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2022年8月
＜＜2022年：7-12月分 タイトル＞＞ 8月
08/30 ロボット兵器の行方 08/29 レーダー照射事件 08/26 本降りになって 08/25 貿易収支 08/24 教祖様は長生き 08/23
塩分と水分 08/22 ややこしいことばかり 08/19 いや、小父さん 08/10 そんなこと知っていた 08/09 おむすびころりん 08/08
半分貯金して 08/05 サトウのごはん 08/04 さざ波が大波に 08/03 宗教とカルト 08/02 猿害に思う 08/01 ウクライナ支援
2022年8月30日
ロボット兵器の行方
ペット同様に可愛がることができて充電さえすればエサを与える必要もなければ散歩に連れて行く必要もないロボット犬を一人暮らしの高齢の親に贈るという例もあるという。ロボット犬に限らず今や自動掃除機や家電類にはセンサーを備え自走し、しかもしゃべる物も少なくない。「ごはんが炊けました」と炊飯器に知らされて「ハイハイ、わかりました！」等とこたえている女性はきっと多いのではないだろうか。
ロボット犬やら家電などばかりではない、今や世の中は広い意味でロボットによって成り立っているといってもよく、自動車や鉄道などもロボット機能なしではもはや運航できないし、宇宙に行く探査機や航空機などは、むしろ人が操縦するよりもずっと確実な時代になっていることを思うと、この先人間は何をしていたらよいのか、果たして必要なのだろうか、とさえ思う。
ロシアのウクライナ侵攻でも、今や自動操縦の兵器の優劣が勝敗を決めるところにまで行っており、ロシア軍の黒海艦隊へのミサイル攻撃には、全自動ロケット兵器がつかわれ、方やロシアは、ドローンによる自爆攻撃でウクライナの民間施設を襲撃、今度はこれに対抗するために、アメリカは自動によるドローン撃墜用レーザー兵器をウクライナに供与するというから、まさに攻防は、ロボット対ロボットの時代になってしまったかのようで、これが高じると、いずれ人間の存在が見えない戦い、すなわち誰と誰が戦っているのかが分からない戦いが繰り広げられるのだろうか。
自動兵器が大量に投入される時代に入ったきっかけは、あまりに多くの兵員をうしなったベトナム戦争での経験によって以後アメリカ軍が戦争の自動化に本腰をいれたことがきっかけとなっているが、アフガニスタンやシリアなどの経過を見る限りは、かならずしも物量と自動化を備えた米軍が圧倒的に優位というわけでえもなく、狂信的なタリバンなどの人力の方が勝るといったケースもあったが―――NATO側が直接手を下さないで自動化兵器の供給の身であるのに対して、士気の低い兵員を強制的に駆り立てているロシア側と戦っているウクライナの戦いの行方が、将来の戦争への分岐点になりそうな気配もする。
人類始まって以来、兵器の開発は後戻りできない一本道をたどってきたが、それもいよいよ最終局面に入ってきたのではないかとも思えるほどだ。結局は人類の破滅というところまでいかねば止まらないのだろうか。
（8/29/22 11:00pm S.T）
2022年8月29日
レーダー照射事件
2018年12月、能登半島沖の日本海で日本のP3C哨戒機が韓国軍の駆逐艦によるレーダー照射を受けた。レーダー照射とは、攻撃する標的にレーダーの電波を発してミサイルなどの照準を合わせる為に行われる軍事攻撃の準備段階と規定されているもので、照射を受けた側も、相手が攻撃を仕掛けて来たと解釈して、戦闘態勢に入るから一触即発の非常に危険な行為である。
日本国政府は、直後に韓国側に抗議したが韓国政府は当初は「哨戒機を追跡する目的ではなかった」とか「「日本側が誤解した」などとしていたが、その後一転「レーダー照射はしていない」と日本側の抗議をあたかもでっち上げであるかのように主張を変え、挙句は日本の海上自衛隊機が低空飛行で接近し「威嚇飛行」を行ったなどと主張し完全に居直っている。度重なる日本からの物証を突き付けての抗議に対し、韓国側は数度フェイクの合成写真などで反論を試みたが、それがバレると完全に居直って頑なにただ「日本側の威嚇行為」一辺倒で逃げ回っている。
この韓国による敵対攻撃を切っ掛けとして以後日韓の関係は修復しがたい状態になっているが、最近韓国では、旧文在寅政権は、レーダー照射を指示していたと証拠が出てきている。
その文在寅政権が去って以降、日韓両国の、間に入って板挟み状態のバイデン政権からのプレッシャーもあって、日韓双方には歩み寄りを期待する勢力が経済界などを中心に出てきているという。対中、対北朝鮮、あるいは対ロシア関係を考えた場合、日韓関係を最悪事態から修復した方が、地政学上はのぞましいと考えるからだろうが―――。
しかし、ここまで4年近くもめ続けていただけに、双方ともシャンシャンシャンと「手打ち」するのもそう容易なはなしではない。日本側としては「すいませんでした」と韓国側が頭の一つもさげてくれば、後は四の五のいわずにアメリカの顔を立てて、水に流すこともできるかもしれないが、どんなことがあっても日本に頭を下げたくはない韓国は、どうにかうやむやに済ませようとするに違いない。
そうなると、いままで必要もないのに「なんだかわからないけれど、相手が怒っているようだから、まずは頭を下げておこう」という土下座外交を続け、そのために大損をしてきた日本も、さすがに戦後80年近くたっては、相手が謝らないのにあいまいなまま済ますという訳にも行くまい。さあ、どうなるか―-レーダー照射事件は全く終わってはいないのだ。
（8/28/22 11:00pm S.T）
2022年8月26日
本降りになって
子供達の教育レベルでも、出生率や平均寿命にしても、世界各国に比べてどうなっているのか気にして嘆いてみたり、鼻高々になってみたりする、というのが日本人の国民性とでもいえるものだが、コロナの週間の発生数、死亡者数が世界1位だとか2位だといわれるようになったことでは、日本中ががっくりきているのではないだろうか。
そんな最中、岸田首相はコロナの感染者の「全数把握」を見直す方針を示した。「本降りになって出てゆく雨宿り」という江戸川柳があるが、まさににわか雨だとおもって雨宿りしたものの、どんどん本降りになってきてしまい、ついに諦めてずぶ濡れ覚悟で出ていく―――という滑稽さにそっくりの全数把握見直しである。
しかも岸田さん、「もう感染者が多すぎて数えきれないから」という本当の理由をいわず、「医療従事者の負担軽減のため」などという理由を挙げているところが、なんとも笑える。
今や、全数把握を続けているのは日本と韓国だけで、その韓国では国民全員がマイナンバーをもっていてコロナ検査とマイナンバーが直結しているから全数把握が容易だというし、イギリスやアメリカのように、早々とギブアップして、陽性で症状のある人が、自主的に届け出る―――という方式をとるようにした国とでは、日本のように保健所などがほぼ手作業で数えている国との差は、ジェット機と人力車程の差があるのではないだろうか。岸田さんの決断はよしとするが、それにしても遅すぎた――本降りになる前ならまだ笑われずに済んだかも知れないのに―――。
もっとも、岸田さんだけを責める訳にもいかない。ここにいたったのは、国民全体が永い間、プライバシーがどうのこうとか、徴兵制につながる云々と、マイナンバー制度に反対しつつけてきたこととか、患者も医者も、国民皆保険制度に甘えてきたことなども関係しているのであって、たまたまリーダーになった岸田さん一人を笑い者にするのは、やり過ぎかもしれない。
（8/25/22 11:00pm S.T）
2022年8月24日
貿易収支
７月の貿易統計が発表され、貿易収支は1兆4368億円の赤字で、これで12カ月連続の赤字となったという。
赤字と聞くとびくり、とするのは家計を預かり、しかも子供のころよくお勉強していた人て「日本は貿易立国」とならったことを忘れていない人に多いかもしれない。
しかし、それは二重の意味で間違いだ。そもそも、貿易収支の赤字、黒字というのは、黒字は輸出のほうが輸入より多かった、赤字は輸入より輸出が多かった、といだけのことで、国が得をしたとか損をした、ということではない。スーパーで買物をして金を払っても「損」をしたとはいわないし、メルカリで古着を売ったから「得」した訳ではないのと同じことだ。
それにそもそも日本が「貿易立国」であるという思い込みも間違いだ。現在日本の輸出額がGDPに占める割合は、18％でこれはドイツの47％、韓国の44％に比べ極端に低くOECD加盟36ヶ国中、下から2番目の35位（最下位はアメリカの12％）だから、日本は貿易立国ではなく、有数の内需型経済大国なのだ。しかもそのGDPの規模は米国、中国に次ぐ世界第三位であることを考えると、もはや「日本は貿易立国」などという思い込みは根本的に改める必要がある。
原油価格の高騰もあって輸入額が増えてはいるが、これも国内景気が良いから、という面がある。自然エネルギーといっても狭い日本ではその立地も限られるしコストはめちゃくちゃ高い上に不安定だ。今石油を使わずに爪に火をともしていたら日本経済はめちゃくちゃなことになるだろう。（それでも良いという人は、暑い時には冷房、寒い時には暖房を使わないで欲しい）
まあ、上がった物は下がる、下がった物は上がるの自然法則からすれば円安もいずれおさまるだろうと覚悟を決めて、この際、CO2を排出しない、準国産燃料の原子力の再稼働を進めることこそベターな円安対策と言えるのではないだろうか。
（8/24/22 11:00pm S.T）
2022年8月23日
教祖様は長生き
特攻隊にせよ自爆して沈没した北朝鮮の工作船の秘密工作員にせよあるいはISの自爆テロ犯にせよ、命を懸けて目的を果たそうとした者たちは、皆若者である。彼等を死地に送った、教唆した人間は皆後方にいて、ビンラディンやザルカウイあるいは北の領袖様等々のように、テロ後何年も生きながらえ家族と共に大豪邸で暮らしているなどしている。（特攻を命じた者たちもそのほとんどが戦後安穏と生きながらえている）
十字軍の時代、身寄りのない少年たちにハシシを与えて幻覚状態にし恐怖心を無くさせた上に、反対派の要人の暗殺に駆り立てたのは、暗殺（assassin）の語源にもなっているアサシン教団のハッサン・サバーだが、彼も若者を何人も死地に送りながら、「山の老人」と呼ばれてるほどに天寿を全うしているから、教唆者が、のほほんと生きながらえていく―――という構図は、これからも多分未来永劫続いていくことだろう。
自爆死とまではいかなくとも神の名の下で多額の財産を提供させ信者を破算や破滅に落としれる宗教詐欺ともいえる行為も、教唆者が山の老人の時代とちがうところは、ハシシを与えるかどうかだけで、これからも、それによって潤っていくことにかわりはない。
オームの麻原にせよ教祖様と言われる連中は大体において太っていてテラテラと脂ぎったタイプなのも、その宗教団体の幹部は、ますます肥え太っていくのだろう。
もちろん教唆者の中には彼等の票欲しさに彼等に媚びを売り続ける与野党の政治家たちも含まれるのだが。
（8/23/22 11:00pm S.T）
2022年8月23日
塩分と水分
熱中症で死亡する人の約8割が65歳以上の高齢者だという。高齢者は体温調節機能が低下しており、体に熱がたまりやすくなっているので若年者よりも循環系への負担が大きくなりがちなのに
暑さや喉の渇きを感じにくくなり、体が出しているSOSに気づきにくくなっていることが原因だ。高齢者が熱中症で倒れるのはその7割が室内だというから、暑いからと言って家にこもって外出を控えていても、クーラーをかけこまめな水分補給をすることが肝心だという。
タカさんも3年程前に、外出先で熱中症で倒れ救急車で運ばれたことが二度あるが、その一回目のすぐ後に、再び倒れ救急搬送された時は数日間入院を余儀なくされたが、それ以来熱中症恐怖症ともいえる状態になってしまい、暑い時期の外出は極力さけ、クーラーの効いた部屋で小まめに水分補給しながら、読書などを続けるようにしているのだが、先日病院の定期健診での血液検査にて血中ナトリウム量が基準値よりも低いといわれ、先生になぜだろうかと聞いたところ、「水分を取り過ぎていて血中のNaが低くなりがちなのではないですか」と言われた。優しい先生で「しかしこの程度の低さなら熱中症になるよりもまだよいのでは―――水分は今の調子でとってください」といってくれた。
先生によると水分を我慢してとらないでいると、熱中症リスクが上がるばかりではなく、腎機能が低下してしまい最悪の場合、透析などが必要になりますから」というではないか。
タカさんの知人にも何人か透析に通っていた人がいて、その苦労話を聞いていただけに、これからもNa濃度が多少低いといわれても、こまめな水分補給を続けようと思った。それにしても、人間の体というのは、頑丈にできてはいるが、微妙なバランス上に健康を保っているのだなぁ～と感じさせられた。
健康で頑丈だと思っていた人が、細菌よりはるかに小さなコロナウィルスに侵されてあっけなく亡くなってしまうのも、この人体の微妙なバランスが、実に小さな切っ掛けで崩れてしまうということの証左なのだろう。
雨が降らなければ日照りで食糧不足になるし、降り過ぎても今度は洪水で大変なように、自然界というのは何でも微妙なバランスの上になりたっているのだ。人体にとって水分と塩分のバランスも又同じようなもののようだ。
（8/22/22 11:00pm S.T）
2022年8月22日
ややこしいことばかり
ロシアがウクライナの領土に攻め入り民間人までもを容赦なく殺戮し続けている行為は、ロシアに言わせると「特別軍事作戦」であって「戦争」ではない。
一部マスコミは「ウクライナ戦争」といっているが、国際法上で定められた「戦争」の規定である「宣戦布告の下に行われている戦い」には相当しないからロシアが「特別軍事作戦」などと呼んでロシア国民に「戦争をしている訳ではなく、あくまでもやむに已まれぬ自衛のための軍事行動に過ぎない」と欺いている――ともいえる訳だ。
宣戦布告なき実質的には戦争と言える戦いには、あのベトナム戦争がある。あの戦いでは、そもそも当事者はどこであったかと言えば南ベトナム・米軍を主力とする勢力と、方やベトナム解放戦線（ベトコン）・北ベトナムを中心とする陣営の争いではあって、例えば南ベトナム側には自由主義陣営、北ベトナム側には共産主義陣営がバックアップ勢力として参加していたから（米軍の補給基地としての大きな役割をはたしていた日本も実はベトナム戦争の主要な当事国であったと言える）、逆にベトナム戦争は当時国が余りに多すぎて「正式な宣戦布告」は、一体誰から誰にするのが正しいのかさえ分からない状態だったともいえる。
1930年に起きて後の太平洋戦争の発端となった「満州事変」も事変という名前を付けて「戦争ではない」と言いつくろった戦いだった。
「これは戦争ではなくて、あくまでも事変とか特別軍事作戦に過ぎないのだ」と戦闘の真の意味を隠そうとする行為に似たことは「戦争」の何倍も起こっている。
正式に「戦争」だと名乗ってしまうと、国民からの反発もすくなからず起きるだろうし、もし敗戦に至った場合、国全体が賠償責任や、戦争犯罪に問われることになるが、「事変」であれば場合によっては「一部の暴走」として責任者の数は、限定されるかもしれない。
近い将来あるかもしれないと言われている中国による台湾侵攻にしても、「台湾は中国領土の一部」と主張する中国にとって、台湾侵攻は「内政問題」であるという主張をするだろうから、なまじ台湾を支援したりする国は、「中国の内政問題にチョッカイを出してきた不正義の勢力」ということになってしまうかもしれない。
戦争の規定とは、なんともややこしいことばかりだ。
（8/21/22 11:00pm S.T）
2022年8月19日
いや、小父さん
中学生の時、同級生の家に遊びにいくと彼が赤ん坊をおぶっていたので「弟？」と聞いたところ「いや、小父さん」との答えが返ってきたのには驚いた。
彼のおばあちゃんが生んだ子が「小父さん」に当たるわけだから、彼のお父さんの母親が、おそらく50歳半ばをこしてから産んだ赤ちゃんということになる（おじいちゃんの若い後妻さんではないとすると）―――当時、タカさんの母方のおばあちゃんは既に亡くなっていたし、父方のおばあちゃんも70代ではあったから、友達の「いや、小父さん」には、やっぱりびっくりしたのだ。
女性の晩婚化が進み、高齢出産も増えてきてはいるとは言うもののそれでも、現在でも中学生のおばあちゃんが出産する――というケースはそんなにはないのではないかと思うが―――。
先日読んだ記事によると女性の第一子出産年齢は、ついに30歳を超えたという。生殖医療が進歩したし女性の体力も向上しているということはあるかもしれないが、それでも30歳を越してからの初産は、母体にも生まれて来る子供にもさまざまなリスクがあると言われていることを思うと、1985年でも25.5歳だったという日本の女性の第一子出産年齢が、わずか38年後には30歳を超えたというのは驚くべきことだ。（いまなら、「いや、小父さん」のケースは結構あるのかも知れないが――）
もっとも、タカさんの両親でも兄妹の数は多かったようで、父の兄と父の妹の歳の差は、10歳は優にあったし、母の兄弟も一番上と一番下では20歳近くあったときいている。
ただ、昔から初産にはリスクがあったが、経産の場合は徐々にリスクが減るとも言われていたようで、合計特殊出生率（女性が一生の内に産む女児の数）が3.0近くだったという昭和の初めごろまでは、兄弟の数の平均は6人近くにもなった訳で、タカさんの両親ともに平均家庭で育ったということなのだろう。
テニスの杉山愛さんが46歳で第2子を出産したと大分話題にはなっているようだが―――60年も前なら、さして話題にもならなかったのではないかとも思う。何しろ「いや、小父さん」の時代だったのだから。
（8/18/22 11:00pm S.T）
2022年8月10日
そんなこと知っていた
安部元首相の銃撃事件で銃撃犯が、母が入っていた韓国の新興宗教に対する恨みの矛先として安倍氏を銃撃したということで、今やその新興宗教の、数々の金儲けの為の詐欺事件に焦点が当たり、マスコミも政界も、上を下への大騒動だ。
実は過去にはこんな酷い事をやって金儲けをしていた、こんな酷いこともやっていた―――どこの党の誰某は、祝電を送っていた、だれそれは講演をやって統一教会をヨイショしていた―――と今や新聞、テレビ、週刊誌、ラジオと朝から晩までこの問題で大賑わいだ。
立花隆がかつて文藝春秋に「田中角栄、その人脈と金脈」を発表して、それがきっかけとなって政権が崩壊した時に、それまで一切その問題に触れていなかったマスコミ各社が、「そんなこと誰でも知っていることだ」と悔し紛れに言ったのと同じで、今になって、これだけの大報道をするなら、統一教会が、70年代に合同結婚式とやらで見知らぬ韓国人男性と日本人女性を結婚させたり、チンケな壺を高額で買わせたりした「心霊商法」で数千億ともいわれるインチキ商売をやっていた頃に、どこのマスコミもこれを取り上げて非難したりしなかったことを今からでも詫びてから報道すべきで、そういった反省も懺悔もないままに、いま鬼の首をとったかのよに、いかにも「あらたな事実」でもあるかのように報じているのは、はたして正しい報道姿勢といえるのだろうか――？？
この欄でも書いたが（参照：「宗教とカルト」8/3/22）金を取るのは悪い宗教、という見方もある位だから、この基準に従えば、統一教会に限らず、イスラムもキリスト教も仏教も神道までも皆悪いことになるし、そもそも宗教は皆悪い、という極論も成り立ちうる。
また、政治に影響力を及ぼす宗教や宗教団体は問題だ、といいだせば統一教会に限らず選挙になると出て来る数々の宗教団体はどうなるのか――キリスト教やイスラム教の名の下に政治活動を行っている欧米や中東の国々は、どうなるのか――という問題にまで発展してしまい、レベルの低い（？）日本のマスコミの手には余るだろう。
それ故の根本問題を棚上げし、過去の自分達の報道姿勢への反省もなしの、大騒ぎなのだろうと―――なんだか冷めた気分になってしまう。
（8/09/22 11:00pm S.T）
2022年8月9日
おむすびころりん
むかし話の「おむすびころりん」でおじいさんが切り株に腰かけて食べようとして転がってしまったおむすびは、丸形の塩むすびだったように記憶するが、いま専門店やコンビニで売っているおにぎりは、三角型、現代っ子には「おむすびころりん」のシチュエーションは今一つ理解しがたいのでは―――。
しかも、最近のおにぎりには、ほとんど海苔が巻いてあるし、具材もかつては梅干し（しかもタネ付きのまま一個）か、昆布の佃煮が定番だったけれど、中の具材も、20種類位のレパートリーがあって実に目移りして、タカさんが子供のころのものとでは、もはや同じカテゴリーの食べ物とは随分違ってきているような気がする。
タカさんの最近のお気に入りは、ゴマ高菜とか焼きたらこなどだが、先日聞いたところでは、その他にツナマヨだとか、焼き鮭やすじこなどといった昔は想像もつかなかった具も人気らしい。そうそう昔懐かしい梅干し（果肉だけ）やおかかというのもそこそこ人気だとも聞くからちょっとホッとすが―――。
日本人はイタリアにはないイタリア風料理（スパゲティーナポリタンや、ドリア、ピザトースト）、トルコにはないトルコ風料理（トルコライス）あるいは西洋のどこにもない西洋料理（クリームシチューや、オムライス、エビフライ、とんかつ）中国のどこにもない中華料理（ラーメン、天津丼、ホイコーロ、エビマヨ等々）を生み出してきたのだから、オリジナルなおにぎりをイノベートする位おてのものだったのかもしれない。そうそう、クリームパンやカレーパン、コロネなんていう菓子パンも日本発祥だと知っている人は少ないかも―――。
（8/08/22 11:00pm S.T）
2022年8月8日
半分貯金して
ラスベガスのカジノで桁違いの金額を賭ける、いわゆるVIPの国籍はどこかといえば、アラブ諸国と中国である。
アラブはなんとなく石油成金の王族かと想像できるものの、共産主義国の中国人が、なぜそんなに散財できるのか？と首を傾げたものだが、汚職や横領で濡れ手で粟の稼ぎをして―――という例が多いといわれていたが―――習近平の汚職追及キャンペーン以降、それは大分減ってはいるようだが―――。
日本でも、役所から間違って振り込まれた数千万円をあっという間にネットカジノに突っ込んでパーにしてしまった男がいたが、濡れ手で粟的な大金を手にすると人間、どうしても散財してしまうもののようだ。
まっとうに稼いだ金であっても、中国人と日本人の金の使いっぷりには大分違いがあるようだ。最近の中国で3億人にも膨らんだといわれる中間層と言われる人々の盛んな消費行動の桁は、「つましい」かつての日本の「中流層」とは大分違うようだ。
中国の中間層の多くは、都市部に住み、夫婦共稼ぎで教育投資には糸目をつけないし、消費行動は極めて旺盛---といった共通点があるという。
その中間層がコロナで日本に来られなくなり、彼等の爆買いなどの散財で潤った、日本の小売業や旅行業の中には、廃業を余儀なくされるところも続出しているという。（一時期、中国人だらけだった浅草も、先日いったら昔の落ち着きをとりもどしていたっけ）
中国の中間層と言われる人々と、日本の中流家庭との違いは、彼等が収入のほとんどを消費に回し、貯金をほとんどしないことだという。
そういえば、中国のお正月のお祝いの飾りには、よく「発財」（一発大儲けをしますように）といった願いが書いてあるが、その発財の精神の要は、大金が入って散財して金が無くなったら、又一からやり直せばいいや―――というところにあり、日本人のように、「もし宝くじに当ったら――まず半分は貯金して」などとは思わないで、なにしろ「全部使ってしまえ！」と考えるらしい。だからこそ中国人の金持ちは、ラスベガスで惜し気もなくギャンブルに散財するのかも――。
日本でのカジノ建設話も中々進んでいないようだが―――中国人観光客が今後、余り期待できそうもないとなれば、やはり取りやめが妥当かもしれない。
（8/07/22 11:00pm S.T）
2022年8月5日
サトウのごはん
昼飯時、雨が降っていて外食に行くのも面倒だし、ありあわせの物で済ませようと思う時、簡単なのはパンかご飯かということになる（カップヌードルという手もあるが、一週間か十日に一度でないと飽きが来る）
パンならばトースターで一枚焼いて目玉焼きを作ればすむし、ご飯ならばフリーズドライの「サトウのごはん」と袋入りカレー（中辛）をチンするのが一番簡単だ。
午前中出かけたわけでもない高齢者ともなれば、腹も空いていないから、そんなもので十分なのだ。
最近、ロシアの黒海の封鎖などにより、ウクライナからの小麦輸出が止っている為に、中東やアフリカの多くの国が食糧危機に陥っているとか。
日本には、元々ウクライナからの小麦は入ってきていなかったから、黒海封鎖は直接は関係ないけれど、世界的に、主に海上輸送費が高騰していることもあって、小麦などの外国産穀物の価格が上昇し、パンやパスタ、うどんやそばの類の値上げがみられるという。しかし、幸いなことに自給率100％のコメは、むしろアメリカなどから「一定量を輸入しろ！」と押し付けられているぐらいだから、価格はここ数十年間安定しており、近年はむしろ値下がりしている位だから、パンや麺類が値上げしているというなら、かつての池田首相の「貧乏人は麦を食え」ではないが「日本人は、コメを食え」といったところだろうか。
そういえば、太平洋戦争中、激闘が繰り広げられたニューギニアのジャングルでは、日本軍の兵士たちは食事の度に、飯盒でメシを炊くので、その煙をめがけて集中砲火を浴びたが、毎食乾パンと缶詰で火を使わなかった米軍は、圧倒的に優位だった、という話を聞いたことがあるが―――あの当時、もしフリーズドライのごはんと、袋入りカレーがあったら――日本軍は、あんなに大量の戦死者を出さずにすんだだろうか―――？
（8/04/22 11:00pm S.T）
2022年8月4日
さざ波が大波に
オリンピックを中止すべきではないかといった世論も出ていた21年のはじめ、日本でのコロナ発生数は、世界各国に比べたら『さざ波』のようなもので、これで五輪中止等と言い出したら笑われる―――と発言して「人が死んでいるというのに さざ波とはなんだ！」とマスコミから叩かれ辞任した内閣官房参与がいたが、あれから1年半余りが経った日本は、先週遂に「世界一感染者発生の多い国」というWHOのお墨付き（？）がでてしまった。
さざ波変じて大波、いや大波どころか、津波になってしまったという訳で、こうなるとちょっと前まで、諸外国に比べたら、法で強制されたわけでもないのに、マスク着用を守り続けていると賞賛もされた、日本人の律義さもムダだったのではないか―――という声も漂いつつある。
そろそろ、3年にもなる自粛、自粛の空気にさすがに飽きてきたころだから、どうせ世界一ならもう自粛なんてやめてしまえ――と自暴自棄になったというわけでもないだろうが―――この夏休みの人出はコロナ前に完全に戻り、コロナで人員を整理し過ぎた旅行関連産業は、一転して人手不足による苦境に陥っているというからさざ波でも大波でも大変だ。
もっとも第七波の大波が今や世界一とはいっても、これ以上の自粛をつづけると、日本の社会・経済がもたない！という判断も、もっともで、今やあの専門家会議でさえ「行動制限はしない！」と言っているのだから、3年という時間の経過で世の中変われば変わるものだ。
ところで、一応ワクチン接種もかなり進んでおり、皆が律儀に不要不急の外出を控え、マスク着用を履行してきた日本が、一体なぜ感染世界一になっているのか―――その分析をした研究結果にお目にかかったことがないが―――なんとも不思議な話ではないか―――。
感染症専門家でもないから、いい加減なことしか言えないけれど、制限を全て撤廃したという国々では、既に感染のピークを脱したところ（ポルトガル等）も多いとも聞くと、まさか彼等は制限を撤廃したことで、集団免疫を獲得し、方や律儀にマスクをし続けた日本人には、まだまだ集団免疫がついていないから―――等ということはないだろうか。
この辺のところ、当初からあれこれ教えを垂れていた専門家の先生方の納得のいく見解を伺いたいものだ。
（8/03/22 11:00pm S.T）
2022年8月3日
宗教とカルト
評論家でクリスチャンでもある曽野綾子が「悪い宗教」の基準として、「金を取るかどうか」をあげていたが、「金を取る」と言っても、お布施やお賽銭、バザーへの出品までダメなのか、それは良いとすると金額の上限はいくらか、等々疑問も残るし、下手をすると全ての宗教が「悪い宗教」になってしまうので、現実にそぐわないとも思うが（キリスト教の大教会などは、ほとんど信者の寄進によって建てられている）、昨今のあるいは歴史的な争いの多くが宗教を発端にして起こっているということを思うと、ある程度の線引きは必要ではないかとも思う。
歴史的にも古くからのキリスト教国であり、同時に自由と平等を掲げる近代民主主義発祥の国でもあるフランスも、「政治」と「宗教」の分離には頭を痛めてきた国で、それは神の名を借りて政治に踏み込んでくる宗教と、時には宗教を利用し、あるいは干渉することで神の側に踏み込んでこようとする政治側との争いであったともいえよう。
そういう長年の苦闘の一つの到達点が、1995年、フランス政府が成立させた、反カルト法である。
この法律は10項目の判断基準を定め、その宗教の教えの内容ではなく「カルト集団かどうか」で判別し、基準を満たさない集団を、カルト集団として法律的に禁じようというもので、当初は少なからぬ反対論もあったが、今や政治側、宗教側、そしてフランス国民が歓迎する法律になっているという。
その10の基準というのは、この宗教が(1)精神的不安定化、(2)法外な金銭要求（献金など）、(3)元の生活からの意図的な引き離し、(4)身体に対する危害、(5)子供の強制的な入信、(6)反社会的な説教、(7)公共の秩序を乱す行い、(8)重大な訴訟違反、(9)通常の経済流通経路からの逸脱（高額な物品販売など）、(10)公権力への浸透の企て、を行っていないかどうかだという。
クリスチャンが我が子に受けさせる幼児洗礼は、(5)にあたらないか、とかキリスト教の政治団体（政党）は、カルトに当たらないのか等々の矛盾点が置き去りになっている、といった批判もあることはあるようだが。
安倍首相が旧統一教会へ恨みを持つ犯人に銃撃されて以降、日本でも政治と宗教の問題が喧しいが、いま改めてフランス同様に、宗教とカルトの峻別の必要性が求められているように思う。
（8/02/22 11:00pm S.T）
2022年8月2日
猿害に思う
山口市の住宅街で猿に襲われてケガをする人が60人近くでて大騒ぎとなり、猿は大捕り物の末捕獲された、とのニュースがあったが、猿に襲われたというニュースは時々聞くが、野外で食べ物をかっさらうということなら、たまには聞く猿害と言っていいが、山口の猿害は網戸やガラス戸を破って突然侵入し、そこにいた人に咬みついたり、引搔いたりしてケガを負わせるというから、まさに凶暴犯だ。いやぁ、もしソファーでくつろいでいたら突然猿がガラス戸を割って入ってきて、咬みつかれたら―――と想像してみるだけでも怖ろしい話だ。
人間ならば、いかに凶暴犯と言えども真っ昼間にドアを蹴破って――などということは考えられないが、なんせそういう（人同士の）常識が通じない畜生相手だから、打つ手はない。(そういえば、吉村昭の小説「羆嵐」は、ヒグマに襲われて廃村になってしまった北海道の村の実話に基づいていたなぁ～)
それにしても、この頃はイノシシや、鹿、熊などが増えすぎて、かなりの農業被害が出ているという話だが、温暖化だ、都市化だで野生動物の絶滅が危惧される―――という話は多いのに、多くの野生動物が増えてきているという話は、あまり報じられないのはどういう訳だろうか。
環境運動カルトの人たちにとっては、やはり野生動物の個体数の増加というのは、隠したい不都合な真実ということなのだろうか。
そういえば、地球温暖化で北極の氷がどんどん溶けていて、氷がなくなくなった海を、北極熊が絶望的にも思えるように泳いでいる―――といったショッキングなドキュメンタリー映像が頻繁に流され、人々は地球絶滅の日も近いのでは――等と恐怖心にかられているが、実は2007年以来、シロクマの個体数は増え続けており、人々が危惧するような絶滅が起きる可能性はゼロだという。これはシロクマのエサとなるアザラシが、氷が少ないお陰でエサを探しやすくなり個体数を増やしているため、シロクマも増え続けているからだという。
こういう話は、NHKなどでは報じられないのはどういう訳なのだろうか。猿や鹿、猪なども厚い保護政策の為にむやみと増えているというのも、山口の凶暴猿事件でもなければ、報じられることもなかっただろう。
大自然というものは、実は人がとやかくできるほどやわではないし強靭なのかもしれない。
（8/01/22 11:00pm S.T）
2022年8月1日
ウクライナ支援
二者択一とまではいかずとも、おのずから優先順位をつけなければならないことは多い。風呂が先か、食事が先か、などというものから、愛情か金か、などという小説になりそうなものまで、ある意味、人は常にチョイスの中をさまよっているとさえいえる。
いま世界の多くの国が迫られている選択は、エネルギ―資源国であるロシアのエネルギーを買い続けるか、ウクライナを支援するか―――の選択だ。
突き詰めると、平和かエネルギーか、という選択をせまられているというのに、多くのエネルギーをロシアに依存せざるを得なくなっているドイツ、イタリア、フランスなどは、振り上げた拳骨をいつの間に掌をパーにしはじめ、今や腕を下におろしているような始末だし、サハリンの天然ガスに投資もし、かなり買ってもいる日本も、ロシアに権益を全部奪い取られるという脅しをかけられ、オロオロするばかりだ。
確かに、平和もエネルギーも両方大事ではあるとは言うものの、そんな弱味を見透かしたように、ロシアは各国の経済制裁に対してあの手この手で、エネルギー供給を止める、等と脅しをかけて揺さぶってきている。石油メジャーの中には、損失覚悟で撤退を決めたところもあるが、国家の方はオロオロするばかりというのも―――情けない話だ。
「きれいごとばかリでは、生きて行けない」ということもあるだろうが、日々ロシアの侵略で死んでいくウクライナの子供達のことを考えれば、「それでもエネルギーが大事」と堂々と叫べる人はそんなに多くはない、と信じたいものだが。
日本の場合、例えばウクライナ支援緊急対策として原発再稼働促進とか、休止石炭火力のフル稼働等などによって、エネルギーコストを大幅に下げ、電気料金などの再エネ賦課金の停止や、ガソリン税などのエネルギー減税をすることで、全体的にエネルギー価格を下げることで、結果的に、ウクライナの支援ができるはずなのだが――。
（7/31/22 11:00pm S.T）
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