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2017年5月
＜＜5月タイトル＞
05/31 女性宮家には無理がある 05/30 古着屋商売 05/25 自然と人工 05/25 ホームグロウンテロリスト 0524 オバマケア廃止法案
05/23 新幹線札幌延伸 05/22 忖度の責任 05/18 公務員増員 05/17 自由貿易の旗手 05/16 受動喫煙 05/15 捜査は適正だった？
05/12 自然の生態系破壊？ 05/10 他にいい人がいない 05/09 年上女房 05/08 ホヤ廃棄
2017年5月31日
女性宮家には無理がある
天皇の退位に関する特例法案が、民主党が条件としていたが自民党内には反対論も強かった「女性宮家」を「検討する」という文言を決議案に付帯することで合意した。
「退位したい」という天皇個人の意思が、国会を動かし法律に反映される―――ということになる訳で、「天皇は政治には関与しない」という日本国憲法の大原則に反すると考えられなくもないけれど、戦後すぐに天皇も一個の人間であることを自らの「人間宣言」で表明した天皇であり、その言葉を、戦後70年以上に亘って「天皇も一人の人間だなんて、当たり前のことじゃないか」と納得してきた日本人にとっては、「辞めたいという個人の意思を尊重して何がいけないか！」ということであり、おそらく国会では全会一致で可決されるのではないだろうか。（ところで日本共産党は天皇制をみとめているのだっけ？）
憲法9条があるから自衛隊は違憲だ！と憲法を盾に神学論争的護憲論を掲げる憲法学者が7割いるといわれているが、今回の天皇の「お言葉」を契機としての退位法案（？）については、イチャモンを付ける憲法学者なんて皆無だといういい加減さを考えてみるとそもそも今の憲法がいかに現実に合わない不都合な憲法であるという事実をあらためてつきつけているようなものだ。
ところで、「女性宮家」である。付帯決議でまだ「検討する」とされた程度だから、女性宮家創設が本決まりになるにしても少なくとも後3年や4年はかかるだろうから、正直言って今現在「女性宮家」候補である秋篠宮家の二人の内親王（眞子さまと佳子さま）は、おそらく結婚されて皇籍離脱している可能性が高く間に合わないだろう。残るは女性宮家候補として残るのは皇太子家の愛子さまだけということになる。彼女は現在15歳だから、まさか3-4年先に結婚しているということはないだろうから、「女性宮家」第一号になる可能性はある。
冒頭の天皇も個人であり、個人が「辞めたい」と言っている以上は、それをダメだとは言えないという話に戻るが―――不遜ながら―――もし愛子さまがその時「私は女性宮家なんかになりたくない！」と個人の意思で述べられた場合、「いや、法律で宮家になることから逃れることはできません！」などと言えるものだろうか―――。
憲法がいう「職業選択の自由」は当然皇族にも認められるべきだとすれば、本来退位したいという天皇が退位するのも、宮家に残りたくないという皇族が皇籍離脱するのも自由のはずだが―――。コチコチの憲法学者さん達のご意見を聞いてみたいものだ。
愛子さまが女性宮家になられて結婚されて男の子が生まれた場合、もしその男子が将来天皇になられるとしたら―――神武天皇（神話上の人物らしいが）以来連綿とつながっている神武天皇のY遺伝子（男性だけがもっている性遺伝子）を持たない天皇が史上はじめて出現することになり、いわゆる「万世一系」は途絶えることになってしまうが――――。
あれこれらを考えてみると、どうも女性宮家創設による「皇室の継続」という考え方は、あちこちに無理がありそうだ。この際、ＧＨＱ令によって皇籍離脱させられた旧宮家の中の男系の中から何人かの方に皇籍復帰してもらう―――なんていう方策も考えた方がよいかもしれない。
参照「女性天皇」11/07/05
（5/08/17
10:00pm）
2017年5月30日
古着屋商売
神田の神保町といえば古書店の街ともいわれているが今もこの街にいくとなんだかタイムスリップでもしたかのような古色蒼然たる古書店が並んでいる一角がある。
タカさんは本好きではあるが、この手の店に入って本を探すということはめったにしないが、時間潰しによくフラリとたち寄るという知人がいる。彼は、1，2冊買う等ということもあるというから、人の趣味というのは本当に人それぞれだなぁ〜と思う。
そんな数少ない機会しか古書店に行かないタカさんにとって不思議でならないのは、どの古本屋にも、めったに客がいたためしがないし、客がいたとしても一人か二人―――といった程度であるのに、あんな程度の客の入りで商売が成り立つっていることだ。
タカさんの知人の古本好きも別段値段の高い奇観本だとか、それこそ初版本といったものを買う訳ではなくせいぜい1000円、2000円の本を買っているだけだと言っていたから、もし古書店の客がこの程度の価格の本しか買わないとしたら―――しかも客の入りは少なく―――月の売り上げはたかが知れているようにも思えるし―――いや本当に、古本屋というのは一体どうやって商売を成り立たせ、しかも神田で何十年も店を維持しているのだろうか―――と不思議でならない。
それなりの業績を残して亡くなった大先生の遺族がその故人の膨大な蔵書を処分する際に、よく出身大学などへの寄贈をする―――といったケースがあるけれど、寄贈される大学の方ももはや持て余し気味で、最近は丁重にお断りするケースもあると聞くが、そういった場合、故人が生前、よく通っていた古書店の店主がそれらの本を引取に来てまさに二足三文でもっていく場合もあるという。（遺族も蔵書の整理ができるだけ助かるので、金額などはどうでもよい！というケースもあるというから、きっと古本屋はこういった古本の中から高値で売れるものを掘り出すことで、どうにか古本商売を成り立たせているのかもしれない。
そうそう、近年、「古着屋」などという言葉も聞かなくなり、最近は古着等を一括で買い取る業者のことを「リユース業者」などとも言っているようだが、むかしの古着屋の商売は、例えば、もう着なくなった背広を10着まとめて2000円程度で買って、それを店頭にならべて一着2000円で売る―――といったことで商売を成り立たせていたとも聞く。
古本にしても古着にしてもマーケットの規模は小さいけれど、それなりに商売として成り立つ仕組みがあるのだなぁ〜と感心させられたものだが―――。
最近、ネットビジネスのプラットフォームとして急成長しているという「メルカリ」は、こういった古本だとか古着などのリユース業界の破壊者となりつつあるのだとか。というのもこのメルカリ方式－－個人が店舗をも持たずにネット上でこういったリユース商品を売ることができる方式だそうで、例えば、上の古着の例でいえば、10着まとめて2000円で売っていた背広を、一着、5000円から10000円といった値付けをして売り出すことができ、ネットだと多くの人の目に出品が目に留まり、あっという間に10着がトータル50000円以上で売れた‐―なんていうこともあるらしい。
ということは、あれだけ長く続いてきた神田の古本屋街も古着屋同様、「メルカリ」の出現によって、厳しい環境下に置かれるだろう―――ということなのだろうか？
（5/29/17 10:00pm）
2017年5月26日
自然と人工
「自然」の反意語といえば辞書には「人工」とある。
確かに「自然を守ろう」というスローガンが声高に叫ばれると「自然を守るには人間がいなくなることが一番だろうに」などと天邪鬼な揶揄の声をつぶやいてしまうが、例えば「里山の自然」などといえば、里山といういわば人工の環境を、人が管理することによって、ドジョウやカエルといった自然の生物が帰ってくるし、それをエサとするコウノトリやトキが戻ってきて―――等々、まさに「里山という美しい人工の自然」などといった自己撞着的な矛盾に行きあたってしまう。
日本の首都、東京のど真ん中にある皇居の森には、実に豊かな自然の生物が生きていることを知れば、ああ、やはり人が入り込みさえしなければ「自然は守られるのだ」と思い勝ちだが、そんな皇居の森も実は、宮内庁の職員たちがこまめにその環境を維持するために手を入れることを知れば、まさに「自然を守るためには人間が必要」ということになり、辞書のいうように自然と人工は反意語ではない、と言いたくなる。
先日、「世界盆栽展」を観にいったけれど、あの自然を写したかのような幽玄な盆栽という植物の美は、実は何代にも亘る盆栽の保有者たちや、盆栽作家たちの「人工」の手がはいっているからこそあの見事な美しさを保てているのだと気が付いて、なんとも複雑な気持ちになった。盆栽を人工の物とは言い切れないし、逆に自然の物か？といわれれば、そうは言いきれないような気がする。
先週の「ダーウィンがきた」で知ったのだが、かつてイギリスの森や田園のいたるところに済んでいたハリネズミは、そういった森や田園が失われたことで、いまや大都会の住宅街を住処として繁栄しており、住民たちもそれを温かく見守っているという。生物が気候をはじめとする地球環境の変化に柔軟に対応し、その生息域や暮らしぶりを変えて進化してきたことを知れば、ハリネズミにとって今や大都会という人の住む環境こそが「自然」であると言ってもよいような気がした。
そう考えれば、外国から人間によって連れてこられたいわゆる「外来生物」が、それまでその地にあった「在来種」との生存競争に打ち勝ち、その地で繁栄していることを「自然環境を守ろう！」という勝手な（？）な掛け声のもとに目の敵にして駆逐、駆除してしまうことこそ「自然破壊」なのではないか―――とも思うのだが――。
（5/25/17 10:00pm）
2017年5月25日
ホームグロウンテロリスト
マンチェスターのコンサート会場で発生した爆発事件では22人もの犠牲者がでたが、その後の調べでコンサートの終了時の人混みを狙った自爆テロであったことが明らかになった。
その後、マンチェスター警察は、犯人はサルマン・アベディという22歳のリビア系の男であることを発表、ISIS（イスラム国）も犯行声明を出しておりシリア、イラクで追い詰められつつあるISISによる報復テロがこれから欧州で、ますます激しくなるのではないかとヨーロッパ諸国には戦慄が走っているという。
トランプ大統領はイスラム圏からの入国を禁じる措置を大統領令として発令して挫折したし、フランスの大統領選では移民禁止を訴えたルペン候補が惨敗するなど、ここのところ移民禁止措置に対する逆風が吹いていたけれど、今回の少女たちを狙った爆弾テロで再び移民排斥機運が再熱するかもしれない。
最も、今回のテロの犯人であるサルマン・アベディは、リビアから亡命してきた両親を持ち、この両親がマンチェスターで1994年にもうけた子供であり、イギリス籍をもついわゆる「ホームグロウンテロリスト」（自国産テロリスト）であることを考えれば、今更「アラブからの移民禁止」措置などとっても、なんのテロ防止策にもならないことはあきらかだ。
というのも、イギリスでは、この20年間だけでも移民の増大、及び彼等の高い出生率もあって、全人口に占めるイスラム教徒の割合は、５％に達しており300万人を超したという。穏健なイスラム教徒が大半だとはいうものの、亡命してきた両親世代と違ってホームグロウンの若者達の多くは、宗教や人種による差別感を持ち、社会に対して不満を強めるものが多いという。
そういった若者達の一部が過激化しており、これまでにイギリスからだけでも1000人がシリアに渡り、ISに合流して戦闘に加わったことが分かっているが、ここのところのISの敗色濃厚により、内400人ほどが英国に戻っているという。シリアでISISの戦闘員であったからと言って、イギリス国籍をもっている彼等の帰国を拒否する訳にはいかない。
こういったシリア帰りの一人が今回のテロの犯人サルマン・アベディだったというし、彼の兄も同じくシリア帰りで、今回の共犯容疑で取り調べを受けている。
ホームグロウンのイスラムの若者の内、ISとの何等かの接触をして現在当局の監視下にある者だけでも1000人いるといわれており、いってみれば国内に1000人のテロ予備軍を抱えている英当局は大変だし、外国からの新規移民と違って追い出すわけにもいかない。
移民、難民に対しては人道的な措置が必要であることにまったく異議はないけれど、二世、三世の世代がどうなっていくのか―――と考えると―――日本も、そんなに安易に移民を受け入れていいものだろうか――とも思う。
移民として流入したユダヤ人の子孫が650万人いて、今やアメリカの政治・経済の主導権を握っていることなどを考えると、ますます日本の移民受け入れには消極的にならざるを得ない。
（5/24/17 10:00pm）
2017年5月24日
オバマケア廃止法案
トランプ大統領が選挙公約の一つに掲げ、就任後すぐに着手しようとしたが議会での可決の目途が立たず一旦は断念したオバマケア廃止法案、紆余曲折の後、再挑戦の結果、先日僅差ながら下院を通過した。
上院ではまだ過半数確保の目途がたっていないともいわれるが、様々な妥協案などと引き換えにトランプ大統領としてはこれを通過させたい意向で、成立の可能性が高いという説もあり、成り行きが注目される。
世界一位ともいわれる「国民皆保険制度」がある日本人からは、「貧しい人や高齢者にも医療保険制度を（国の費用を使ってでも）整備しよう！」というオバマケアが、アメリカでは保守層を中心になぜここまでの反対に合うのか？と不思議にさえ感じるけれど、「自己責任」を基本とするアメリカ人の考え方は、「医療サービス等の費用は、基本は個人が負担すべきものであって、国が国民の税金を使って貧者に、あれこれと手を差し延べることは、却って自由の侵害になる！という超自由主義的な考え方がアメリカ人の基本にあるからだ。
開拓者として大草原に出て行った彼等の祖先は、野生動物やインディアン、そして流れ者の強盗から身を守るために自ら武装して戦ってきたし、医者などいない草原の中では自分達で病気を治すしかなく、他人を頼っていたりしたのでは自滅してしまっただろう―――という歴史的価値観をもっていることが、オバマケア廃止に対する保守層の熱気となって現れたのだろう。
「自己責任、自己完結」こそがアメリカ人の社会観の基本であり、農作業を村という共同体で行い、村中の人間が助けあうことで米作に基づく社会を築いてきた日本の社会の「村落共同体相互扶助」精神との根本的な違いだ。
オバマケアを廃止することによって、アメリカの公的な医療費負担は、今後10年間で4兆４千億ドル削減され、その分、財政赤字も減るという試算を保守系のシンクタンクが行っているが、その数字の信憑性はともかく「財政赤字を減らすために、老人医療費とか低所得者への医療費補助なんていう制度は止めてしまうべきだ！」という論理が多数決ギリギリとはいえ通ってしまうアメリカという国を我々日本人が理解することは難しい。
考えても見て欲しい、日本で「低所得者や高齢者の医療費に国の税金を使うべきではない！」という法案が国会に提出され、それがギリギリ過半数とはいえ可決されてしまう―――なんて―――到底、考えられないではないか。
（5/23/17 10:00pm）
2017年5月23日
新幹線札幌延伸
北海道新幹線が開業一周年だそうで先日旅行会社から「夫婦で行く北海道新幹線グリーン車の旅」というＤＭが送られてきていた。
グリーン車、という点にはちょっと惹かれたものの、「新幹線で行く北海道の旅」といっても新函館北斗から札幌までの延伸は平成30年からというから、なんのことはない東京から新函館北斗までが新幹線、後は道内を在来線で回るという旅程だから、いかにグリーン車利用とはいえ北海道のほんの入り口までを4時間半かけて新幹線で行くというのは―――飛行機でいけば北海道のどんなところでも大体1時間半ちょっとでいける時代ではそれほどの魅力を感じない。（のんびりとした汽車の旅、というのには、新幹線での4時間半というのは中途半端なようにも思うし）
北海道新幹線の営業初年度は、開業効果もあって観光客を中心にしてかなりの利用者があってJR北海道に前年度比売り上げは増加したらしいが、営業経費や減価償却がかさんで収支の赤字は前年度より大幅に増してしまっているという。
在来線の赤字が嵩み、かなりの在来ローカル線を廃止することでの累積赤字削減をはかっている一方で、開業した新幹線の負担でトータルの赤字が増えている―――というのでは本末転倒にもなりかねない。
このまま本当に新函館北斗から札幌までの延伸など進めて大丈夫なのだろうか？と陰ながらちょっと心配にもなる。
ロッテ・マリーンズファンであるタカさんとしては、今年初めには、マリーンズ対ファイターズの札幌決戦を観戦にいくよていを立てていた。（シーズンに入ってみると、マリーンズの余りの低迷ぶりに、既に意気消沈、多分今年は行かないと思うが）
計画を立てていた時にも、いかに暇な身とはいえ、北海道に行くのに例え片道といえども新幹線で6時間もかけて行こうとは思わなかったように、ビジネス利用する人などで新幹線利用がそんなにあるとはとても思えないことを考えると、開業効果でそこそこに乗客があった昨年を参考に、札幌延伸！を強行することが良い結果を産むとはちょっと思えないのだが―――。
北海道新幹線とよく比較されるロンドン・パリ間の高速鉄道ユーロスターは、所要時間2時間ちょっとであるから丁度、新幹線の東京・大阪間位のものであり、これなら航空機と互角以上の勝負ができるようだが―――やっぱり5時間、6時間かかる東京・札幌となると通しでの利用客を期待するのは無理ではないだろうか。
（5/22/17 10:00pm）
2017年5月22日
忖度の責任
田中角栄が首相であったころ冬場に国道を長野から県境を越えて新潟に入ったことがはっきりとわかったのは、県境を越えた途端にそれまでの雪道から雪が消えたことだった。
新潟県側の国道には山中にもかかわらず融雪パイプが装備されていてそこから湯が流れ出しているから、いくら雪深い越後といえども国道には雪がなく快適なドライブが楽しめたのだ。
新潟を選挙地盤とする田中角栄がその権限を使って「新潟の国道には融雪パイプを敷設するように」と直接指示を出して財務省（当時の大蔵省）が予算をつけた訳ではない、有力代議士であり首相でもある今太閤田中角栄の地元選挙区を大切に！という思いを忖度（そんたく）した、大蔵省の役人たちが「新潟の国道への融雪パイプ敷設」の予算を最優先に付けたからである。当時、長野の友人が「新潟が羨ましい、長野には碌な代議士がいないから」と嘆いていたのを思い出す。
いや、ひょっとしたらあのロッキードから金を貰った位の田中角栄だから、直接大蔵の役人に「予算をつけろ」と指示した可能性もないではないけれど、まあ、そんなダイレクトにスキャンダルとなりそうなことをあの頭のよい角栄がやったとは思えない。日頃彼がてなずけていた役人が忖度した―――と考えるのが普通だろう。
なにも角栄時代に戻るまでもない。役人が動くその原動力こそ、かれらによる忖度であり、逆に言えば「役人から忖度をとったら何も動かない」というのが、今も昔も、（善悪はともかく）日本社会の実態だ。
森友問題、加計学園問題で「忖度があったかどうか」が問題とされている。その時々の政権の意向を忖度することが是か非か、となれば国民に付託された権限を役人が一部の実力者の意向にそって偏って行使するなどとんでもない！ということになるのは当然であり、その場合、勝手に実力者の意向とおぼしきものを斟酌して権限を行使した役人がその責任を問われることになるのだが―――。役人が自分達の非を認め、「私が勝手に忖度しました！」等と自白する訳もない。
そうなると、追及する術をうしなった側が、さらに追及する側が捨てぜりふのように言うのが、「忖度させた側（森友や加計学園の場合は首相周辺）の責任だ！といい始める―――。
でも、これってかなり強引、乱暴な議論だ。「忖度しろなどと言った覚えもない」と言っている本人に対して「あんたが直接指示した訳ではないにせよ、あんたの意向を忖度した役人が、こんなことを決定したに違いないのだから、あんたが責任をとって内閣総辞職しなさい」というのが民主党の蓮舫代表達の論理なのだが―――どう考えても無理筋過ぎはしないだろうか。娘があなたに惚れて恋煩いしているのだから、あなたが親である自分と娘に謝るべきだ！といわれて戸惑う色男のようなものだ。
やっぱりどう考えても役人文化の根源にある「忖度」という鵺のようなものを真っ当な政治論議に持ち込むことは、常識からは随分と外れているような気がする。
ところで、蓮舫さんの二重国籍問題、決着は付いているんだっけ？
（5/21/17 10:00pm）
2017年5月18日
公務員増員
どこの国でも公務員という職業は人気がある。
日本では、人気の秘密は、きれい事的には、憲法第15条に「公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」」と規定されている通り、他の職業のように特定の個人なり集団（例えば、株主だとか、上司だとかといった）の利益の為に働く仕事ではなく国などの県や市といった「公」、すなわち社会の為に働いているのだ！といういわゆる「生きがい」が強く感じられる仕事だからという理由が挙げられる。
もちろんそういったきれい事理由ばかりではなく、「よほど悪い事でもしない限りクビにならずに定年まで勤められる」という職の安定性だとか「業績にかかわらず年齢が上がるごとに定昇が見込める」とか「民間に比べて給与水準が高い」といった点が公務員人気の本音の理由と言っても過言ではない。
「なんで公僕と言われ、国民の税金によって何で彼等にそんな厚遇を与えるのか！」といったヤッカミ（？）を込めた批判がよく聞かれるが、この厚遇については公共経済学では幾つかの理由が言われている。
まず、一つには、「クビにならない」「給料はいいし定年まで職が確保されている」といった厚遇を失う可能性がある、不正などに手を染める事がなくなる―――という理由だ。（目の前にある小さな不正に手をだして、一生を棒に振るようなことをする公務員はいないだろう）という訳だ。
更には、公務員という職は、体制あってこそ保証された職業であり（革命政権や反体制派政権では旧体制の維持の為に働いていた公務員は排除されてしまうかもしれない）、それ故に体制側にとっては公務員が多いということは「味方が多い」ということにもつながる。
又、高い給与を与えることによって直接的な業務の成果が見えにくい公務員という仕事に対するやる気をアップさせるという効果もある。（ヘンリー・フォードが、1914年に労働者の給料を倍に引き上げたところ、フォードで働きたいという人が殺到し、又フォードで働いていた人はもっとがんばるようになり結果フォードの業績は飛躍的に伸びたという例もある）
韓国の新大統領文在寅氏の選挙公約の一つに「公務員を81万人増員する！」というのがあった。韓国の公務員総数は現在既に90万人といわれるから、まさに公務員倍増政策であるが―――。
日本同様、韓国でも、クビになることはないし、給料などの待遇もよい公務員は、財閥系の超エリート従業員でさえその大半は40代後半では退職を余儀なくされるし、いまの若者の大半が超就職難で苦しんでいるだけに、この文在寅氏が若者達の圧倒的支持を得た理由もうなずけるけれど―――大丈夫なのだろうか。日本同様、この公務員の厚遇を提供する財源は国民の払う税金であることを考えると、経済状況が悪化の一途をたどっている韓国で果たして、この公約を実現できるかは大いに疑問のあるところだが―――。
公約を果たせなければ歴代の大統領同様、文在寅さんも、国民の支持を失い哀れな末路を迎えないとも限らない―――発足したばかりの政権に縁起でもないことかもしれないが―――一言、懸念を申し上げておく。
（5/17/17
10:00pm）
2017年5月17日
自由貿易の旗手
中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際首脳会議が北京で開催されたが、オリンピック開会式同様、北京周辺の工場の操業を全て止め、市内への車の乗り入れも制限するなどしてあの悪評高いスモッグを一掃、青空の北京を見せるなどして力をいれた会議には、130ヶ国が参加しロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問といった29ヶ国の首脳がひな壇に並んだ！というのだから、習近平さんのメンツも十分立ったのではないだろうか。（もっとも、その開会式に合わせて中国が「やるなよ！」と釘を刺していたはずの中距離ミサイルを北朝鮮がぶっ放したのだから、習近平としては顔にドロを塗られた気がしているに違いないが）
日米が主導するADB（アジア開発銀行）に対抗する意味合いで中国がはじめたAIIB（アジア・インフラ投資銀行）とこの「一帯一路」を合わせて「中国は、約12兆8000億円を資金拠出する」という習近平の大盤振る舞いのアナウンスに我も我もと群がった結果が130ヶ国もの式典参加ということになったのだが、日本国内にも「これでは日米だけが乗り遅れることになるのでは―――」と疑心暗鬼の声も聞かれ始めておりその点ではこの一帯一路構想は今のところ幸先のよいスタートを切ったともいえよう。
ところで、この一帯一路会議の締めくくり首脳会議で議長を務めた習近平主席は「開放型の経済を建設し、あらゆる保護主義に反対する」とする共同声明を採択発表した。
中国が主体となって推進しようという一帯一路国際経済構想とは、「自由貿易」構想なのであってどこかの国が声高に叫ぶ「我が国ファースト」の保護貿易主義には反対するぞ！というのだ。（これって明らかに「米国第一」を掲げるトランプ米政権に対する真っ向からの非難そのものではないか！）
待てよ！つい最近までは、世界の自由貿易の旗手といえばアメリカであり、日本はその自由貿易の側にたっているからこそ戦後の目覚ましい経済発展を遂げたのであって、中国などの発展途上国における保護主義に対して批判の声をあげる側であったではないか。
ところが、ほんの半年いや数カ月の間に、中国が自由貿易の旗手に躍り出て、保護貿易回帰をみせるアメリカを非難しているのだから―――世の中の移り変わりの激しさに戸惑うではないか。
となると、日本が今まで通りに米国の側に付くということは、保護貿易宣言をする側とのみ同盟を維持し、一帯一路という自由貿易体制側には付かない―――ということになってしまうが――本当にこのまま米国一辺倒の姿勢を維持していて大丈夫だろうか―――。
トランプという人、昨日まで言っていたことを次の日にはシレッとして180度変えてしまうようないい加減な人物でもある。
「シンゾー、ドナルドという間柄だから」などと安心していると、その内、トランプが突然「米国もAIIBと一帯一路に参加する！」と言って、日本だけがこの自由貿易構想の仲間はずれにされる―――なんていうことになりはしないだろうかとちょっぴり不安だ。
（5/16/17 10:00pm）
2017年5月16日
受動喫煙
公共の場所での喫煙を禁止する法律を制定する根拠は何か？
麻薬と違って公に売られているタバコを吸うか、吸わないかの判断は当然、自由世界では個人の自由意志次第であるから、これを法で禁じる、となれば個人の権利の侵害にあたるではないか！と息巻く愛煙家も多いかもしれない。
そう責められるとちょっと旗色の悪い禁煙運動家たちが、禁煙を法で定める理由としているのがいわゆるタバコによる「受動喫煙の害」の問題だ。
タバコがガンをはじめとする多くの疾病の原因になっていることは、既に世界の医学界の常識として認められてきている。もちろんいくら「あなたの健康に良くないからタバコを止めましょう！」あるいは「止めなさい！」といっても「俺の体、俺の健康なのだからほおっておいてくれ！」「余計なお世話だ！」という人にそれでも「タバコを吸うのを止めなさい」と命ずることは、まちがいなく「個人の権利に対する侵害」になってしまうが、もしここに「あなたがタバコを吸う事によって回りにいる人々が迷惑し、健康を損なうのだから、自分さえよければとばかりタバコを吸うのはよくない」という論法が入れば、「それでも、俺の権利だ！」と言いづけることは難しい。
タバコの煙には、有害物質や発がん物質が含まれているが、これらの有害物質は、喫煙者本人の健康を奪うだけでなく、家族や友人、職場の同僚など、喫煙者の周囲にいる人達の健康も蝕んでいることが既に科学的に証明されている。
タバコの煙には、タバコを吸う人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついたタバコの先から立ち上る「副流煙」の2種類があり、副流煙の方が主流煙に比べてニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれていることが分かっている。喫煙している本人よりその周りで副流煙を吸わされている人の方がよほど多くの有害物質の害にさらされているという訳だ。
この副流煙をこころならずも吸い込んでしまうことを「受動喫煙」と呼んでいるが、例えば喫煙者の副流煙に晒されている家族（子供たち）、あるいは喫煙可である公共の場所（職場や、公共施設、飲食店といった）でこころならずも副流煙に晒されてしまう人々こそ今話題の受動喫煙の被害者ということになる。
2020年の東京オリンピックに向けて、飲食店を全面禁煙にしようという厚労省案に対して自民党の厚生労働部会猛反発、「全面禁煙では客足が遠のく飲食店が増える」と小規模店などでは喫煙を認めるべきだと言っており、厚労省案と全面対決姿勢だとか。
「吸いたい人たちの権利を守るべきだし、営業上の理由から客に喫煙できる雰囲気の場所を提供したいと思っている飲食店経営者の権利も守るべきだ！というのが自民党部会の主張なのだが―――。この自民党部会の主張に対して厚労省側は「そういう店で働き、こころならずも受動喫煙の害に晒される従業員たちの健康はどうするのだ！」と一歩も引かぬ構えだとか。
折から、豊洲移転をグズグズ先延ばししている為に、人気に陰りがみえはじめている小池百合子東京都知事は、7月の都議選の公約に「飲食店での全面禁煙」を公約にかかげ、都議会自民党との争点にしようとしているとも聞く。（さすがに目はしがきく）
そうなると都議選は「全面禁煙を訴える小池知事対、喫煙の権利を頑固に主張する自民党の争い」になる訳で――やっぱり圧倒的に小池さんの方が有利ではないだろうか。
（5/15/17 10:00pm）
2017年5月15日
捜査は適正だった？
今治の市営団地で、高齢の親子が刃物で切りつけられて死傷した事件で愛媛県警が任意で事情聴取していた近所の30歳代の女性が自殺してしまった事件、重要参考人自殺という形で幕引きとなってしまったことで、迷宮入り事件とならざるを得なくなってしまったことで警察の捜査方法に問題がなかったのかが問われている。
あくまでも「任意」の事情聴取という形で進められていた捜査であり、逮捕状が発行による身柄拘束ができなかった以上、強制的に参考人を署内に留めたりできなかったこと、あるいは家族の下に帰らせた彼女の部屋で捜査員が見張る等といったプライバシーの侵害行為は、できなかった為に自殺を防ぐことができなかったこと等、警察ばかりを責める訳にはいかない―――といった事情も分からないではないが―――。
それにしても、彼女の自殺についての「聴取と死亡との因果関係は分からないが、捜査は適正だった」という「県警は全く責任がない！」といわんばかりのコメントには、警察という組織の硬直化したお役所体質ばかりが醜く浮き出てしまっている。
彼女は遺書を残していたが、当初警察はこの遺書の内容を「プライバシーに触れるので――」と公表していなかった。警察が公表しないという事は、警察にとっては、公表するとマズイ内容が書かれていたからではないか――と誰もが思ったに違いない。
案の定、女性の遺族は、遺書の内容を公表し「私はやっていない、と書いてあった。私は、そう信じる」と語っている。そ〜ら、見ろ、遺書には「やっていない」と言っている女性を朝から夜遅くまで警察に留め置いて、ビシビシと訊問をつづけたので、女性は精神的に耐えられなくなって自殺したのかもしれない！と考える人も多いかもしれないし、そう思われると考えた警察はマズイと思ったからこそ、プライバシーがどうのこうのという理由を付けて遺書を握りつぶそうとしたのではないか？もし、遺書に「私がやりました」と書いてあった場合なら、プライバシーも何も無視して警察は公表したに違いないだろうから――と考えるのはタカさんばかりではあるまい。
彼女の自殺後、警察は今回の高齢者親子殺傷事件の1週間前に起きた同じく高齢女性の殺害事件現場から、自殺した女性のDNAが発見されていること、あるいはこの高齢親子の殺傷現場に残った血痕がこの女性の血液型と同じであったことを発表し、「参考人として事情聴取したことは、正しかった」といわんばかりであるが、それだけの物的証拠が揃うなら、その証拠をもとにして、逮捕状を請求し身柄を拘束すれば、今回のような自殺という最悪の事態を防げたのに、「なにを焦って事情聴取やら家宅捜索をしたのか！」という疑問が益々膨らむ。
高齢者殺人がこの付近で続いていたことで、地域住民が不安を感じていたのを慮って―――などとも考えられ、多少なりとも警察に同情するところはあるけれど、やはりあの居直ったかのような「捜査は適正だった」というコメントでそれもぶち壊しだ。
一連の事件では、少なくとも2人が殺され1人が重傷を負ったわけだし、その重要参考人自身も死亡してしまっている―――すなわち3人もの命が奪われ1人が重傷という大事件がこのまま、うやむやのままで幕引きとなってしまうという事の重大さを愛媛県警が十分理解していたとしたら―――やはり「捜査は適正だった」というコメントなど出せないはずなのに〜。
（5/14/17 10:00pm）
2017年5月12日
自然の生態系破壊？
2011年に起きた東北大震災と大津波は、死者・行方不明者18500人という甚大な被害を及ぼした「自然災害」であった訳だが、この津波によって沖合に流された漁船や生簀、桟橋といった沿岸部にあった物、家屋などの陸地の建造物、ガソリンタンク等々は、約500万トンに及んだという。
海に流れ出たこういった瓦礫と言われるものの多くは、漂流物となりその内、約7割は日本近海の海底に沈んだと思われるものの、残りの約3割（150万トン）は、漂流を続けその多くは震災の翌年ごろからハワイ、あるいは北米の太平洋沿岸に流れ着いているがその漂着は震災から6年が経った今も続いており、更に海底付近をゆっくりと漂っている瓦礫などの北米漂着は、これからも続くのではないかと予測されているとか。
「漂流物150万トン」といわれても一体どれぐらいの量なのか―――とてもイメージできないが、先日テレビニュースで見た韓国の漁業者が不法投棄し日本の日本海側に流れ着いた過酸化水素水入りのポリタンク6000個（総量せいぜい数トン）でさえ驚くほどの量だったのだから、150万トンともなれば、とんでもない量になるだろうし、そんな量の漂流物が押し寄せている北米西海岸の人達の驚きと困惑は想像を絶する程のものであるに違いない。
北米沿岸の人々の蒙っているこういった漂着物処理の御苦労を思うと、日本人が不法投棄したという訳ではないものの、東北大震災の震源近くに住んでいる我々日本人も、できることなら処理費用の負担などを買ってでるべきではないかとも思う。(すくなくとも韓国の不法投棄業者のように「知らんぷり」で済ませる訳にはいくまい)
ところで、この漂着を伝える記事の中に、漂流物のもたらした被害として「漂着物が生態系に悪影響！」とあったのが気になった。記事によると流れ着いた桟橋だとかブイ、漁船などに付着していたヒトデやイソガニ、ミツイシコンブ、アカバといったいままで北米に生息していなかった生物が、漂着先で繁殖をはじめており北米海岸の生態系を破壊する可能性があり、今や環境問題の世界的テーマともなりつつある「外来種による生物多様性破壊」の脅威となっている―――というのだ。
東北大震災もそれによる津波も、はたまた津波による大量の漂流物の発生も、そしてそれらの漂流物が海流に乗って北米に流れ着いたことも、すべて「自然の営みの一部」であり、その漂流物にフジツボやヒトデがくっついて漂いそれが数年を経て西海岸で繁殖を始めたことも「大自然の中での生物の自然の営み」の一つではないだろうか。この記事を書いた記者は、「自然の生物多様性が破壊されつつある」と嘆いていて、いかにも自然破壊が大震災の為にどんどん進行している！といった書きぶりだが、タカさんにいわせれば、日本の三陸の生態系（ヒトデやフジツボ、ホヤといった）が、大震災によって西海岸に生息域を拡げたとしても、それはそれで大きな意味で「自然の大きな営みの一部」と思うべきなのではないか―――とも思うし、フジツボやホヤという生物がその生息域を拡げているというその自然の生命力こそ「環境問題」を考える上でのいい参考になるような気がするのだが―――。
参照：ケン・トムソン「外来種のウソ、ホントを科学する」
（5/11/17
10:00pm）
2017年5月10日
他にいい人がいない
連休最中行われた世論調査によると安倍内閣の支持率は63.3%と前回4月初旬の調査に比べて6.5％増加し、不支持率は34.8％と前回比5.8%減となっていのだとか。
今村復興大臣の「東北でよかった！」発言やら、森友問題での昭恵夫人の醜態等々の問題もあり「内閣の緩み」が噂されるなかでのこの支持率上昇と世論の2/3に迫ろうかという高支持率は、一体何を示しているのだろうか。
同時に行われている政党支持率を見ると与党である自民党の支持率は、（毎回のことだが）内閣支持率に比べると20%から30%低い30%台であることから類推すると、「自民党を支持している訳ではないけれど、安倍首相は支持する」という人達が多いかのようにも受け取れ、人々が熱狂的に安倍首相個人を支持しているのだろう〜等と思ってしまうが、世論調査の詳細で「安倍内閣を支持する理由」という項目をみると、常に「他にいい人がいないから」という消極的支持が25％とダントツであることから、別に「安倍首相に是非やって欲しい！」と思っている世論が多い訳ではないことがよく分かる。
安倍内閣を積極的に支持している訳ではないが、あの酷すぎた民主党政権時代をおもいだせば、民進党に政権を任せる気にはなれないし、自民党内にも安倍対抗馬と思しきロクな人物がいない以上、このまま行くしかなかろう！と考えている人が多いということのようだ。
民主主義政治のよいところは、多数決という比較的、公平なルールによって政治が運営される－－―という点ではあるが、これも甲乙つけがたい（あるいは甲乙丙つけがたい）選択の中から、より良いと思うものを選ぶ場合には合理的な方法だと思うが、「腐りかけのリンゴの中から、少しはマシな方を選ぶ」ための多数決ルールだとしたら―――なんともアホらしい制度ということにもなりはしないだろうか。
安倍首相を支持している訳ではないけれど、二重国籍問題をあいまいなままに頬かむりし、自党内からでさえ次々と離反者がでている野党第一党の蓮舫さんが首相になるよりは何千倍かマシだ！と思っている人達が、世論調査では「消極的な安倍支持」に回っている―――ということではないだろうか。
フランスの大統領選挙でも、確かにマクロン氏がルペン候補の倍近い得票数をとったとはいうものの、マクロン対ルペンの二者択一だから、「極右のルペンよりはマシだろう」と消極的支持を示した層がかなりの割合に及び、いずれの候補も支持しない白票が12％もあったというから案外、日本とおなじような状況なのかもしれない。ようするに「他にいい人がいない」ということだったのかも〜。
アメリカの大統領選挙でも、トランプ氏が当選した大きな理由の一つには「ヒラリーが嫌い」という層が根強くあって、そういった層が「ヒラリーがなる位なら、トランプの方がマシ」と思って投票したことが挙げられるとか―――。
世界の政治状況を見渡してみると、かれこれ2000年以上前にはじまった「民主主義」もついに21世紀に至って、破たんをみせつつあるようにも思えるのだが―――。
（5/9/17 10:00pm）
2017年5月9日
年上女房
タカさんにとっては、フランス大統領選挙でEU統合推進を掲げる中道派のエマニュエル・マクロン氏が勝利したことが、日本にどれほどの影響があるのかよく分からないのだが、英国国民投票でEU離脱を唱えるブリグジット派が勝利したこととか、アメリカファーストを唱えるトランプ氏が米国大統領となったことなど、ここのところ選挙予測を外しまくっていたマスコミにしてみれば、「ほ〜ら、今度は予想通り！」とばかり、（今朝の朝刊は休刊日だったからだろうが）夕刊は随分早くに配達し、その一面には「仏大統領選 マクロン氏圧勝！」の大見出しをかかげてはしゃいでいた。
EU残留派勝利だったことで、このところの「自国ファースト」旋風にひとまずストップがかかったことで、今日の東京市場も終値で450円高となった。
ところで、テレビもこのマクロン氏当選のニュースを大々的に取り上げていたが、その映像を見て改めてフランス史上最年少の39歳というマクロン氏の若々しさにあらためて驚くと同時に、並んで笑顔を見せるマクロン夫人のブリジッドさんにちょっと意外な印象を持った。
70歳のトランプ氏の夫人、元モデルというメラニアさんが47歳であるように「首脳夫人」というとどうしても夫より年下というイメージに凝り固まっているタカさんにしてみると、どうもブリジッドさんの方が失礼ながらマクロン氏より年上に見えてしまったからだ。
調べてみたらブリジッド夫人は、39歳のマクロン氏より25歳年上の64歳であり、マクロン氏の高校時代の国語教師だったとか。二人が知り合った当時、ブリジッドさんは既婚で、彼女の息子さんはマクロン少年の高校同級生だったというから、フランスという国、確かに自由恋愛発祥の地だけはある。
二人は今から10年前（マクロン氏29歳の時）に結婚、二人の間には子供はないが、ブリジッドさんには前夫との間にマクロン氏と同級生だった息子さんを含め3人の子どもがいて、孫も7人いるという―――。
そういえば、かつて巨人にいたペタジーニ選手の奥さんも、ペタジーニの高校同級生のお母さんであり年齢差は確か25歳だったと記憶するが―――。
外国では夫人が年上、しかもかなりの歳の差婚は多いのだろうか。日本でも、最近は芸能界などでは、３つや4つ位の年上女房というカップルも多くなってきてはいるが、さすがに25歳年上という例は聞いたことがない。
そういえば、安倍首相夫人の昭恵さんは首相の8歳年下だそうだが、だから森友学園問題などで「若さゆえ」の過ちをして旦那の足を引っ張った―――なんていわれるのかなぁ〜。
そうそう、日本には、「年上女房は金のわらじをはいてでも探せ」ということわざもあったなぁ〜。
（5/08/17
10:00pm）
2017年５月8日
ホヤ廃棄
大島名産というクサヤの干物は珍味だそうだが、あの臭いを嗅いだだけでこれを食する人間がいるなどとても考えられないし、もし、これを我が家に持ち込むようなことがあったら離縁も辞さず！とタカさんは結婚した当初から妻に宣言していた（江戸っ子の妻は、あれほど美味しいものはないのに！と言っている）
そんなタカさんだが「海のパイナップル」ともいわれるホヤは大好物である。ホヤは好きな人は好きだが、独特の海の香りが悪臭と感じられる人もおおいとかでどちらかというと苦手という人の方が多いようで、タカさんの大好物であるにも関わらず妻は大の苦手で食卓にあるだけでもいやだという。（妻も、あの臭いが嫌いだそうだ）
そんなこともあってタカさんが好物のホヤにありつけるのは東北、特に宮城の方に旅行した時に限られる。ホヤで東北の地酒を傾ける！なんてまさに至福の時だ。
そんなホヤだが、今までの最大の販路であった韓国が原子力発電所の事故以来、日本からの輸入を禁じている為に、収穫したホヤを大量に廃棄処分にしているのだとか。
新聞によれば宮城の漁協では、昨年は生産量の約6割に及ぶ7600トンを廃棄処分にし、今年も今月から廃棄処分を初めているとか。
ホヤは海産物だから採ってきて廃棄する位なら最初から獲りに行かなければいいのに！と思ってしまったが、実はこの廃棄には原発事故を起こした東電から補償金がでるのだそうで、漁師の多くが漁にでてせっせとホヤを収穫、冷凍処理を施した後、焼却処分すれば震災前の輸出価格を上回る金額が補償されるのだという。
原発事故という災難で販路を失い、仕方なくせっせと捨てるためのホヤをとらなければならない―――という漁民を気の毒だとは思うものの、まがりなりにも「海の幸」すなわち自然の生き物を万トン単位で捨てる為にとっている―――なんとも悲しい出来事ではないだろうか。
ただ、中にはこうした状況に疑問を抱き、廃棄処分に加わらない漁師もいるという。日本嫌いで凝り固まっている韓国が宮城さんのホヤの輸入を再開する可能性は決して高くないと思うだけに、これからはあの何とも言えない珍味ホヤを日本中でもっともっと食べるようにして、宮城の漁師さんたちが、こんな虚しい漁業から一刻も早く抜け出られるようにしてあげたら―――と思うのだが。
（5/07/17 10:00pm）
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