりになってしまい（そうでなければ妙に高い店ばかり---本来、寿司というものは庶民的で手軽な食べ物だったはずなのに！）外では自腹では中々寿司が食べられないという状況になってしまったこともあって、「回る寿司」ではあるものの中にいる職人さんに注文出来、注文を聞いた職人が目の前で握ってくれる（回らない寿司屋と余りかわらない）グルメ回転寿司とか高級回転寿司、と言われる店に行きはじめたのが、タカさんの遅い回転寿司デビューだった。
先日、4年生になる孫と回転ずしの話になったのだが、彼は一家で時々行く回転寿司で一番好きなネタはサーモン（さけ）だそうだが、次に好きなのは「カリカリポテト！」だというではないか。（ちなみに小1の孫娘は、「サーモン」と「納豆巻き」だそうだ―――サケが寿司ネタになったのはせいぜい20-30年ほど前のことで今でも昔の老舗の寿司屋には「サーモンの握り」なんてない）
子供が好きな寿司ネタといえばマグロだとかイクラ、タマゴ焼き、なんていうところではないかと思っていたタカさんにとってはびっくりだったが今は亡きおばあちゃんにしてみれば玄孫（やしゃご）達が好きな寿司屋ネタが「サケ」やら「「カリカリポテト」だというのだから―――天国できょとんとしていることだろう。
そんなこともあって最近の回転寿司事情を知ろうと、過日、妻と近所のショッピングセンターにある孫達がよく行くという某回転寿司店に行ってみた。この店は全品一皿100円（平日ランチ時は90円）という信じられない価格で、入店する時、妻と二人で「大丈夫かなぁ？」と顔を見合わせるほどだったが、案内待ちの家族連れが皆楽しそうに列をなしていた。席に着くとグルメ寿司ならばカウンターの向こう側に立っているはずの職人もいないで、目の前にはタッチパネルがあるだけ。注文は、このタッチパネルを操作して何皿か選び「注文確定ボタン」を押して数分（数十秒だったかも）、「間もなく注文の品が届きます！」という機械の案内音が流れるや、目の前のレーンに矢のようなスピードで品物が届く―――というシステムだ。
こういうシステムになれない我々二人は、最初から最後まで戸惑うというか、まごつくばかりで何だか寿司を食べた気もせず、疲れ切って店を出てきた次第。（おかげで、カリカリポテトは注文し忘れてしまった）
聞くところによると、今や最先端の「回転寿司」は回転すらせず、目の前には3段の直線レーンが走っており、タッチパネルで注文した寿司が数秒間で直線的に飛んでくるらしい―――当然、厨房（見えないけれど）の中で寿司を握っているのは寿司ロボットだろうから、見方によっては衛生的といえるし、安い上に、なによりも子供がよろこびそうなエンターテイメント性もあるというよいことずくめなのだろうが---。
やっぱり、カウンターに座って板さんと会話を楽しみながら、日本酒を傾け「まず、つまみで、何か白身を！」なんてゆっくりやっていた時代がなんだか妙になつかしい。
寿司までもが産業ロボット化の世の中だが、タカさん、この先ついていけるだろうか？
（01/27/16
10:00pm）
2016年1月28日
忘れたい画像
ユーチューブの世界の視聴者数は一日当たり10億人、その総視聴時間は数十億時間にもなるのだとか。こういった視聴者数からみても動画投稿サイトの影響力の前では既存のテレビ報道などは今やマイナーなメディアとさえいえるのかもしれない。（気になるニュースだけを投稿サイトで見ることができてしまうのだからその内テレビの定時ニュースなんて視聴者がいなくなりはしないだろうか）
テレビ報道の場合、ニュースの送り手側の数が限られるが、動画サイトの場合、「誰でも送り手側になれる」という点が大きい。飼っている子猫が棚から落ちた、なんていうどうでもいい動画をアップする人がいて、これが何故か「カワイイー」と評判になった結果、「再生回数何万回！」なんていうことになるのだから、高い金を払って映像を作っているプロのクリエーターたちは真っ青なのではないだろうか。
そうそう、政務活動費を騙し取ったとして詐欺罪に問われた野々村竜太郎元兵庫県議の「号泣会見」の画像なんかは投稿サイトにアップされて世界中で（その余りの面白さから）再生視聴されて会見当日でさえ世界中で1000万回再生されたというから、今も残るあの動画の延べ再生回数は何億回、いや何十億回にもなるのではないだろうか。動画投稿サイトなんてなかった10年前なら（ユーチューブの設立は05年）野々村さんのあのみっともない号泣会見の記憶も皆が今頃は忘れてくれていただろうに。
もっとも、野々村さんという人、よっぽど恥の上塗りがしたいお方のようで、昨年11月の初公判をドタキャンし、強制出廷させられた昨日の公判では、今度は丸刈りにするは、90回も「記憶にございません」を連呼、政務活動費詐欺という起訴事実を全否定して見せたという。「県警が作った調書は作文だ！」ということは覚えていても、自分の行動は何一つ思いだせない、なんて信じろといわれても無理な話だ。
昨日の公判のニュースを聞いて、昨年の、号泣会見直後には、「こんな県議を選んでしまった兵庫県民にだって責任はある！」といった世論に責められ、随分と肩身の狭い思いを、したであろう兵庫県民や県議会議員さんたちだったろうが、折角「さっさと裁判を済ませて早く忘れたい！」と思っていたのに、あの丸刈りと90回の「記憶にありません」のお陰で、またぞろ動画サイトではあの号泣会見の再生回数が急上昇だそうで、「怒り心頭」ではないだろうか。（野々村さんも、兵庫県民の「もう忘れて欲しい！」という思いを思い切り裏切った以上、これからの人生大変だろうに）
もっとも、野々村元県議、あるいは兵庫県議会、兵庫県民だけが恥ずかしいわけではない。政務活動費なる名目の下でこの手の公金を乱費しているのはなにも兵庫だけの問題ではない。多くの地方議会、国会議員がその手の乱費をやっていることは途切れないほどに報道されている。（政務活動費でおかまバーに行っていたとか、切手や商品券を買って転売し自分の生活費にしていた―――なんていう話ばかり）
いやいや、議員たちばかりが非難されるのも気の毒だ。そんな議員たちが選ばれてしまうようないい加減なシステムが「日本の民主主義の実体」であり、そんなコッパヅカシイ議員に一票を投じて議員にしてしまったのは我々選挙民なのだ。
野々村被告の号泣会見に恥じ入るべきなのは、我々自身ということのようだ。
（01/27/16 10:00pm）
2016年1月27日
衆参ダブル選挙はあるか？
国会が1月4日という前例のない早期に召集されたことで「衆参同日選挙があり得る」という見方が一気に強まったといわれている。
今国会終了後に行われる参議院選挙と同時に衆議院選挙を行うためには1月4日に国会を召集すれば（会期延長がなければ）その会期は6月1日迄となり、閉会と同時に衆議院解散を行えば衆参同時選挙日程的に可能になる、というから、こんな綱渡りのような招集日を選んだことで、政界事情通間での「今夏衆参ダブル選挙」説が益々現実味を帯びたようだ。
「既に自公両党で衆議院の2/3を上回る議席を占めているのに前回解散からわずか1年半で総選挙をする意味がない」（もし2/3を切ったらどうするのだ！）といったダブル選否定論者もいるが、自公幹部の何人かが（谷垣総裁も含めて）「同日選もあり得る！」といったアドバルーンともいえる発言をしていることも議員バッジをつけつづけられるかどうかに常にナーバスな議員諸氏にとっては気がかりなことだろう。
首相自身は「同日選挙は全く考えていない」と否定しているけれど、永田町の常識として古くから「首相は解散の時期についてウソをいってもよい」という不文律（？）があるらしいから、やっぱりいまのところ今夏の同日選の可能性は50/50と考えておくのが妥当のようだ。
甘利経産大臣のスキャンダル問題だとか、株式市場の低迷（やっぱりアベノミクス失敗だった！ という意見につながる）、あるいは沖縄基地問題の今後、といった与党にとっては気がかりな要素もあるけれども、沖縄の宜野湾市市長選中の全国世論調査でも安倍政権の支持率は横ばいなのに比べて野党各党の支持率は前回比較でもさらに落ちていることを考えれば、政権側としては野党に対して「あんまり、ごちゃごちゃ言っていると解散するぞ！ この夏、解散して困るのはあなたじゃないか！」と揺さぶるように、衆参同時選をちらつかせる――のも一つの手かもしれない。
いや、同日選大勝を狙うには、今国会会期末近くに「景気の先行きが思ったほどではないので、来年に予定されている消費税10％への値上げを延期する。ついては、その信を国民に問うために解散する！」といえば、解散の大義名分も立つし、与党有利の選挙戦を展開できる！という手もある。（三党合意で「消費税上げ」を認めた民主党は、増税延期に反対せざるを得ないから、惨敗する可能性だってある）
まあ、何しろ会期末までまだ後4カ月以上あることだし、一寸先は闇といわれる政治の世界だけに今の時期、あれこれいうのも時期尚早すぎるけれど―――。
ただはっきりしているのは、今夏衆議院解散などということになるともっとも首が危い「維新の党」の連中がやきもきしているであろうということだ。
泥船の民主党からさっさと逃げ出し、橋下代表に泣きついて維新の党にもぐり込み、橋下代表が引退すると聞いて今度は、党の乗っ取りを計ったものの、あまりの人望のなさに「おおさか維新」を名乗る連中に、反旗をひるがえされて孤立、今度は古巣の民主党に臆面もなくすり寄って、新党結成をもちかけるも、かつての裏切りもあって仲間にはいれそうもなくて右往左往―――といった、松野頼久代表なんかは、今夏解散があったら次の選挙は100%落選だ、と言われているのだから、「同時選」なんて聞くたびにビクビクする日々を送っておられることだろう。
（01/26/16 10:00pm）
2016年1月26日
規制緩和は悪か？
多くの若い命が奪われた軽井沢のバス転落事故、夢ある人達の未来が突然断ち切られてしまった悲惨さを思えばことばもないが、事故後に指摘された事故の直接原因の多くは、バス運行会社、そしてこのスキーツアーを企画運営した旅行会社の考えられないような杜撰な運行管理にあったと知れば、憤りさえ覚える。
そういった憤りを持つのはタカさんばかりではないようで、マスコミの論調も事故の遠因として2000年に行われたバス運行規制緩和が誤りだったという声が多い。
実際、貸し切りバス業界に関して言えば、2000年の規制緩和でそれまでの認可制が届け出制に緩和されたことで、業者数は、改正前の約2300社から10年間で約4400社に倍増している。その結果、各社間の価格競争の激化で人件費や車両コストの過度の削減が進み、中には悪質な業者での、従業員の過労や安全点検の軽視といった問題が起きているという。そんな積み重ねが今回の死亡事故につながったのではないかという指摘が指し示す結論が「規制緩和が悪い！」ということになっているという訳だ。
15年程前、列島がこぞって熱病のように「規制緩和！」を叫び「あらゆる規制が悪である」といっていた時代、いやいやその後の民主党政権でさえ「官から民へ！」と官による規制叩きをしていた時代のことを思うと、ここにきての「規制緩和は間違いだった！」「規制緩和は悪！」の声にはなんだか違和感を持たざるを得ない。
たとえば、2000年以前の官による観光バス会社認可制が今も続いていたとしたら、相変わらず観光バス会社数は2000社から大して増えてはいないだろうから、果たして年間2000万人になった外国人観光客をどうやってさばけるだろうか。あるいは、様々な運賃やサービスのチョイスのある高速路線バスの運賃は今のように安くなっているだろうか、あるいは様々な路線ができて得られるようになった利便性が保てるだろうか？（現在のような安い運賃での東京――大阪間のバス運賃などという物は間違いなくなくなる）
本来的な「規制緩和」の目的は参入規制の緩和（利権化してしまった既得権益者たちの寡占の打破）であったはずだし今もそうあるべきだ。一部の悪質業者によるあたかも「安全規制の緩和」がなされたかのような振舞を許すものではなかったはずだし、そういう悪例のみをあげて「規制緩和はあやまちだった！」というのは見当違いも甚だしい。規制緩和による健全な競争の激化によって利用者の利便性が増したことで日本全体が受けた恩恵は大きかったはずだが、その部分を一切忘れて「規制緩和は悪」「官による認可制に戻せ！」という議論は行き過ぎだ。
再度言うが、規制緩和は「参入障壁規制の緩和」であって「安全規制の緩和」であってはならないはず。確かに、4400社もある貸し切りバス業者の安全監査を行うための国交省の役人が足りないといった問題はあるかもしれないが、それこそこういった安全監査を民間委託するなどの「官から民へ」の移行をはかることでどうにでも解決できる問題ではないかと思う。
どうも、日本人は昔の農村共同体的な「なあなあ」が好きで、「規制緩和による競争の激化」を好まない傾向があるように思えてならない。弱肉強食の剥き出しの競争ではなく、健全な競争による社会の健全化を図る知恵を出せないものなのだろうか。
（01/25/16 10:00pm）
2016年1月25日
第9番惑星
小学生時代に読んだ子供向けSFに「第十番惑星」という作品があった。
太陽をはさんで地球の反対側を地球と同じ軌道を回る第十番目の惑星がある―――という設定でその惑星には月が2個だったか4個あり、ゴリラ人間が支配しているのだがかつて各種族が戦争に明け暮れた不幸な過去をもちその為に人々は、二度と戦争をしない平和な惑星を作ろうとしていて―――と言った物語だったと記憶するが、子供心にも確かに地球の太陽をはさんだ反対側であれば、地球からは絶対に観測できないだろうし、地球とまったく同じ軌道を回るというのならそんな惑星も理屈から言っても十分あり得る話ではないか―――なんて思い大好きなSFだった。（その他にも、「地底王国」というSFも面白かった）
この「第十番惑星」は、1945年というからクライド・トンボ―が太陽系9番目の惑星として冥王星を発見した15年後に書かれたものだったというから、当時の人々がいかに更なる「新しい惑星」の発見を期待していたのか、大きな戦争の終わった直後だけにいかに「平和」を求めていたのか、という時代の雰囲気が良く出ていたSFだったように思う。
しかし、第9番惑星だった冥王星は2006年に、「準惑星」へと格下げされてしまい今や太陽系の惑星は8個に減り、その他の惑星は準惑星、あるいは小惑星（既に20,000個の軌道が明らかになっている）、太陽系外縁天体などに分類されており、こうなってはもはや「新惑星」の発見などという話は現実にも、いやSFでさえあり得ないのではないか（余りに荒唐無稽過ぎる話に思えて）と考えていたのだが－－－。
ところが、先週米カリフォルニア大学の研究グループが、冥王星などの準惑星天体の軌道の微妙なブレから計算した結果、太陽から海王星の軌道までの距離の更に20倍遠く離れた軌道を約1万〜2万年かけて周回している地球の約10倍の質量をもつ惑星が存在する証拠を発見したというニュースがあったのには驚いた。もしこれが事実とすればそれこそ本物の惑星ということになるのだから！
これからは、第9番惑星の姿を捉えるようという熾烈な競争がはじまるのだろうが、なにせこの惑星があると思われる、太陽系外縁部の「カイパーベルト」は余りに遠いこともあって、当然それは容易なことではないだろう。一説によれば、見つけられるまでには少なくとも後5年はかかるともいわれているようだが、是非とも一刻でも早く「第9番惑星の姿を捉えた！」という報に接したいものだと思う。
もちろん、余りに遠いこともあって少年時代によんだ第十番惑星のように生命体がいる可能性はゼロだとおもうけれど―――。
（01/24/16 10:00pm）
2016年1月22日
談合は文化か
東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事を前田道路や大成ロテックなどの業界大手数社が「幹事社」となって談合していたという容疑で一斉捜査を受けている。
もうかれこれ20年程以上前に、土建業界や建築業界などが公共工事をお互いに受注配分し、不当に利益を得ている―――という批判キャンペーンが高まったのは、そういった世論と、外国（特にアメリカなど）のゼネコンが、日本の公共事業への参入障壁の一つにこの「談合」を挙げたからだ。その時以来、「談合は絶対悪だ」という世論のコンセンサスは確定的なものになったと思っていたのだが---あれから幾度も談合の事実が明るみに出てその度ごとに世論の批判が繰り返されてきたのに――未だに「談合という悪」が堂々と続いていたとは―--と呆れかえるばかりだ。
ただこれだけ繰り返し「談合悪論」が毎回叫ばれ、談合がバレた企業は多大な罰金を科せられ、しかも企業として（いや業界として）信用を失ってきたにも拘わらず再び談合が行われていたとなると―――（別に土建大手の肩をもつわけではないが）そこには談合を止められないよっぽどの事情があるのではないか――とも思うのだ。
かつて、談合撲滅キャンペーンがマスコミでも姦しかった時期、「大物の談合の仕切り屋」といわれていた大手ゼネコンの重鎮が、「談合は日本の文化だ」とインタビューに語ったと、大バッシングを受けたことがあった。
詳細は覚えていないが、彼の主張は、談合を排すると当然、自由競争による入札競争が激化するが、そうなると工事量を確保したいがために安値受注が横行し、その為に建設業者（あるいは土建業者）の体力が大きく低下し、受注優先で下請けに丸投げしてしまうような悪質な建設会社ばかりが生き残ってしまい、結果的に日本の公共工事の質の低下を招いてしまうから、業界がお互いに話し合い調整（談合）によって「低コストより質」を大切にする公共財（道路だとか建築といった）を提供する方が長い目でみれば日本の財産になる―――といった趣旨だったと思う。
屁理屈にも聞こえたが、今となってみれば「丸投げ」の杭打ち工事で傾いたマンションが建ってみたり、橋げたが腐った橋が出たりといったあの談合のドンが警告した事態も起こっている。低コストは望ましいが、それで安全や質がないがしろにされるとなると―――談合と言う名の受注調整も、ある意味必要悪ではないかという気もする。
2000年には日本の就業人口の9.9%が土建業で働いていたが、それ以降、公共事業費が削られ、又、業界内の競争が激化したこともあって今やその占める割合は8%を切っている。
工事現場で交通整理をしているオジサンたちに代表されるように、土建業界は長い間、日本の失業対策の一翼を担ってもきた。これ以上の価格競争を強いる（談合を絶対に許さない！といった）ことが、果たして日本社会にとってのぞましいのだろうか？ と思わないではない。（1億層活躍社会を標榜するなら、建築業のように大きな雇用の受け皿になっている業界はもっと大切にすべきかもしれない）
道路も公共施設もこれから先、20年30年、いや50年、100年先のことを考えれば、やはり、建設コストの安さだけが決め手ではないはずで、それこそ長い年月使えるだけの質と、その質に対する信頼が必要なはずだ。
談合をせよ！と言っている訳ではないけれど―――。
（01/21/16
10:00pm）
2016年1月21日
作り過ぎ
中国当局が「2015年の実質国内総生産（GDP）が前年比6.9％増と、25年ぶりの低い伸びとなった」と発表した。
年6.9%も成長しているなら何の文句があるのかと、15年度でも0.6%増（15年10月の推計）でしかなくそれでも前年14年の－0.1％に比べれば「良くなっている！」と喜んでいる日本から見ればウソみたいな話だが――。
もっとも2015年が終わったばかりなのにその19日後には〆の数字がスパッと出てくるという余りの早さに、以前からいわれているように中国発表の統計数字がどうも操作されているのではないかという疑いは益々深まるばかりだが－－－。(日米ともに2015年の10－12月数値の第一次速報は2月15日だというのに―――)
まあ、なにはともあれ判でついたようそのウソか本当かわからない「7%以上」をスローガンにしてきた中国が、今までの虚飾（？）をすてて、「7%を切った！」と発表せざるを得ないところまで追い込まれている、と点にこそ注目すべきなのだろう。
25年振り（あの天安門事件で世界から経済制裁を受けていた時代以来）という低成長に陥っている理由として日本の各紙は過剰な生産設備や不動産在庫の解消が進まず、投資や生産活動が鈍っていることが主因だと解説している。
街中に立ち並ぶ高層マンション群に、人っ子一人おらず、車も一台も通っていないという鬼城（ゴーストタウン）の異様さを伝える映像がネットで出回っているけれど、たしかにいままでは、後先見ずに、マンションや工場を山と作ったことで経済成長率は上がったかもしれないが、結局はどれも負の資産となるばかりでは、中国経済がこの先も、6%だ7%だといった成長率を続けていけるとはとても思えない。
不動産在庫はそれでもまだ抱えて腐らせれば済むかもしれないが、工場の生産設備の過剰と製品在庫の山は一体どうするつもりだろう。
いい例が鉄鋼生産だ。中国の年間鉄鋼生産高は、世界鉄鋼連盟の統計によれば、8億2千万トンである。この数字は世界の年間鉄鋼生産高16億7千万トンの約半分というとんでもない数字だ。
8億トン作ってもそれが世界に占める割合の半分であっても、それだけの需要があるならば何の問題もないが、昨年度の世界の鉄鋼需要は多めにみても14億トン、中国の輸出も含めた需要量総計は世界鉄鋼連盟の統計でも6億トン、日本の経済紙の推計では4億トンでしかない。すなわち、中国では昨年一年間で需要のあてもない鉄鋼を2億トンから4億トンも過剰生産してしまっているということになる。この数字は日本の年間鉄鋼生産量が1億1千万トンの2倍とも4倍というとんでもない数字だ。
鉄はすぐには腐らないからいいようなものの、中国の工場だって製品を売らなければ従業員の給料も払えないという状況に陥る。そうならない為には、国際的に大ダンピングして輸出するなり、AIIBのプロジェクト名で一帯一路構想のアジア、アフリカ諸国に押しつけるしかなかろう――――。
日本の鉄鋼製品は高級品質の物が多く、中国製品と競合する部分は多くはないが、いずれにせよこんな安売り屋が回りにいたのでは、その影響を受けない訳にもいかないだろう――――。
いやはや、厄介な隣国を持ったものだ。
（01/20/16 10:00pm）
2016年1月20日
リーダー不在
一つの組織を（例えばそれが家族であろうが国家であろうが）平和裏に運営して行こうと思えばリーダーシップは必要だ。
組織の参加者がそれぞれに均等な権利と義務を持っているという原則は変わりないにしても、それぞれの権利義務が輻輳し、時には相反することもある（いや、むしろ相反することの方が多い）そういう時には民主主義的な手法によってお互いが話し合い利害調整をすることがもっとも望ましい方法ではあるが、それでもなおその話し合いの結果に不満を持つ者は現れる。
もし、組織の構成員の51％が賛成し、49％が反対する場合には「民主的」な方法といえば、多数決だが、それでもなお組織内に49%の不満分子を抱え込むことになる―――という問題は残る。
人類の長い歴史の中のほとんどの時代、そういった利害調整は「強権」によって行われてきた。強権はマイルドな言い方をすれば「リーダーシップ」かもしれない。
強権による組織の維持というと、あきらかに現代の民主主義的な手法に相反するようにも思えるけれど、数千年の間、この手法が案外人間社会にとってはマシなやり方であったということもできる。
例えば13億人がいる中国を曲がりなりにも統一させておく手法としては、共産党一党独裁による強権政治であるという事実は、（残念ながら）事実だ。もし、いまの中国に民主主義的な政治制度を持ちこんで、13億人がそれぞれに自己の権利主張をおこなったとしたら―――中国一国のみならず世界中は大混乱に陥るだろう。（実際、中国の歴史では、時の王朝が滅びる時、かならず国が乱れて人々は不幸に陥った）
「アラブの春」という民主化の「嵐」によって強権であるムバラクやフセイン、ベンアリといった独裁者を打倒したあの一連の騒動が、今の中近東、アフリカ、いや世界の秩序にもたらした混乱だって、あるいはソ連による「共産主義の脅威」という強権が崩壊した後の今の世界情勢や、米ソという二つの強豪(強権)が争うことによってどうにか維持されていた世界秩序が、G8、G12、G20と多くの参加国の勝手な権利主張のオンパレードによってどうにもまとまりがつかない無秩序ともいえる世界情勢を作り、結局は現在のようにG0（G-ゼロ）といわれるリーダー無き混沌世界に至ってしまったことを思う時、つくづく人間社会とは強権を望む集団なのではないかと思う。
かつて「世界の警察官」といわれた唯一の強国、アメリカがなんだかんだ言われながらも世界秩序をどうにか保っていたちょっと前の時代と、今のG-ゼロといわれる各国が勝手気ままに自己の権利ばかりを主張する時代と、どちらがよいかと問われると―――正直、即答はできないように思う。
(01/19/16 10:00pm)
2016年1月19日
イランが勝った
アメリカ主導で国連など国際社会がイランに対して科してきた厳しい経済制裁が遂に解除された。
ホメイニ革命以来、なにかと名前を変えて40年近くの間、アメリカがイランに対して行ってきた対イラン政策、すなわち「封じ込め政策」を含む敵対政策が「遂に終わった」というよりは、その実体は「遂に破たんした」と言った方が正しい。
確かに、この封じ込め策、特に2002年からのイランの核開発疑惑に端を発する金融制裁、イランへの核関連技術・物資移転禁止や核計画に関与する個人・団体の資産凍結、武器禁輸の強化といった制裁策が、イランの経済や市民生活に一定程度の影響を与えたことは事実だが、その効果は、イラン封じ込め策に当初からアメリカが期待したほどのものではなかったし、近年のイスラム国の台頭などで露わになったアメリカの中東における「世界の警官振りのダメさ加減」をあらためて世界に対してあからさまにすることになってしまう結果に終わった。（例えば対ISの主導的立場は、今やロシアにあることは誰の目にも明らかだ）
アメリカ国内からも、2007年頃から「アメリカの対イラン封じ込め政策は只の一度たりとも効果を挙げたことはない」という意見は出ていた。（「フォーリンアフェアーズ」誌などによる）
しかし、一旦走りだした暴走電車である「封じ込め策」を見切ることは、アメリカの保守勢力やワシントンに強い影響力を持つユダヤロビーの支持を失いたくない時の政権にとってはタブーともいえるものだっただけに、結局、その政策転換に踏み切るまでにムダな10年余り（ホメイニ革命からいえば40年近く）を費やしてしまったことになる。
この間、イラン封じ込め策によって利益を得てきたのはアメリカ自身よりも、イランの台頭を快く思わないスンニ派イスラム国であるサウジや湾岸諸国であり、イランと対峙するイスラエル、あるいは、中東に力をとられるアメリカの隙間をついて台頭してきたロシアや中国等であった。オバマの経済制裁解除にもっとも狼狽したのがイスラエルやサウジ、そしてロシアであったことが、このイラン制裁の本質をよく表している。
ホメイニ革命後においてさえイランとの良好な友好関係を保持していた日本も、アメリカのイラン制裁に(半ば強制的に)付き合わされ、あの百田尚樹の「海賊と呼ばれた男」の主人公、出光左三などが築いたイランとの間の関係や、アザデカン油田をはじめとする石油開発権益を放棄せざるを得なかった。
今、日経をはじめとする日本の各紙は、あたかもアメリカがイランを許し、おかげで日本も「イランとのビジネスが再開できる！」などと手放しの喜び方をしているが、そもそもむりやりイランの経済制裁に付き合わされ、多くのビジネスとイランとの歴史的友好関係を断ち切られた！被害者としての日本の立場を忘れすぎているように思う。
はっきりいえば、ここ数十年に亘るアメリカ対イランの争いは、結局は「イランが勝った」という見方こそ、その本質ではないかと思う。
(01/18/16 10:00pm)
2016年1月18日
台湾応援
台湾総統選で、民進党の蔡英文主席が、与党・国民党の朱立倫主席らに大差をつけて、当選した。これで台湾の直接選挙による民主主義的な総統選が始まって以来、政権交代は3度目ということになる。
内戦で追われ中国大陸から台湾に逃げてきた大陸出身の「外省人」中心の国民党政権がこの8年間進めてきた大陸中国との急接近政策に対して、これではこのまま台湾が共産中国に飲み込まれ香港のような不自由な社会になってしまうのではないかと危惧した台湾生まれの「本省人」を中心とした民政党と若者世代が中心となって推した野党民進党候補が圧倒的な支持を得て政権を奪還した訳だ。
まだ、女性の首相は生まれていない日本に比べて民主主義制度の実施は随分遅れたものの、台湾で早くも女性総統が誕生したということは、確かに台湾では、健全な民主主義が機能しているようにも見え、何だか羨ましいような気もする。
ただ、この8年間の国民党馬英九政権の時代に進んだ大陸宥和策によって中国に対する台湾経済の依存度はかなり高まっており、「一つの中国論」を承認せず、「一つの中国、一つの台湾」を標榜する民進党政権の復活は、台湾併合の野望を捨てていない（どころかますます強めている）大陸中国にとっては不愉快極まりない事態だけに、今後は、経済関係での様々な嫌がらせや場合によっては軍事的威圧といった脅しをかけてくる可能性は高く、台湾の人々も喜んでばかりは居られないかもしれない。
全体主義的な共産勢力に対抗する自由主義陣営の最前線国としての台湾に対するアメリカの全面的な支援も、軍事的経済的に膨張する中国に対してはかつてほどは期待できず、アメリカの弱腰外交は台湾を十分に擁護するだけの対中国の有効な対抗手段を持たなくなってしまっている。
「もはやアメリカは世界の警察官ではない」と世界に対してギブアップ宣言までしてしまったオバマ政権が、台湾に理不尽なプレッシャーや威圧をかける中国に対して台湾をかばってくれる保証はないといってもよい状況だ。
中国へ台湾を売り渡すがごとき中国融和政策をとってきた国民党馬英九政権の8年間に台湾がその自立の力を弱めてしまっているという状況も、これからの台湾の民主主義が無事でいられるかに大きな疑問を投げかけている。
いってみれば台湾の人々は「自分達は中国人ではなく、台湾人である」という民族自決の決意を今回の総統選で新たにしたものの、チベットやウィグルの人々同様に、中国という全体主義強権国家によってその独立自尊の精神を踏みにじられる瀬戸際にたってしまった―――ともいえるのではないだろうか。
以前も本欄で書いたが（参照：『「好き」といわれたら』11/06/15）、台湾の人たちの日本への好感度は世界の中でもトップクラスの高さだし、日本人の台湾に対する好感度も極めて高い。
日本を好いてくれている最大の友人ともいえる台湾が、まずは共産中国との宥和策推進から一歩引くという自ら自立自尊の道を選んだことを寿ぎ、彼等の民主主義、自由主義追及の為に、我々日本人ができることがあれば何でも協力するという意思を伝えるべき時だと思う。
(01/18/16 10:00pm)
2016年1月15日
頭がスース―
中学は校則が丸刈りだった。小学校時代の坊ちゃん刈りに比べて坊主頭は洗うのも簡単だし、寝癖を気にしなくてよいから快適だった記憶があるが、それ以降、坊主頭にしたことはない。（一時期、短いパンチにしたことがあったけれど商社マンとしては！―――とブーイングが激しくすぐに止めざるを得なかった---）
最近、年齢相応に髪の毛が寂しくなってきたし、白髪が目立つようになって何だかいやに年寄り臭いというか、みすぼらしく見えるようになったような気がして、それならそれこそ50年振りに思い切って坊主頭にしてみるか！という気になった。
我が家では、タカさんの髪型でさえ、最終決定権は妻にあるので、まず彼女に相談してみたところ、意外（？）と彼女の答えは「いいんじゃない」であった。但し、坊主頭はヤクザと間違えられるかもしれないから（タカさん自身、そんなに人相が悪いとは思わないのだが――）、職人風の短髪ならOKというのだ。
そこで、床屋に行き相談したところ床屋のお姉さんは「それでは、上の方は短く詰めるだけにして、回りは6ミリで刈り上げましょうか？」という。最も短いのが4ミリだというから、まあ、6ミリなら無難かなぁ〜と思い彼女におまかせすることにした―――。
ジョキジョキと50何年振りに髪を短くするハサミとバリカンの音が小気味よく、あっという間に済んでしまったが、鏡を見てすっかり変身してしまった自分にちょっと変な気分だったものの（自分でいうのも何だが）鏡の中の自分は何歳か若返ったように見える。それは、気になっていた白髪が、短髪にした所為でほとんど目立たなくなった所為もある。
帰宅してみると我が短髪をみた妻の第一声は、「悪くはない」というものだった。それって、褒め言葉なのか？けなしているのか？
その日の夕方訪ねてきた娘一家の評価は、娘と孫息子は基本ノーコメント（というか無関心なのかも）ながら概ね良好（だと思う）、そして小１の孫娘は一見するやニヤリと笑ったけれど、笑ってしまって「マズイ！」とでも思ったのだろうか、「恰好いいねぇ〜」というフォローが入った。いや、本当に我が孫娘は可愛い奴だ！
そんな訳で、タカさんの短髪決断は今のところいいことずくめである。
もっとも、髪が長かった時にはまったく感じなかったが、髪の毛の伸びが早く、床屋に行ってからまだ数日だというのに、早くも随分髪がボサボサになってきたような気もする。手入れが面倒だからと、短髪にしてみたら却って前より頻繁に床屋に行く必要が出てくるかもしれない―――という点がちょっと心配だ。
それと、余り寒さを感じなかったこの冬だけれど、髪を切って以来、外に出るといやに頭がスース―するのにちょっと当惑している。
（01/14/16 10:00pm）
2016年1月14日
半値八掛け二割引
12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX） で原油先物相場が遂に12年ぶりに30ドルの大台を割り込んだという。
「NY原油価格」といわれるものは、アメリカ・テキサス州で産出される超軽質油（低硫黄分の良質な原油）、すなわちWTI（West Texas Intermediate）の価格のことだが（WTIの実際の産出量は極めて少なく、原油の指標価格としての役割しか担っていないといわれる）2008年6月（というからわずか7年半前）には133.88ドルという史上最高値をつけたことを考えれば、現在の原油価格は最高値の1/4以下に迄落ちてしまったということになる。
相場の格言に「半値八掛け二割引」というのがある。どんな相場でも高値から半値八掛け二割引、すなわち最高値×0.5×0.8×0.8=0.32で1／3程度まで下げれば底値を打つ、というものだが、原油の場合その格言の更に下まで行ってしまっている―――というのだから先物相場で勝負していた相場のプロも相当ダメージを受けたのではないだろうか。
もっとも生き馬の目を抜く国際商品相場だけにそのスパンを直近のこの5年間程度に置いた場合、この間の高値は1バレル100ドル近辺であるから、12日につけた30ドルは、まさに「半値八掛け二割引」である「高値の3割程度」でもあり、そろそろ底値、ということができるかもしれないが---。
国家収入の大部分を原油に依存しているサウジアラビアをはじめとする中東各国にイラン、それに今や最大の原油産出国であるロシアなどにしてみれば、ちょっと前まで100ドルで売れていた原油が今や30ドルというのだから、同じ金額を稼ぐ為には量を3倍に増やさねばならず、そうは言っても、量を増やせば益々相場は下がるという悪循環に陥る訳で―――本当に頭の痛いことだろう。
原油産出量（シェールオイルなどもいれて）世界第三位のアメリカは、産出量も多いがほとんど全量を自国で消費していることからすれば、原油価格が上がっても下がっても、ロシアやサウジほどの打撃はない。
そう考えれば、原油のほぼ100%を海外に依存している日本は、かつて100ドルのものを今や30ドルで買えるのだから少なくとも価格に関してはメリットばかりといえるのだから、変にマスコミ論調に煽られて「原油価格が下がって困った！困った！」などと青い顔をする必要はない。
もちろん、長い目でみた場合、原油価格下落で経済が立ち行かなくなる国があちこちで出てくれば（ロシアやサウジ等々）、そういう国の経済が悪化、それが引き金になって世界経済が恐慌に突入、その為に日本も大不況！という連鎖だって起こり得るが---。
もっとも、40年前の1973年第一次オイルショックは、それまえ1バレル3.01ドルだった原油価格を、OPECが一気に70%値上げして5.12ドルにしたことで世界中がひっくり返る騒ぎになったことを思い出せば、1バレル30ドルが決して安すぎるとは言えないし、「まだまだ下がる！」と言えなくもないが---。
（01/13/16 10:00pm）
2016年1月13日
ちょっと想像もつかない
浅草の仲見世を歩いていると聞こえてくるのは中国語ばかり―――日本人にとって聞きなれない外国語だから耳について聞こえるということもあるのだろうとは思うが、3年程前から顕著になっている傾向だ。
聴覚ばかりではない、視覚的には（中国からの観光客は同じ東洋人だから日本人と見分けがつかないが）やはり目立つ欧米系や東南アジア系の、いわゆるいかにも「外国人」といった風情の人達が目立つ。
結局、今や仲見世通りは（聴覚的には）中国人と、（視覚的には）東洋系以外の「外国人」だらけ！という印象だ。（中国人と思われたくない！と考える多くの台湾人観光客は、日本では極力、中国語をしゃべらないようにと、無言で各観光地を回っている―――というニュースが夕刊紙に出ていたが、本当だろうか）
外国人観光客が昨年にはついに2000万人を突破したといわれている。観光大国フランスの年間8400万人に比べればまだまだ微々たるものだともいえるのかもしれないが、わずか5年前には840万人、15年前にはわずか440万人に過ぎなかったことを思えば大変な増加率といってよい。
中国人観光客による「爆買い」だが、総額的に3000億円程度と日本のGDPに比べればわずかでしかないけれど、それこそデーパートや家電量販店、あるいは浅草や銀座といった彼等が殺到する地域にとっては、日本人客の需要が低調なだけに、まさに神風的な効果ともいえるようだ。世界各国から遠いと思われていたこの島国に、多くの外国人が訪れ、その独特の風土や文化を味わってくれて、少なからぬ経済効果をもたらしてくれ、更には日本に対する理解を深め、好きになってくれれば、こんなにうれしいことはない訳だが---。
もっとも、外国人観光客の急増がもたらすのは、メリットばかりではない。
外国人観光客数に比べて宿泊施設が足りない為に、日本では「規制」されている「民泊」が不法におこなわれることで、周辺住民とのトラブルに発展しているケースも少なくないとも聞くし、外国語がさほど得意でない日本人が、押し寄せる外国人客に対応しきれないために、却って日本に不満を持って帰国する観光客もいる―――といった問題が指摘されている。
折角、日本に来てくれたのに日本が嫌いになって帰っていく人、必ずしも外国人観光客を歓迎しない日本人が増えてしまう---といった逆効果が起きているとしたら、やはり由々しき問題だ。
過日、仲見世近くで飲んだ時その店のおかみさんに「仲見世通りは外国人だらけだねぇ〜」とほめ言葉のつもりで言ったらおかみさんは「そんな所為もあって、気押されるからか、日本人観光客の足が浅草から遠のいているので困っているんですよ〜」とも言っていたし、「最近の銀座のデーパートは中国人ばかりで、日本人客はあまり寄り付かなくなっている」という話もある。
このまま、外国人観光客が増えていき、フランス並にまでなったとしたら（まさかならないとは思うが）、我々日本人にとっては、トータルで見た時に、いいことといえるのかどうか―――？ ちょっと想像もつかない。
（01/12/16
10:00pm）
2016年1月12日
本当のワルは？
血液製剤やワクチンを国の承認を受けていない方法で製造していたばかりではなく、虚偽の製造記録を提示するなどしてその事実を隠蔽し、国の検査を逃れていたという前代未聞の不正をおこなっていた化血研に対して、厚生労働省は医薬品医療機器法に基づき110日間という業務停止命令としてはこれまでで最も長い処分を決定して通知した。
薬剤の製造については法律による規定を守ることは、人の命に係わる薬剤の製造者としては当然の、しかも神聖な義務であるにもかかわらず、40年もの間、その規定を無視して製造し、なかんずくその不正をバレないようにと様々な隠蔽工作をおこなっていたというのだから、化血研という企業のモラルは言語道断というべきであり、これ以上、医薬品製造という使命に携わらせること自身相応しくないといってもよいぐらいの問題だ！---と見える。
しかし、この不正は化血研のみがその責を問われる問題だろうか？こんなに長期に亘って許しがたい不正を（結果的には）看過してきた厚労省の責任が問われることがなくてよいのだろうか？
「騙そうと思う者が意図的な隠蔽を行った場合、それを見つけることは難しい」ということが、オリンパスや東芝などの企業会計不正を見過ごしてきた監査法人の「いい訳」でもよく聞く話だが、化血研の場合にも厚労省寄りの委員などからは同趣旨の「いい訳」が聞かれる。
しかし、なにしろ期間が40年！である。こんな長期に亘って自分達が定めた規定が全く守られていないことを、昨秋に化血研の内部告発があるまで分からなかったという厚労省が、ここにきて化血研を「極悪人」と糾弾し、110日間という異例の業務停止命令を出すなどして、「騙された被害者」であるかのように怒って見せることこそ、日本の医事行政の八百長さの象徴であるように思う。
しかも、今月中旬からはじまるという化血研への「110日間の業務停止命令」の中からは、今回、一番の問題とされた血液製剤とワクチンの内、他社の代替品がない20製品以上については、薬剤枯渇による影響が余りにも大きいことを考慮して、業務停止命令からは除外し、出荷を認めるという。
なんのことはない「不正な方法で40年もの間製造していた！」といわれるその薬剤の大半が今まで通り患者に接種される―――しかも、今度は規制当局自身が正式に許可して―――というのだ―――。
過去の薬害事故（薬害エイズ問題を筆頭に）の原因の多くも、その法律（規制）を作る当局の度重なる失態に、おおいなる責任があったという「前科」を考えれば、今回の不正においても、やはり、当局の「不作為の罪」、いや実質的には「怠業（しかも40年にも亘る）の罪」があったことは明らかであり、当局も又、厳しく糾弾されるべきだ。
しかし、その糾弾されるべき厚労省が、あたかも自分達が「騙された被害者」であるかのように振る舞い、「化血研はケシカラヌ！業務停止110日に処す！」などといいながら実質的には不正な方法で製造された薬剤の出荷にお墨付きを与えているというのだから―――。本当の「ワル」は、厚労省ではないか！とすら思えてくる。
今のところ、この40年間、不正な方法で製造されたワクチンや血液製剤による「薬害」は報告されていないという―――ということは、結果的には、40年前厚労省が定めた製造方法などで作る必要もなく、化血研の製造方法で何の問題もなかったということにもなる。
そうであるなら、この際、厚労省は化血研の「不正」な製法にあらためてお墨付きを与え、いままでの規定を全面的に廃棄した方が、行政効率としては、そして患者の為にもいいように思うがどうなのだろう。
（01/11/16 10:00pm）
2016年1月8日
消えゆく正月行事
正月七日の朝といえばその年中行事食は「七草粥」だ。この七草粥、歴史は平安時代に遡るというからかれこれ1000年の歴史をもつ日本の伝統行事ともいえるものだが、最近ではその伝統もほとんど消滅気味だ。
六日の日、スーパーに行けば「七草粥セット」という名で「せり、なずな、すずな、すずしろ、ほとけのざ、ごぎょう、はこべら、春の七草」と詠われた七草粥の素材がセットになって売られているから、わざわざ野に摘みに行く必要もなく、七日の朝に、前日買ってきたこのセットの菜を入れて粥を作って皆で食べれば「その年の一家の無病息災が叶う」というのだからたいした手間ではない行事食だと思うのだが―--。
新聞によれば今や都会で七草粥を食べる家庭は2割に満たないというし、その割合もこの20年程で急激に落ちているというから、後10年もすればスーパーで七草粥セットが売り出されることもなくなっていることだろう。
タカさん自身（もうかれこれ60年も前の）子供時代、正月の松の内の間は毎朝、餅を食べさせられ（子供の頃から餅は余り好きではなかったからどうしてもこういう言い方になる）、更には7日の朝にはなんだか雑草（！）が入った粥を食べさせられる（これも子供心に決して美味いものではなかった）ので閉口した思い出があるが、結婚以来のこの40年程は、正月の餅（といってもせいぜい正月三が日だけだが）はともかく七草粥は食べたことがない。
まして、そんな家庭で育った娘が孫たちに七草粥を作っているとは思えないから、タカさんの家系での七草粥の伝統はとっくの昔に廃れてしまったといってよいようだ。
七草粥ばかりではない。正月行事や正月飾りの多くが急激に姿を消しているように感じる。
5年か10年程前まではそれでもまだチラホラとはあった正月の門松や松飾りもさっぱり見なくなった。20年前ならタカさんの住む住宅地でもフルセットの本格的門松とはいわないが、玄関扉に松飾り位は飾っている家が8割、9割はあり、偶々それがない家をみると、「ああ、きっとこのお宅は喪中なのだろうなぁ〜」と思ったものだが、今年は、あらためて見ると、町内は昔でいうならば大半が喪中であるかのようだ。
そういえば、タカさんの子供の頃は、それこそ師走晦日位から母が仕込みをはじめて大量に作っていたお節料理も、今やインターネットやスーパーでセットで注文するものになったし、お正月といえばちょっと前まで見ていた女の子の羽子板遊び、男の子の凧揚げだって今年はまだ一回も見ていない。（タカさんの家は江戸川の河原沿いにあるから、以前はこの河原でたくさんの子供とその父親が凧揚げをやっていたものだったが---）今時の子供は凧揚げもせず、羽根突きもせず、正月早々から学習塾の「冬休み特訓」に行くとか、せいぜい遊ぶとしてもモバイルゲームでもやっているのだろうか―――。ほとんど、伝統的な正月行事をやらないタカさんではあるが、それはそれで、ちょっとさみしいような気がする。
正月11日は鏡餅を割ってお汁粉にして食べる「鏡開き」という行事があるが、昔からお汁粉大好きなタカさんとしてはこの行事だけは結構楽しみにしていたが---。良く考えてみたら、タカさんの家には鏡餅は飾っていないから、今年はこの鏡開きもパス、従ってお汁粉にもありつけない、ということになりそうだ。
（01/07/16
10:00pm）
2016年1月7日
半ドア
今時の乗用車はどれも半ドアになれば警告ランプが点くようになっている。運転席や後部座席のドアだけではなくハッチバックのドアだったとしても警告ランプが点灯していれば、運転者は誰だって発車前にドアの閉めなおしをするのは当然で、「まあ、いいや半ドアでも！」とそのまま発車する人などまずいない。
ところが、韓国のLCC「ジンエアー」の場合、乗客・乗員169人が乗っているにもかかわらず半ドアのまま機長は「まあ、いいや半ドアでも」とばかりに離陸してしまったというから恐ろしい。
フィリピン・セブ島を出発し、韓国の釜山に向かっていたというこの飛行機、離陸から約30分後、機内に風が激しく流れ込みその原因が半ドアであると判明したが、その時点で機は既に高度3000メートルに達しており、多くの乗客は、急激な気圧の低下のために、頭痛や耳の痛みなどを訴えていたという。
このまま、上昇飛行を続けていれば、薄い上空大気による酸素不足で乗客全員の命が危なかっただろう、というから、深刻な事態だったわけだ―――。（飛行機が「半ドア」のまま飛んでいた――ということ自身は、悪いけれど笑ってしまうような話だが）
半ドアによる機内の気圧低下、そして外気の流れ込む勢いで、機は水平を保てずに揺れ続けたために、さすがの機長もセブ島に引き返す決断をして、機は離陸から1時間後にセブ空港に戻ったというが、着陸する１分前まで尾翼や機体が地面につきそうになるなど大揺れに揺れたというから、さぞかし乗客は、生きた心地がしなかったことだろう。
世界的に見てもあり得ないこの「半ドア飛行」の原因はまだ明らかにされていないものの、日本の専門家によれば、「ドアがきちんと閉められているか確認するのは、客室乗務員の常識的な作業であり、又、ドアには必ずセンサーがついているので半ドアであれば、必ず操縦席にもWARNIGが出て警報が鳴るから、機長が半ドアを見逃す等、まず考えられない」という。
もっとも韓国の航空機の場合、この種の初歩的なミスによる事故は、今回がはじめてという訳でもなく、直近でも、機が急降下するトラブルがあったばかりだったし、何しろトラブルが相次いでいるのという。
300人を超える死者を出した大型客船セオウル号の沈没事故でも、違法な改造、過積載等々の数々の規定違反を分かっていながら（当局もグルになって）見逃し、「まあ、いいや！」と出港したことが事故の原因だった。（しかも、避難誘導に当たるべき船長を筆頭に乗務員全員が乗客をほったらかして船からいち早く脱出していたというのだから―――）ナッツの出し方が気に入らないと飛行機を戻させた例のナッツリターン姫事件なんて可愛い方で、サンフランシスコ空港や広島空港で着陸失敗事故を起こしたアシアナ航空、車体装置に故障が発生したがその個所をガムテープで補修して走った世界最速をうたう高速鉄道（KTX）といい、いや本当に韓国の交通機関の安全性無視のいい加減さには驚かされる。
韓国の反日に嫌気したのか日本からのツアー客が激減、今やツアー料金は信じられないほど安くなってはいるが－－－。やっぱり、韓国旅行は止めておいた方が無難というものだろう。
（01/06/16 10:00pm）
2016年1月6日
なぜ採用した！
株式取引市場で先物価格が基準値の一定の変動幅を超えて激しく上昇または下落した際、取引を一時中断する「サーキットブレーカー制度」を東京証券取引所が採用したのは1994年というから今から20年以上前のことだ。
これまでに東京市場でサーキットブレーカーが適用され売買が一時中断されたことは、4回ある。その内3回は大きな災害などにより株式売買が下落した01年の9.11アメリカ同時多発テロの翌日、そして08年のリーマンショック、そして11年の東北大震災の際であり、残る1回は13年5月にアベノミクス期待から市場が過熱し相場が急騰した時だ。
3回の下落相場は、ある意味では歴史的な突発事件の場合であり、人々の不安心理から狼狽売りが殺到した、とい事例だった。
その意味では、年明け早々の4日の中国上海市場でCSI300（上海市場に上場している代表的銘柄300の時価総額を指数化したもの）が７％下落し、サーキットブレーカーが発動され、大引けまで取引が停止となったことは、やはり「国際的な大事件」であったといえるかもしれない。
上海市場は、昨年夏にも株価が急落を繰り返し、大株主による株式売却の6ヵ月停止措置をとるなど、完全な「官製管理相場」であるということを世界的に印象付けてしまっていたが、それにもかかわらず昨年11月にはIMFが中国元に採用を決定したことで、益々の市場自由化を要求されることになっていた。
その為に当局としては、見かけ上、恣意的な相場介入をしていないかのように見せるために、「サーキットブレーカー制度」を導入したのだが、その採用初日にいきなり発動しなければならない状態に陥った訳で、やはり中国経済を「自由経済」と見ること、そして中国元を「自由通貨」として承認してしまうことは、時期尚早過ぎた！ということだろう。
そもそも現在CSI300に組み込まれている300銘柄が、本当に上海株の中でもそこに選ばれるだけの条件を備えているかといえば、昨年夏の暴落以来当局が以前からの銘柄の内、「ここは下がりそう」と考える銘柄を抜き取り、「比較的安全だろう」と思われる銘柄にさしかえたという、いわば「恣意的な銘柄選択」（はっきり言えば、インチキ）をして選んだ300銘柄から構成されているもので、決して公正な株価指数だとはいえない代物だという点を見逃してはならない。
上海の株が軒並み下がっている中で、それでも当局が「まだ、いくらかマシだろう」と選んだ300銘柄で作った指数でさえ、サーキットブレーカー制度適用初日に、値幅制限一杯の7%を超えて下落してしまったというのだから―――。
今日5日には当局が又、大きく介入したこともあったからだろうCSI指数は小幅な下げで終わったようだが、中国経済に何らよい材料が見えない中、今年も世界のマーケットが中国の官製インチキ相場に足をひっぱられることになりそうだ。
それにしても、IMFも一体、何をとち狂って、中国元をSDRに採用してしまったのだろうか―――。
不安が募るばかりだ。
（01/05/16 10:00pm）
2016年1月5日
愛犬が困る
海外から帰って来て成田空港の滑走路を走る機内からながめた緑の多さにはほっとして、「ああ、殺風景なカリフォルニアの空港周辺の景色と違って、やはり日本の風景は美しいなぁ〜」と感じるのだが、一歩空港から出てリムジンなりスカイライナーに乗って車窓から街並みを見た時に、何だか街並みが嫌にごちゃごちゃして見える。
何でだろう？とよく考えてみると余りにも多くの電柱が林立していて、その電柱には蜘蛛の巣のように電線張り巡らされている光景が、海外の主要都市と余りに違うことに、すごく違和感を持った所為だと気付く。
ニューヨークもシカゴもロスやシスコ、そしてヨーロッパのロンドンやパリも、都市における無電柱率は既に（とっくの昔に）100％だ。それに対して例えば「古都保存法」などによって「景観」の保護には一入熱心な京都でさえ、その無電柱率はわずか2%、すなわちのこり98％には無秩序（といってよい）に電柱が林立、そんな電柱の上に、これまた無秩序ともいえる数の電線が張り巡らされているのだから、いくら古寺やら町屋（町家）の伝統ある建造物を保存したところで全体の「景観」はぶち壊しだ。
もし、欧米並みに、京都の街の無電柱化（電線の地下化）を100％にしたら、それこそ、世界に誇れる「千年の都、京都」の素晴らしい景観が戻ってくるだろうに―――。
日本の都市の電柱地下化率（無電柱化）は、先にも述べた通り先進国中最低だ。しかもその率の低さは、他の国々と比べてもぶっちぎりで低い。（ロンドン、パリ、香港の100%はもちろん、アジアでも台北が95%、シンガポールが93%、ソウル45%、ジャカルタ35%に比べ最も地下化が進んでいる東京（23区）でさえ7%に過ぎない）
電線の地下化によるメリットは景観ばかりではない。阪神淡路大震災の際に多くの電柱が倒れ停電などの被害を出したばかりではなく道路をふさぎ緊急車両が通れなくなって被害が拡大したが、地下化すれば地震や台風の際の事故率は電線の1/80以下だ。すなわち「災害に強い」というメリットがある。又、歩道を狭めてしまう電柱をなくせば広い舗道を確保できるから街の「安全、安心」が守れるというメリットもある。確かに、電柱を立てて電線を張り巡らせる方が、地下化するよりは短期的なコストは安いが、電線が切れた際の高所作業や、工事期の交通遮断のコストに比べれば地下ケーブルの工事の方がはるかに安上がりだし、諸々のメリットを勘案すれば「地下化はコストが高い」という思い込みは、全くの都市伝説に過ぎないと言える。（アジアの開発途上国で地下化が進んでいるのも、トータルコストを勘案した結果だ）
日本では、国土交通省が「電線地下化」（無電柱化）の推進事業ははじめたのは、もうかれこれ20年近く前からであり、主要幹線道路などでは既に地下化の為の地下共同溝が完成しているところも多いが、不思議なことに地域住民などの反対によって電線を地下に通す工事が進まないというのが現状だ。
昨年度の会計検査院の勧告によれば埼玉や京都、沖縄の270区間（延べ434キロ）では、共同溝がありながら電柱が林立している――という空しい光景が続いていて、地下化は一向に進まないという―――。
何で、住民が、電柱を残せ！電柱地下化反対！を叫ぶのかが、全く理解できないのだが---。愛犬家が多く、犬のおしっこの場所がなくなるから―――といった理由からなのだろうか－－－？？？
（01/04/16
10:00pm）
2016年1月4日
六曜は差別か
普通サイズの壁掛けカレンダーなら幾つかあったのだが、本箱の横に飾る少し小ぶりのサイズの物が無いので年末ギリギリ、年の瀬も押し詰まってから買いに行った。
大型書店にいけば未だ幾つもあったのだろうが、近場のショッピングモール（とはいっても結構大型の）で探したのだが、丁度良いサイズのものがない。数字だけのカレンダーではいかにも殺風景だしと思い、わずかに一つだけ売れ残っていた物を買った。
「千葉市動物公園」のカレンダーで、1月がニシゴリラ、2月がミーアキャット、3月がカピパラという具合に12カ月分の月めくり式になっているものだ。
何しろ、残り一つだけのカレンダーだったから絵柄を選んでいるヒマもなかったのだが、こういった動物の写真は案外、部屋にマッチしているように思い結果論的には気にいっているのだが---。
一つ気になることがある。というのは、年末に大分県や６市町村でつくる「国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会」が発行した2016年のカレンダーに「大安」や「仏滅」などの「六曜」が記載されていたからと言う理由で、回収が発表されたというニュースを目にしたからだ。
新聞によると大分県では回収の理由に、「六曜に科学的な根拠はなく差別を助長するので、公的な刊行物に掲載するのは不適切だった」と自らのチェックが不十分だったとお詫びのコメントまで出したというのだ。
タカさんのお気に入りの「千葉市動物公園」のカレンダーにはバッチリと六曜が載っている。名前から明らかなように、ここは千葉市の都市局公園緑地部というれっきとした「公的機関」が運営している動物園であるが、大分のように、「差別」だの「因習」だのとこだわったりはしていない。
大分県では60万円かけて2000部作ったカレンダーを回収してお詫びし、千葉市は何部作ったのかはしらないが、一部700円で販売している―――。この違いは何だ？
最近は余り気にしなくはなっているようだが、やはり結婚式には仏滅を避けるとか、仏滅や友引は法事に良くない、といったそれこそ大分県の言うところの「因習」は、いくらか残っている。中には「若い二人はこだわらないけれど、おじいちゃんや、親戚のおばさんが、仏滅に式を挙げると文句を言いそうだから〜」なんていう理由で六曜を気にする人たちのためにもカレンダーに残しておくのは何等問題がないように思うのだが－－－。
実際、タカさんの町にある多くのホテルの結婚式場では、仏滅の日には入り口にある結婚式会場の案内（○○家、xx家といった類の）の札は極端に少ない。（ない訳ではないけれど）
六曜が「因習」「迷信」であることは認めるし、むしろこれを「因習」「迷信」ではないと思っている人など今時、皆無といえるだろが、「差別につながる」だとか「人権問題だ！」という大分県の言い方に頷く人がいったいどれほどいるだろうか。むしろ、一般の反応は「えっ！ なぜ六曜が人権問題になるの？？」というものではないだろうか。（ネットでも大半がその意見だ）
60万円の公費をパーにするなら、その前に「なぜ六曜が差別につながり人権侵害になるのか」を説明するのが、大分県の責任ある態度だったはずと思うのだがどうだろう。
（01/03/16
10:00pm）
2016年1月1日
去年(こぞ)今年貫く棒のようなもの
大晦日から正月元旦へと時が大きく移り変わる時、毎年思いだすのがこの高浜虚子の句だ。
毎年、同じ時節に咲くさくらの花を見れば、時間は一年と言う周期でぐるぐると巡っているかのように思えるけれど（年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず 劉希夷）、大晦日であった昨日、そして正月元日の今日へのたった一夜の移り変わりの間に去年から今年へという大きな変化があるこの時期には、やはりこの虚子の句の言う通り、時の流れには、まっすぐで太い棒のようなものがダイナミックな直線的な動きを感じるのだ。
新しい年、2016年が自分のみならず自分の回りの全ての人々にとって全く新しい年であることをあらためて感じ、そしてその太い棒のような流れの中を、堂々と流れて行きたいものだと思う。そう、まさに「今年こそは！」という気概で臨んで行こう！
皆様にとって今年2016年が、より良い年でありますように、心からお祈り申し上げます。
タカさん拝
平成28年元旦
2016年上期の各月バックナンバー：1月、2月、 3月 4月 5月、 6月、
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