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2017年6月
＜＜4月タイトル＞
06/30 勝負メシとビリビリ財布 06/28 オツカレ！ 06/27 観念したのに！ 06/26 ヒステリー 06/23 上手の手から水が漏る
06/21 フレッチャー型駆逐艦 06/20 バカ親にもほどがある 06/19 金塊密輸 06/15 756号40周年 06/15 的外れにもほどがある
06/13 終わらないのでは 05/12 ペットも減っている 06/09 改憲便乗を許すな 06/08 単細胞カウボーイ 06/07 前文こそ問題だ
06/06 問題の本質は？ 06/05 波高し 06/01 ずっと来るからね
2017年6月30日
勝負メシとビリビリ財布
藤井聡太4段が新記録となる「将棋公式戦29連勝を達成」というニュースが世の中を賑わせている。まだ14歳の中学生というのだからスポーツ界同様に「若手の台頭」に爽快感を持つ向きが多いのだろう。
世の風潮に流され「藤井4段がどれぐらい強いのか」を、少しでも実感してみたいものだと、対局の動画中継などまでもチェックしてみたが、そもそも将棋の駒の動かし方ですら覚束ないという将棋知らずであることもあって、一体、どこをどう見たらいいのかさっぱりわからない。
テレビでも盛んに対局場面やら解説をやっているけれど、たとえばカーリングやあるいはバドミントンならルールを全く知らなくても、ポイントを決めた側の、ガッツポーズやら、取られた側の悔しそうな表情などから、勝負の帰趨は何となく分かるが、将棋となると棋譜など全く読めない身にとっては、対局の何処をどう見たらよいのかさっぱり分からない。
第29戦の際には、解説者の「今は、藤井さんの方が少し有利」だとか「互角」といったコメントは聞こえてくるものの、どこが互角なのか、どこが有利なのかもわからない身にとっては、すぐに飽きがきてしまった。
まあ、中では、29戦目昼飯時、一生懸命盤面を見つめて熟考する相手の前で、対局中の藤井4段が手渡された昼飯のメニューをじっくりと見たあと「勝負めし」として950円の豚キムチうどんを注文し、布製のマジックテープ式財布をバリバリと音を立てて開け、小銭で払っている場面が一番面白かった。（ネットでもすぐに「ウマソー」だとか「バリバリ財布、中学生らしくて、カワイイ！」などという書きこみが殺到していたし、我が家の奥さんのコメントも「藤井君のお母さんは、まだ中学生の息子にどうしてお弁当を作ってあげなかったのかしら？」というものだったから世の関心もそちらの方にあったようだ）
この先、藤井聡太4段の連勝記録がどこまで続くのか、世の中、益々フィーバーしていくのだろうが、そうは言っても、今までどちらかというとマイナーだった競技の卓球が女子の伊藤美誠選手や、男子の張本智和選手と言った13歳、14歳の活躍によって一気に「中学生が今一番やりたいスポーツ」の上位に躍り出たほどのフィーバーにまで育つかというと―――、ちょっと難しいような気がしないではない。哀しいかな、将棋の場合、テレビ向きのゲームではないのかも知れない。
タカさんが、恥ずかしながら碁将棋に不調法なのは、生来の「負けず嫌いと臆病」という性格からである。すなわち、「負けて悔しい思いをするぐらいなら、最初から勝負を避けることで、悔しい思いをしないで済ませたい！」などというなんとも不甲斐ない浅慮から、碁将棋に関しては「教えてあげる」という人の数々の親切な申し出を、ことごとく断ってきたからである。（思い起こせば、小学生の頃、父方の祖父が再三再四将棋を教えたがってくれたが、いつも逃げ回ってしまったことが、今思えば残念だ）
「勝負めし」と「ビリビリ財布」以外にもう少し、将棋の見どころを知りたいとも思うが―――「六十の手習い」の時期を過ぎた今となっては、やはり無理だろうか―――。
（6/29/17
10:00pm）
2017年6月28日
オツカレ！
「日帰りバスツアー」に参加したことがあるが、30分なり40分毎に下車してお寺なり神社なりを参拝してバスに戻ってくる度にガイドさんが「お疲れさまでした」と迎えてくれる。時には高速のサービスエリアでの15分程の「トイレ休憩」から戻った時でも「お疲れさまでした」と言われる。
まあ、いやな感じはしないけれども、余りに度々言われつづけると「別にションベンしてきただけなのに―――お疲れさまと言われるほど年寄りじゃないよっ〜」と言い返したくなることもあるぐらいだ。
この「お疲れさま」は、今や、外国人が日本語を習う際のテキストにも「あいさつ」の一つとして載っており、日本で働く外国人にとっては「必須」のことばになっているというが―――少なくとも30年以上前にはなかった「あいさつ」だと思う。
たしかに、昔から噺家の世界などでは高座を終えて楽屋に下がってきた師匠連に弟子たちが、「お疲れさまでした」と声をかけるのが礼儀だ、ということはあったようだし、逆に師匠（目上）が前座（目下）に「お疲れさま」とは言わない、というのが常識だったとも聞く。（自宅の掃除などをしている内弟子たちに師匠が声をかけてねぎらう場合には「ご苦労さん」が使われているとか）
この新しい日本語あいさつ文（？）、逆に英語にはないという。「おはよう」が‘good
morning’(良い朝を)だとか「おやすみ」が‘Good
night’(良い夜を)といった直訳するとおかしな言葉にはなるが、言葉のニュアンスとしては共通の訳語があるけれど、「お疲れさま」を直訳して’You must
be
tired.’などと言おうものなら、首を傾げられるのが関の山だ。
かといって、タカさんの電子辞書に無理無理の訳文として出てくる「お疲れさま」の英文訳’appreciate
your hard work.’
だと落語の師匠が弟子にかける｛ご苦労さん｝に似た上から目線感がたっぷり過ぎて、バスガイドさんのいってくれる「お疲れさまでした」に感じるやさしさたっぷり感はないように思うし、やっぱり正確を期すならば「お疲れさま」の英訳は「そういう表現は英語にはない」と書くべきだろう。
まあ、古いタイプのタカさんに言わせれば「お疲れさま」は、「近年使われ始めた新しいあいさつの一つ」位の位置付けなのだが―――。
先日、娘の家に留守番に行っていた時、小3の孫娘が学校から「ただいま！」と帰ってきたとき、孫娘のおばあちゃんである妻は「オツカレ！」といって出迎えていた。
この頃は、「お帰りなさい！」という日本語は廃れ、遂に「お疲れさま」または「オツカレ！」にとってかわられたのだろうか。
（6/27/17
10:00pm）
2017年6月27日
観念したのに！
トランプ大統領の離脱宣言というチャブ台返しで一気に熱が冷めてしまった感があるTPPだが、日本等の取り残されてしまった（？）国の中には、「折角ここまで積み上げてきた交渉なのだからアメリカ抜きでもやろうぜ！」という声かないではないようだ。
そうは言っても、12か国の参加表明国全体の貿易量の60％を占める米国が抜けるのではTPPそのものにたいして意味がある訳でもない！と言う本音が各国にちらつく中では、どうも残された11か国は「人気リードボーカルが抜けた後のバックコーラスたち」的なところがあり、トランプさんがまた突然「やっぱりTPP辞めるの、ヤ―メタ！」とでも言いださない限りいずれ「11か国だけでTPPを発効させる」という案は雲散霧消しそうだ。
目まぐるしく変わる国際情勢の中では、10年といえば「大昔」にも属する出来事とではあるが、TPP交渉の経緯を思い出してみると、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4カ国がTPPの前身ともいえる「P4協定」に署名したのは今から11年前の2006年という大昔のことだ。
その4年後の2010年3月にアメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムの4か国が、同年11月にマレーシアが参加して計9か国になったTPPに、更に更にその2年後の2011年にカナダ、メキシコの2カ国が加わって計11か国になったものの、TPPに日本が加わったのは更にその翌年2012年7月のことだ。
すなわち、米国離脱前のTPP12か国に最後まで加わろうとしなかったのが日本だという経緯を記憶している人は少ないかもしれない。しかし、いまから5年ほどまえまでは、日本は「TPPなんかに入りたくない！」という世論が結構強かったということなのだ―――。ということは、アメリカの離脱宣言によってTPPが雲散霧消するからといって、5年前には嫌がっていたTPPに入らないで済む―――と考えれば、別にどうということはないし、むしろ農畜産業界などは「トランプさんよ、ありがとう！」と叫んでいるのではないだろうか。（もちろん、米国産牛肉の関税38.5%が9%に下がり肉が安くなる！と期待していた消費者はがっかりしているだろうが）
要するに、発効する前に、TPPが雲散霧消してしまうということは、「今までと何も変わらない」ということであり、別に喜んだり怒ったりする必要はない―――と考えればよいのではないだろうか。
もっとも、日本人のメンタリティーとしては折角、TPPというまな板の上で「もはやこれまで」と観念したのに、一向に包丁が下りて来ないばかりか包丁人がどこかに行ってしまったようなもので、どうもモヤモヤ感が残り、勝手気ままな包丁人に対して腹が立つ！というところはあるが―――。
（6/26/17 10:00pm）
2017年6月26日
ヒステリー
お笑い芸の一つに「キレ芸」というのがある。思い当たるのは、カンニングの竹山、とかバイキングの小峠といった芸人だが、普通の会話の途中で急に怒りだして笑わせる---というちょっとリスクのある芸だ。というのも、突然のキレ芸でお笑い会場の雰囲気が壊れ、ましてそのキレ芸がいわゆる「笑えない芸」であるために完全にスベってしまった場合、会場が凍り付いてしまって――等ということがあるからで、キレ芸でスベった芸人は次からお声がかからなくなるリスクが高いというのだ。
そんな難しい（？）芸だからだろうか、女性芸人でキレ芸を見せる芸人はあまり思いつかない（敢えていえば、椿鬼奴、位だろう）が、もしこの人が国会議員でなく、お笑いだったらどうだろうか―――やっぱり完全にスベってもう二度と出番がなくなるなるだろうなぁ〜と思わせたのが、先週、週刊誌を賑わせて、都議選への悪影響を怖れた自民党が有無を言わせず離党届を出させた二回生議員の豊田真由子議員である。
「このハゲ――！」「ちーがーうーだろ！」「生きている価値ないだろう！」といった暴言は、豊田真由子議員がその下で働く秘書に対して発したものであり、頭をたたくなどの暴力まで伴ったとなれば、もうこれは逃れようのないパワハラバイオレンスであるが、そんな暴言の数々がICレコーダーに録音され、テレビのバラエティーショーや、ネットで拡散したとなってはいかになんでも「キレ芸」だと笑って済ませる人はいないだろうし、自民党としても都議会議員選挙前のこんな大事な時期にかばいようもなかったというのが本当のところだろう。（少しでも、かばいだてしようものなら、ただでさえ落ち込んでいる支持率が益々ダメージを受けるだろう）
こうなってみると、豊田真由子議員が桜陰から東大、そして厚労省に入りハーバードへ留学――といった輝くばかりの超エリート履歴が、あの「このハゲーー！」の気が狂ったような野蛮な叫び声によって、一気に人々の妬みやら怒りの感情に火をつけてしまったようだ。
まあ、タカさんとしては、この余りにも非常識な女性が、堂々と国会の赤じゅうたんを踏んでいた（しかも、彼女は2期生だとか）という事実に、日本の政治風土の未熟さというか劣悪さを感じるばかりだが、同じ二期生で不倫重婚疑惑で離党した中川議員やら、震災被災地視察で水たまりを前にオンブを要求し、さらには「長靴業界はもうかったろう」という発言をして政務官を辞任した務台議員のような男性ではなく女性であったことをもっていくらか情状酌量の余地があるのではないか――等とも思う。
そもそも、以前ならば、あの豊田真由子議員のような絶叫調の「ハーゲー！」は、「ヒステリー」の一言で片づけられていた可能性すらあった。当時はヒステリーは女性特有の精神異常であり、特に性的な不満がたまると起きやすい症状だ――等ともいわれていて、回りが「あれはダンナが悪い、暫くほおっておけば落ち着く！」などといったものだったのに―――。
ICレコーダーだのネットだのといった機器が発達し、男女平等が叫ばれ過ぎた中での豊田議員の「このハゲーー！」は、現代だからこそ、大事になってしまったのかも―。
（6/25/17 10:00pm）
2017年6月23日
上手の手から水が漏る
もめている者同士の中に割って入り仲裁したり裁定したりするにはそのタイミングが難しい。両者が「絶対に譲れない！」と息巻いている最中に、下手に間に入ると、両方から恨みを買ってしまい、揉め事が却って大きくなってしまう――等という事態にもなりかねない。すぐに決着がつく子供の喧嘩などの場合、昔から「子供の喧嘩は、下手に仲裁に入らない方がよい」というのも、タイミングの事を言っているのだ。しかし、喧嘩が長引いてにっちもさっちもいかなくなっていて、両者ともに「そろそろ、誰かが助け舟をだしてくれないかなぁ〜」と思っているような頃合いをみて「まあまあ、まあ」と仲裁に入ると案外、両者が簡単に矛を収める、ケースもあるからやっぱりタイミングだ。
あの東海道新幹線で今も利用客数最低という駅、岐阜羽島駅を強引に作らせ、岐阜羽島駅前に銅像が立つ大野伴睦は、かつて名仲裁者として名を馳せたが、彼の仲裁者・裁定者としてのテクニックは単純明快、ただ両者の間に入って言い分を聞き「足して二で割る」案を提示することだった。
このままもめていてもラチがあかないと喧嘩に嫌気がきている両者だけに、半分自分たちの意見が通っているなら、半分は相手方の意見を受け入れてもよい、という思いになりがちだし、そこに加えて大物政治家大野伴睦が「ここは、俺の顔を立てて、この辺りで手を打ってくれ！後は、悪いようにしないから！」といってくれれば、共に「わかりました、先生にお任せします！」ということになったのだった。
もっとも、そんな「足して二で割る」方式が、幅を利かせていたのは、まだまだ「義理人情」などという古い日本型問題解決システムが厳然と存在し、大野伴睦のような、「大物」「顔役」といわれるフィクサー達が暗躍していた半世紀も前の話だ。
豊洲に移転であらかた纏まった卸売り業者（一次卸）と豊洲移転反対、築地に残りたい、という中卸業者達の揉め事に、都知事選の小池派対反小池の政争が割り入ったがために、ひっちゃかめっちゃかになってしまった豊洲移転か築地存続かの争いだが、卸業者の側には都議会自民党の影が漂い、一方、仲卸の側には自民党という敵役を作ってそれを叩くことでのし上がってきた小池知事、それに小池さんに肘鉄を喰わされてもなお下駄の雪のようにくっついて行こうとする民進党をはじめとする勢力がくっついて、大騒動になってしまったが、漸く今週、小池知事が「築地は守る、豊洲は活かす」というなんとも中途半端な裁定を下したことで一段落するかと思いきや―――筑地派も豊洲派も「なんじゃ！これは！」と息巻く始末で、いままで盛り上がってきた小池人気も「決め切らない知事」「素人」「浅知恵」等々の悪罵の声が渦巻きはじめた。これでは、圧勝が伝えられた都議会選挙での「都民ファーストの会」の思わぬ苦戦も考えられなくもない。
小池さんとしては、かつての大野伴睦流の「足して二で割る」案ならば、両方の側が受け入れやすかろうと思ったのだろうが、そもそも大野伴睦と違って小池さん自身が完全中立の立場の仲裁人ではなく、この問題の当事者であることから、どんな仲裁・裁定案を出しても「行司がまわしを付けて取り組みに分け入ってきた」ようなものだったことが問題だし、あれだけ「情報公開」を看板にしていながら、今回の「二兎を追う」案の発表にあたっては、わずか5分で会見を打ち切り、二市場存続に一体どれほどの都民の税金が使われるのか、さらには二市場存続で採算はどうなるのかといった一切の質問に答えることなく会見場を後にしたことも実に印象が悪かった。
そういえば、大野伴睦の「足して二で割る」方式には、当時も少なからぬ批判があった。「足して二で割る」のは、両者の意見を取り入れた一見良い方法に見えるかもしないが、要するにその決定自身が「中途半端で意味がない」という物だった。
いま小池さんを取り巻く批判もまさに「中途半端で意味がない」というものであることを考えると――――小池さんという「上手の手から水が漏った」というのが今回の裁定案だったように思う。
（6/22/17
10:00pm）
2017年6月21日
フレッチャー型駆逐艦
先週土曜日に石廊崎沖で起きたフィリピン籍のコンテナ船と米海軍のイージス駆逐艦の衝突事故のニュース映像を見ると2万9000トンのコンテナ船の損傷に比べて排水量8300トンのイージス艦のダメージの方が遥かに大きく見えたことにちょっと意外な感じを受けた。
タカさんの中学時代艦船のオタクといってよい友人がおり、当時彼からよく「帝国海軍艦船図鑑」とか「第二次大戦各国海軍図鑑」といった類の本を前に滔々とそれらの艦船の能力などの蘊蓄を披歴してくれたものだが、彼から聞いた話では米海軍が太平洋戦争当時量産した確かフレッチャー型という名前の駆逐艦は、魚雷攻撃はもちろん観戦同士のぶつかり合い（？）のような攻撃に耐えるために船型をタライ型のおデブさん型にしており特に艦首部分の鉄板は物凄く分厚くできていた―――と教わったことを記憶していたからだ。
その知識からすれば、今回の衝突の場合、いかに相手のコンテナ船が大きいとは言え、軍船である駆逐艦の船首部分がまるでアルミ缶でも潰したようになっているのは一体どういう訳？と思ったからだ。
思い当たるのはその友人も、あのフレッチャー型駆逐艦も魚雷攻撃には強かったものの、カミカゼの上空からの攻撃には弱く沖縄戦では特攻隊が何隻かの駆逐艦を撃沈している！と言っていたことだ。その例からいえば船高の高いコンテナ船に上方からぶつかられた結果、あのように潰れてしまったのかなぁ〜とも思ったのだが―――。
聞くところによると、タカさんの知っている第二次大戦頃の駆逐艦のような役割を近年の駆逐艦は担っておらず、特にイージス駆逐艦ともなると、ミサイル攻撃を探知する高度な電子システムを搭載し、ミサイルを迎撃できる能力を備えてはいるものの、昔のように艦船対艦船といったいわゆる一騎打ち的な海戦がほとんどあり得ない現在、鋼板の厚さはさほど重要視されず、むしろスピード重視の為に軽量化されている―――ということらしい―――。
考えてみれば、日露戦争の成功体験をいつまでも引きずり続け、大和、武蔵といった大鑑巨砲主義にこだわり続けた為に、いち早く航空戦重視に切り替えていたアメリカ軍に日本は、ミッドウェーで完膚なきまでに敗れた、ということを考えれば、今や、軍事面でのわずか1年前の知識でさえ何の役にも立たないというのも当然だし、まして、75年前の駆逐艦の甲板の厚さがどうのこうのといった話を、現代のイージス艦とコンテナ船の衝突事故にもってきても―――ということなのだろう。
亡くなられ7名のイージス艦乗組員の方々のご冥福を祈る。
（6/20/17 10:00pm）
2017年6月20日
バカ親にもほどがある
世の中にいわゆるバカ親という類が多いのは今も昔もそんなに変わらないとは思うが、膝の上に乗せた子どもに車のハンドル操作をさせ、「ウインカー出して」などと声を掛ける姿が映った動画をYouTubeにアップした―――というバカ振りには驚いた。
この男、茨城県古河市の31歳になる配管工だということだが、ネット動画を見た人達の間で、「一歩間違えば大事故」「相手をけがさせたら誰の責任！」と大炎上、遂には警察が動いて道路交通法無免許運転ほう助の疑いで逮捕されたが、動画に映っているのは自分だ、と認めたものの、「無免許運転をさせたことになるとは知らなかった」と容疑を否認したというからバカ親振りが際立っている。
31歳にもなって子供に公道を運転させるという非常識さ、そんな自分と子供の姿を動画サイトにアップして「凄いだろう！」とばかりに自己顕示したいという愚かさ、そして極め付けはこの一連の行為が「罪になるとは知らなかった！」と恥ずかしげもなく言ってしまう無知さ加減、この先、こんな父親の下で育つ子供の将来が本当に心配になってしまう。（どうもこの動画は、だれかもう一人の助手席に座った人物が写したと思われるが、それがこの男の子の母親だとしたら―――バカ両親の下で育てられるこの男の子をこのままこのバカ両親に任せて放っておいてよいものだろうか――とも思う）
この動画を含めて、最近自慢げにこの手の動画をアップするという愚か者がやけに目立つ。暴走行為、いじめの現場等々、ただでさえやってはいけない犯罪行為を行うだけでも愚かだが、その自分達の犯罪現場を、動画にして公にアップすれば、どういうことになるか、そしてそれが動かぬ証拠として警察に逮捕される―――という事態につながる―――というほんのわずかな想像力さえ持たない非常識人というかバカがこんなに増えているとは―――。
今や誰でも簡単に動画が撮れて、それを簡単に動画投稿サイトにアップできる世の中になったことから、この古河のバカ親のように目立ちたい一心で子供に無免許運転させる等ということをやってしまう人間がどんどん出てくるようになってしまったことは、ネットが誰もが参加できるツールになってしまった弊害ではあるが、逆に考えれば「子供に運転させたりすれば、逮捕される」という常識を広く、そんな常識すら持たない世の中の多くのバカ親達に教えることになったという意味ではこの事件もある意味、ネットの効用と言えるのかもしれない。
気になるのは「罪になるとは知らなかった」とこのバカ親が、犯意を否定したことだ。最近の殺人事件では犯人が「殺すつもりはなかった」といった主張をすると場合によっては減刑されるケースもあることだ。ということはこのバカ親、必ずしもバカではないのかもしれない―――。
今回の事件、日本での逮捕理由は「無免許運転ほう助」だけだったが、これがもしアメリカなら間違いなく「幼児虐待」（Child abuse）という重罪が課せられると思う。折角のネット社会ならそういった諸外国でこの行いがいかに厳罰に相当するかということまで教え広めてほしいものだ。
（6/19/17 10:00pm）
2017年6月19日
金塊密輸
伊丹十三監督の「マルサの女」は、あの手この手で脱税をはかるラブホテル経営者、パチンコ屋、ヤクザ、新興宗教団体etc.と宮本信子演じる女性国税査察官の攻防をコミカルに描いた作品だったが、確かあの中で脱税の手法の一つとして取り上げられていたのが金塊だった。
金庫に札束を隠すという脱税の手口にくらべれば、確かに金塊は隠し場所も色々考えられるし（映画の中では新興宗教の祭壇の下に、ぎっしりと金塊が積まれていたような記憶があるが――）、紙幣のように新札に切り替えられるといったことがなく、金の価値は未来永劫と言ってよいほど不変だから、「隠し財産」として最良の品だ。
先日、韓国から成田空港に金塊約30キロを密輸入しようとした男女10人が、関税法違反と消費税法違反容疑などで逮捕されたというニュースがあったが、今年に入ってから福岡をはじめ各地で金塊密輸摘発のニュースが相次いでおり成田のケースもその氷山の一角のようだが、驚くのがその一回当たりの金塊量の多さだ。
先週の成田の場合は30キロだが、先月の福岡のケースや、関空でのケースは金塊が100キロだとか130キロという桁だから金額にすればそれぞれ4億9千万、6億4000万といった金額になる。きっとこういった密輸団の裏には、相当大がかかりな国際密輸組織があるのだろうと思われる。
麻薬だとか銃器類といった品物だと明らかに違法であるだけに「密輸」する理由は、わからないではないし、密輸するしか手に入れようがないということはあるだろうが、金塊は別に禁輸品ではなく、届け出とかしかるべき手続きを取りさえすれば自由に売買できる品物だ。（あなたが金を買いたければ、しかるべく業者や金融機関に頼んで金さえ払えば、堂々と買う事も又売る事もできるのだ）
新聞報道などによると、金密輸が盛んに行われる理由の一つには、日本では金を買う際には、代金にプラス8%の消費税を払う必要があるが、香港や韓国で金を買う際には消費税を払う必要がないので、これらの地域で買ってきた金を日本で捌けば必然的に消費税分が儲けになるのだとか―――。
ということは、あの130キロを密輸した連中にしてみれば、6億4千万円分の金密輸が成功しておれば、自動的に5100万円が懐に入っていたわけで、これだけ濡れ手で粟の商売（？）となれば、毎週でもやりたくなることだろう。
麻薬や銃器の密輸だと密輸品は当然没収ということになるから元手分まで損だが、（しかも長い懲役刑がまっている）、金塊の場合は所定の手続きを取りさえすれば堂々と取引できる品物であることもあり、一旦、空港で没収された金塊も、背景に犯罪などの証拠がない限りは「輸入申告漏れ」の罰金などを払いさえすれば、所有者に金塊は返還されるというから、密輸業者にしてみれば「多少の罰金を払いさえすれば元手までパーになる訳ではないし－－－」と、挙げられても、挙げられても、懲りずに密輸をトライする猛者もおおいのだとか―――。
金取引の場合、一般的には現金取引が主流だというから、表に出ない金取引も結構多いのかもしれないし、そういった表に出ないヤミの金取引があの「マルサの女」で使われた脱税の手口に今も使われているのではないか―――とも思うが――。
いやあ、世の中、悪知恵の働く人は多いようだ。
（6/18/17 10:00pm）
2017年6月16日
756号40周年
14日、東京ドームで行われたプロ野球セパ交流戦巨人対ソフトバンクホークス戦の5回終了後、突然、現在ソフトバンクホークスの王貞治会長が登場しセレモニーが始まった。
何事か？と思ったら、それまでの通算ホームラン世界記録であったハンク・アーロンの755号を抜く、通算756号目を当時巨人軍の王貞治一塁手が打ってから40周年を記念するセレモニーだという。
折からのソフトバンク戦でもあり、東京ドームに駆けつけていた王会長登場し花束を受けていたが、---「もうあれから40年も経ったのか！」と、色々な思い出が浮かんできた。
王は、81年に現役を引退し、助監督などを務めたあと巨人軍の監督に就任、優勝一回の成績を残しながら、88年（東京ドームがオープンした年）に優勝した中日に12ゲーム差を付けられ2位に終わったことから、監督就任わずか5年で、フロントから責任を問われる形で事実上の解任（形式的には辞任）されてしまった。
王・長嶋のON砲として長く巨人軍の人気の中心にあり、しかもホームランの世界記録を作った日本野球界の最大の功労者といってもよい王を「石もて追うがごとく」放逐した読売ジャイアンツに多くの巨人ファン、王ファンが憤激したものだったが、あの時からも既に30年近くの年月が経っているのだ―――。
王は、その後、94年には当時のダイエーホークスの監督に乞われて就任して、九州のファンには「ホークスの王」として知られるようになった。今、プロ野球界では最強の球団ともいわれるホークスだが、王が監督になった初年度などは、余りの弱さに怒ったファンから生卵をぶつけられて、さすがに温厚だった王も激怒した―――などというエピソードも思いだされる。
すっかり、ホークスの王監督として馴染んだこともあり、今や30代より若い世代（いや40代でさえも）は、王貞治がかつて巨人軍の4番バッターであったことを知らないというから、その点では王の選手引退後は、巨人軍のもう一人のヒーローでありいまや巨人軍名誉監督となっている長嶋とは、随分違った道を歩んだ物だと思う。
そういえばタカさんが子供の頃の巨人軍のヒーローといえばあの背番号16番の川上哲治だったが（もっとも、その頃は既に大分盛りを過ぎていて‘テキサス（安打）の哲’などと呼ばれてもいたが―――。そんな川上でも今や彼の現役時代を知っているのはタカさん世代より上の世代だから、あと、30年、40年たてば川上哲治選手のことを覚えている人などいなくなり、ただ野球記録に残っているだけになるだろうし、同じく更に何十年か経てば王貞治選手もそうなっていくのだろうか―――。
いや〜あ、色々考えさせられてしんみりした「王選手756号40周年記念セレモニー」だった。
（6/15/17
10:00pm）
2017年6月15日
的外れにも程がある
2012年12月、第二次内閣発足にあたって首相がぶちあげたアベノミクスの「三本の矢」とは、"大胆な金融緩和"、"機動的な財政政策"、"民間投資を喚起する成長戦略"であったが、もっとも遅れているのが三番目の矢である成長戦略だ。
思い起こしてみるとこの「成長戦略」の目玉として挙げられたのが「民間企業や個人が真の実力を発揮するための規制緩和の推進」であった。
当時から「大胆な金融緩和」や、「機動的な財政政策」にくらべたら三番目の矢である「規制緩和」がもっとも力技を要するであろうことは分かってはいたが―――案の定、日本社会の四方八方に張り巡らされる「規制の網」は深く、又その規制の網目を緩ませまいとする、様々な権益集団の抵抗は、身震いするほど苛烈なものであり、悪知恵の働く彼等には、有象無象の無知な応援団がついているのだから困ったものだ。
その典型が加計学園の獣医学部新設を巡る抵抗勢力による国家戦略特区潰しである。
この広い日本に、獣医学部はこの52年間（半世紀以上！）一切新設を認められてこなかった。ペットも増えているし、何故？ と思うが―――。理由は単純だ、新たな獣医学部新設による獣医増によって自分達の商売敵が増え収入が減ることを嫌がる日本獣医連と彼等の支援を受けている農林族、そして学部認可権限を自分達の権威の源泉や天下りの為の伝手として手放すまいとする文科省の役人達、という「鬼のような利権集団」による強固な抵抗が半世紀以上続いてきたからだ。
獣医学部新設阻止という規制は日本にはびこる「民間投資の喚起を妨害する規制」のほんの氷山の一角でしかない。獣医学部新設に限らず、こうした諸々の規制を緩和していくには、そ規制によって利権を得ている連中や、規制権限を手放そうとしない官僚たちの手を借りるのではなく、強い政治主導（イニシアティブ）こそ必要だ！とぶち上げられたのが「国家戦略特区」構想だった。
この国家戦略特区構想は、2014年に以来、医療、福祉、雇用、農業などの分野で既に56項目の規制改革が実現し、10の特区で計242の事業が認定されており、この獣医学部新設もその中の一つだった。戦略特区という名で、全面的、全国的とはいかないまでも、まずは岩盤規制の一部を削って行き、ゆくゆくはより広い規制緩和を行って行こう！という構想は、既得権益者や、規制官庁にとっては面白くないにせよ、国民の側にしてみれば大歓迎すべき構想だ。
この戦略特区構想を、自分が天下り問題（多分、出会い系バー通いも問題になって）で次官退任せざるを得なかった文部省元次官による逆恨みやら、何しろ安倍内閣に難癖をつけて国会審議を妨害することだけが目的である民主党などの野党、そして獣医連という利権集団、朝日をはじめとする反安倍（というよりは反日）勢力が、潰そうとしている企みこそ、国民の側としては排除すべきなのだ。
民主党は、やるにこと欠いてついには、「国家戦略特区停止法案」を国会に提出した。「坊主（安倍晋三）憎けりゃ袈裟（国家戦略特区）まで憎い」ということなのだろうが、この法案は、結果的には、民主党が巨大な既得権益を死守したい官僚機構や業界団体の片棒を担いでおり、規制緩和という民間活力を喚起して欲しいという庶民の希望を打ち砕こうとするものだ。日経新聞までもが、「ここまで的を外した法案は珍しい」と酷評していることを付け加えておく。
（6/14/17 10:00pm）
2017年6月13日
終わらないのでは
対イスラム国包囲網といわれる連合が一枚岩でないことはこれほどまでにISIS（イスラム国）の壊滅という目標を達成するのに時間がかかっている原因であることはよく知られている。
イスラム国は「イスラム教スンニ派の一派」であることを自ら宣言している。イスラム教に余りなじみのない我々日本人は「スンニ派ならば、最大の敵はイスラム教シーア派だろう」等と考えてしまいがちだが、「イスラム教」という点に限って考えてみれば、十字軍以来、イスラム教にとっての宿敵といえば、キリスト教であるはずだし、いや待てよ！中東のイスラム国にとっての不倶戴天の敵といえばユダヤ教であり、ユダヤ教徒の国であり、かつてアラブの土地であった地に勝手に国を建設しその地に住んでいたアラブ人を追い出しにかかっているイスラエルこそがイスラム教の国にとってもっとも「憎むべき相手」とも考えられるし―――そうだとすると、イスラエルの絶対的な後押しをしていて莫大な軍事援助はするは、イスラエルの横暴に対する国連決議案が出る度に国連安保理事会で拒否権を発動しているアメリカこそイスラム国の最大最強の敵であるかもしれない―――。
いやいや、アメリカ一国がイスラムに対して酷い仕打ちをしている訳でもない、西側諸国（日本も含まれる）もみなイスラム国の敵と認識されているかもしれない―――。更には、チェチェンや中央アジアのイスラム教徒を弾圧し時には虐殺まで行っているロシアだって、イスラム教徒にとっては許されない連中！だ。
ここまで考えると、ISISにとって彼等以外の国や地域は皆敵ということになってしまうのだから、これらの「ISIS以外の国々」が一致団結してISIS掃討に力をいれればほんの数日、いや数カ月で彼等なんてこの地上から姿を消しているはずなのに―――何故？―――という訳だが―――。
対ISIS包囲網の諸国にはそれぞれISIS以上の敵がいることが、この作戦が長引くどころか、時間とともに益々泥沼化している原因だ。
例えばシリア政府軍が最大の敵と考えているのが、反政府勢力だがこの勢力は主にイスラム教スンニ派の各部族からなっていて、これが旧イラク政府軍（サダム・フセイン政権）のイラクスンニ派一派と連携している。ここでは、イスラム国、シリア政府軍、シリア反体制派という三すくみが出来上がっている訳だが、そこに国を持たない世界最大の民族といわれるクルド人の勢力が加わっている。
クルド人の、大部分がイスラム教スンニ派だが、1/4ほどはシーア派だし、少数ながらゾロアスター教（拝火教）もいるという複雑さだ。しかもクルド人勢力にとっての最優先の課題は「クルド人の独立国家」建設であって、その最大の目的のために「ISIS壊滅のお手伝い」に加わっているに過ぎない―――という側面が強い。
有志連合にしてみても、アメリカとロシア、そして欧州連合の利益は一致している訳ではないから、お互いが余り相手の手柄になるような対ISIS作戦に力を入れる必要を感じてはいない。イランだってイスラエルや米国は宿敵だし、シリアのアサド政権は友達政権だ。そう考えれば対1SIS作戦だって―――そこまで真剣になる必要をかんじず「ほどほどに」ということになるだろう。何組もの勢力がそれぞれ異なる目的をもって戦っている――この戦い―――終わることなどないのではないのだろうか。
（6/12/17 10:00pm）
2017年6月12日
ペットも減っている
タカさんのご近所でも少子高齢化が進んでいるなぁ〜と実感するのは、まず少子化でいえば、町内で小学校や幼稚園に通ういわゆる学童の姿をめっきり見かけなくなったことだ。確か、町内の「子供会」は、もう10年以上前に会員数不足から解散してしまったと聞く。その逆に高齢化を実感させるのが、同じく自治会内にある老人会（レインボーだとかなんとかという洒落た名前だが）の会員が増える一方だという事実だ。市が町内に建ててくれたレインボークラブ会館（？）では、様々な趣味のクラブ（カラオケだとか、ゴルフ等々）の活動が賑やかに行われているらしい。（タカさんはまだ参加したことはないが）
やっぱり元気な子供たちの声が聞こえなくなってきたということは、いかに元気な高齢者がふえているとは言え、この先10年、20年が経った時にはその高齢者たちも順次亡くなっていくことだろうから、この町内は、やはり相当に寂しい町になっているのではないか？と思わないではないが―――。
最近、読んだニュースによると、2000年頃には急激に増えた日本のペット（イヌ、ネコ）の数だが、最近は急激に減り始めているのだとか。調べてみると確かに特にイヌの場合、2011年には1200万頭いたものが、この6年程で一気に200万頭以上減り、遂に1000万頭の大台を割っているという。
日本のペットの数は、イヌ、ネコそれぞれ約1000万頭、計2000万頭近くいるというが、イヌだけでも年間4-50万頭ずつ減っているということは、こちらも人間社会同様に人口（？）減少化が進んでいるということなのだろうか。
たしかにタカさんのご近所でも、子供さんが結婚して家を出て行く際に、可愛がっていたペットを親許に置いていく―――というケースが多く、10年程前には、夕方になるとタカさんと同年代の人達が娘の置いていったイヌを夕方、散歩に連れて歩いている姿をよく見かけたものだったが―――。
そんな「娘の置き土産イヌたち」も十年も経てば、段々と死んでしまい、残された老夫婦（？）達も、自分達の老い先をかんがえたら、これから20年近くも生きるであろうペットを飼って、もし自分達が先にしんでしまったら―――などと考えるて―――新たに飼いはじめるのを諦めてしまった――という家が2-3軒と言わずかなりある。
確かに子供達が独立して家を出ていった直後の50代ならば、まだ本人達も元気だし、夫婦二人だけでは会話も少なくなってしまって寂しいから〜とペットを飼いはじめたりもしただろうが、やはり自分達が70代、80代となってくるとこの先、10年あるいは20年近く生きるかもしれないペットを飼いはじめるのは無責任にも思えて〜と飼育を諦めるというのはタカさんも理解できる。
現在、日本の16歳以下の子どもたちの総数は、1700万人余りと、既にイヌ、ネコの総数（約2000万頭）よりはるかに少ないが、この先は、少子化により益々減って行く。今は増えている高齢者（65歳以上）数だって、これから先は、「老人年間死亡者数」の方が上回る時期がくるだろうから減っていくことは確実だ。それに加えてペットの数も減り続けていくというのだから―――。
20年、30年後の日本は随分と寂しい国になっているのかもしれない。
（6/11/17
10:00pm）
2017年6月9日
改憲便乗を許すな
一票の格差の問題が繰り返し司法の場で争われてきているが、参議院についても、最高裁が、４倍を超える格差に対しては、違憲状態にあるという判決を出してきている。
しかしながら、「国権の最高機関」と規定する国家の議員さんたちの中には、人口の少ない選挙区から選出されてきており、この格差是正がなされると議席を失いかねないという連中がいて、この連中が「少数派の意見を国政に反映できなくなる―――」といったもっともらしい理由を付けて定数是正（この場合、彼等の選挙区を隣の同じく人口の少ない選挙区と合区する案）に反対し中々定数是正が進まないのが現状だ。
多数決ばかりが民主主義だといった乱暴な事を言い張るつもりはないし、少数意見の尊重や、「とことん議論を尽くす」という民主主義のコストともいえる良い面も大いに生かしていくべきだとは思うが、さすがに同じ一票の重みが都会の人口の多い地域と、地方の人口の少ない地域とでは5倍も6倍も違う―――というのでは、いかになんでも「民主的」の正反対ではないかと思う。
「いや、地方に住んでいる者の困難さに配慮すべきだ」という声も聞こえるが、それはとりもなおさず「都会に住んでいていい目を見やがって！」という地方の僻みにも聞こえなくはないし、都会に住むということは（物価も高いし、環境派よくないし等々）それなりに地方にはない困難だってあるのだ！という文句が一票の格差をつけられて権利を軽視されている都市部からは出そうだ。
そんなことを言いだしたらキリがない。一票の格差問題、やはりできれば憲法が保障する「法の下の平等」の原則を尊重して国会で各党の合意が得られる範囲（できれば、2-3倍以内が好ましいが）の定数是正が進められるべきだと思う。
しかし、ここに来て参議院に於ける一県二議席を残したままでは、一票の格差が縮まらないという点を勘案した合区案（鳥取と島根、高知と徳島等）が本決まりになりつつある段階でこの選挙区の議員を中心に、「合区反対論」が息を吹き返しつつある。しかも、そのやり方が何とも姑息で汚い。「合区反対論」は最早一票の格差問題の前では世論の賛同が得られないとなるや、改憲案の中に「一県二議席を明記すべきだ！」という便乗案が浮上してきたのだ。
憲法が一票の格差の元凶である一県一議席を違憲だというなら、憲法を変えてしまえ！というとんでもない暴論だ。
いってみれば、日本国憲法がよって立つ「多数決による民主主義」を、何が何でも参議院議席にしがみつきたい一部のジコチュウ議員の私欲のために、根本から変えてしまおうというのだから―――。
改憲論議のドサクサに紛れた合区反対論は、絶対に許してはならないと思う。
（6/08/17
10:00pm）
2017年6月8日
単細胞カウボーイ
「夫婦喧嘩は犬も食わない」とは、夫婦喧嘩などというものはささいな、くだらない原因で起きるものであり、すぐにおさまるものなのだから他人が中に入ってとやかく言ったりするものではない―――という意味だ。
落語でも亭主と喧嘩した長屋のかみさんが、大家ところに駆け込んで「大家さん、聞いてくださいよ、うちの亭主ったらねぇ〜」とグチをこぼし始めると、大家さんがそのかみさんに同情して「そんなにひどい亭主なら、俺が一肌脱ぐから、別れちまいな！」というとかみさんが一転「そんなひどい事を言わなくたっていいじゃありませんか、あの人だって本当は優しいんですから、大家さんの人でなし！」といわれてしまう〜という話があるぐらいだ。
国同士のいさかいにしても多くは夫婦喧嘩に似たようなものであり、他人（他国）が、間に入っても、角が立つ場合が多いから、「触らぬ神にたたりなし」と首を突っ込まない方が無難－--というケースが多いのではないだろうか。
サウジアラビアがカタールとの断交を宣言したが、先日、サウジを初外遊先に選び「イスラム国壊滅への共同歩調」で合意したことを「外交成果」として宣伝したかったトランプ大統領は、ツイッターですかさず「サウジ支持」を述べたのだが―――「サウジ支持の表明」は、サウジが喧嘩を売っている相手であるカタールを非難したことになってしまうことに、このド素人大統領は気が付かなかったようだ。
実は米軍にとってはカタールも湾岸における最大級の駐留支援国であることもあって国防総省などは大慌て、「カタールの長年にわたる協力に感謝！」といった声明を出すなどしたものだから、なんのことはない世界中に、米国首脳部の不一致振りと大統領の外交無知振りをさらけ出してしまった訳だ。
サウジは、カタールとの断交理由を「イスラム国などのテロ勢力に対する資金援助」を挙げているが、カタールもサウジ同様にイスラム教スンニ派が大多数を占める国であり「反イスラム国」という点ではサウジの非難は、どうもピンとこない。（ウサマ・ビン・ラディンがサウジアラビア出身であったように、イスラム国にひそかに資金援助しているサウジ王族も多い）
確かに、カタールはシーア派の宗主国でありサウジにとっての天敵ともいえるイランとは多少宥和的な政策をとってはいるものの、イランにしても革命防衛隊を中心にイスラム国掃討という点ではサウジとも一致している。長年、イランに対して強い制裁を加えていたアメリカがオバマ大統領になってから、制裁解除などの宥和的措置を取り始めたことをトランプ大統領が気に入らないことから、イランに対して厳しい態度をとるサウジを支持し、イランと宥和的なカタールもついでに非難した―――というなら分からない訳ではないが―――それにしても複雑な中東情勢を、西部劇調に「善玉か悪玉か」の二者択一でしか考えられないというのだから―――こんなアホが世界一の権力を握っているというのだから恐ろしい。
夫婦喧嘩でさえ他人が首を突っ込むとややこしいというのに、夫婦喧嘩の亭主なりかみさんにそれぞれ浮気相手がいてしかもその浮気相手同士にも複雑な事情があって―――三つ巴、四つ巴――というのが、今の中東の現実だ。単細胞のカウボーイが首を突っ込む世界ではなかった、ということなのではないだろうか。
（6/07/17 10:00pm）
2017年6月7日
前文こそ問題だ
自民党の憲法改正推進本部が21人に増員され新たな幹部会の初会合を開かれるなど、国会では年内の憲法改正案作成のスケジュールが軌道に乗って来た感がある。
憲法改正とはいうものの70年間一度も手を加えたことのない「不磨の大典」化してしまっている憲法を「改正」しようとなると、なにせ経験者のいない事柄だけに、「どこをどうしてよいのやら」というのが、日本国憲法成立時には生まれてもいなかった国会議員、憲法学者、そして大部分の国民の本音ではないのだろうか。
まあ、差し当たってというか改正案に盛り込むべきは、日本国憲法に定められた「あまりにも現実の世界政治、社会情勢とあわない」部分であって、後の大半の条文は、いままで70年間に亘って条文の解釈の仕方（中には、無理やりすぎる部分もあったが）によってどうにかこうにかやりくりできたのだから、「もめるようなら別に変えなくても―――」といったところかもしれない。
そうなるとやっぱり変えなければどうにもならない、と思えるのが憲法9条であることは、よほどの空想家、夢想家、あるいは自滅願望でももつごく一部を除けば一致できる点だろう。
9条第１項の「戦争放棄」と第2項の「戦力の不保持」「交戦権の放棄」が、改憲議論の一番の眼目になることは、衆目の一致するところだろうが。「絶対に変えるな！」も、「この2項ともに削ってしまえ！」も、先にも述べた通り70年間嫌々とはいえ付き合ってきた憲法だけに、「なにもそこまで！」という躊躇議論が沸き起こり、再び70年かかっても結論が出ないかも知れない点である。（いまの憲法のままでは今後70年も日本という国が生き残っていられるか疑問ではあるが）
そうであるならば、この9条の一番の矛盾点である「戦力はこれを持たない」という点と現実に日本の防衛力として不可欠な存在である「自衛隊」との整合性をどうつけていくかであり、さまざまな改正案が考えられるが、「9条に新たに第3項を設けてそこに自衛隊という防衛軍の存在を明記する」という自民案も検討の価値はある。
まあ、確かに9条はそのままにして、第3項を「加憲する」という案なら人々（賛否両派にとっても）受け入れやすいかもしれないとは思うが、それでも、弥縫策に過ぎないといわれ、あらたな憲法論争を産む可能性がないではないのは、憲法前文との間に矛盾が生じてしまう点だろう。
憲法前文には「日本国民は、――平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とある。
4月に亡くなった論客渡辺昇一の著作に「--諸国民の公正と信義を信頼する――」ことが悪いとはいわない、だが一体、世界のどこに「自分達の安全と生命の保持」を他国に任せる国があるか！と言っていたことを思い出す。
憲法改正の一番の眼目は、憲法前文のこの部分、「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」の削除し、少なくとも「自分達の安全は自分達が守る」という当たり前のことを宣言することではないだろうか。
（6/06/17 10:00pm）
2017年6月6日
問題の本質は？
「規制緩和は良い事なのか、悪い事なのか」と問われたらその答えは、それぞれの立場によって全く正反対の答えが返ってくるのは当然だ。その規制によって守られている人、あるいはその規制によって生じる既得権益で潤っている人にとって規制緩和は悪いことであるし、逆に、その規制によって生じる権益を持たない、あるいはその規制によって不利益を蒙っている人達（非既得権益者や一般消費者）にとっては自由な取引が可能になり、価格も安くなるのだから規制緩和は良い事と答えるだろう。
経済学者の間でも意見は分かれると言われるが、なあに、その学者が既得権益の側から金を貰っているか、あるいは既得権益に預かれない側にたって生計を立てているか、の違いでしかなく、いずれも確たる信念や経済理論に基づいている訳ではない。
大型スーパーの出店規制の緩和、金融ビッグバンといわれた銀行、保険、証券への規制緩和、国鉄民営化、郵政民営化等々、タカさんは直接的メリットを感じた訳でもないが、「やはり、規制のあった以前よりは世の中、随分とマシになったなぁ」という感覚はある。そんな訳で、タカさんは規制緩和賛成派だ。
役人の仕事というのは一言でいえば、法律なりなんなりで定められた「規則」を皆に守らせることだ。（法を定めるのは「国会」だと憲法に書いてあるが、実際のところ国会は、役人がお膳立てした法律を言われるなりに認めているだけである）そうであれば、自分達が作って、自分達の権威の源泉となっている「規制の緩和」に役人が賛同する訳もなく、それどころか役人は、規制緩和と聞けば必死に邪魔をする立場だ。
そもそも「規制緩和」という言葉は、英語の‘Deregulation’（規制を無くす=規制撤廃）を、規制の総本山ともいうべきお役人たちが「撤廃なんていう言葉をいれたら俺たちの仕事が必要ない、という意味になってしまう〜、この際、語感をずっと柔らかくした『規制緩和』という言葉にしてその内容をなし崩しにしてしまおう――」と悪知恵を働かせて「規制撤廃」と訳すべきところを、わざと誤訳したに過ぎないのであり、そうと知れば今からでも遅くないから我々は、「規制緩和」という言葉を「規制撤廃」に言い換えてでもお役人や既得権益者に抵抗すべきなのではないだろうか。
そんな現代まで、しっかりと既得権益者と役人がタッグを組んで頑固に守って（守らせてきた）権益がある。獣医という権益だ。獣医が増えることは、既存の獣医さんたちにとっては競争相手が増えることだから絶対に許せないことである。既得権益者である獣医達と既存の獣医学部を持つ大学にとって新設の獣医学部の認可などという「規制緩和」は許すことのできない話だ。
52年間に亘って獣医学部の新設を規制してきた役人と既得権益側の獣医連に対して風穴を開けようとしたのが、政府の「国家戦略特区構想」だが、この規制緩和の動きに対して思わぬ応援団が出現した。「安倍憎し」という一点で思いが合致した朝日新聞と、「女性の貧困調査」の為に足しげく出会い系バーに通っておられた元文部次官の前川さんだ。後ろ指さされても仕方のないようなラリパッパの奥さんやら胡散臭げなお友達に囲まれている安倍首相自身にも問題はあるが―――。
この問題の本質は、獣医学部新設という「規制緩和」か、「あの手この手を繰り出して既得権益保を守ろうとする側の抵抗に屈すべきか―――」、という所にあるというところにあると知っておくべきだろう。
（6/05/17 10:00pm）
2017年6月5日
波高し
やる、やるとは聞いてはいたけれど、ここまでやるとは―――本当に世界中が驚いたのではないだろうか。
トランプ大統領による地球温暖化防止に関する国際条約からの離脱宣言である。
ブッシュ大統領時代には一時米国はこの枠組み条約に不参加の姿勢をしめしたこともあり確かに産業界は協定参加に必ずしも乗り気ではなかった時期もあったが、京都議定書からかぞえればかれこれ20年近くをかけて、全190ヶ国が紆余曲折の中で取り決めた協定を「アメリカファースト」という自身の選挙公約実行のために一気にひっくり返してしまおうというのだから、トランプさんの行動は、北のあの金正恩もびっくりの予知不能さだ。
思い起こせば、自動車の排ガス規制についても、まずカリフォルニア州で世界一厳しいといわれる規制が行われる―――となってから、米国市場を失いたくないという理由で日本の自動車メーカーは一斉に低燃費車開発に血眼になり、今や技術的には世界のトップレベルになった訳だが、そんな日本に対して今度は米国が、「厳しすぎる燃費規制はアメリカにとって不利だから」という理由でそんな温暖化防止の取り組みから離脱する！とでもいうのだろうか。
今更、日本で再び燃費効率のよくない車を作る――となると果たして、そんなことできるのだろうか。
それより何より、燃費が悪くやたらとデカイアメ車を日本が輸入しないのは、「不公平だ！」といっていたトランプさんだから、日本の自動車の燃費基準ももっともっとゆるくすべきだ！などと言ってくる可能性すらある―――。
いくら強制されても、もう今更あのバカデカイアメ車で日本の狭い道を運転するきにはなれないし―――。
いやはや、トランプさんと金正恩にはさまれて日本の行く末は、益々波高し、である。
（6/04/17 10:00pm）
2017年6月1日
ずっと来るからね
あの娘の命日近くの日のお墓参りも早い物で今年はもう16回目になる。
娘の墓は、我が家からは50キロ以上ある狭山の静かな丘陵の中にあるからかつては妻と二人、車で墓参りにいったものだったが―――その頃は、往復でも3時間ちょっとで行けた物だったが―――。
年齢と共に50キロもの道のりを高速道路を運転して往復すると、年々悪くなる視力の所為もあって神経がくたくたになるほど疲れるようになってきたので、助手席に座る妻も心配だと言いだし始めたこともあって、近年は電車を使ってのお墓参りに行くことが多くなってきた。
今年の命日のお墓参りも、妻と二人、花と線香を手にもって電車で出かけた。
乗り換えを2回、ゆっくりと各駅停車を使ったこともあって、霊園の最寄り駅についたのは自宅を出てから2時間以上経ってのことであった。
さて、ここから狭山丘陵の坂道を登っていかなければならない。十年も前なら、駆け上がるように一気に上った道も、かなしいかなえっちらおっちらと踏みしめながら登らざるを得なくなっている自分に驚く。（体重が増えた所為もあるが間違いなく足腰は年齢なりに衰えてきているようだ）
振り返ると妻も青い顔をして必死に上っているではないか。登坂といってもおそらく距離にしたら、せいぜい3-400メートル位なのだろうが振り返ってみると狭山湖の堰堤がかなり下に見えるから高度は大分稼いでいるようだ。
坂道を登りきったところで二人は荷物を下に於いて一休み―――いやはや二人ともに「老夫婦」ということばがぴったりだと笑い合ったりもした。
お墓はそこから、更に先に進んで少し坂を下ったところだ。
お墓を掃除して墓にはたっぷりとお水をあげて、あの娘に似つかわしいと妻が選んだ明るめの花を飾り、お線香をあげて、好きだったチョコレートやマンゴーをお供えしてから二人でゆっくりとお参りした。
もう17年目をむかえようとしてはいるけれど、こうやってお墓の前にたたずむと、あの娘が亡くなるまでの26年間の楽しい思い出と、そしてあの娘を失ってからのあっという間の16年間が走馬灯のように思い浮かび思い出がつきることはなかった。
「お父さんもお母さんも、歳をとっては来たけれど、二人とも元気に生きて、そして生きていてこの坂道を登れるかぎりは、お墓参りにくるからね」そう呟いてお墓を後にしたが、帰り道は下り坂で楽なはずなのに――ひざががくがくして駅についてからは二人ともへたり込むようにベンチに座りこんでしまった。
（5/31/17 10:00pm）
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